都跡小中一貫教育のこれまでの経緯と取組の様子

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都跡小中一貫教育のこれまでの経緯と取組の様子 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 成果と課題 新設3教科

◇平成20年度 ・平成20年3月 施設分離型(1小1中)奈良市小中一貫教育パイ ロット校の指定を受ける。 ・平成20年度 ・平成20年3月  施設分離型(1小1中)奈良市小中一貫教育パイ ロット校の指定を受ける。 ・平成20年度  校内研修(教育課程・新設教科等)、小中連絡協議 会、小中合同研修、先進校へ視察、土曜参観、授業 公開の参観 小学校高学年で一部教科担任制の実施               中学校教員の小学校訪問と6年生との交流 中学校職場体験の体験先として小学校が受け入れ    小学校6年生の中学校体験入学(2月に授業を体験)   特別支援学級の調理実習による交流   「夏まつり」で幼小中教職員の合同出店    PTAへの説明会  平成20年の3月に都跡小学校・都跡中学校が奈良市からパイロット校に指定されました。 平成20年度 ・校内の研修を小学校・中学校がそれぞれ行いました。  内容は新しくなる教育課程や新しく導入される「郷土なら科」「情報科」「英会話科」についてでした。 ・小学校と中学校で行った研修内容などを確認するための小中連絡協議会を持ちました。 ・先進校への視察を行ったり、小学校高学年で一部、中学校のような教科担任制を試してみました。 ・中学校教員が小学校を訪問して6年生と交流をもったり、6年生が中学校に来て授業を体験したりする取り組みも行いました。

◇平成21年度 ・小中一貫教育検討委員会設置、年間3回の合同研修 ・中学校英語教員2名が 5・6年生の「英会話科」 を担任とTTで担当 ・中学校家庭科教員が6年生の 「家庭科」を担当 ・小学校教員が中学校「情報 科」に中学校技術科教員とTTで担当 ・6年生の児童と生徒会有志による交流 (朝顔のカーテン、ゲームでの交流) ・HP、学校便りなどで発信 平成21年度 ・小中一貫教育検討委員会というものを立ち上げました。  これは小学校・中学校の校長・教頭・教務主任・研究主任・小中一貫教育主任が話し合うためのものです。  年間3回行っている合同研修会で話し合うことを決めたり、先進校へ視察に行ったり、研究会などでの発表をしたりしました。 ・年間3回の合同研修では、子どもたちの様子や問題点、どのように指導していけばいいのかなどをお互いに確認し合っています。 ・「英会話」科の授業では中学校からは英語科の教員が5年生に1名、6年生に1名入って、それぞれの担任の先生のお手伝いをしています。 ・中学校家庭科の教員が6年生の家庭科を専科教員として受け持っています。 ・小学校の教員が中学校の「情報科」の授業を中学校技術科の教員とティームティーチングで受け持ったり、単独で担当したりしています。 ・これらの効果として、教科の専門性が高まるという利点があります。また、お互いの授業の様子を見ることでよいところを取り入れることもできてきました。  ただ、時間割を組むうえで行事が重ならないように考えるなど、いろいろな工夫が必要になっています。 ・この年から6年生児童と中学校生徒会との交流会も始まりました。 ・文部科学省の「電子黒板を活用した教育に関する調査研究」事業により、電子黒板が小中全ての教室に配置されたのもこの年です。

◇平成22年度 ・「英会話科」にALTが入る。 ・小学校教員が中学校「情報科」 を担当。 ・小中の土曜参観への相互訪問 ・ふれあい交流会  を担当。 ・小中の土曜参観への相互訪問 ・ふれあい交流会   (6年生と生徒会有志の交流)            ・2年生の町探検と3年生の             校区探検に中学校をコー             スとして入れる。 平成22年度 ・お互いの土曜参観に訪問することも行いました。 ・英会話科にはALTの先生が配置されました。写真は今、来ていただいているミンタン先生です。 ・21年度から行っている中学校生徒会と6年生の交流会に「ふれあい交流会」という名前がつきました。 ・小学校2年生の町探検と3年生の校区探検に中学校がコースとして組み込まれ、2年生・3年生の児童たちは中学校の階段の高さに驚いたり、  中学生の学習の様子を見て「難しそうやなぁ。」と感想を漏らしたりしていました。 ・合同研修会では小学校が保護者向けに出している学校生活の手引き冊子「いつも手もとに」や  中学校が生徒向けに出しているプリント「都跡中学校の生活、こんなときどうする?」などを通して、 小・中の違いについて共通理解しました。  教科毎に9年間の学びのつながりを確認したり、学校評価をもとに児童・生徒、保護者、教職員の小中一貫教育に対する意識調査を行い、  今後どういう取組をするべきか考えました。 中学校の教室を見学する小学生

◇平成23年度 ・小中一貫教育の都跡小中としての目標を設定 ・奈良市小中一貫教育研究発表会での発表 ・「都跡ふれあいまつり」で小中一貫教育の取組・  成果・課題を発表 平成23年度 ・小中一貫教育の都跡小学校・都跡中学校としての目標を設定しました。 ・奈良市の研究発表会でも取組の発表を行いました。 ・「都跡ふれあいまつり」で取組の成果や課題の発表も行いました。 ・夏休みには新設3教科の小学校及び中学校の学習の流れも合同研修会であらためて確認しました。

◇成果と課題 中学校入学時に中学校の先生や様子を知って いることで安心感が生まれ、中一ギャップの 解消につながる。 意図的に切り替えや世間の広がりを示すこと が課題。 学校評価アンケートでは新設3教科の学習内 容などに関心を示してくださる方が多い。 行事調整の難しさから、小学校行事と中学校 行事が重なったり、連日になったりして、保 護者に負担がかかっていることがある。 ・成果としては、世間でよく言われる中一ギャップという中学校入学時の不安やいろんな新しい体験への  不適応が少ないことがあげられます。 ・課題としては、先生も知っているし、先輩も同級生もほぼ変わらないということで、成長するべき節目が少ないということが言えます。  そこで、いろんな機会をとらえて、小さなステップアップを図ることが必要です。 ・新設3教科の内容には保護者の皆様方からは大きな関心を寄せていただいています。 ・課題としてあげられることで大きなことは、行事調整の難しさから、小学校行事と中学校行事が重なったり、連日になったりして、  保護者の負担になっていることです。これについては、連携を密にして重なりをなくせるように努力しています。

6年生 広島平和公園で外国の方にインタビュー 郷土「なら」科の様子 6年生 広島平和公園で外国の方にインタビュー 5年生大仏殿 郷土「なら」科について。 5年生から学習している郷土「なら」科では、世界遺産学習のときに外国人観光客への英語でのインタビュー、 6年生では修学旅行への取組や広島での外国人の方へのインタビュー、中学校1年生で奈良市内の商店街でのインタビュー、 京都でのインタビュー、2年生で神戸でのインタビューなど、英会話科とリンクした活動もたくさん行っています。 また、世界遺産学習や中学校2年生の職場体験も郷土「なら」科の一つとして取り組んでいます。 それらの活動は学年でルールを守って行動することや、班単位で行動することを中心に、リーダーシップや責任感を持たせる機会にもなっています。 中1 外国の方にインタビュー 中2 職場体験

情報科の様子 6年生の作品 職場体験学習のまとめ 情報科について 小学校3年生から6年生は情報科担当教員と担任で、中学生は情報科担当教員と技術科教員で担当しています。 昨年は、6年生で薬師寺や唐招提寺の説明パンフレットを郷土「なら」科と連携して作りましたが、 今後、中学校3年生で、奈良の観光案内パンフレットを作り、修学旅行先でのアピール活動を行う予定です。 その他、遠足や校外学習のまとめなどを行います。中学2年生では職場体験学習のまとめもします。 「ミカタイプ」というタイピング練習を授業の始めに必ず取り組んでいますが、中学生になると1分間に300字以上 タイピングできる生徒がいるなど成果を上げています。

5.6年生の英会話 ALTのミンタン先生 中学校英語科の 先生 5年生の担任の先生 6年生の担任の先生 英会話科について 小・中全学年で実施しています。小学校低学年は年間10時間、クラス担任と日本人の英語指導補助の先生で、 あいさつや色の名前、野菜や果物、動物、1~20までの数字など身近なものを英語で聞いたり話したりする練習をしています。 中学年は年間25時間、そのうち18時間をクラス担任と英語指導補助の先生で、曜日や月の名前、天気なども練習します。 なお、高学年は週1回時間割に組み込み、クラス担任とALT、中学校の英語科教員の3名で授業を進めています。 中学校では、英語科教員とALTの二人で授業を担当しています。 6年生の担任の先生

合同研修会などから見えてきた児童・生徒の課題 ・家庭学習   家庭学習の習慣がついていない子がいる。 ・授業力・学習規律   粘りがない。   グループ活動ができない子が多い。   姿勢や椅子の座り方が悪い子がいる。 ・道徳、人権教育   固定した人間関係やイメージから自分の意   見が言いにくい環境がある。 合同研修会から見えてきた児童・生徒の課題。 ・児童・生徒の学習状態の2極化が目立ちます。  授業中にしっかりした姿勢できちっと椅子に座れる子とできない子があること。  家庭学習ができる子とできない子があること。 ・粘りがなく、すぐにあきらめる子が多いことも目立ちました。 ・ずっと同じメンバーで育ってきたから、仲が良いのですが、一人一人の固定したイメージが  抜けず、新しいチャレンジがしにくい状態も感じられました。それは、自分の意見を言いにくい環境も  作っているようです。