文部科学省 初等中等教育局 初等中等教育企画課 教育制度改革室 大類 由紀子

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文部科学省 初等中等教育局 初等中等教育企画課 教育制度改革室 大類 由紀子 平成29年12月16日 夜間中学セミナー 「夜間中学」から学ぶ 文部科学省 初等中等教育局 初等中等教育企画課 教育制度改革室  大類 由紀子

本日、皆さんと共有したいこと 第1章 夜間中学ってどんな学校? 第2章 どんな人が入学するの? 第3章 どんな教育をするの? 第1章 夜間中学ってどんな学校? 第2章 どんな人が入学するの? 第3章 どんな教育をするの? 第4章 夜間中学をつくるには・・・

1.夜間中学ってどんな学校? 夜間中学の経緯 1.夜間中学ってどんな学校?       夜間中学の経緯 ○ 戦後の混乱期の中で、生活困窮などの理由から昼間に就労または家事手伝い等を余儀なくされた学齢生徒が多くいたことから、それらの生徒に義務教育の機会を提供することを目的として、昭和20年代初頭に中学校に付設された。   ○ 昭和30年ごろには、設置中学校数は80校以上を数えたが、就学援助策の充実や社会情勢の変化に伴って減少してきた(平成29年5月現在、8都府県25市区31校)。 ○ 現在は、日本国籍を有しない者が増加しており、義務教育未修了の学齢超過者や、   外国人等で日本語の学習を希望する者を対象に幅広い教育を行っている。  (参考1)年齢別生徒数(平成29年7月1日現在)※日本国籍を有しない者1,356人 (参考2)未就学者数の状況 年齢 学齢者 15∼19 20∼29 30∼39 40∼49 50∼59 60∼ 計 342 285 225 217 162 456 1,687 調査実施年 昭和35年 昭和45年 昭和55年 平成2年 平成12年 平成22年 計 1,488,300 599,755 308,639 217,605 158,891 128,187 (人) ※未就学者の定義:「在学したことのない人又は小学校を中途退学した人」とされている。(H22年国勢調査) (人)

夜間中学の設置状況 設置主体 学校名 大洲(おおす)中学校 殿馬場(とのばば)中学校 文花(ぶんか)中学校 岸城(きしき)中学校 千葉県市川市 大洲(おおす)中学校 大阪府堺市 殿馬場(とのばば)中学校 東京都墨田区 文花(ぶんか)中学校 大阪府岸和田市 岸城(きしき)中学校 東京都大田区 糀谷(こうじや)中学校 大阪府東大阪市 布施(ふせ)中学校 東京都世田谷区 三宿(みしゅく)中学校 長栄(ちょうえい)中学校 東京都荒川区 第九中学校 大阪府八尾市 八尾(やお)中学校 東京都足立区 第四中学校 大阪府守口市 さつき学園 東京都江戸川区 小松川(こまつがわ)第二中学校 大阪府豊中市 東京都葛飾区 双葉(ふたば)中学校 兵庫県神戸市 丸山(まるやま)中学校西野(にしの)分校 東京都八王子市 第五中学校 兵庫(ひょうご)中学校北分校 神奈川県川崎市 西中原(にしなかはら)中学校 兵庫県尼崎市 成良(せいりょう)中学校琴城(きんじょう) 分校 神奈川県横浜市 蒔田(まいた)中学校 奈良県奈良市 春日(かすが)中学校 京都府京都市 洛友(らくゆう)中学校 奈良県天理市 北中学校 大阪府大阪市 天王寺(てんのうじ)中学校 奈良県橿原市 畝傍(うねび)中学校 天満(てんま)中学校 広島県広島市 観音(かんおん)中学校 文(ふみ)の里(さと)中学校 二葉(ふたば)中学校 東生野(ひがしいくの)中学校 こちらが、現在ある中学校夜間学級の一覧です。先ほど申し上げたとおり、8都府県に31校が設置されています。関東と関西に集中していることがわかるかと思います。中には、義務教育学校内に設置されている夜間学級もあります。

兵庫県 神戸市 尼崎市 京都府 千葉県 京都市 市川市 広島県 広島市 東京都 足立区 葛飾区 墨田区 世田谷区 大田区 荒川区 神戸市 尼崎市 京都府  京都市 千葉県  市川市 広島県 広島市  東京都 足立区 葛飾区 墨田区 世田谷区 大田区 荒川区 江戸川区 八王子市  神奈川県  横浜市 川崎市  奈良県  奈良市 天理市 橿原市 大阪府 大阪市 堺市 八尾市 東大阪市  守口市 豊中市 岸和田市 ※沖縄県は地図を拡大しています。

学校数と在籍生徒数の推移 出典:2016年度第62回全国夜間中学研究大会資料 (校) (人)

第2章 どんな人が入学するの? 都道府県別の未就学者数の状況 50名以上確認された市町村 市町村名 人数 仙台市 505名 登米市 287名 第2章 どんな人が入学するの? 都道府県別の未就学者数の状況 都道府県 未就学者数 北海道 7,374 滋賀県 1,443 青森県 2,687 京都府 3,249 岩手県 1,731 大阪府 12,195 宮城県 1,643 兵庫県 6,271 秋田県 2,145 奈良県 1,125 山形県 1,281 和歌山県 1,341 福島県 2,344 鳥取県 764 茨城県 2,842 島根県 841 栃木県 2,745 岡山県 1,306 群馬県 2,230 広島県 2,593 埼玉県 4,787 山口県 1,678 千葉県 3,991 徳島県 1,425 東京都 7,244 香川県 899 神奈川県 5,116 愛媛県 1,329 新潟県 2,158 高知県 1,016 富山県 726 福岡県 6,543 石川県 815 佐賀県 877 福井県 664 長崎県 1,868 山梨県 1,114 熊本県 3,028 長野県 2,061 大分県 998 岐阜県 1,405 宮崎県 1,219 静岡県 2,509 鹿児島県 3,448 愛知県 4,372 沖縄県 6,541 三重県 2,206 計 128,187 50名以上確認された市町村 市町村名 人数 仙台市 505名 登米市 287名 石巻市 145名 大和町 112名 大崎市 108名 栗原市 55名 気仙沼市 53名 出典:平成22年国勢調査

多様な生徒の受入れ ○様々な事情からほとんど学校に通えず、実質的に十分な教育を受け ○様々な事情からほとんど学校に通えず、実質的に十分な教育を受け          られないまま学校の配慮等により中学校を卒業した者のうち、改めて  中学校で学び直すことを希望する者(入学希望既卒者)の受入れ  (平成27年7月30日付「義務教育修了者が中学校夜間学級への再入学を希望した場合の対応    に関する考え方について(通知)」) ○小学校未修了者が中学校相当年齢に達しており、中学校夜間学級  等に入学を希望する場合、入学を認めることが適当  (平成28年6月17日付「小学校等の課程を修了していない者の中学校等入学に関する取扱い   について(通知)」) ○不登校の学齢生徒について、本人の希望を尊重した上での受入れも  可能  (平成28年9月14日付「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」)

不登校児童生徒の推移(国公私立小・中学校) ○ 平成28年度の国公私立小・中学校の不登校児童生徒数は13万人以上であり、中学校では生徒の33人に1人の割合である。 平成28年度:134,398人(前年度125,991人) 小学校 :  31,151人(208人に1人) 中学校 : 103,247人( 33人に1人)               (人) 計 このうち出席日数が10日未満の者は、  小学校2,232人  中学校は12,602人 把握されている。 中学校 小学校 (注) 不登校の定義は、年間30日以上欠席した児童生徒のうち、病気や経済的な理由を除き、 「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者」 (出典)文部科学省 「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(平成28年度速報値)

平成29年度夜間中学等に関する実態調査【結果の概要】  教育機会確保法において、地方公共団体は夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずるものとされたこと等を踏まえ、各地方公共団体(都道府県・市町村)における就学機会の提供等に係る対応状況、協議会の設置状況、夜間中学に関する実態等について調査を実施。 < 結果の概要 > 平成29年7月1日現在 【夜間中学の設置促進】 (1) 現在8都府県25市区31校に夜間中学が設置 (2) 「夜間中学の新設に向けた検討・準備を進めている」と回答 ・・・ 6都道府県(12.8%)と74市町村(4.3%)   そのうち、夜間中学新設の具体的な時期が決まっているのは、2市(松戸市、川口市) (3) 教育機会確保法第15条に基づく協議会について   ① 「設置予定」と回答 ・・・ 1都道府県(2.1%)   ② 「協議会に類する検討組織を設置済」と回答 ・・・ 13都道府県(27.7%)と29市町村(1.7%) 【夜間中学における多様な生徒の受入れ拡大】 (1) 夜間中学に通う生徒数は1,687名   そのうち、義務教育未修了者は258名(15.3%)、入学希望既卒者は73名(4.3%) (2) 夜間中学で学ぶ生徒の属性について   ① 60歳以上の生徒 ・・・ 456人(27.0%)  ② 15~19歳の生徒 ・・・ 342人(20.3%) (3) 夜間中学卒業後の進路について ① 高等学校進学 ・・・ 155人(45.1%)  ② 就職 ・・・ 60人(17.4%) など

学校別の生徒数 (人) 200 1校あたりの平均:54.4人 150 100 50 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

属性別の生徒数 属性別の生徒数 夜間中学に通う全生徒数:1,687人 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

年齢別の生徒数 年齢別の生徒数 ① 男 女 ① 年齢別の生徒数 学齢期 15(※)~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 年齢別の生徒数  年齢別の生徒数 ① ① 年齢別の生徒数 学齢期 15(※)~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上 合計 男 196 123 74 45 34 113 585 (0.0%) (11.6%) (7.3%) (4.4%) (2.7%) (2.0%) (6.7%) (34.7%) 女 146 162 151 172 128 343 1,102 (8.7%) (9.6%) (9.0%) (10.2%) (7.6%) (20.3%) (65.3%) 342 285 225 217 456 1,687 (16.9%) (13.3%) (12.9%) (27.0%) (100%) ( )内は生徒数合計を100%とした場合の割合 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

年齢別の生徒数 ② 男 女 ② 日本国籍を有しない者の年齢別生徒数(前頁表の内数) (年齢別) 学齢期 15(※)~19歳 20~29歳 年齢別の生徒数 ②   ② 日本国籍を有しない者の年齢別生徒数(前頁表の内数) (年齢別) 学齢期 15(※)~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上 合計 男 178 106 70 36 25 45 460 (0.0%) (10.6%) (6.3%) (4.1%) (2.1%) (1.5%) (2.7%) (27.3%) 女 126 149 145 158 101 217 896 (7.5%) (8.8%) (8.6%) (9.4%) (6.0%) (12.9%) (53.1%) 304 255 215 194 262 1,356 (18.0%) (15.1%) (12.7%) (11.5%) (15.5%) (80.4%) ( )内は生徒数合計を100%とした場合の割合 (※)満15歳に達した日の属する学年の終わり以降で、調査時点(平成29年7月1日)に15歳であった者 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

夜間中学入学理由 夜間中学入学理由 ① 312 24 474 249 165 461 2 1,687 (18.5%) (1.4%) 夜間中学入学理由  夜間中学入学理由 ① 高等学校入学 職業資格の取得 中学校教育の修了 中学校程度の学力の習得 読み書きの習得 日本語会話能力の習得 日本の文化理解 合計 312 24 474 249 165 461 2 1,687 (18.5%) (1.4%) (28.1%) (14.8%) (9.8%) (27.3%) (0.1%) (100%) ( )内は生徒数合計を100%とした場合の割合 ① 日本国籍(上表の内数) 夜間中学に通う日本国籍の生徒数:331人 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

夜間中学入学理由 ② 日本国籍を有しない者(前頁表の内数) 夜間中学に通う日本国籍を有しない者の生徒数:1,356人 夜間中学入学理由  ② 日本国籍を有しない者(前頁表の内数) 夜間中学に通う日本国籍を有しない者の生徒数:1,356人 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

夜間中学卒業後の状況 (平成28年度卒業生) (卒業後の状況別) 日本国籍 日本国籍を 有しない者 合計 高等学校進学 29 126 155 夜間中学卒業後の状況 (平成28年度卒業生) (卒業後の状況別) 日本国籍 日本国籍を 有しない者 合計 高等学校進学 29 126 155 (8.4%) (36.6%) (45.1%) 専修学校進学 1 (0.0%) (0.3%) 就職 10 50 60 (2.9%) (14.5%) (17.4%) その他 37 91 128 (10.8%) (26.5%) (37.2%) 76 268 344 (22.1%) (77.9%) (100%) ( )内は平成28年度に夜間中学を卒業した生徒数を100%とした場合の割合 平成28年度に夜間中学を卒業した生徒数:344人 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

(参考) 「入学希望既卒者」の夜間中学への入学許可フロー例 (参考) 「入学希望既卒者」の夜間中学への入学許可フロー例 入学希望既卒者 事前相談(※) 入学を希望する夜間中学 入学希望既卒者が卒業した中学校 ②収容能力の確認 ①入学希望  就学履歴の申告 ⑥回答 (転校元から受領した指導要録の写しも確認。指導要録の保存年限を超過している場合等は、可能な範囲で回答) ⑤指導要録等の確認  当時の就学状況の聴き取り ③就学履歴の聴き取り ④就学状況の照会 ⑨入学の可否・  編入学年を通知 ⑦就学状況の回答 所轄の市町村教委 卒業中学校の所轄教委と夜間中学の所轄教委が同一の場合は④⑦は不要 所轄の市町村教委 ⑧検討 以下の要件に該当する場合は、各夜間中学の収容能力に応じて、積極的に入学を認めることが望ましい。  ○不登校や親による虐待等により中学校の課程の大部分を欠席していた又はそれに準ずる状況であった等の事情により、実質的に義務教育を十分に受けられておらず、社会で自立的に生きる基礎を培い、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うといった義務教育の目的に照らして、再度中学校に入学を認めることが適当と認められる 入学の可否・入学時期と 編入学年を判断し、 入学希望者に通知  ・ 指導要録の保存年限が過ぎて廃棄されていたり、当時の児童生徒の状況を知る教職員が全て異動していたりといった事情により、卒業した学校における就学状況が把握できないケース なども考えられるため、個々の事情に応じて柔軟に判断することが望ましい。 (※)入学希望既卒者が夜間中学や教育委員会に夜間中学への入学等について相談に来た場合は、入学希望既卒者の立場や心情に配慮して丁寧に相談に乗ることが必要。また、入学希望既卒者の事情に応じて、入学の相談を受けた後、夜間中学校の見学や試験登校を行うことが望ましい場合も考えられる。

1.憲法・教育基本法における「義務教育」 ■憲法  第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。(機会均等)  2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。(就学義務、無償制) ■教育基本法 (義務教育)  第5条 国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。(就学義務)  2 義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。(目的)  3 国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。(機会均等・水準確保)  4 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。(無償制) 2.義務教育を実現する関連制度  憲法・教育基本法に基づく国民の教育を受ける権利を保障し、義務教育の目的を達成するため、学校教育法他の関係法令により、以下を担保している。   ①就学義務・・・就学の督促、保護者への罰則 等   ②無償制・・・授業料無償、教科書無償給付、教員給与(国庫負担)等   ③機会均等・・・設置義務、就学指定、就学援助 等   ④水準確保・・・教育課程、教科書、教員免許、設置基準 等

第3章 どんな教育をするの? <足立区立第四中学校夜間学級の教育活動等の状況> 第3章 どんな教育をするの? <足立区立第四中学校夜間学級の教育活動等の状況> ○ 授業時間:17:20〜21:10(1日4コマ,1コマ40分) ○ 年間総授業日数:205日  ○ 年間総授業コマ数:814コマ ○ 授業形態:日本語指導の必要性に応じてグループ分けした上で,各グループを習熟度  別に4クラス(A~D),6クラス(1~6)に分けて指導。  全ての授業が異学年合同での指導。取り出し授業あり。              <例:平成28年度前期月曜の時間割> ○ 教科書・教材:通常の教科書に加え,教員作成の教材を使用 ○ 学校行事:文化祭,遠足,自然教室(移動教室),修学旅行など         (体育大会,バレーボール大会,バスケットボール大会,生徒会交流会については,都内8校連合行事として実施) ○ 給食:行っている

学習指導上の「学齢を経過した者への配慮」 中学校学習指導要領(平成29年3月告示)  第1章 総則   第4 生徒の発達の支援    2 特別な配慮を必要とする生徒への指導 (4) 学齢を経過した者への配慮 ア 夜間その他の特別の時間に授業を行う課程において学齢を経過した者  を対象として特別の教育課程を編成する場合には,学齢を経過した者の  年齢,経験又は勤労状況その他の実情を踏まえ,中学校教育の目的及  び目標並びに第2章以下に示す各教科等の目標に照らして,中学校教育  を通じて育成を目指す資質・能力を身に付けることができるようにするもの  とする。 イ 学齢を経過した者を教育する場合には,個別学習やグループ別学習な  ど指導方法や指導体制の工夫改善に努めるものとする。 詳細は中学校学習指導要領解説の「総則」をご覧ください。  ⇒http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/07/04/1387018_1_2.pdf

夜間中学における教育課程特例 <趣旨> <概要> <留意事項> 義務教育未修了である学齢期を経過した者等(以下「学齢経過者等」という。)の就学機会の確保に,中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)が重要な役割を果たしていることから,今後,夜間中学の設置等を促進するためにも,夜間中学において学齢経過者に指導を行う際,その実情に応じた特別の教育課程を編成できるよう制度を整備(学校教育法施行規則を改正)。 <概要> ○ 夜間中学において、学齢経過者等に対し、その年齢、経験又は勤労の状況等の実情に応じた特別の指導を行う必要がある場合、特別の教育課程によることができる。 ○ 特別の教育課程は、学習指導要領を踏まえつつ、  ①各教科等の内容のうち、当該学齢経過者等が各学年の課程を修了又は卒業を認めるに当たって必要な内容によって、編成するものすること。 ②中学校段階においては、小学校段階の各教科等の内容の一部を取り扱うことができるもの とすること。 ③その編成に当たり、特別の教育課程を実施するために必要な授業時数を適切に確保するものとすること。 <留意事項> ○ 学齢経過者等を指導する際、実情に応じた特別の指導を行う必要があるか否かの判断は、学校長が行うこと。 ○ 学齢経過者等は既に社会生活や実務経験等により一定の資質・能力が養われていることの評価の上に、特別の教育課程は義務教育の目標(学校教育法第21条に規定)を達成する上で必要な内容により編成すること。 ○ 学齢経過者に対する特別の教育課程の内容は、学校長が判断すること。 ○ 昼間の中学校で不登校となっている学齢生徒を夜間中学で受け入れる場合は、学校教育法施行規則第56条の規定に基づき、不登校特例校に係る申請を要する。

夜間中学における教育課程特例の導入状況 回答:夜間中学31校 平成29年度夜間中学等に関する実態調査(文部科学省)

中学校夜間学級への支援・設置促進に係る政府の主な計画等 (参考)夜間中学に関する動き・夜間中学の必要性       中学校夜間学級への支援・設置促進に係る政府の主な計画等 ○第2期教育振興基本計画(平成25年6月14日閣議決定)(抜粋) 18-2 「貧困の連鎖」防止等に向けた多様な主体と連携した学習支援等  「・・・義務教育未修了の学齢超過者等に対して義務教育の機会を提供しているいわゆる中学校夜間学級に対する支援を引き続き行う。」 ○教育再生実行会議第五次提言(平成26年7月4日閣議報告)(抜粋) 1.子供の発達に応じた教育の充実、様々な挑戦を可能にする制度の柔軟化など、新しい時代にふさわしい学制を構築する。 (1)全ての子供に質の高い幼児教育を保障するため、無償教育、義務教育の期間を見直す。  「・・・。また、義務教育未修了者の就学機会の確保に重要な役割を果たしているいわゆる夜間中学について、その設置を促進する。」 ○子供の貧困対策に関する大綱(平成26年8月29日閣議決定)(抜粋) (夜間中学校の設置促進)  「義務教育未修了の学齢超過者等の就学機会の確保に重要な役割を果たしている夜間中学校について、その設置を促進する。」 【国会における大臣答弁】  少なくとも各都道府県に一つは夜間中学が設置されるよう、その設置を促進していきたいと考えておりまして、御指摘がありましたように、平成二十七年度概算要求におきまして、各県における夜間中学設置に係る検討に必要な経費等を要求しているところでもございまして、 引き続き、あらゆる機会を捉えて義務教育未修了者の学習機会の提供に取り組んでまいりたいと思います。 (平成26年10月17日衆議院文部科学委員会、浮島とも子議員に対する下村大臣答弁) ○ニッポン一億総活躍プラン(平成28年6月2日閣議決定)(抜粋) 1.「希望出生率1.8」に向けた取組の方向 (2)すべての子供が希望する教育を受けられる環境の整備 (課題を抱えた子供たちへの学びの機会の提供) 「いじめや発達障害など様々な事情で不登校となっている子供が、自信を持って学んでいけるよう、フリースクール等の学校外で学ぶ子供への支援を行い、夜間中学の設置促進等を図る。」

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律 【議員立法 平成28年12月14日公布】 (就学の機会の提供等) 第十四条 地方公共団体は、学齢期を経過した者(その者の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから満十五歳に達した日の属する学年の終わりまでの期間を経過した者をいう。次条第二項第三号において同じ。)であって学校における就学の機会が提供されなかったもののうちにその機会の提供を希望する者が多く存在することを踏まえ、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。 ○ 全ての地方公共団体に、夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務付けられています。 ○ これを受け、地方公共団体においては、  ・ 夜間中学を新たに設置すること  ・ 夜間中学を既に設置している場合は、受け入れる対象生徒の拡大を図ること  などに取り組むことが求められます。 ○ この点、基本方針においては「全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学等が設置される」ことを目指し、文部科学省とし て、都道府県によるものも含め、夜間中学等の設置を促すとともに、夜間中学等の設置に係るニーズの把握や設置に向けた準 備の支援等を推進することとしています。 ○ また、各地方公共団体においては、近隣の市町村と連携協力して就学機会の提供を図るなどの理由から夜間中学を設置しな   い場合においても、例えば、  ・ 他の市町村の夜間中学の設置・運営に関する経費の一部分担  ・ 当該地方公共団体内の希望者が通学可能な夜間中学についての積極的な広報や相談窓口の開設  ・ 就学機会の提供につながる、いわゆる自主夜間中学等での学習活動への支援  などに取り組むことが必要です。 ○ 既に夜間中学を設置している市町村においては、個々の生徒のニーズや年齢、経験等の実情に応じた教育課程・指導上の工   夫を図るとともに、不登校となっている学齢生徒の受け入れなど、実質的に十分な教育を受けられていない多様な生徒の受け   入れについても検討することが求められます。

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律 【議員立法 平成28年12月14日公布】 (協議会) 第十五条 都道府県及び当該都道府県の区域内の市町村は、前条に規定する就学の機会の提供その他の必要な措置に係る事務についての当該都道府県及び当該市町村の役割分担に関する事項の協議並びに当該事務の実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。 2 協議会は、次に掲げる者をもって構成する。  一 都道府県の知事及び教育委員会  二 当該都道府県の区域内の市町村の長及び教育委員会  三 学齢期を経過した者であって学校における就学の機会が提供されなかったもののうちその機会の提供を希望する者に対する支援活動を行う民間の団体その他の当該都道府県及び当該市町村が必要と認める者 3 協議会において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。 4 前三項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。 ○ 協議会で協議等を行う内容としては、例えば、    ・ 夜間中学の設置主体や設置場所、設置する時期    ・ 夜間中学の対象者 ・ 他の市町村の夜間中学の設置・運営に関する経費の一部分担 ・ 各地方公共団体が連携した広報活動の実施や相談窓口の設置   ・ 広域行政を担う都道府県が果たすべき役割 ・ いわゆる自主夜間中学等への支援  などが考えられます。 ○ 協議会の設置については、都道府県が中心となって関係市町村と協議会あるいは協議会に近い検討組織を  設けることが考えられ、その活用を通じて、夜間中学の設置など各地方公共団体における就学機会の提供等が  図られることが期待されます。

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針(抜粋) 【平成29年3月31日 文部科学省策定】 3.夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供等に関する事項  (1)夜間中学等の設置の促進等 ①設置の促進   法第14条では、全ての地方公共団体に夜間中学等の設置を含む就学機会の提供その他の必要な措置を      講ずることが義務づけられている一方、平成28年度現在、夜間中学は8都府県25市区31校の設置  に止まっている。このため、全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学等が設置されるよう、また、   その上で、更に各地方公共団体においてニーズを踏まえた取組が進むよう、夜間中学等の設置に係る  ニーズの把握や設置に向けた準備の支援、法第15条に規定する都道府県及び市町村の役割分担に関す   る事項の協議等を行うための協議会の設置・活用、広報活動などを推進する。また、平成29年度から  新たに、市町村が設置する場合だけでなく、都道府県が設置する場合においても、夜間中学等に係る教  職員給与費の3分の1を国庫負担することとしたところであり、都道府県立によるものも含め、夜間中   学等の設置を促す。 ②既設の夜間中学等における教育活動の充実    既設の夜間中学等における教育活動の充実が図られるよう、個々の生徒のニーズを踏まえ、小学校段階の内    容を含め生徒の年齢・経験等の実情に応じた教育課程の編成ができることを明確化するとともに、必要な日本語  指導の充実を図る。 ③自主夜間中学に係る取組   ボランティア等により自主的に行われているいわゆる自主夜間中学についても、義務教育を卒業していない者等  に対する重要な学びの場となっており、各地方公共団体において、地域の実情に応じて適切な措置が検討される  よう促す。

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針(抜粋) 【平成29年3月31日 文部科学省策定】 (2)夜間中学等における多様な生徒の受け入れ   夜間中学等については、戦後の混乱期の中で様々な事情により義務教育未修了のまま学齢を超過した者に対   して教育の機会を提供してきた。現在、このような義務教育未修了者に加えて、本国において義務教育を修了し  ていない外国籍の者、また、不登校など様々な事情から実質的に十分な教育を受けられないまま学校の配慮等に  より卒業した者で、中学校等で学び直すことを希望する者を受け入れ、教育機会の提供を行うことが期待されてい  る。   さらに、不登校児童生徒の多様な教育機会を確保する観点から、不登校となっている学齢生徒を、本人の希望  を尊重した上で夜間中学等で受け入れることも可能である。   引き続き、各地域の実情を踏まえつつ、法第15条に規定する協議会の活用や必要な環境整備の推進などによ  り、夜間中学等における教育活動を充実させるとともに、受け入れる生徒の拡大が図られるよう取り組む。 4.その他教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するために必要な事項 (1)調査研究等 (2)国民の理解の増進 (3)人材の確保等 (4)教材の提供その他の学習支援   (5)相談体制等の整備

教育機会確保法施行後の文部科学省における夜間中学に関する取組 (平成28年12月14日)「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」成立 (平成29年3月31日)「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」策定 <設置の促進> <多様な生徒の受け入れ拡大> (平成29年3月31日) 夜間中学において学齢経過者に指導を行う際、その実情に応じた特別の教育課程を編成できるよう制度を整備 ⇒ 学校教育法施行規則の改正等 (平成29年3月31日) 都道府県が設置する夜間中学等の教職員給与に要する経費を国庫負担の対象に追加 ⇒ 義務教育費国庫負担法の一部改正 (平成29年3月31日)  中学校学習指導要領に「学齢を経過した者への配慮」 として、個別学習など指導方法等の工夫改善に努めることなどを明記 ⇒ 平成29年3月告示 (平成29年4月21日) 「夜間中学の設置・充実に向けて【手引】」を改訂し、各教育委員会に「夜間中学等の設置・充実に向けた取組の推進」を依頼 ⇒ 通知を発出 (平成29年8月7日・25日) 教育機会確保法の趣旨や基本指針の内容、夜間中学等の活動実態等について、広報活動を実施 ⇒ 平成29年度夜間中学説明会の開催 (平成29年8月31日) 平成30年度概算要求に、教育機会確保法及び同法に基づく基本指針を踏まえた施策の総合的な推進に必要な予算79百万円を計上 ⇒ 前年度比59百万円の増 (平成29年11月7日) 教育機会確保法成立後、初めて夜間中学の現状等についての詳細な実態調査を実施

教育機会確保法、基本指針を踏まえた施策の総合的な推進 夜間中学における就学機会の提供推進 平成30年度概算要求額 79百万円 (平成29年度予算額 20百万円) ○ 義務教育未修了者等が12万人以上存在する実態。 → 夜間中学は全国に31校(生徒数1,660名)に止まる。 ○ 平成28年12月に、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育  機会確保法)」が成立。   教育機会の確保等に関する施策を総合的に推進するため、基本理念が定められ、国及び地方公共団体の責務が明確化。全ての   地方公共団体に夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務付けられる。 ○ 平成29年3月に、教育機会確保法第7条に基づき基本指針を策定。 教育機会確保法、基本指針を踏まえた施策の総合的な推進 <設置の促進> 都道府県・市町村の役割分担に係る調査研究            4百万円(1か所あたり50万円)  教育機会確保法第15条に基づく協議会の設置・活用を促進するため、都道府県において就学機会提供に係る役割分担の在り方を検証。 【新規】 夜間中学新設準備に係る調査研究 20百万円(1か所あたり250万円)  夜間中学新設準備に伴うニーズの把握や設置に向けた準備の在り方を都道府県又は市町村において検証。 【拡充】 <既設の夜間中学等における教育機会の確保>  必要な日本語指導を充実するため夜間中学に携わる教職員に向けた研修を実施。 【新規】 <多様な生徒の受け入れ> 既存夜間中学の教育機会の提供拡充に係る調査研究  約6百万円(1か所あたり約25万円)  義務教育を受ける機会を実質的に保証するための様々な役割を夜間中学を設置する市区において検証。 【継続】 多様な生徒に対応した教育活動を支援 約39百万円(1か所あたり約160万円)  多様な生徒を受け入れるために必要な環境整備に係る経費を夜間中学を設置する市区に補助。〔補助率1/2〕 【新規】 <広報活動>   教育機会確保法の趣旨や基本指針の内容、夜間中学の活動等を周知するための説明会の開催や、夜間中学を周知するポスターを作成・配布等し、国民の理解を増進。 【拡充】 <夜間中学の設置促進、夜間中学における多様な生徒の受け入れ拡大>

第4章 夜間中学をつくるには・・・ 協 議 会 視察等 ニーズの把握及び広報 どんな学校? 設置場所 どんな施設? 教職員の配置、研修等 教育課程・指導上の工夫

設置時の法令上の手続き 1.学校教育法施行令に基づく届出 2.学校設置条例をはじめとする関連条例規則の整備(特に分校の形式の場合) 別表3  ○学校教育法施行令  (市町村立小中学校等の設置廃止等についての届出)  第25条 市町村の教育委員会又は市町村が単独で若しくは他の市町村と共同して設立する公立大学法人の理事長      は、当該市町村又は公立大学法人の設置する小学校、中学校又は義務教育学校(第五号の場合にあつては、特別支援    学校の小学部及び中学部を含む。)について次に掲げる事由があるときは、その旨を都道府県の教育委員会に届け出な   ければならない。  四 分校を設置し、又は廃止しようとするとき。  五 二部授業を行おうとするとき。 2.学校設置条例をはじめとする関連条例規則の整備(特に分校の形式の場合)  (学校設置条例の例)       (設置)      第1条 学校教育法(昭和22年法律第26号)第2条第1項の規定により、本市に小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び幼稚園を設置する。      (名称及び位置)      第2条 前条の学校の名称及び位置は、別表第1から別表第5までに掲げるとおりとする。     別表3 名称 位置 ○○市立△△中学校 ○○市 ◆◆1-2-3            分校 ◇◇2-3-4

「夜間中学の設置・充実に向けて【手引】(改訂版)」について(平成29年4月)  各地方公共団体における夜間中学の設置に向けた検討が進むよう、また、既に設置されている地方公共団体においては、夜間中学での一層の希望者の受入れや指導の向上等が図られるよう、各種データを掲載するとともに、設置・運営上の工夫や具体的な事例などを紹介。 【概要】  (1) 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律等  → 法律と基本指針に基づき、夜間中学の設置・充実に係る国及び地方公共団体の責務等について整理       ・地方公共団体における就学の機会の提供等 ・夜間中学に関する協議会の設置 ・広報、相談体制の整備等  (2) 夜間中学の現状   → 夜間中学の設置状況、生徒の状況、入学要件・時期、教育課程・指導上の工夫、     経済的支援・給食について、各種データを記載 (3) 夜間中学設置のニーズ   → 「未就学者」の都道府県別の状況、義務教育未修了者、入学希望既卒者、不登校の学齢生徒、     外国籍の者の状況、入学のニーズの把握及び広報に関する工夫等について記述 (4) 設置・運営上の工夫等   → 夜間中学の設置・運営上の工夫として、設置場所、教職員の配置・研修等、教育課程・指導上の工夫、 市町村間の経費負担の工夫について記述  (5) 夜間中学の事例    → 既に設置されている夜間中学のうち4校の事例について、生徒の状況や授業形態、教職員の勤務時間等、     参考となる事例を紹介 文部科学省ウェブサイトにて掲載中 → http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/  夜間中学 で検索!

夜間中学のニーズ調査に係る調査研究について  文部科学省において、夜間中学未設置の都道府県において、夜間中学設置のニーズを把握する上 でどのような方法や工夫が考えられるか検討を行うために実施したもの。 調査の手法について  協力の得られた宮城県、埼玉県、愛知県、福岡県、沖縄県の5県において、以下のWeb調査及びハガキによる調査を実施。 ○ 「夜間中学が県にあればよい」と回答した数 :     人 ○ 「夜間中学に通ってみたい」と回答した数 :    人 ○ 夜間中学に期待することは、   、  、 の順で多かった。 ○ 回答者の年齢層は、○歳代(○~○歳)が一番多く、次いで○歳代(○~○歳)であった。             Web 調査   各県教育委員会の協力の下、5県に居住する15歳以上の男女パネルモニター(各県600名ずつ)3,000名に対し、夜間中学についての一般世論の把握を目的にインターネットを用いて意識調査を行った。  【質問事項】  夜間中学についての説明文を記載した上で、以下を質問。 ①お住まいの都道府県内に夜間中学があった  方がよいと思いますか。 ②あなたが、もし「夜間中学」に入学が可能対象  であったとした場合、夜間中学に通ってみたい  と思いますか。 ③夜間中学がお住まいの都道府県内に設置さ  れているかどうか、ご存じですか。 【調査実施期間】   平成29年3月24日~27日                ハガキによる調査               各県教育委員会の協力の下、それぞれの県に存在する役所や図書館、公共職業安定所などの公的施設のほか自主夜間中学、フリースクール等の夜間中学の潜在的入学希望者が訪問することが多いと考えられる施設にアンケートハガキ及びポスターを設置。施設来訪者がアンケートハガキを持出し、回答・郵送する方法により、夜間中学についてのニーズ調査を実施。 【質問事項】  夜間中学についての説明文を記載した上で、以下を質問。  ①あなたは、夜間中学がお住まいの都道府県内にあったらよいと   思いますか。          ②あなたは、夜間中学に通ってみたいと思いますか。  ③あなたが、夜間中学に期待することは何ですか。(複数回答可)  ④あなたの性別を教えてください。  ⑤あなたの年齢を教えてください。  ⑥あなたが住んでいる市区町村を教えてください。  ⑦あなたが最後に卒業した日本の学校はどれですか。   (中退は含まず) 【調査実施期間】   平成29年3月1日~24日 主な調査アンケート設置場所 枚数 設置箇所数 自主夜間中学 公民館 図書館 役所 国際交流施設 適応指導教室 【回収結果の概要】 【調査結果の分析】 ○ 県内でも未就学者数が多い北九州市などで調査アンケートを手に取った数が多かった。 ○

【Web調査の結果】 N=3,000 N=3,000 N=3,000 調査の結果概要について ◆質問事項①夜間中学があった方がよいと思うか 調査結果の詳細については文部科学省ウェブサイト(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/07/1386256_16.pdf)をご覧ください。 【Web調査の結果】 ◆質問事項①夜間中学があった方がよいと思うか ◆質問事項③夜間中学が県内に設置されているかを知っているか ○回答結果 ○回答結果 N=3,000 N=3,000 ○年代が高くなるにつれて「思う」と回答する割合は高くなる。 ○年代にかかわらず「分からない」と回答する割合が8割前後を占める。 ◆質問事項②夜間中学に通ってみたいと思うか ○回答結果 【参考】モニター3,000人の年代構成 15歳~29歳 567人(18 .9%) 30歳~39歳 521人(17.7%) 40歳~49歳 475人(15.8%) 60代以上   854人(28.5%) N=3,000 ○概ね年代が高くなるにつれて「思う」と回答する割合が高くなる。 ○概ね年代が低くなるにつれて「思わない」と回答する割合が高くなる。

【ハガキによる調査の結果】 N=917 N=917 N=917 N=917 調査の結果概要について 調査結果の詳細については文部科学省ウェブサイト(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/07/1386256_16.pdf)をご覧ください。 【ハガキによる調査の結果】 ◆回収結果 ◆質問事項②夜間中学に通ってみたいと思うか ○回答結果 ・設置したハガキの枚数 39,800枚    ⇒ 持ち出されたハガキ 8,563枚(21.5%)    ⇒ 回収数 917枚(持ち出されたハガキの10.7%) ・使用率(設置場所から持ち出されたハガキの割合)の  高い施設は自主夜間中学、国際交流センター、社会福祉協   議会の順であった。 ・回収されたハガキの回答者の割合は、60代(20.9%)、  40代(18.3%)、50代(16.4%)の順に高い。 N=917 ○70代以上と10~20代の世代において、「思う」と回答する割合が高い。 ◆質問事項③夜間中学に期待することは何か(複数回答) ◆質問事項①夜間中学があったらよいと思うか ○回答結果 ○回答結果 (%) N=917 N=917 ○40~60代において「あったらよい」と回答する割合が高い。 ◆質問事項⑦最後に卒業した学校について  ○回答結果 N=917 小学校 中学校 高等学校 大学(大学院を含む) その他 学校へ 行っていない 無回答 4.0% 8.6% 25.7% 46.0% 9.9% 3.7% 2.0%

【ハガキによる調査の結果(宮城県)】 141人がハガキで回答 ③あなたが夜間中学に期待することは何ですか。(複数回答可)  (単位=回答数を表す) ④あなたが最後に卒業なさった日本の学校はどれですか (中退は卒業に含みません) (単位=回答数を表す) 1. 高校入学資格の取得 81人 2. 中学校教育の修了 73人 3. 中学程度の学力習得 78人 4. 読み書きの習得 62人 5. その他 24人 1. 小学校 1人 5. その他 13人 2. 中学校 5人 6. 学校へ行っていない 3人 3. 高等学校 26人 無回答 4. 大学(大学院を含む) 88人 合計 141人

○「今後のニーズ調査・制度の広報についての留意点」(調査委託者である(株)サーベイリサーチセンターによる) ○本調査研究から得られた示唆について ①広く一般の人々が夜間中学についてどのように考えているかを把握するためには、Web調査が効果的である。他方、潜在的な入学希望者の個別具体的なニーズを把握するためには、ハガキによる調査の実施等が必要。 ②Web調査では世代が高まるにつれて夜間中学に肯定的な回答が得られた。ニーズ調査の対象者としては、年代にも留意して制度設計することが望ましい。 ③ハガキ調査では、全体として40代~60代からの回収(回答)が多かった。ただし、地域によっては10~20代、80代の回収が多いケースもあった。また、10~20代、70代以上の世代が夜間中学に通いたいと回答する割合が高かったことなどから、10~20代や70代以上を意識した制度設計とすることが必要である。 ④ハガキ調査を行う場合、自主夜間中学、国際交流センター、社会福祉協議会など、潜在的入学希望者が多く来訪すると考えられる場所にハガキを設置することが重要である。併せて、県庁・市役所、図書館などの不特定多数の方が来訪する場所にも設置することも考えられる。 ⑤夜間中学の入学対象者かどうかを確認するため、回答者の年齢や最終学歴、国籍などを聞くことが重要である。今回のハガキ調査においても「小学校卒業者」及び「学校へ行っていない」と回答した対象者が71名いることが判明した。 ⑥夜間中学が十分認知されていないと考えられることから、調査の実施に当たっては、夜間中学の概要・役割を説明した上で質問することが望ましい。 ○「今後のニーズ調査・制度の広報についての留意点」(調査委託者である(株)サーベイリサーチセンターによる) 1)広報などにより夜間中学についての認知度を上げ、ニーズの堀り起こしを行うこと   夜間中学についての認知度が低いことがWEB調査の結果から判明したため、まずは広報ポスターなどにより夜間中学に  ついての認知度を上げ、その上でニーズを把握すること。 2)調査期間を長期化あるいは恒常化させるなど、常に夜間中学の潜在的入学希望者からのニーズ・意見を  聴取する仕組みを作ること   潜在的入学希望者のニーズをきめ細かく把握するためには、WEB調査、ハガキ調査以外にも別の手法を併用することが  望ましい。(例)教育委員会等への相談窓口の設置、自主夜間中学へのヒアリング、専門相談窓口ダイヤルの開設 3)外国人の意向を把握する調査を行うこと  外国人の夜間中学へのニーズを把握するためには、外国語による調査も実施すべき