<宇宙気体力学の現状と展望> at 北海道大学学術交流会館(2006/11/27-28) 速度依存変動エディントン因子を用いた 相対論的輻射流 Velocity-Dependent Eddington Factor in Relativistic Photohydrodynamics 福江 純@大阪教育大学.

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<宇宙気体力学の現状と展望> at 北海道大学学術交流会館(2006/11/27-28) 速度依存変動エディントン因子を用いた 相対論的輻射流 Velocity-Dependent Eddington Factor in Relativistic Photohydrodynamics 福江 純@大阪教育大学

2006年度 天文天体物理若手夏の学校+α 1 研究者をめざして 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

大学院時代 影響を受けたひと 指導教授(加藤正二先生) 若手スタッフ(稲垣省吾さん) すぐ上の先輩(柴田一成さん) 全国の同輩 雲の上の神様なので比べること自体に意味がない 若手スタッフ(稲垣省吾さん) はるかな高みにいるのでロックオンもできない すぐ上の先輩(柴田一成さん) ずっと先を歩いているが何とか背中を追える目標 全国の同輩 非常に刺激される気になる存在 切磋琢磨 よい師匠 よいライバル 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

大学院時代 研究:M1 (1978) 前期は:何もしていない 後期:降着円盤の振動 相対論的降着円盤のエピサイクリック振動 加藤先生ケンブリッジ 理論ゼミに参加 後期:降着円盤の振動 師匠が帰国 新しいテーマ 上からタナボタ 相対論的降着円盤のエピサイクリック振動 Kato and Fukue (1980) というseminal paperになった けど・・・・・やったことは定式化の検算とグラフの作成(^^; よいテーマ タイミング 武器 流体 相対論 線形化 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

大学院時代 研究:M2 (1979) 降着円盤の内縁構造 加藤先生中心で4人 修士論文 AGNレビュー(夏の学校) カーホールの場合の計算 論文にすればよかったかも~ 背景知識 武器を磨く 流体 相対論 線形化 視覚化 イメージ化 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

大学院時代 研究:D1 (1980) 降着円盤モデルを考える 数値シミュレーションに手を出す 試行錯誤 スランプ 試練の時 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

大学院時代 研究:D2 (1981) 宇宙ジェットモデル 降着円盤の衝撃波 坂下さんの章 恒星社『銀河と宇宙』 坂下志郎氏の書いた章 Fukue 1982 降着円盤の衝撃波 D論へ 坂下さんの章 宇宙流体の現象や取り扱いに関して解説した章で、太陽風の球対称定常流モデルとか、二つ目玉電波源のモデルなどが紹介してあった。 アナロジー 組み合わせ 師匠と違うこと 特異点解析 自己相似手法 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

宇宙ジェットのモデル 太陽風型輻射圧加速ファンネルジェット 最初のシングル論文 幾何学的に厚いトーラスのファンネル領域 輻射とガスが一体となって流体的に加速 一般相対論的に解いた 最初のシングル論文 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

大学院時代 研究:D3 (1982) 降着円盤中の衝撃波 宇宙ジェットのモデルII Laumbach-Probstein法 Sakashita 1971 Fukue 1983a, b 宇宙ジェットのモデルII 磁場を入れた Laumbach-Probstein法 強い衝撃波が動径方向に伝播すると仮定して、衝撃波面の2次元的形状を半解析的に求める方法 磁気流体 衝撃波解析 一粒で何度でも美味しく 天文月報 初解説記事 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

降着円盤中の衝撃波 降着円盤・トーラス中の衝撃波の伝播 D論になった Laumbach-Probstein法 天文への応用はSakashita 1971 降着円盤へ適用した 重力場を考慮した 回転を入れた D論になった 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

大学院時代 研究:OD1 (1983) 降着円盤の内縁流 亜光速プラズマ中の輻射流体力学 重力場中の球対称自己相似流 レフェリー Matsumoto et al. (1984) という大論文になる 亜光速プラズマ中の輻射流体力学 Fukue et al. (1985) というそこそこの論文になる 重力場中の球対称自己相似流 レフェリー Fukue 1984 レフェリー 重力場中での時間的に変化する球対称な流れの自己相似解を求めた論文を書いたら、坂下さんがレフェリーになった。 天文月報 解説記事 大阪市立科学館 初講演 輻射流体 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

重力場中の球対称自己相似流 球対称な風・降着の自己相似解 重力場を考慮 臨界点が変数空間内で臨界曲線となった 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

重力場中の球対称自己相似流 球対称な風・降着の自己相似解 レフリーの規範 重力場を考慮 Wind type Accretion type Double sonic type Inflow type レフリーの規範 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

目次 0 現象:宇宙ジェット 1 準備:相対論的輻射流体力学 2 動機:モーメント定式化の病的特異性 3 物理:速度依存変動エディントン因子 0 現象:宇宙ジェット 1 準備:相対論的輻射流体力学 2 動機:モーメント定式化の病的特異性 3 物理:速度依存変動エディントン因子 4 修正と結果 平行平板:重力なし 平行平板:重力あり 球対称:重力なし 球対称:重力あり 5 影響と展望 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

0 宇宙ジェット現象 Astrophysical Jets

相対論的宇宙ジェット 中心の天体から双方向に吹き出す細く絞られたプラズマの流れ「宇宙ジェット」 (YSO) (CVs, SSXSs) Crab pulsar SS 433 microquasar AGN quasar gamma-ray burst 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

系内ジェット&系外ジェット 系内ジェット(microquasar) SS433 >LE ep cont/blob 0.26c   1E1740        ee?          0.26c   GRS1915 ~LE  ee? bloby    0.92c   GROJ1655 ee? bloby 0.92c 系外ジェット   3C 273 >LE  ? ?      0.99c?   M87 <<LE ?  ?      ? ガンマ線バースト 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

放射圧加速ジェット 光度 L>LE 成分 ep通常プラズマ vs ee対プラズマ 形態 continuous / periodic / intermittent 速度  mildly relativistic β=0.26、γ=1.04       highly relativistic β=0.92、γ=2.55       ultra relativistic β=0.99、γ=10       extremely relativistic β=0.9999γ=100 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

宇宙ジェットの加速機構 理論的計算では、輻射力加速にせよ、磁気力加速にせよ、光速の9割ぐらいまでなら加速が可能だが、γが10とか100の超相対論的ジェットはまだ実現できていない。 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Relativistic Radiation Hydrodynamics 1 準備 相対論的輻射流体力学 Relativistic Radiation Hydrodynamics

1.準備 輻射輸送方程式 輻射輸送方程式 = 光子に対する ボルツマン方程式 1.準備 輻射輸送方程式 輻射輸送方程式 = 光子に対する ボルツマン方程式 原理的には、輻射輸送方程式を解けば、輻射輸送の問題はまぎれなく解けることになる。 7つの独立変数(r、l、t)をもった偏微分方程式である。こんなの解きたくない! 相対論:(座標)静止系/実験室系と(流体)静止系/共動系を区別しなければならない。  宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

1.準備 相対論的輻射輸送方程式 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

1.準備 モーメント方程式 ガス:f (r, v, t) →ρ(r, t), ui (r, t), pik (r, t) 1.準備 モーメント方程式 ガス:f (r, v, t) →ρ(r, t), ui (r, t), pik (r, t) 輻射:I (r, l, t) → E (r, t), Fi (r, t), Pik (r, t) 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

1.準備 エディントン近似at共動系 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

1.準備 質量保存の法則 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

1.準備 運動方程式 輻射力 輻射抵抗 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

1.準備 エネルギー式 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

2 動機 モーメント定式化の病的特異性 Motivation

2.動機 従来の定式化の下で相対論的輻射流を調べた(Fukue 2005) 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

2.動機 v=c/√3で特異性が出現 平行平板(1次元定常輻射流) τ:表面からの光学的厚み、u=γβ=γv/c4元速度 or β2=1/3 で分母=0! 平行平板(1次元定常輻射流) τ:表面からの光学的厚み、u=γβ=γv/c4元速度 F:輻射流束、P:輻射ストレス、J:質量流束 流速v =相対論的音速c/√3で分母が0になる 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

2.動機 従来の定式化の下では 特異性を通過する遷音速解はあるが、輻射抵抗で減速する解で境界条件も満たさず、不適 2.動機 従来の定式化の下では 特異性を通過する遷音速解はあるが、輻射抵抗で減速する解で境界条件も満たさず、不適 加速する解で、かつ表面境界条件を満たすのは、特異性を通過しない亜音速解だけだった 光速まで加速できない! 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

先行研究 Relativistic Wind/Accretion Moment Formalismの欠陥 Flammang 1982    Turolla and Nobili 1988;    Turolla et al. 1995;    Dullemond 1999 らが、特性速度など、数理的な解析をしている。 ただし、回避法などについては未研究 Relativistic Wind/Accretion    Flammang 1982 Paczynski 1990    Nobili et al. 1993 拡散近似をしているので、特異性は出ない 光学的にすごく厚い WindとAccretionの違い 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

3 物理 速度依存変動エディントン因子 Physics

3.物理 問題はclosure relationの妥当性  特異性の原因を辿ると  エディントン近似に行き着く。 従来の定式化では、 P0:流体共動系での輻射ストレス(テンソル) E0:流体共動系での輻射エネルギー密度   P0= f E0: f =1/3 と置くが、これは v~c (β~1)で成り立つのか? 大きな速度勾配によって等方性近似が悪くなる 情報伝播速度が変化するということもできる 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

3.物理 エディントン近似 輻射場が等方的な場合に成り立つ関係: P=E/3 (一般にはPij=δijE/3) 3.物理 エディントン近似 輻射場が等方的な場合に成り立つ関係:     P=E/3 (一般にはPij=δijE/3)   このエディントン近似でモーメント式を閉じる。 この関係は常に成り立つとは限らない。 天体の表面近傍など輻射場が光学的に薄くなる領域では、輻射場の非等方性が無視できなくなる。(ピーキング効果) 亜光速に加速される流れで速度勾配が非常に大きい領域でも、共動系でさえ輻射場が非等方的になる。 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

3.物理 静的球対称大気 ピーキング効果はより強い 3.物理 静的球対称大気 ピーキング効果はより強い 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.修正 変動エディントン因子 光学的に厚い-薄いを遷移する輻射流(球対称) Tamazawa et al. 1975 4.修正 変動エディントン因子 光学的に厚い-薄いを遷移する輻射流(球対称)   Tamazawa et al. 1975 τ大:diffusion limit→ f ~1/3 (光子の平均自由行程が短く、光子拡散が等方) τ小:streaming limit→ f ~1 (光子の平均自由行程が長くなり、光子拡散が非等方になる) 低速(静止)-亜光速へ加速される輻射流   Fukue 2006 β小:diffusion limit→ f ~1/3 (光子の平均自由行程が短く、光子拡散が等方) β大:relativistic limit→ f ~1 (加速が光速のオーダーになり、平均自由行程が伸びて、光子拡散が非等方になる) 例えば 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.修正 速度依存変動エディントン因子 f (β)の条件 4.修正 速度依存変動エディントン因子 f (β)の条件 f(0)=1/3、f(1)=1 単調増加 f(β)-β2>0  (特異点はβ=1のみ) du/dτ|c<0  (加速解が特異点までつながる) もっとも単純な形が→ 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

変動エディントン因子 平行平板の場合 球対称の場合 Abramowicz et al.(1990)の dτ=γ(1+βcosθ)dτ。より 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Modification and Results 4 修正と結果 Modification and Results

Plane-Parallel without Gravity Fukue 2006, PASJ, 58, 461 4.1 平行平板:重力なし Plane-Parallel without Gravity Fukue 2006, PASJ, 58, 461

4.修正 f (β)を用いた新しい定式化1 平行平板1次元定常流 [特殊相対論の枠内] 質量流束の保存 運動方程式 エネルギー(輻射平衡) 4.修正 f (β)を用いた新しい定式化1 平行平板1次元定常流   [特殊相対論の枠内] 質量流束の保存 運動方程式 エネルギー(輻射平衡) 0次のモーメント 1次のモーメント 速度に依存するエディントン近似↓ 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.修正 f (β)を用いた新しい定式化2 光学的深さτを導入 光学的深さ 運動量流束の保存 エネルギー流束の保存 運動方程式 4.修正 f (β)を用いた新しい定式化2 光学的深さτを導入 光学的深さ 運動量流束の保存 エネルギー流束の保存 運動方程式 u =γβ :流れの4元速度 β=v/c F:輻射流束 P:輻射ストレス J:質量流束 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.結果 光速まで加速される解 境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) 4.結果 光速まで加速される解        境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) (輻射圧 P=P0) 流れ表面(大気表面)   (亜光速で動いている境界条件;Fukue 2005b) 流速 v=vs 光学的深さ τ=0 質量流束 J (固有値で求まる) 光速まで加速できる!! 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Plane-Parallel with Gravity Fukue and Akizuki 2006, in press 4.2 平行平板:重力あり Plane-Parallel with Gravity Fukue and Akizuki 2006, in press

4.修正 f (β)を用いた新しい定式化1 平行平板1次元定常流 [天体重力:Pseudo-Newtonian] 質量流束の保存 運動方程式 4.修正 f (β)を用いた新しい定式化1 平行平板1次元定常流   [天体重力:Pseudo-Newtonian] 質量流束の保存 運動方程式 エネルギー(輻射平衡) 0次のモーメント 1次のモーメント 速度に依存するエディントン近似↓ 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.修正 f (β)を用いた新しい定式化2 光学的深さτを導入 光学的深さ 運動方程式 厚さの式 0次のモーメント 1次のモーメント 4.修正 f (β)を用いた新しい定式化2 光学的深さτを導入 光学的深さ 運動方程式 厚さの式 0次のモーメント 1次のモーメント u =γβ :流れの4元速度 β=v/c F:輻射流束 P:輻射ストレス J:質量流束 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.結果 光速まで加速される解 境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) 4.結果 光速まで加速される解        境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) (輻射圧 P=P0) 流れ表面(大気表面)   (亜光速で動いている境界条件;Fukue 2005) 流速 v=vs 光学的深さ τ=0 質量流束 J (固有値で求まる) 典型的な解 r=3 rg τ0=1 F0=1 LE/(4πrg2) P0=1.23 LE/(4πrg2)/c J=1 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.結果 光速まで加速される解 境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) 4.結果 光速まで加速される解        境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) (輻射圧 P=P0) 流れ表面(大気表面)   (亜光速で動いている境界条件;Fukue 2005b) 流速 v=vs 光学的深さ τ=0 質量流束 J (固有値で求まる) 亜光速になる場合 r=3、 τ0 =1、 F0 =1、 P0 =1.23(J=1) F0 =10、 P0 =10.6(J=1) F0 =1、 P0 =1.041(J=0.005) 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.結果 光速まで加速される解 境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) 4.結果 光速まで加速される解        境界条件 流れ基部(大気深部) 流速 v=0 光学的深さ τ=τ0 (輻射流束 F=F0) (輻射圧 P=P0) 流れ表面(大気表面)   (亜光速で動いている境界条件;Fukue 2005b) 流速 v=vs 光学的深さ τ=0 質量流束 J (固有値で求まる) 重力の影響 τ0 =1、 F0 =1、 P0 =1.23 r=3 r=2 r=1.5 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

4.3 球対称:重力なし Spherical Symmetry without Gravity 4.3 球対称:重力なし Spherical Symmetry without Gravity Akizuki and Fukue 2006, PASJ submitted

変動エディントン因子(Fukue2006)を用いて この研究のポイント 変動エディントン因子(Fukue2006)を用いて 球対称輻射流について解いた! エディントン因子: 変動エディントン因子: 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

基礎方程式(球対称) 定常1次元, 灰色近似, 輻射平衡, ガス圧なし, 重力なし Continuity: Eq. of motion: 定常1次元, 灰色近似, 輻射平衡, ガス圧なし, 重力なし Continuity: Eq. of motion: Energy eq.: 0th moment: 1th moment: Closure relation: 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

無次元化 τ=τ0 r* ある半径 r* 、 τ=τ0 での光度 L0 ただし 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

初期条件 中心付近 で photosphere ∞から測って τ=0 中心付近 τ=τ。 Fix Unit Parameter ∞にいる観測者 中心付近      で photosphere ∞から測って τ=0 半径 : Fix 光度 : Unit 速度 : 中心付近 輻射圧 : Parameter τ=τ。 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

境界条件 photosphere ∞から測って τ=0 動的な平行平板 : 相対論的ビーミング 中心付近 Calculationした解と比較 静的な平行平板 ∞にいる観測者 photosphere Icke(1989)など ∞から測って τ=0 動的な平行平板 : 相対論的ビーミング Fukue(2005) 中心付近 Calculationした解と比較    ⇒ Mdotの決定  τ=τ。 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

結果 ( ) τと各パラメータの関係 V : 球対称 球対称 平行平板 初期光学的厚み (速度と光学的深さ の関係により制限) 結果 (    ) 初期光学的厚み τと各パラメータの関係 V : 球対称 (速度と光学的深さ  の関係により制限) 球対称 ( Abramowicz et al. のτの定義より) 平行平板 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Spherical Symmetry with Gravity Akizuki and Fukue 2006, in prep. 4.4 球対称:重力あり Spherical Symmetry with Gravity Akizuki and Fukue 2006, in prep.

本研究のポイント 中心重力場を考慮して 変動エディントン近似を使った モーメント方程式により 相対論的な輻射場を解いた ℓ Outflowの方向は、 より平均自由行程が長い ℓ 輻射速度が亜光速になる時、輻射場の 非等方性を補う変動エディントン因子に着目し   エディントン近似 :                                   Fukue(2005)              を使って、モーメント方程式を閉じる。 outflow disk outer envelope 中心重力場を考慮して 変動エディントン近似を使った モーメント方程式により 相対論的な輻射場を解いた 球対称 : 特異点を避けることができる! 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

輻射場の方程式(Moment Formalism) M. Gu-Park 2006 定常一次元球対称, 一般相対論的 シュバルツシルト時空, 特殊相対論的 o(2)― v/cの2次まで, Gray, 輻射平衡, Ptot=Prad, Continuity: Eq. of motion: Energy eq.: 0th moment: 1st moment: Closure relation: ※ ※ ※ ※ 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27 ※

境界条件 ■静的な平行平板 ∞から測って τ=0 ■動的な平行平板 : 相対論的ビーミング 中心付近 τ=τ。 ∞にいる観測者 ∞から測って τ=0 Icke(1989)など ■動的な平行平板 : 相対論的ビーミング Fukue(2005) 中心付近 →0 ; cP/F=2/3,      →1 ; cP/F=1 τ=τ。 Calculationした解と比較 ⇒ の決定  宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

結果 初期条件 : outflow disk outer envelope V:速度 Q:輻射圧(全圧) r:中心からの距離 L:光度 半径 光学的深さ massloss 全エネルギー 半径 初期条件 : outflow disk outer envelope V:速度 Q:輻射圧(全圧) r:中心からの距離 L:光度  宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

v/c v/c v/c v/c 半径r を変化 Massloss Mdotを変化 エネルギー E を変化 光学的深さ τの変化 r=1rg シュバルツシルト半径程度(E=2, Mdot=1)で、 0.32cまで加速され、 中心から離れるほど加速されにくい状況 Mdot=1(r=rg,E=2)で、 0.32cまで加速され、 Masslossが大きいほど加速されにくい状況 エネルギー E を変化 光学的深さ τの変化 E=2.6LE τ=1 v/c v/c τ=10 E=1LE E=1(r=rg, Mdot=1)で、 0.48cまで加速され、 エネルギーが大きいほど加速される状況 シュバルツシルト半径程度(E=2, Mdot=1)で、 0.32cまで加速され、 光学的厚いほど加速されにくい状況 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Massloss Mdotを変化 半径r を変化 エネルギー E を変化 光学的深さ τの変化 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Massloss Mdotを変化 半径r を変化 エネルギー E を変化 光学的深さ τの変化 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Massloss Mdotを変化 半径r を変化 エネルギー E を変化 光学的深さ τの変化 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

まとめ 一般相対性理論を用いたモーメント方程式によって、 球対称な一次元輻射輸送流について解いた。 変動エディントン因子を使って、特異点を出さずに、相対論的ガス流の輻射輸送が解けた。 中心重力を考慮したことで、よりリアルな輻射場を再現できた。 輻射場が光速の47%まで解ける球対称な場合の解析的手法を提案した。 今後の課題として、球対称に適用される境界条件の構築、磁気圧やガス圧を入れた計算を行いたい。 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Influence and Prospect 5 影響と展望 Influence and Prospect

5.影響 関連する天体現象 輻射場が重要な相対論的天体現象全般 ブラックホール降着流:光子捕捉 相対論的天体風:超相対論的ジェット 5.影響 関連する天体現象   輻射場が重要な相対論的天体現象全般 ブラックホール降着流:光子捕捉 相対論的天体風:超相対論的ジェット ガンマ線バースト:ファイアボール ニュートリノ円盤:ニュートリノトーラス 初期宇宙:最初の降着円盤、最初のジェット 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27

Relativistic Radiation Hydrodynamics 5.影響 今後の課題・展望 Relativistic Radiation Hydrodynamics Numerical Simulations 定量的な解が得られる Relativistic Transfer Eq for I、Moment Eqs (多次元)など現段階ではまだきちんと解かれていない 真面目に取り組む必要があるが、きわめて大変で難しい→誰か他の人(笑) Semi-Analytical Approach such as f(τ,β) 厳密解への定性的な手がかり、橋渡しとしての役割 f (τ,β)のより適切な形? ガス圧、磁気圧の効果 非定常流の場合 降着流の場合 Variable Eddington Factor 法:consistentに求める 宇宙気体力学の現状と展望 06/11/27