『北東アジア天然ガスパイプライン のルート選定に関する研究』 中 間 発 表 修士課程研究テーマ名 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科

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『北東アジア天然ガスパイプライン のルート選定に関する研究』 中 間 発 表 修士課程研究テーマ名 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 中 間 発 表 修士課程研究テーマ名 『北東アジア天然ガスパイプライン  のルート選定に関する研究』 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 Sustainable Developmentプログラム  グローバル環境システムプロジェクト       発表*修士課程2年 山田衆三                2004年10月30日 『北東アジア天然ガスパイプラインのルート選定に 関する研究』と題しまして、修士課程2年、山田 衆三が発表いたします。

単位発熱量あたりの排出量を石炭100とした場合の割合 (1)本研究の背景 ●北東アジアにおける持続可能な3E政策の必要性  1.Energy security 2.Economic Growth  3.Environmental Protection 中東原油依存度 日本85% 日中韓75% ●天然ガスの特長  1.供給源の分散化(中東原油依存からの脱却)  2.化石燃料(石炭・石油等)のなかで最もクリーン 化 石 燃 料 硫黄酸化物 (SOx) 窒素酸化物 (NOx) 二酸化炭素 (CO2) 天然ガス 0 20~37 57 石 油 68 71 80 石 炭 100 単位発熱量あたりの排出量を石炭100とした場合の割合 本研究の背景といたしましては、まず北東アジアに おける持続可能な3E政策の必要性があります。 具体的に言いますと、北東アジアにおけるエネルギー 安全保障体制の構築、経済成長の確保、地球環境保全 です。 次に天然ガスの特長が挙げられます。天然ガスは 世界各地に埋蔵分布していることから、供給源の 分散化となり、日本で85%、日中韓で75%と 高い中東原油依存からの脱却が図れます。また、 石炭や石油をはじめとする化石燃料のなかで大気汚染 物質であるSOx、NOxや温暖化ガスであるCO2 の排出量が最も少なくクリーンです。

(2)本研究の目的 ●パイプラインの優位性(液化天然ガスとの比較)  1.世界の天然ガス貿易の80%を占める輸送手段  2.中短距離の場合、輸送コストがより安価  3.輸送ライフサイクルにおける環境負荷低減・高効率 ========================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================================== パイプライン輸送:大口径鋼鉄製パイプ(仕様は直径1m前後・ガス出力70~100気圧程度・鋼板厚15~25mm)、             コンプレッサーステーション(昇圧基地)、中央制御管理システムで構成 液化天然ガス(LNG)輸送:大型貨物船舶(タンカー)、天然ガス授受(液化・再気化)基地、配給パイプラインで構成  輸送経路での需要波及効果(局所から広域へ) 本研究の目的は、液化天然ガスと比較した場合の パイプラインの優位性として、世界の天然ガス貿易 の80%を占める輸送手段であり、中短距離の場合、 輸送コストがより安価であり、輸送ライフサイクル における環境負荷を低減でき高効率です。そして、 最大のメリットは輸送経路での需要波及効果が期待 できることです。 よって、旧ソ連に存在する大規模な天然ガス田から 日本向け北東アジア市場への輸送を目的とした国際 高圧パイプラインの最適なルート選定について研究 します。 旧ソ連に存在する大規模天然ガス田(供給地)から日本向け北東アジア市場への輸送を目的とした国際高圧パイプラインの最適なルート選定について研究

(3)本研究のスコープ(対象範囲) 未開発エリア 北東アジア市場 西シベリア 欧州 市場 サハリン大陸棚 東シベリア 中央アジア (カスピ海地域) 北東アジア市場 本研究のスコープといたしまして、主な供給地は、 サハリン大陸棚、東シベリア、西シベリア、そして 中央アジア・カスピ海地域であり、これら供給地 からパイプラインで輸送する北東アジア市場向けの ルートについて研究します。 ただ、西シベリアは欧州市場、中央アジアは欧州 市場、インドやパキスタン等の南アジア市場と競合 することから、北東アジア市場のみを対象とし、 未開発であるサハリン大陸棚と東シベリアが有望で あると考えます。 南アジア 市場

(4)本研究の行程 1.基礎調査 先進事例の把握・検証・考察 2.情報収集を目的としたヒアリング 関連省庁・外郭団体、産業界等の専門家 パイプラインネットワーク 欧州140万km以上 北米50万km以上 1.基礎調査  先進事例の把握・検証・考察  欧米でパイプラインネットワークが発達した促進要因等 2.情報収集を目的としたヒアリング   関連省庁・外郭団体、産業界等の専門家 3.オリジナルなルートモデルを探索・構築 4.ルートモデルの試算結果に基づき評価し   結論・今後の課題を修士論文にて明記 本研究の行程といたしまして、先進事例に関する 基礎調査を行いました。具体的には、欧州で域内外 を含め140万km、北米で50万km以上もの パイプラインネットワークが形成された促進要因等 を調べました。 また、本研究の情報収集を目的として、経済産業省 資源エネルギー庁等の関連省庁や独立行政法人石油 天然ガス・金属鉱物資源機構、財団法人日本エネ ルギー経済研究所等の外郭団体、新日本製鐵㈱、 東京ガス㈱等の産業界の専門家にヒアリングを行い ました。 現在はオリジナルなルートモデルを探索し構築する ための研究を行っています。 最終的には、ルートモデルの試算結果に基づき評価 し、結論、今後の課題を修士論文にて明らかしたい と考えています。

欧米ではパイプライン埋設空間としても活用 (5)ルートモデルの構築手法 ①北東アジアの天然ガスパイプライン整備動向を把握 ②未確定区間⇒北東アジアの輸送回廊を把握・参考 ①及び②を組み合わせ、需要が見込まれる人口の多い 主要都市や国家レベルの開発区も考慮してマップ上に オリジナルな近似的ルートモデルを構築 日本・朝鮮半島・中国・ロシア極東 鉄道・道路網及び港湾施設  欧米ではパイプライン埋設空間としても活用 では、具体的なルートモデルの構築手法ですが、 まず、①として北東アジアの天然ガスパイプライン の整備動向を把握しました。対象は日本、朝鮮半島、 中国、ロシア極東です。 次に、ルートのはっきりしない未確定区間に関し ましては、輸送回廊を把握し参考としました。 輸送回廊とは、鉄道・道路網、あと港湾施設を指し、 欧米では、パイプラインの埋設空間としても活用 されています。 ①と②を組み合わせ、さらに需要が見込まれる人口 の多い主要都市や国家レベルの開発区も考慮して マップ上にオリジナルな近似的ルートモデルを構築 します。そして、本モデルを用いて各ルートの敷設 に係る建設費を試算し経済性・国情を重視して評価、 整備優先順位を決定します。なお、マイクロソフト 社の電子地球儀を用いて敷設距離を測定しました。 本モデルを用い各ルートの敷設に係る建設費を試算 経済性・国情を重視して評価、整備優先順位を決定 Microsoft社の電子地球儀ソフト「Dynamic Globe」 を用いて敷設距離を測定

(前提)パイプライン敷設費単価表(単位:億円/km) 欧州・北米 一般陸上 1~2 北東アジア (ユーラシア大陸部) 総合研究開発機構の受託で ㈱コーエイ総合研究所試算  3 特殊陸上 (永久凍土・山岳部等)  9 日本列島 アジアパイプライン研究会 事務局㈱三菱総合研究所試算 陸上(現状) 10 陸上 (規制緩和後)  8 陸上(中位値) 海域 海底  4 本モデルの前提条件として敷設費単価は、欧米の 一般陸上で1kmあたり1~2億円ですが、国際 パイプラインの実績がない北東アジアにおいては、 一般陸上で3億円、永久凍土や山岳部等の特殊陸上 では9億円と試算されています。また、日本列島の 場合、山間部の多い地形、地権者への賠償、法的な 規制等もあり現状では10億円、規制緩和後は8億 円となる試算ですが、今回は中位値である9億円を 採用しました。海域は海底パイプラインで4億円と 言う試算です。 山間部の多い地形 地権者への賠償 法的な規制

(6)ルートモデル(サハリン大陸棚のケース) 北朝鮮有事のバックアップ サハリン大陸棚 想定ルート② 想定ルート① ハバロフスク 中国東北地区 コルサコフ ハルビン 長春 道央圏(札幌・苫小牧) 羅先 ウラジオストク 確認埋蔵量 2.7兆m3 瀋陽 清津 太平洋 大連 元山 日本海 推定埋蔵量 3~3.5兆m3 では、具体的なルートモデルですが、サハリン大陸 棚の場合、天然ガスの確認埋蔵量が2.7兆m3、推定 埋蔵量は3~3.5兆m3とされており、これは日本の 天然ガス輸入量40~50年分に相当する量です。 まず想定ルート①としては、サハリン大陸棚から 北海道の道央圏、そして日本海を経由して新潟市に 至る場合と太平洋を経由して千葉県白子町に至る場 合で、既存のパイプラインと接続して首都圏、 さらに清水市から近畿・中部圏に向けて輸送します。 次に想定ルート②としては、ロシア極東、朝鮮半島 を経由し、北九州市から姫路市までは新設し既存の パイプラインと接続して近畿・中部圏、さらに豊橋 市から首都圏に向けて輸送します。あと北朝鮮有事 のバックアップとしてロシア極東ハバロフスク地方 から中国東北地区の各都市を経て、遼寧省大連から 黄海を渡り韓国、日本に至るルートも試算しました。 黄海 仙台 平澤 新潟 釜山 首都圏 大邱 近畿・中部圏 白子 清水 日本の天然ガス輸入量 40~50年分に相当 姫路  豊橋 北九州

潜在的市場規模の代理変数を 沿線人口とした場合の建設効率 沿線 人口 あたり 建設費 (万円/人) 敷設 距離 (千km) 建設費 (兆円) ①日本海経由 ①太平洋経由 ②朝鮮半島経由 ②日中韓

ルートモデル(サハリン大陸棚・想定①,②)試算評価 想定ルート① 第三国を介さず直接日本向けに輸送可能⇒利便性が高い 特に日本海を経由するルートが経済的     日本領内整備の際には多額の先行投資を要することから、 欧米の事例を参考に「公設民営方式」が望ましい 想定ルート② 北朝鮮を迂回し日中韓に輸送する有事の際のバックアップ ルートが経済的 現在、北朝鮮が抱えるエネルギー不足は深刻であり、 朝鮮半島を縦貫するパイプラインも考慮すべき ただ、北朝鮮の政情不安が払拭され、輸送上の安全 (安定供給)が保証されることが大前提 試算結果に基づき評価を行ったところ、想定ルート ①は、第三国を介さず直接日本向けに輸送可能で あり利便性が高く、特に日本海を経由するルートが 経済的です。ただ、日本領内を整備する際は多額の 先行投資を要することから欧米の事例を参考に公設 民営方式が望ましいと考えます。 想定ルート②は、北朝鮮を迂回し日中韓に輸送する 有事の際のバックアップルートが経済的ですが、 現在、北朝鮮が抱えるエネルギー不足は深刻であり、 朝鮮半島を縦貫するパイプラインも考慮すべきです。 ただ、北朝鮮の政情不安が払拭され、輸送上の安全 が保証されることが大前提となります。 現状は経済性、国情を鑑み想定ルート①、なかでも 日本海経由の整備優先度が高いと評価します。 現状は経済性、国情を鑑み想定ルート①、なかでも 日本海経由の整備優先度が高い

(7)今後の研究内容 東西シベリア及び中央アジア(カスピ海地域)からの日本 向け北東アジア市場ルートモデルを構築する 構築した各ルートモデルの試算結果に基づき、経済性等 客観的な評価を行う。さらに、所得格差やカントリーリスク、 政治的要因等の現実的な事項も絡め、感度分析による 実効性あるモデリングに向けて、ルートの精緻化を図る 最後に今後の研究内容といたしましては、サハリン 大陸棚に引き続き、東西シベリア、中央アジアから の日本向け北東アジア市場のルートモデルを構築 します。これらルートは敷設距離が長くなり建設費 は高くなりますが、巨大な中国市場を介することで 潜在的市場規模は大きくなり、建設効率は高くなる と期待されます。 次に、構築した各ルートモデルの試算結果に基づき、 経済性等、客観的な評価を行います。さらに、所得 格差やカントリーリスク、政治的要因等の現実的な 事項も絡め、感度分析による実効性あるモデリング に向けてルートの精緻化を図ります。あと、時間が 許す限り、経済効果も評価したいと考えています。 そして、本研究のまとめと結論、今後の課題を修士 論文にて明らかにします。 以上、ご清聴ありがとうございました。 本研究のまとめと結論、今後の課題を修士論文にて 明らかにする 以上、ご清聴ありがとうございました

(参考)北東アジア(国・地域別)の主な課題 日 本 資源小国 エネルギー安定供給確保 韓 国 北朝鮮 エネルギー不足 国際社会からの孤立 中 国 急速な経済成長に伴う エネルギー消費増大 石炭使用による環境悪化 ロシア極東 資源豊富・未開発エリア モンゴル