教職員人事評価制度について 教職員の評価制度が変わります これから、このスライドを使って、みなさんに平成18年度から始まる新しい人事評価制度について、その概略をご説明いたします。 平成18年3月 熊本県教育委員会
新しい評価制度の概要 + 評価者評価 自己評価 (現行の勤務評定に代わるもの) (自己目標の達成状況の評価) 今回の新しい人事評価制度は、2つの柱から構成されています。 これまで実施されてきた勤務評定に代わるものとして制度化した評価者評価の制度が一つ目の柱となります。 そして、もう一つの柱が、自己評価の仕組みを取り入れた自己評価の制度となります。 今回の評価制度は、自己評価と評価者評価を両輪として、職員のみなさんの資質向上を目指します。 なお、今回の評価制度の対象者は、学校に勤務する常勤の全ての県費負担の職員となります。臨時的任用職員も評価の対象とします。
職員のみなさんには、平成18年度から自己評価制度に取り組んでいただきます。 みなさんにやっていただきたいことは、年度当初の目標設定と、目標達成のための取組み、それに、年度末の自己目標の評価となります。 みなさんには、この自己評価制度への取組みを通して、自分の職務に対しての振り返りの時間をつくっていただき、次の年度への取組みにつなげていただきたいと思います。 一方、管理職には、みなさんとの年2回の面談や日頃の職務観察の中で、みなさんの資質向上につながるような助言指導を行っていただくようにお願いしています。 それでは、次に、 自己評価制度の流れをPDCAのマネジメントサイクルに沿って説明します。
◆◆自己評価の流れ◆◆ 評価対象者 面談者 個人目標設定 学校教育目標設定 Plan 面談 観察 目標達成に Do 向けての取組 自己評価 指導・助言 Check 自己評価 面談者評価 まずプランですが、面談者である校長は、年度当初、職員に対し、学校教育目標を提示します。そして、評価対象者である職員は、その教育目標を踏まえて、その年度の自己目標を自己評価シートに記入し、教頭・事務長経由で校長に提出します。校長は、その後の面談の中で職員に目標設定に関しアドバイス等を行い、両者で目標の確認を行っていただきます。 以上がプランとなります。次にドゥーに移ります。目標が決まったら、目標達成に向けての取り組みを始めていただきます。校長は、日頃から職員の勤務状況を観察し、必要に応じて、指導・助言等を行います。当然、教頭・事務長も助言指導等を行っていきます。 次にチェックです。年度末になったら、職員は、自己目標の達成度について自己評価を行います。一方校長も、職員の目標について、面談者としてその達成度を評価します。育成面談では、仕事の進め方について、よかったところや悪かったところなどを話し合い、次年度に向けた取り組みにつなげていきます。これがアクションです。 以上が、1年を通しての自己評価制度の進め方となります。 面談 次年度に向けた取 組 へ Action
みなさんには、この自己評価シートを使って、自己目標の設定と自己評価をやっていただきます。いま見ているのは、教諭の自己評価シートとなります。自己評価シートは、職種毎に用意しておりますので、熊本県教育情報システムのホームページから自分の職種の自己評価シートをダウンロードしてお使いください。 教諭の場合、評価項目として「学習指導」「児童生徒指導」「校務分掌他」の3つの項目を予め用意しておりますので、教諭の場合は、この項目毎に目標を設定していただきます。
年度当初に記入していただく欄としては、「現状」欄、「目標」欄、「具体的な手立て」欄があります。 目標設定の基本的な手順については今からご説明します。
Step ① 現状の把握 レベルは? 状況は? 今はどんな状態か? Step ① 現状の把握 レベルは? 状況は? 今はどんな状態か? まず、やっていただきたいのは現状の把握ということになります。今自分が求められている課題について、それがどんな状態にあるのか、あるいは、どれだけのレベルに達しているのか、どんな状況にあるのか、といったところを確認していただきます。
現状 Step ② あるべき姿の設定 あるべき姿 Step ② あるべき姿の設定 あるべき姿 現状 現状が把握できたら、次は目標の設定ということになりますが、その第一歩としてあるべき姿をイメージしてください。 自分がどんな方向を目指すのか、よく考えてみてください。
Step ③今年度の目標設定 あるべき姿 今年度の目標 現状 今年度の目標設定については、自分が今イメージしたあるべき姿に向かって、今年度どの地点までの到達を目指すのかよく考えて、今年度の目標を設定していただければと思います。 もちろん、あるべき姿が今年度の目標となることもあるでしょう。
Step ④手立ての設定 今期の目標 現状の姿 今年度の到達目標が決まったら、次は具体的な手立ての設定となります。 現状をスタート地点として、どういったことをすれば今年度の到達目標に辿り着けるのかよく考えて、具体的な教育活動を決定していただければと思います。
目標を設定する際は... なお、目標設定にあたって大事なことは、誰もがはっきり目標が達成された状態をイメージできるということになります。この自己評価制度の場合は、少なくとも校長と職員2人の間では、目標が達成された状態のイメージを共通の認識として持っていただきたいと思います。共通の認識を持っていただくことが年度末の評価につながっていきます。
目標設定のステップ →「現状」欄 ① 現状の把握 ② あるべき姿の設定 ③ 今年度の目標設定 ④ 具体的な教育活動の決定 ⑤ 目標の達成度評価のために、評価者と被評価者間で目標達成イメージの共有。 →「目標」欄 →「具体的な手立て」欄 以上、目標設定の手順を簡単にまとめると、 まず、現状の把握。次に、あるべき姿の設定。そして、あるべき姿に向かっての今年度の到達目標の設定。そして、現状と今期の目標の差を埋めるため、具体的な教育活動の設定となります。最後に、今年度の目標の達成状況をスムーズに評価するため、校長と職員の間で目標が達成された状態というものを共通イメージとして持っていただくということになります。 自己評価シートの「現状」欄には、①で把握した現状の姿を記入していただきます。「目標」欄については、③で設定した目標を。「具体的な手立て」欄については、④で設定した具体的な教育活動を記入していただきます。
学校教育目標等の確認 目標のレベル 目標の数 目標設定にあたって、その他の留意点 目標設定に当たってのその他の留意点としては、 まず、最終目標の確認ということがあります。みなさんがどう仕事を進めるにしても最終的な方向はこれに合わせなければなりませんので、まずは、学校の最終目標である教育目標や学年目標等を確認し、それを踏まえた目標の設定をお願いします。 次に、目標のレベルとしては、ある程度がんばらないと達成できないくらいの目標にしていただければと思います。普通にやっていれば達成できる目標であれば、みなさんの資質向上につながりませんので、達成可能な範囲でできるだけ高度な目標に取り組んでください。 目標数については、予め設定された評価項目毎に、1つか2つ程度お願いします。普通にやっていれば達成可能な仕事については、自己目標として掲げる必要はありません。
A~D 次に、年度末に行っていただく自己評価についてご説明します。 年度末にみなさんが記入する欄は、段階評価の欄と記述による自己評価の欄になります。段階評価については、ABCDの4段階評価です。 A~D
自己評価の基準について A 自己目標において年度当初設定した達成レベルを上回って達成した。 A 自己目標において年度当初設定した達成レベルを上回って達成した。 B 自己目標において年度当初設定した達成レベルを概ね達成した。 C 自己目標において年度当初設定した達成レベルをやや下回った。 D 自己目標において年度当初設定した達成レベルを大きく下回った。 自己評価における評価基準は、目標が概ね達成されたレベルである「B」を基準とした4段階の評価基準となります。 目標設定の際に、年度末にどういう状態であれば「A」なのか、どういう状態であれば「B」なのか、といったところを校長先生と職員が共通の認識として持っていれば、年度末の評価もある程度は互いに納得できるものになるのではないかと思います。
評価者評価の評価法 行動プロセスによる能力評価 教職員の目標となる職務行動 を評価基準として示す 評価者評価については、職員のみなさんに特別やっていただくことはありませんが、どのような形でみなさんが評価されていくのか、ご説明したいと思います。 今回の評価者評価は、仕事の結果や成果を見て評価していくというやり方ではなく、日頃のみなさんの仕事の進め方や取組み姿勢などを見て評価します。評価者としては、教頭と事務長が1次評価者、校長が最終評価者となります。 具体的には、職種別に目標となる職務行動を評価基準として示し、その職務行動をどれだけ実践できたかで評価していきます。
この評価者評価シートを使って、管理職にみなさんの評価をしていただきます。いま見ているのは、小学校教諭の評価シートとなります。自己評価シート同様、評価者評価シートも職種毎に用意しています。 教諭の場合、大項目として、「学習指導」「児童生徒指導」「校務分掌他」に分けており、その大項目のそれぞれをさらに細かく分けております。 「学習指導」で見ていくと、
「授業の進め方」「家庭学習の指導」「指導力向上への取組」の3つの小項目に分類しています。 今回の評価基準は、こうして細かく分けた評価項目一つ一つに対して、目標となる職務行動をレベル毎に設定しています。 授業の進め方で見てみると、
基本的に求められる職務行動 レベル3 レベル2 レベル1 レベル0 レベル1をその職種に基本的に求めたい職務行動ということで規定しています。レベル2というのは、レベル1の職務行動をとっている人に対し、それに加えてさらに求めたい職務行動ということで規定しています。レベル3の場合も同じ考え方で、レベル1とレベル2の職務行動を満たしている人に対し、さらに求めたい職務行動ということで規定している。なお、基本的に求められる職務行動であるレベル1の職務行動も実践していないと判断した場合は、レベル0ということになります。従って、この評価基準は、レベル0からレベル3までの4段階評価基準になっています。このレベル設定は、レベル1から積み重ねていくようなイメージで考えてください。つまり、レベル3になるためには、その前提としてレベル1とレベル2の職務行動も満たしていなければならない、ということです。 基本的に求められる職務行動
評価者評価シートは、今申し上げた段階評価のほか、記述の欄を設けています。ここは、段階評価で伝えきれていない事柄を書く欄という位置づけとなっています。記入者は校長となります。
評価時期・期間 評価期間 18年度 11月1日 17年度 11月1日 H18.4.1 H17.4.1 (評価基準日) H16.4.1 評価期間・評価時期については、毎年、11月1日を評価基準日とし、その前1年間を評価期間とします。 評価期間
評価結果は、 自己目標に対して校長が行う評価の部分は原則開示とします。自己評価シートに、評価結果開示希望の有無を確認する欄を設けていますので、開示を希望する職員は、開示希望を選択してください。 評価者評価の評価結果については、非開示とします。 但し、評価様式は開示しますので、みなさんの行動指針としてお役立てください。 なお、自己評価の制度については、当面みなさんの資質向上を図るものとして活用していきます。 一方、評価者評価の制度については、その評価結果を人事異動等の基礎資料として活用していきます。 以上、18年度から始まる新たな人事評価制度の概要でございました。