2018/11/9 第7章 非正規従業員と派遣労働者 E班 岩橋・片山・高倉・水上・森下
1. コンティンジェント・ワーカーの活用 ⑴ コンティンジェント・ワーカーとは ○コンティンジェント・ワーカー(contingent worker) パート・アルバイト 契約社員 嘱託 『労働サービス需要の発生に応じて活用する労働者』 派遣労働者 フリーランサー ○業務の外部化の拡大 本業以外の付帯業務 本業の間接部門 特定の業種や業務・職種 対個人サービス業務 ex. 出版、放送、カメラマン ex. ネイリスト
⑵ 他企業の労働者の活用の状況 ○他企業の労働者が自社の従業者に占める比率 全産業 5. 1% 百貨店・総合スーパー 24 ⑵ 他企業の労働者の活用の状況 ○他企業の労働者が自社の従業者に占める比率 全産業 5.1% 百貨店・総合スーパー 24.8% →自社製品の販売促進のため雇用される派遣店員が多い ex. アパレル会社、化粧品メーカー
⑶ 正規従業員、コンティンジェント・ワーカー、そして業務の外部化 ○外部化可能な業務の条件 ①その業務のノウハウが社内にとって不必要であること ②企業情報が社外へ流出する問題がないこと ③他の社内業務から分離可能であること ④その業務に必要なノウハウを持つ外注先があること ⑤仕事の成果を測定できる業務であること ⑥内部処理した場合と比べてコスト面で割高にならないこと ○派遣労働者活用可能な業務 企業内従業員とともに働くことができる →企業内従業員が指揮命令することができる ⇒双方の密接な連携が必要な業務も可能になる
○非正規従業員活用可能な業務 パート・アルバイトの場合 →仕事よりも優先するものがある人が多い(家庭、学業) ・企業の期待どおりの労働ができない(急な欠勤、残業不可) ・限られた通勤可能圏(転勤は通常はなし) ⇒中長期的な技術形成の必要な基幹業務への配置が難しい ○非正規従業員の「基幹労働力化」 ❌ 非正規従業員の戦力化が不可能である ⭕ 非正規従業員全員が正規従業員並みの働き方をすることが難しい キャリアラダーや能力向上を評価する制度の導入により「基幹労働力化」 取り組む企業もでてきている。
2.非正規従業員の活用 非正規従業員の雇用量と構成 非正規雇用・・・雇用期間に定めのある(有期契約)労働者 →雇用形態はアルバイト、パート、派遣社員、契約社員、嘱託等 総務省『就業構造基本調査』 1992年:正規従業員78.3%⇔非正規従業員21.7% 2012年:正規従業員61.8%⇔非正規従業員38.2% ⬇ サービス業の割合増加、就職氷河期、女性の社会進出などの背景 非正規従業員の構成 •パート 〜 女性89.2% (とりわけ既婚女性68.7%) •アルバイト 〜 学生30.5% •派遣社員 〜 女性59.1% •契約社員・嘱託 〜 高齢者43.5%
製造業に代わって、サービスを生産するサービス業の比重が高まる 2.非正規従業員の増加要因 製造業に代わって、サービスを生産するサービス業の比重が高まる ➡サービス需要は曜日や時間帯などによって変動の幅(ピークとオフピークの差)が大きく、オフピーク 時に労働サービスにおける余剰人員が発生しやすいので、労働サービスの提供を弾力的に調整可能 な雇用形態としてアルバイト・パートが活用される 仕事内容が簡単であるため 労務コストの効率化のため 人材確保のため 長い営業時間への対応のため 労働者側のニーズ ・パートは主婦層を中心に、家庭生活と両立可能な雇用形態として選好される ・アルバイトは、学生数の増加に伴い様々な業種が選択されるようになる ↓ 企業は両者を補完的に組み合わせることで必要な労働サービス需要を充足
3.パートタイマー活用上の課題 ○パート活用上の特徴と課題 主婦は家庭生活の都合にあわせて働きやすい環境を選択 ➡勤務形態の弾力化や選択肢の拡大、管理業務のシステム化 主婦は生活の時間を重視しがちで労働サービス供給の安定性に欠け、職業能力が不十分 ➡仕事の標準化や作業マニュアルの整備、昇進などのキャリア制度を導入(パートの戦力化) パートは仕事や時間帯、技能レベルによって時間給が異なる ➡時間給の設定は合理的かつ納得性の高いものが求められる
(4)「就業調整」と人的資源開発 「就業調整」の結果…(主婦パートの例) 《企業側》要員計画が立てられない →労働時間や出勤日の徹底管理 ⇒パートの労働条件向上、 人的資源投資の充実化を阻害 (5)学生アルバイトやフリーター 主婦パートが確保しにくい曜日・時間帯:学生・フリーターが戦力に!
(6)パートやアルバイトと労働法 項目 正規従業員 パート・アルバイト 労働保護法 適用 年次有給休暇 2018/11/9 (6)パートやアルバイトと労働法 項目 正規従業員 パート・アルバイト 労働保護法 適用 年次有給休暇 適用(短日勤務でも、所定労働日数に応じて比例付与) 雇用保険 一定条件を満たせば適用 雇用契約 定年制 雇止めは容易。 雇用契約の反復更新。
⇒パートの勤労意欲低下、離職率上昇を阻止 本人の希望により、正規従業員への転換の機会を提供 *パートにとって納得できる処遇であるべき* (5)パートと正規従業員の処遇差 ある職場 正規従業員 パート・アルバイト 即戦力 △ ◎ 時間換算による賃金 高い 安い 採用方法 転勤、配置転換、残業有 職種限定、残業なし 《課題》 ○パート間の処遇の公正化 ◎正規従業員とパートの処遇の公正化 ⇒パートの勤労意欲低下、離職率上昇を阻止 本人の希望により、正規従業員への転換の機会を提供 *パートにとって納得できる処遇であるべき*
3. 派遣労働者の活用 派遣システム (1)派遣システムの特徴 派遣元 派遣先 3. 派遣労働者の活用 (1)派遣システムの特徴 派遣システム 派遣元の派遣会社が、派遣先の労働サービス需要を満たしうる労働者を探し、雇用し、派遣先に派遣するもの 派遣労働者 派遣元 派遣先 労働者派遣契約 雇用関係 (労働契約関係) 仕様関係 (指揮命令関係)
(2)派遣労働者の活用方法 派遣システムのメリット ・募集・採用・教育訓練のコスト不要 →即戦力となる労働者が活用できる 2018/11/9 派遣システムのメリット ・募集・採用・教育訓練のコスト不要 →即戦力となる労働者が活用できる ・期待通りの能力を持たなかった場合、別の労働者派遣可能 ・雇用に伴って発生する社会保険などの諸手続きや事務管理が不要 (2)派遣労働者の活用方法 ①一時的、または季節的な業務量に対応するために利用 ②一時的な欠員を補充するために利用 ③社内ではすぐに活用できない人材を派遣労働者の活用で埋める
(3)派遣労働者の活用 登録型派遣 紹介予定派遣 即戦力となる職業能力をもつ ・働きたい仕事を選択できる ・仕事の範囲や責任が明確 ・働きたい曜日や時間が選べる ・残業・休日出勤がない 女性に人気 紹介予定派遣 派遣労働者と派遣先が合意した場合、 派遣労働者は派遣先に就職