IT演習B  ストラテジ系1  企業会計 平成30年6月1日.

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IT演習B  ストラテジ系1  企業会計 令和元年5月31日.
Presentation transcript:

IT演習B  ストラテジ系1  企業会計 平成30年6月1日

第1回理解度テストの結果 間違ったところ(理解できていなかったところ)を把握し、納得できるよう復習しておいて下さい。

本日の学習内容と目的 <学習内容> <目的> 財務会計と管理会計 財務諸表 収益性の指標 損益分岐点分析 利益の予想 資産管理 企業経営に必要な会計処理と損益の分析方法を理解する。

1.管理会計と財務会計 会計:損益の発生を記録・整理・計算すること 企業会計:管理会計と財務会計からなる。 <管理会計> 内部に対する情報提供 企業内部の経営者や管理者の意思決定や組織内部の業績測定・業績評 価に役立てることを目的とした会計 → 原価管理+予算管理 原価管理:製品の原価を把握し、その維持・低減を図るための管理手法。 予算管理:予算と実績とを比較し、利益が向上するようコントロールする管理手法。 <財務会計> 外部に対する情報公開 企業外部のステークホルダー(株主、債権者などの利害関係者)に会 計報告を行うための会計 一定期間ごとに決算を行い、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表 を作成する。 基礎課題5-1 損益分岐点分析

2.財務諸表① 貸借対照表(バランスシート) 2.財務諸表① 貸借対照表(バランスシート) 会計期間末日時点での資産、負債、純資産を記載した表。 企業の財政状態を明らかにするもの。 流動比率=流動資産÷流動負債 値が大きいほど支払能力が高く安全。 200%程度が理想。 資産 負債 純資産 <貸借対照表> 借方 貸方 資産 現金、預金、土地、建物などの所有財産の総計 1年以内に現金化可能 流動資産 現金、有価証券、売掛金など 固定資産 有形固定資産(土地、建物、備品など) 無形固定資産(特許権、借地権、のれん代など) 繰延資産 開業費、開発費、社債発行費 負債 いずれ支払わなければならない債務 純資産=資産-負債 1年以内に要支払 流動負債 支払手形、買掛金、短期借入金 固定負債 社債、長期借入金、退職給与引当金など 基礎課題5-2

2.財務諸表② 損益計算書 会計期間における全ての収益と費用を記載し、算出した利益を示したもの 2.財務諸表② 損益計算書 会計期間における全ての収益と費用を記載し、算出した利益を示したもの 企業の営業成績を明らかにする。P/L(Profit and Loss statement)とも呼 ばれる。 損益計算書 単位 億円 臨時の損益 売上高 100 売上原価 75 売上総利益 25 特別利益 0 特別損失 1 税引前当期純利益 6 広告費、管理部門人件費 販売費及び一般管理費 15 営業利益 10 法人税等 2 当期純利益 4 営業外収益 2 営業外費用 5 経常利益 7 利息や有価証券売買など 基礎課題5-3~ 基礎課題5-7

基礎課題5-4 前期 当期 売上高 2,000 売上原価 850 900 売上総利益 1,150 1100 販売費及び一般管理費 950   前期 当期 売上高 2,000 売上原価 850 900 売上総利益 1,150 1100 販売費及び一般管理費 950 営業利益 200 営業外収益 10 20 営業外費用 経常利益 190 210   前期 当期 売上高 2,000 売上原価 850 900 売上総利益 1,150 1100 販売費及び一般管理費 950 営業外収益 10 20 営業外費用   前期 当期 売上高 2,000 売上原価 850 900 販売費及び一般管理費 950 営業外収益 10 20 営業外費用   前期 当期 売上高 2,000 売上原価 850 900 売上総利益 1,150 1100 販売費及び一般管理費 950 営業利益 200 営業外収益 10 20 営業外費用

2.財務諸表② 損益計算書 会計期間における全ての収益と費用を記載し、算出した利益を示したもの 2.財務諸表② 損益計算書 会計期間における全ての収益と費用を記載し、算出した利益を示したもの 企業の営業成績を明らかにする。P/L(Profit and Loss statement)とも呼 ばれる。 損益計算書 単位 億円 臨時の損益 売上高 100 売上原価 75 売上総利益 25 特別利益 0 特別損失 1 税引前当期純利益 6 広告費、管理部門人件費 販売費及び一般管理費 15 営業利益 10 法人税等 2 当期純利益 4 営業外収益 2 営業外費用 5 経常利益 7 利息や有価証券売買など 基礎課題5-3~ 基礎課題5-7

【基礎課題5-7】 (平成28年度春) 売上原価=期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高 小売業を営むある企業の当期の売上高は1,500万円、商品仕入高は1,000万円であった。期首の商品棚卸高が100万円、期末の商品棚卸高が200万円であるとき、当期の売上総利益は何万円か。  ア 200    イ 400    ウ 500    エ 600 期首棚卸高:会計年度の開始日にあった商品・製品の総額 期末棚卸高:期末(会計年度末)にあった商品・製品の総額 売上原価=期首棚卸高+仕入高-期末棚卸高 売上総利益=売上高-売上原価= 1,500-(1,000+100-200)= 600

2.財務諸表③ キャッシュフロー計算書 一会計期間において、企業にどれだけの資金が入って来て、どれだけ の資金が出ていったかという、資金の流れを「営業活動」・「投資活 動」・「財務活動」の3領域に分けて示したもの。 損益計算書や貸借対照表と併せて見ることで、資金管理や資金運用計 画の策定ができる。 <営業活動によるキャッシュフロー> 商品の販売による収入、商品の仕入れによる支出 など <投資活動によるキャッシュフロー> 固定資産の取得や売却、有価証券の取得や売却 など <財務活動によるキャッシュフロー> 株式の発行による収入、自己株式の取得による支出、配当金の支払 など 基礎課題5-8

補足 会計監査人 会社の計算書類(損益計算書や貸借対照表など)を会計監査 することを主たる職務・権限とする。 補足 会計監査人 会社の計算書類(損益計算書や貸借対照表など)を会計監査 することを主たる職務・権限とする。 会社の規模によって会社法で設置が義務付けられ、公認会計 士か監査法人のみが就任できる。 基礎課題5-9

3.収益性の指標 ROA(Return On Asset:総資産利益率) 当期純利益÷総資産 で求める。 基礎課題5-10、基礎課題5-11 当期純利益÷総資産 で求める。 企業が保有する総資産に対する収益性を示す指標で、総資産をどの程度効率的に活用して 利益に結びつけているかを把握できる。 ROE(Return on Equity:自己資本利益率) 当期純利益÷自己資本 で求める。 自己資本に対する収益性を示す指標で、株主の投資がどの程度効率よく利益を生み出して いるかを把握できる。 ROI(Return on Investment:投下資本利益率) 事業利益÷投下資本 で求める。 事業に対して投じられた資本から、どのくらいの利益を生み出しているかを示す割合で、 当該事業がどの程度効率よく収益をあげているかを把握できる。 基礎課題5-10、基礎課題5-11 自己資本=純資産-新株予約権-少数株主持分

【基礎課題5-11】 導入を検討している機械の経済性評価を行う。取得費用が1,000万円で、 耐用年数は10年間である。導入によって、毎年、110万円の利益を得ら れる。また、保守費用として毎年取得費用の1%が発生する。この機械 への投下資本利益率、すなわち機械への投資に対する利益の割合は 何%か。なお、投下資本利益率は、次の式で算出するものとする。   投下資本利益率(%)= 利益÷投下資本×100  ア 90.0    イ 100.0    ウ 110.0    エ 120.0 利益= 110(万円)×10(年)= 1100 (万円) 投下資本 = 1000(万円)+ 1000(万円)×0.01×10(年) = 1000×1.1 = 1100(万円) 投下資本率 = 1100÷1100 ×100 = 100

ROE 日経電子版記事(2015年5/25)(http://www. nikkei 上場企業3社に1社がROE10%超  各企業がROEを意識 日本企業の資本効率が高まっている。株主のお金を元手にどれほど効率よく利益を上げたかを示す自己資本利益率(ROE)をみると、2014年度は3社に1社が10%を超えた。円安で企業の利益が過去最高を更新する一方、自社株買いや増配で不要な資本を減らしているためだ。海外投資家が重視するROEが米欧並みの2ケタ台に乗る企業が増え、日本株上昇の原動力になっている。 ・・・

3.収益性の指標② 売上総利益率(粗利率) 売上総利益÷売上高 で求める。 在庫回転率 売上高÷平均在庫高 で求める。 売上総利益÷売上高 で求める。 売上高に対する、総利益(売上高から売上原価を差し引いた粗利益)の割合を示す。製品 や商品の収益性・採算性を計る指標で、高いほど良いとされる。 在庫回転率 売上高÷平均在庫高 で求める。 一定期間内に、企業が保有する平均在庫が販売される回数を示すもの。この値が大きけれ ば大きいほど在庫を仕入れて販売されるまでの期間が短く、効率的ということになる。

4.損益分岐点分析 費用=固定費+変動費 利益=売上高 - 費用 = 売上高 -(固定費+変動費) 損益分岐点分析 固定費:売上の増減に関係なく必要となる費用。設備費や人件費など。 変動費:売上に応じて変動する費用。材料費や販売費など。 利益=売上高 - 費用 = 売上高 -(固定費+変動費) 利益が出るためにはいくら売らなければならないか? 損益分岐点分析

損益分岐点 基礎課題5-12~基礎課題5-14 売上高 固定費 変動費 利益 損益分岐点での売上高は? 費用 損益分岐点 利益 = 売上高 – 費用 = 0 より 売上高 = 費用 = 固定費 + 変動費 = 固定費 + 売上高×変動費率 損失 変動費率 = 変動費÷売上高 売上高×(1-変動費率) = 固定費 売上高 = 固定費 1 – 変動費率

基礎課題5-12 次の損益計算資料を基に算出した損益分岐点の売上高は何百万円か。 単位 百万円 売上高 4,000 変動製造費 1,400      単位 百万円 売上高 4,000 変動製造費 1,400 変動販売費 600 固定費 800 ア 1,200     イ 1,231      ウ 1,600      エ 2,154 変動費率 = (変動製造費 + 変動販売費)÷売上高      = ( 1400+600 )÷4000 = 0.5  損益分岐点での売上高 = 固定費÷( 1-変動費率 )      = 800 ÷ 0.5 = 1600

基礎課題5-13 商品の販売数が500個のときの営業利益は表のとおりである。販売単価を10%値下げしたとき、損益分岐点の売上高は何円か。ここで、商品1個当たりの変動費及び販売数は値下げの前後で変わらないものとする。 単位 円 ア 468,750    イ 486,000     ウ 500,000    エ 576,000 売上高 900,000 費用 変動費  固定費   324,000 300,000 営業利益 276,000 変動費率 = 変動費÷売上高 = 324000÷810000 = 2/5 損益分岐点での売上高 = 固定費÷( 1-変動費率 ) = 300000÷( 1-2/5 ) = 300000×5/3 = 500000 (円) 値下げ後の売上高 = 900000×0.9 = 810000 (円)

基礎課題5-14 製品Aの生産及び販売に必要な固定費は年間3,000万円である。製品Aの単価が2万円、生産及び販売に掛かる1個当たりの変動費が5,000円であるとき、製品Aの損益分岐点における販売個数は何個か。 ア 1,500     イ 2,000     ウ 4,000     エ 6,000 1個販売したときの売り上は2万円 その時の変動費は5千円 であるから 変動費率 = 5000÷20000= 1/4 損益分岐点での売り上げは 固定費÷(1-変動費率) = 3000(万円)÷(3/4) = 3000(万円)× 4/3 = 4000(万円) 別解) n個売ったとき  売上=2×n、費用=3000+0.5n  であるから 2n=3000+0.5n より n=2000 単価は2万円であるから 販売個数 = 4000 ÷ 2 = 2000 (個)

5.利益の予想 期待値による評価 起こり得る事象の全ての場合の数値に、それぞれの確率をかけて足し 上げることで求める。 例)経済状況によって次のような利益が得られると見積もった場合の 利益は? 基礎課題5-15 経済状況 好転(30%) 変化なし(60%) 悪化(10%) 予想利益 8000万円 4000万円 2000万円 利益の期待値 = 8000×0.3 + 4000×0.6 + 2000×0.1 = 2400 + 2400 + 200 = 5000 (万円)

基礎課題5-15 X社では来期に製品A、B、C、Dのいずれか一つを市場に投入することを検討している。来期の市況で好況の確率は40%、不況の確率は60%と予想され、市況ごとの各製品の予想売上高が表のとおりであるとき、この市場から得られる最大の売上期待値をもたらす製品はどれか。 単位 百万円 市況 製品A 製品B 製品C 製品D 好況 12 18 20 10 不況 8 6 ア 製品A   イ 製品B    ウ 製品C   エ 製品D 売上期待値 製品A = 12×0.4 + 10×0.6 =4.8+6.0 = 10.8 製品B = 18×0.4 + 8×0.6 =7.2+4.8 = 12.0 製品C = 20×0.4 + 6×0.6 =8.0+3.6 = 11.6 製品D = 10×0.4 + 12×0.6 =4.0+7.2 = 11.2

6.資産管理  企業が保有する在庫や設備などの資産を管理すること 在庫評価 減価償却

6-1.在庫評価 在庫は、資産として金額に置き換えて評価することができる。 ただし、同じ商品でも仕入れ時期によって仕入れ単価が異なる。 そのため、資産管理として評価方法を決めておく必要がある。→ 代 表的な評価方法は次の通り。 先入先出法 先に仕入れた商品から先に出庫するものとみなして計算する方法 後入先出法 後に仕入れた商品から先に出庫するものとみなして計算する方法 移動平均法 商品を仕入れた都度、以下の平均で払出単価を求める方法。 (商品仕入れ額+その時の在庫残高)÷(商品個数+その時の在庫個数) 総平均法 次の平均で払出単価を求める方法。 (期中商品仕入れ額+期首在庫の評価額)÷(期中仕入れ商品個数+期首在庫個数)

先入先出法 A商品を先入先出法で評価した場合、4月末の在庫の評価額は何円か。 在庫 (平成13年度春 初級シスアド) 4/1 (平成13年度春 初級シスアド) A商品を先入先出法で評価した場合、4月末の在庫の評価額は何円か。 4/1 在庫 10個(100円) 4/4 10個(100円) 40個(120円) 評価額 = 140(円)×20(個) +110(円)×10(個) = 2800+1100 =3900(円) 4/10 20個(120円) 30個(140円) 10個(110円) 4/5 20個(120円) 4/7 20個(120円) 30個(140円) 4/30 20個(140円) 10個(110円)

後入先出法 A商品を後入先出法で評価した場合、4月末の在庫の評価額は何円か。 在庫 4/1 10個(100円) 4/4 10個(100円) 40個(120円) 評価額 = 140(円)×10(個) +120(円)×10(個) +100(円)×10(個) = 3600(円) 4/10 10個(110円) 30個(140円) 10個(120円) 10個(100円) 4/5 10個(120円) 10個(100円) 4/7 10個(120円) 30個(140円) 10個(100円) 4/30 10個(140円) 10個(100円) 10個(120円)

移動平均法 移動平均 基礎課題5-16 4/4と4/7の払出単価を移動平均法で求めると・・・ 4/1と4/4の平均 払出単価 = ( 購入額+在庫残高 ) ÷ ( 購入数+在庫数 ) = ( 120(円)×40(個) +100(円)×10(個) ) ÷ ( 40+10 ) =( 4800+1000 )÷50 = 116(円) 4/4 4/4と4/7の平均 払出単価 = ( 購入額+在庫残高 ) ÷ ( 購入数+在庫数 ) = ( 140(円)×30(個) +116(円)×20(個) ) ÷ ( 30+20 ) =( 4200+2320 )÷50 = 130.4(円) 4/7

【基礎課題5-16 】 5月 6月 7月 8月 販売実績量 110 100 90 95 月末在庫量 10 35 25 製造業A社では、翌月の製造量を次の計算式で算出している。    翌月の製造量 = 翌月の販売見込量 - 当月末の在庫量 + 20 翌月の販売見込量が当月までの3ヶ月の販売実績量の移動平均法によって算出されるとき、9月の製造量は幾らか。 5月 6月 7月 8月 販売実績量 110 100 90 95 月末在庫量 10 35 25 ア 90    イ 92    ウ 95    エ 100 9月の販売見込量=(100+90+95)/3=95 9月の製造量=9月の販売見込量-8月の在庫量+20=95-25+20=90

6-2.減価償却 基礎課題5-17 建物や機械・設備などの固定資産は、時間が経過するとその資産価値 が下がる。→ 減価 建物や機械・設備などの固定資産は、時間が経過するとその資産価値 が下がる。→ 減価 減価を毎期、所定の方法で計算し、税法で定められた期間で分割して 費用として計上する必要がある。→ 減価償却 <減価償却の計算方法>  定額法:毎期、一定額を減価償却して行く方法  定率法:(取得額-その期までの全償却費用)×償却率 によって償却額を決める        方法 <法定耐用年数> 資産の種類毎に、税法によって決められている。PC:4年、サーバ:5年など。 ソフトウェアは、販売用の原本及び研究開発目的のものは3年、それ以外は5年。 ソフトウェアはこちら

応用課題の提出期限 【応用課題5-1】~【応用課題5-7】  本日(6月1日)中