リスクポートフォリオ 京都大学大学院 小林研究室 修士2回 関川 裕己
背景 会計不祥事 SOX法(企業改革法)制定 ・内部統制の構築・維持 ・内部統制報告書の提出 財務報告の正確性・透明性が必要 粉飾決算、経営破綻、賄賂などの不正支払い etc… 財務報告の正確性・透明性が必要 SOX法(企業改革法)制定 ・内部統制の構築・維持 ・内部統制報告書の提出 J-SOX法 ・「金融商品取引法」 ・「会社法」
背景 内部統制 (COSO: the Committee of Sponsoring Organization of the Tread way Commission) 『以下に分類される目的を達成するために、 合理的な保証を提供することを意図した、 取締役会、経営者およびそのほかの職員によって 遂行される1つのプロセス』 ・業務の有効性、効率性 ・財務諸表の信頼性 ・関連法規の遵守 目的
背景 COSO ERM※(2004):全社的リスクマネジメント リスク対応 事業活動にともなう不確実性と、それに付随するリスクや 事業機会への対応力を強化することにより、 経営者に事業目的の達成に関する合理的な保証を与える リスク対応 出典:「Enterprise Risk Management - Integrated Framework Executive Summary」 ※ Enterprise Risk Management-Integrated Framework
問題意識 リスクマップ Magnitude Frequency B1 (災害etc) A (賠償問題、環境問題etc) C (誤字脱字etc) B2 (自動車事故etc) Frequency
問題意識 リスクマップ ?最適? ?最適? Magnitude Frequency B1 (災害etc) A (賠償問題、環境問題etc) 移転・保有 回避・低減 C (誤字脱字etc) B2 (自動車事故etc) 自己保有 移転・保有 Frequency ?最適?
目的 マルチプルリスク リスクマネジメント リスク許容水準を達成する、最小費用は?
分析のポイント 流動性(内部留保) 全ての資産損失リスクをヘッジ可能 ⇒リスクポートフォリオ 保険 契約対象リスクのみヘッジ可能
流動性と保険の整理
仮定 純粋リスクのみを想定 保険者はリスク中立 リスクフェアな保険価格 保険料=期待損失額 給付保険金=損失額(フルカバー)
リスクが1つの場合 確率密度 f f(L) 期待被害額 μ 損失額 L μ(=∫0∞f(L)dL) σ2
保険購入 確率密度 f 1 損失額 L μ(=∫0∞f(L)dL) σ 2=0
リスクが複数の場合 確率密度 損失額 μ3 μ1 μ2 σ32 σ12 σ22 リスク1 リスク2 リスク3
すべて保険購入 リスクヘッジコスト=保険料(∑μi) 分散 = 0 確率密度 1 1 1 損失額 μ3 μ1 μ2 リスク1 リスク2 リスク3 リスクヘッジコスト=保険料(∑μi) 分散 = 0
一部保険購入(ex.リスク1のみ) 確率密度 確率密度 f(L2,L3) リスク3 損失額 L3 1 μ3σ32 μ1 共分散σ23 μ2 リスク2 損失額 L2 σ22 リスク1 リスクヘッジコスト=保険料(μ1) + 内部留保 (共分散 = ∬0∞ L2L3f(L2,L3)dL2dL3-μ2μ3 )
リスクカーブ 一部保険Case 超過確率 g’(TD)=1-∫0∞ f’(L2,L3)dTD 1 許容水準 α=0.05 総保険料 許容水準 α=0.05 総保険料 TD:保有リスク総損失 (TD=L2+L3) 保険料μ1 内部留保 保険効果 C:リスクヘッジコスト
目的 リスクマネジメント リスク許容水準を達成する、最小費用は? Min C (変数:保険組合せ) s.t. h(TD) =α
定式化の前提条件
定式化の前提条件 保有リスク損失:Dm (N- NI)次元対数正規分布に従うと仮定.
定式化の前提条件
定式化の前提条件 保有リスクカーブ:h(TDm) h(TDm) =∫TDm∞ f(Dm) dTDm
最小化問題 Min C s.t. h(TD) =α m
最適リスクポートフォリオ リスクマップ 最適 最適 Magnitude Frequency B1 (災害etc) A (賠償問題、環境問題etc) 最適 移転・保有 回避・低減 C (誤字脱字etc) B2 (自動車事故etc) 自己保有 移転・保有 Frequency 最適