『ギリシャはユーロから 離脱すべきか?』 【否定派】 長谷川 雄紀 田中 道信 山本 恵美
「ギリシャはユーロから 離脱すべきではない」 以上3点より、我々は、 と主張します! 主張① ギリシャにとって ユーロ離脱はマイナス ユーロ離脱はマイナス 以上3点より、我々は、 「ギリシャはユーロから 離脱すべきではない」 と主張します! 主張② ギリシャの離脱は ユーロ自体の存続危機をもたらす 主張③ギリシャはユーロに留まり 財政再建を目指すべき
我々の主張に入る前に・・・ 『ギリシャはユーロから 離脱すべき!?』 ギリシャ問題とは? 格付け会社によるギリシャ国債の格付けが引き下げ ↓ ギリシャ国債は売られ、国債価格が暴落 その後、ユーロ圏の他の国の財政赤字も注目されるようになり、 ユーロに対する信頼が大きく低下! 2009年10月にギリシャで政権交代があり、その際に前政権が財政赤字を小さく発表 していたことが発覚! ギリシャ政府への不信感や、 財政に対する懸念が高まった! 『ギリシャはユーロから 離脱すべき!?』 (今回のテーマ) ギリシャの財政状況の悪化が表面化! 我々の主張に入る前に・・・ その結果 財政赤字は、 GDPの5%程度 【旧政権】 財政赤字は、 GDPの13% 累積債務は、 GDP比115% 【新政権】 しかし、 未だにギリシャ危機の 解決には至っていない? ★EU(欧州連合)・IMF(国際通貨基金) ⇒ギリシャに対する融資等、救済策 ★ギリシャ ⇒財政赤字縮小に向けた取組の強化
以上を踏まえたうえで、 我々の主張に入ります!
主張① ギリシャにとって ユーロ離脱はマイナス
切り下がれば切り下がるほど、実質負担は増加! 主張① ギリシャとってユーロ離脱はマイナス *ギリシャがユーロを離脱した場合、 さらなる債務の増加! ⇒デフォルト(債務不履行)は 避けられない状況に! 図:ギリシャの債務残高と 財政赤字 (GDP比、%) ギリシャの通貨 ⇒『ユーロ』 から 『ドラクマ(ユーロ統合前の通貨)』に。 【ドラクマとユーロのレートの変化予想】 【ユーロ加盟時(2001年)】 1ユーロ (EUR) = 340ギリシャドラクマ (GRD) 【ユーロ離脱後】 1ユーロ (EUR) = 700ギリシャドラクマ (GRD) ギリシャの債務残高は 2010年時点で 既にGDP比145%! しかし、ギリシャへの不安からドラクマに対する信認を得ることは難しく、 ドラクマがユーロに対して大幅に切り下がるのは避けられない。 また、通貨は変われど、 ギリシャがユーロ加盟国に対して抱える債務はユーロ建て。 ドラクマがユーロに対して 切り下がれば切り下がるほど、実質負担は増加!
主張① ギリシャとってユーロ離脱はマイナス さらなる債務の増加! ⇒デフォルト(債務不履行)は 避けられない状況に! *ユーロ圏からの支援が受ければ? これまでもユーロ圏諸国やEUは、欧州全体への危機の波及懸念から、ギリシャに対して多額の支援を行ってきた ⇒今後もその方針は継続(バローゾ欧州委員長) ギリシャは、ユーロ圏に留まるべき! しかし! ユーロからの離脱した場合、 ユーロ圏からの支援が受けにくくなる! 図:ギリシャに対する融資計画(単位:億ユーロ)
よって、 ギリシャはユーロから 離脱すべきではない!
主張② ギリシャの離脱は ユーロ自体の存続危機をもたらす
ユーロのさらなる下落! 主張② ギリシャの離脱はユーロ自体の存続危機をもたらす ギリシャへの不安がPIIGSへ連鎖! ⇒ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの5カ国の頭文字。この5か国は、ユーロ加盟国の中でも、財務状況が悪く、信用リスクも高い。 ギリシャがユーロ離脱した場合、間違いなく市場は 『次はどこか!?』という局面に陥る。 ギリシャの影響を第一に受けるPIIGS等財務懸念国は さらなる信用不安に陥ることは避けられない。 ⇒ユーロのさらなる下落! ユーロのさらなる下落! *ギリシャ問題の影響を受け、PIIGS諸国の国債格付けは 2009年以降下がる一方 *もちろん長期金利も 近年では上昇傾向 ギリシャへの不安がPIIGSへ連鎖! 図:ユーロ圏諸国の長期金利 (10年物国債利回り) 図:欧州財政悪化国の格付け(S&P) 図:PIIGS向け債権残高(2010) ギリシャのユーロ離脱の影響が PIIGSへと波及した場合、 それはPIIGS向け債権を多く抱える 欧州各国へと連鎖していく!
ドイツやフランスにも大きな影響を与える! 主張② ギリシャの離脱はユーロ自体の存続危機をもたらす 例えば イタリアの信用不安 ユーロ圏自体の存続の危機を招く! 図:イタリアとギリシャの比較データ ユーロ圏では現在、ギリシャの影響を受けて イタリアの信用不安が拡大している イタリアのさらなる信用不安は、 関係性の強いユーロ圏の中核国である ドイツやフランスにも大きな影響を与える! イタリアの経済規模と 各国との結びつきは ギリシャとはケタ違いに 大きく強い! *イタリアのGDPは ギリシャの約7倍! *欧州からの投融資残高は ギリシャの約8倍! 図:イタリア10年物国債の利回り 今月15日のイタリア国債の 利回りは、欧州の債務危機の懸念から、7.05%に! ⇒7%は『自力での資金調達が難しくなるライン』
よって、 ギリシャはユーロから 離脱すべきではない!
主張③ギリシャはユーロに留まり 財政再建を目指すべき
主張③ ユーロ圏諸国によるギリシャの救済は可能 ユーロ圏においては、現在、『ギリシャ危機への対応』や『ユーロ圏の金融システムの安定化』に向けて、対応策の充実が図られている。 包括的対応策の合意 図:ギリシャ債務の削減による 債務削減の見通し ➀民間によるギリシャ国債の元本削減 ②EFSFの融資能力の拡大 ③EU域内金融機関の資本増強 欧州安定メカニズム (ESM)の設立 今後は各国が連携しながら 長期的なスパンで 債務の削減を目指していくべき 恒久的な支援の枠組みの構築 ギリシャ政府向け 第2次支援策の実施 ギリシャに対する約1100億ユーロの融資
主張③ ユーロ圏諸国によるギリシャの救済は可能 加えて こうした支援策を受けながら、 ギリシャ国内においては、財政赤字の削減(歳入増加と歳出削減)に向けた取り組みの強化・継続や、債務削減策の推進といった取り組みを継続していく。 支援や救済の受け入れには、 「ギリシャの緊縮財政による財政再建への取組み」 等が前提であり、国民の反発は予想される。 しかしながら、ユーロ離脱時の影響を考慮すると、 ギリシャとしてもユーロ全体としても、 ギリシャはユーロ圏に留まり、 支援を受けながら財政再建を目指すべき!
よって、 ギリシャはユーロから 離脱すべきではない!
「ギリシャはユーロから 離脱すべきではない」 「ギリシャはユーロから 離脱すべきではない」 主張① ギリシャにとって ユーロ離脱はマイナス 主張② ギリシャの離脱は ユーロ自体の存続危機をもたらす 主張③ギリシャはユーロに留まり 財政再建を目指すべき
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