I nvestor R elations 平成18年2月20日 佐賀県知事 古川 康
Investor Relations IR = 投資家向け主体的広報活動 社債を発行している企業の多くはトップによるIRを実施 地方自治体も、市場公募団体のIRは近年増加。ミニ公募債を発行する佐賀県も昨年度に引き続き知事が直接財務指標を説明
目次 財政のアウトライン 財政運営の基本的な考え方 佐賀県の歳入構造 佐賀県の歳出構造 財政構造を示す財政指標(①~⑧) 今後の財政見通し
佐賀県財政のアウトライン 佐賀県は人口も少なく、大企業も目立ったものがなく、税源には恵まれていない(自主財源割合=約1/3) 県債(借入金)残高は、近年高止まりの傾向 (一般の県債(借入金)は発行額を抑制) しかし、公債費(借入金返済)を上回る税収を確保 他の都道府県と比べて、これまで健全な財政運営だが、税収が乏しいため、近年の交付税削減の影響が直撃 いざという時に備えた基金も約155億円(18年度末見込) 決算の実質収支は、昭和51年度以降29年連続黒字
地方交付税削減などによる財源不足への対応 平成20年度に財源不足が生じない収支均衡型の予算を実現 佐賀県行財政改革緊急プログラムの着実な推進 県財政が目指す方向 直面する課題 地方交付税削減などによる財源不足への対応 民間活力を活用した自立した地域づくり 民間との役割分担 県の仕事そのものを 見直し 税源(人口、企業)を 増やし歳入を確保 平成20年度に財源不足が生じない収支均衡型の予算を実現 佐賀県行財政改革緊急プログラムの着実な推進
行財政改革緊急プログラムと予算 財政健全化に向け 着実に推進 緊プロ策定後、予算総額をコントロール 億円
財政運営の基本的な考え方① 単なる歳出削減でなく、税収増に結びつく施策を実施 (企業誘致、産業の育成、新産業の創出) 県民満足度の向上のため、やるべきことは積極的に実施 プライマリーバランスを黒字基調とするなど財政の健全性に留意。(身の丈にあった財政運営) プライマリーバランス=(歳入-県債収入)-(歳出-公債費)
予め財源を配分することで、予算全体の「枠」が定まる 財政収支さえしっかりできれば、財政は悪化しないルール 財政運営の基本的な考え方② 平成16年4月に「本部制」に移行。各本部が現場の実情を踏まえ、自律的に本部財源を配分。 県全体の財政収支から 一般財源総額を設定、配分 各本部は、配分された財源の 中で事業を選択、予算化 査定ではなく、配分された財源をどのように使うのかという経営の問題 予め財源を配分することで、予算全体の「枠」が定まる 財政収支さえしっかりできれば、財政は悪化しないルール
佐賀県の歳入構造 自前の財源は、わずか3割(H16)
佐賀県の歳出構造 歳出に占める人件費、公債費、扶助費の割合 ⇒ほぼ全国平均と同じ 予算規模縮小→比率上昇中 義務的経費比率の推移
指標①プライマリーバランスの推移 世代間の受益と負担を示す指標 平成12年度以降黒字基調で推移 → 県債残高の増加を抑えることができる
プライマリーバランスとは (歳入ー県債収入)-(歳出ー公債費) 黒字⇒ 県債残高の増加を抑えることができる H18年度のプライマリーバランス 佐賀県 (臨財債除く) + 161億円 (臨財債含む) + 7億円 日本政府 △ 11.2兆円
指標② 財政力指数の推移 大企業が少なく、税収が少ないため、財政基盤は弱い ⇒ 良い順から数えて全国34番目(H16) 1に近づくほど、 指標② 財政力指数の推移 財政基盤の強さを示す指標 大企業が少なく、税収が少ないため、財政基盤は弱い ⇒ 良い順から数えて全国34番目(H16) 1に近づくほど、 財政力が強い
新たな需要にどれだけ柔軟に対応できるかを示す指標 指標③ 経常収支比率の推移 新たな需要にどれだけ柔軟に対応できるかを示す指標 公債費の増加や、交付税の落ち込みで上昇傾向 ⇒それでも、良い順から数えて全国11番目(H16) 交付税の大幅減→比率上昇中 値が低いほど、 新たな需要に柔軟に対応可
借入金返済による財政負担の度合いを示す指標 指標④ 起債制限比率の推移 借入金返済による財政負担の度合いを示す指標 借入金返済額の増加や、税収や交付税の落ち込みにより上昇傾向⇒良い順から数えて全国37番目(H16) 財政力相当。18年度からの地方債協議制以降後も許可団体にはならない見込
県債(借入金)残高が歳入何年分に相当するかを示す指標 指標⑤ 借入金残高/歳入決算 県債(借入金)残高が歳入何年分に相当するかを示す指標 16年度末県債残高は16年度歳入1.41年分に相当 ⇒ 良い順から数えて全国8番目(全国1.61年分) これまで、身の丈にあった借金をし、 かつ確実に返済している証拠
指標⑥ 公債費の推移 公債費(借金返済)は平成16年度をピークに減少傾向 ~H16:決算 H17、18:予算、H19~緊プロ見込
指標⑦ 県税の推移 県税の伸び率は、平成元年度を基準とした場合、全国平均を上回る指数で推移
指標⑧ 県税収入と公債費 公債費(借入金返済)を上回る県税収入が見込まれる
指標⑨義務的経費と一般財源の比較 県が自由に使える一般財源(歳入)が、 公債費を含む義務的経費(歳出)を上回っています。 平成18年度当初予算
指標⑩“いざ”というときの基金の規模 財調基金 減債基金 A 標準財政規模 B A/B 佐賀県 200億円 2,363億円 8.5% 「標準財政規模」(その団体の標準的な一般財源の規模)に対する財政調整基金・減債基金の残高は、全国平均以上(H16) 財調基金 減債基金 A 標準財政規模 B A/B 佐賀県 200億円 2,363億円 8.5% 全都道府県 1兆8,341億円 25兆円 7.3%
県民の皆様へのメッセージ 佐賀県は、健全な財政運営、身の丈にあった財政運営を心がけ、これまで実行してきました。 また、全国にも例も見ない5年後の予算総額を事前に設定する「行財政改革緊急プログラム」を策定し、実行しています。 佐賀県は、小規模ながらも、相対的にみると、財政は比較的健全で、今回の「さが県民債」も確実に元本保証できるものです。 県民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。