都 市 仲良し防災コミュニティ 防災 2007 都市計画実習防災班 糸井川栄一/杉安和也 ~学生と一般住民を結ぶ方法とは?~ 浦野友宏/川崎拓郎/山田真梨子/柴田真由美/大脇孝之/藤堂佑香/桑原光太郎
中間発表 仮説 アンケート(学生街) ヒアリング アンケート(谷田部) イベント 提案 調査/集計/分析 調査/分析 調査/集計/分析 考察/検証
中間発表より 能登半島地震での状況 阪神淡路大震災被害者の体験 迅速な安否確認 自主的な避難所運営 救出者の98%が住民によるもの(地域安心安全アクションプランより) 地域住民による消火活動 震災により近所づきあいの大切さを認識
中間発表より 地震発生後誰に助けられたか (1995年3-5月) (神戸都市問題研究所/阪神地域の住民を対象) 地震発生後誰に助けられたか (1995年3-5月) (神戸都市問題研究所/阪神地域の住民を対象) 消火活動にあたったのは誰か (1995年2月) (神戸市消防局/神戸市民を対象) 「阪神・淡路大震災の社会学(岩崎信彦他)」より
ご近所づきあいが防災力に繋がる 中間発表より 災害時の問題 つくば市役所 生活安全課へのヒアリング つくば市役所 地域消防課へのヒアリング つくば市役所 生活安全課へのヒアリング 防災機関への通報の困難 道路破壊による交通障害 防災力の分散… つくば市役所 地域消防課へのヒアリング 消防署がつくば市民全体を助けるのは物理的に無理 ご近所づきあいが防災力に繋がる
中間発表 仮説 アンケート(学生街) ヒアリング アンケート(谷田部) イベント 提案 調査/集計/分析 調査/分析 調査/集計/分析 考察/検証
アンケート実施 これらを踏まえて 仮説 学生街において学生と近隣住民との近所づきあいは希薄である 学生の防災意識も低いため、つくば学生街(天久保・春日周辺地区)における防災力は低い 仮説を検証するため アンケート実施
中間発表 仮説 アンケート(学生街) ヒアリング アンケート(谷田部) イベント 提案 調査/集計/分析 調査/分析 調査/集計/分析 考察/検証
アンケート 目的 対象 つくば学生街(天久保・春日周辺地区)における学生と近隣住民との交流の実態を知る 学生の防災への関心・災害時の対応などを調査する 対象 筑波大学生 有効回答数:104 学生街に住む(学生宿舎を除く)
アンケート 質問項目 日常生活での近隣との交流 災害に対する備え さまざまな被災状況下での災害時の対応 自治会・町内会の参加状況 隣近所の知り合いの多さ 災害に対する備え 自宅での防災対策 居住地域での自主防災組織の有無 さまざまな被災状況下での災害時の対応 安否確認・救助活動を行うか 被災時に誰を頼りにするか
日常生活での近隣との交流(学生に対して) Q.自治会・町内会があるならば、 参加したいと思いますか?(N=97) Q.参加したくない理由は何ですか? (複数回答可) したくない 90% 学生は地域活動への参加に消極的
日常生活での近隣との交流(学生に対して) Q.あなたは隣近所に知り合いがいるほうだと思いますか? Q.知り合いになりたいと思わない理由は何ですか? 「少ない・とても少ない」 80% 隣近所に知り合いが少ない
災害に対する備え(学生に対して) ほとんどの学生が災害対策をしていない Q.災害に備えて対策をしていますか? 注:<質問項目> ・家の耐震診断をした ・消火器を準備している ・防災用品や非常食を用意している 等 7項目の質問項目のうち一つでも○をしている場合は「している」 に分類. ほとんどの学生が災害対策をしていない
災害時の対応(学生に対して) 災害時に頼りにするのは友人 Q.以下の状況で誰を頼りますか? 家が倒壊したときの 避難生活 家が無事だったときの 避難生活 生き埋めになったとき 災害時に頼りにするのは友人
知り合いが多い人は災害時に近隣住民の安否確認を行う アンケート結果より 知り合いが多い人は災害時に近隣住民の安否確認を行う 構成比 知り合いの多さ →安否確認の実施の有無は知り合いの多さにより有意な差が見られた(5%有意水準)
学生と近隣住民との関係は希薄 災害に対して無関心 アンケート結果より 学生は地域活動への参加に消極的 隣近所に知り合いが少ない ほとんどの学生が災害対策をしていない どんな被災状況でも災害時に頼りにするのは友人 学生と近隣住民との関係は希薄 災害に対して無関心
中間発表 仮説 アンケート(学生街) ヒアリング アンケート(谷田部) イベント 提案 調査/集計/分析 調査/分析 調査/集計/分析 考察/検証
一般世帯に対するヒアリング 目的 対象 学生との関係が特に希薄であると思われる一般世帯(学生以外の世帯)の実態を知る 天久保3丁目 自治会長 吉村栄治さん 春日4丁目 自治会長 朝岡正雄さん
学生街(天久保・春日)では一般世帯の数がとても少ない! 一般世帯数:約300世帯 筑波大学生:約6,500世帯(平成17年度) (推定値) 学生街(天久保・春日)では一般世帯の数がとても少ない!
ほとんどの学生は一般住民に全く目を向けていない!! 一般世帯に対するヒアリング 一般世帯からは学生とのかかわりを持ちたいと思っているが、学生は一般住民には関心がないようである 学生による問題(ごみ問題・路上駐車問題・深夜の騒音)に一般世帯の住民は困っており、その処理を行っている ↓ ほとんどの学生は一般住民に全く目を向けていない!!
アンケート・ヒアリングより 問題点 学生は隣人(特に一般住民)との結束が弱い 阪神・淡路大震災では、一般世帯どうしの結束が強く、単身世帯の学生が孤立してしまった 学生街の特性として、住民の多くが学生であるため神戸とは逆に一般世帯の住民が孤立することが予想される 一般住民との結束の強化
中間発表 仮説 アンケート(学生街) ヒアリング アンケート(谷田部) イベント 提案 調査/集計/分析 調査/分析 調査/集計/分析 考察/検証
防災における住民どうしの結束の必要性 市役所へのヒアリングより 谷田部地区において地域ぐるみの防災活動が盛ん 谷田部地区での アンケート調査
谷田部地区でのアンケート 目的 対象 質問項目 防災力・地域力の高い地域の特徴を知る 谷田部地区の世帯主 学生に行ったアンケートと同様の質問 有効回答数:92 回覧板による配布を依頼、実施 質問項目 学生に行ったアンケートと同様の質問
谷田部地区でのアンケート結果 している 86% 地域活動への参加に積極的 Q.自治会・町内会の活動に参加していますか?(N=92) (複数回答可) している 86% 地域活動への参加に積極的
谷田部地区でのアンケート結果 親密な近所づきあい Q. 隣近所との普段の付き合いについてお聞きします。 挨拶をするような 仲の隣近所がいる 会えば立ち話をするような 仲の隣近所がいる おすそわけをするような 仲の隣近所がいる お互いの家を行き来するような 仲の隣近所がいる 相手の家の寝室の位置がわかるような 仲の隣近所がいる 親密な近所づきあい
谷田部地区でのアンケート結果 学生街 地域住民間の協力 Q.以下の状況において誰を頼りますか? 家が倒壊したときの 避難生活 家が無事だったときの 避難生活 生き埋めになったとき 地域住民間の協力
谷田部地区でのアンケート結果 災害時の協力行動 Q.安否確認・救助活動・消火活動等しますか?(N=92) 家が倒壊したとき 家が無事だったとき 災害時の協力行動
地域コミュニティが自然発生的に完成されている 谷田部地区でのアンケート結果 地域コミュニティが自然発生的に完成されている 住民同士での挨拶、立ち話 災害時には地域住民を頼りにする ↓ 学生街においてこのようなコミュニティ形成は困難 学生街に有効な参加型コミュニティ=イベントを!
中間発表 仮説 アンケート(学生街) ヒアリング アンケート(谷田部) イベント 提案 調査/集計/分析 調査/分析 調査/集計/分析 考察/検証
学生と一般住民の交流の場として、現在開催されているイベントを調査 交流を深めるために 学生と一般住民の交流の場として、現在開催されているイベントを調査 イベントの開催日時・状況などを考慮して、調査対象とするイベントの選定 参加者に対するアンケート・主催者に対するヒアリングにより現状を把握 地域交流の観点から各イベントの特徴の整理
イベントの現状把握 開放的イベント 閉鎖的イベント 学生主催 やどかり祭 学園祭 バスツアー 体育会の試合 つくばユナイテッド スポーツデー サークル活動 就職関連 大学会館内イベント 自治会主催 フリーマーケット スポーツ大会 スポーツ・カルチャー教室 ボランティア 公民館でのイベント ごみ拾い バーベキュー 集会 共同主催 つくば祭 つくばマラソン
つくばユナイテッド(スポーツによる地域振興団体) 調査対象イベント やどかり祭 スポーツデー つくばユナイテッド(スポーツによる地域振興団体) 野球部応援バスツアー 柔道教室 自治会のごみ拾い
調査項目 イベント規模(参加人数) 学生と一般の交流の度合い 一般参加者の割合 実地調査・ヒアリングを元に参加人数を調査 (MAX=6000を100とする) 学生と一般の交流の度合い =イベントにより交流を深めることができたと回答した人数/総参加人数(アンケートより算定) 一般参加者の割合 =一般参加人数/総参加人数
野球部応援バスツアー 地域住民に対する広報活動が盛ん 参加人数がバス収容人数により限定される 開催日時:5月27日(日) 主催:筑波大学硬式野球部 参加人数:80人程度(一般住民1割程度) 目的:野球部の応援 メリット 地域住民に対する広報活動が盛ん デメリット 参加人数がバス収容人数により限定される
スポーツデー イベント規模が大きい 参加者が学生に限定される 開催日時:5月19日(土)・20日(日) 主催:スポーツデー実行委員会 参加人数:延べ6000人程度(学生のみ) 目的:学内スポーツイベント メリット イベント規模が大きい デメリット 参加者が学生に限定される
やどかり祭 多くの人々が自由に参加できている 深い交流はあまり期待できない 開催日時:5月26日(土) 主催:やどかり祭実行委員会 参加人数:2000人程度(一般住民1割程度) 目的:新入生や地域住民等の交流 メリット 多くの人々が自由に参加できている デメリット 深い交流はあまり期待できない
柔道教室 柔道を通した交流が盛んである 現在の参加者は子供のみ(親は見学) 開催日時:毎週水・土曜日 主催:つくばユナイテッド・柔道部 参加人数:60人程度(幼・小学生) 目的:スポーツと地域の活性化 メリット 柔道を通した交流が盛んである デメリット 現在の参加者は子供のみ(親は見学)
ごみ拾い 開催頻度が高い 学生が参加する意思を示さない 開催日時:月1回 主催:自治会 参加人数:20人程度 目的:地域の清掃 メリット デメリット 学生が参加する意思を示さない
現状のイベントでは災害時の協力行動が期待できるほどの交流を持つことは困難 そこで 地域と学生の架け橋となる企画を提案 イベント分析結果より 現状のイベントでは災害時の協力行動が期待できるほどの交流を持つことは困難 そこで 地域と学生の架け橋となる企画を提案 学生の意識改善が副次的効果として期待できる
中間発表 仮説 アンケート(学生街) ヒアリング アンケート(谷田部) イベント 提案 調査/集計/分析 調査/分析 調査/集計/分析 考察/検証
提案の方針 学生と一般住民の交流の場を設定 学生からのアプローチが望ましい 一般住民とのコミュニティの形成 ↓ 提案 一般住民は交流の意思がある 一般住民とのコミュニティの形成 ↓ 提案
提案 筑波大学で単位認定される授業科目を開設 学生(科目履修者)が一般住民(天久保・春日など)と共同で各種活動を行うことにより交流を図る 活動内容 天久保・春日地区の清掃活動 自治会の人たちと学生の交流会 スポーツによる交流 防災学習会 学園祭出店(一般住民との共催)
清掃活動 スポーツ交流 学園祭出店 防災学習会 清掃活動を共同して行うことで学生の行動を見直し、モラルの向上を目指す。 バレーなどのチームスポーツで交流を図る。 防災学習会 9月1日。防災の日。地域で防災力を高めるため、消火器の使い方、防災についての討論会を行う。 学園祭出店 学園祭の出店というひとつの目的を達成することで深い交流が期待できる。
提案により期待できる効果 地域貢献活動への学生の積極的な参加を促進 学生のモラル意識の向上 一般住民と学生の交流の活性化 防災学習会による防災意識の向上
提案の実現可能性 小場瀬令二社会工学類長 担当教員がいれば実現可能 大変面白い、画期的な提案だと思う。実際に、このような、地域の人と交流するような授業案も現在出されている。 もう少し具体的に内容を考え、改善し、担当してくれる教員がいるのであれば、この授業の開講は実現可能であるのではないだろうか。 担当教員がいれば実現可能 担当教員募集中!
今後の展望 授業内容の再検討 履修者の募集方法・人数の検討 自治会への告知 担当教員募集中
謝辞 つくば市役所生活安全課 鈴木洋一様 つくば市役所地域消防課 渡辺様 緑ヶ丘防災推進委員会 三浦功様・小野実様 天久保3丁目自治会長 吉村栄治様 春日4丁目自治会長 朝岡正雄様 つくばユナイテッド 山田幸雄様 柔道教室 岡田弘隆様 やどかり祭実行委員会 二瓶哲也様 スポーツデー実行委員長 古賀亮輔様 社会工学類長 小場瀬令二先生
参考資料 阪神・淡路大震災の社会学〈1〉被災と救援の社会学 岩崎信彦他(1999/02),昭和堂 筑波大学スポーツ・デー ホームページ http://www.stb.tsukuba.ac.jp/~sd/ 筑波大学やどかり祭 ホームページ http://www.stb.tsukuba.ac.jp/~yadokari/ つくばユナイテッド柔道 ホームページ http://www.taiiku.tsukuba.ac.jp/~hokada/tsukuba_united_judo/ つくば市役所 ホームページ http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/index/ 毎日新聞 ホームページ(能登半島地震) http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/notojishin/ 朝日新聞 ホームページ http://www.asahi.com/ 神戸新聞 ホームページ(阪神・淡路大震災) http://www.kobe-np.co.jp/sinsai/
終 ご静聴ありがとうございました。