有機バイオ材料化学 5. カルボニルの反応 5-1 アルデヒド・ケトンのその他の反応 5-2 カルボン酸やその誘導体の反応

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重縮合により高分子量のポリマーを 得るための条件 1.重縮合反応の素反応が好収率で進行すること → 高分子量のポリマーを得るためには 高い反応率が必要 2.重縮合反応にあずかる官能基の数が同数で あること → モノマーの等量性が必要 3.重縮合反応を停止させる要因を排除する → 生成する副生成物(水など)を反応系外に.
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1 先修科目 42 化学Ⅱ 高校で化学Ⅰ、Ⅱを履修した人が対象。 指定学科は医学部医学科。 定員 100 名を越えた場合は、指定学科 以外の学生は登録できない。 例外は 4 年次学生。 化学Ⅱは、月曜日の 2 限目、木曜日の 4 限目にも開講している。
π電子自由自在 -C≡C- ポリジアセチレン ナノワイヤー FET素子 結晶工学 ナノ複合体 結晶内反応 イナミン化合物 環状化合物
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1)解糖系はほとんどすべての生物に共通に存在する糖の代謝経路である。 2)反応は細胞質で行われる。
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緩衝作用.
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洗浄・消毒剤の種類 薬品名 主剤 末端濃度 BOD COD 次亜塩素酸ナトリウム 次亜塩素酸ナトリウム 100〜1000 ppm
配糖体生成 + ROH ヘミアセタール アセタール メチルβ-D-グルコピラノシド (アセタール)-oside グリコシド
塩化銅(Ⅱ)CuCl2水溶液の電気分解 (1)陰極で銅が析出 陰極:還元反応 Cu2+ + 2e- → Cu (2)陽極で塩素が発生 陽極:酸化反応 2Cl- → Cl2 + 2e-
サフラニンとメチレンブルーの 酸化還元反応を利用
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(b) 定常状態の近似 ◎ 反応機構が2ステップを越える ⇒ 数学的な複雑さが相当程度 ◎ 多数のステップを含む反応機構
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有機バイオ材料化学 5. カルボニルの反応 5-1 アルデヒド・ケトンのその他の反応 5-2 カルボン酸やその誘導体の反応 2017. 06. 01 有機バイオ材料化学 5. カルボニルの反応 5-1 アルデヒド・ケトンのその他の反応 5-2 カルボン酸やその誘導体の反応

カルボニルとは カルボニル 求核付加反応 α水素での反応 その他の反応 −C(=O)− と表される2価の官能基の総称 カルボニル化合物の種類 アルデヒド (ホルミル基)     ケトン カルボン酸    エステル アミド 酸塩化物 酸無水物

アルデヒド・ケトンのその他の反応 Wittig反応 Baeyer-Villiger 酸化

カルボン酸やその誘導体の求核置換反応 L– の脱離能が Nu– の脱離能よりも高いことが重要! 1-1.エステルの加水分解 酸条件 塩基条件 生成物のカルボン酸 が共役塩基になる ため、平衡が寄る。   塩基条件

カルボン酸やその誘導体の求核置換反応 1-2.アミドの加水分解(通常、反応進行せず。加熱+強酸触媒が必要) 酸条件 2.エステル化 L=OR”の場合、エステル交換。 L=Clの場合、大過剰のアルコールを使用するか、 当量のピリジンを加えて、HClを除去し、平衡を寄らせる。

カルボン酸やその誘導体の求核置換反応 3.アミド化(通常は、DCCの存在下、カルボン酸とアミンとの反応) 4.塩素化 副生成物 : Urea (尿素) 4.塩素化

カルボン酸誘導体の求核置換付加反応 Grignard 反応 ・ エステルの場合、2段階反応 ・ アシルや無水物も同様 カルボン酸誘導体の求核置換付加反応  Grignard 反応    ・ エステルの場合、2段階反応    ・ アシルや無水物も同様    ・ カルボン酸とは無反応 求電子能 アルデヒド > ケトン > エステル >> カルボキシル基(カルボン酸)

カルボン酸誘導体の求核置換付加反応 ヒドリド還元 ・ エステルやアミド、カルボン酸の場合、 LiAlH4は2段階反応で進行 カルボン酸誘導体の求核置換付加反応  ヒドリド還元  ・ エステルやアミド、カルボン酸の場合、 LiAlH4は2段階反応で進行  ・ アシルや無水物も同様  ・ アミドは、アミン(NH2)となる。  ・ NaBH4 は反応性が低く、エステル、アミドは通常還元できない アミド アミン