血管、その構造と機能・病態 細胞内Ca2+濃度 [Ca2+]i と収縮弛緩 狭心症治療薬 血管平滑筋と狭心症治療薬 血管、その構造と機能・病態 細胞内Ca2+濃度 [Ca2+]i と収縮弛緩 狭心症治療薬
Structure of the coronary artery [Intima] [Media] [Adventitia] Endothelium Desmosome Basement membrane [Intima] Histiocyte Collagen/Matrix Internal elastic membrane Smooth muscle [Media] External elastic membrane [Adventitia] Vasa vasorum Sympathetic nerve (vasomotor)
Vascular smooth muscle relaxation and vasodilation NO Macrophage Ca2+ influx & eNOS activation NO Endothelial stimulation Microbe Activation stimulus Citotoxicity Endothelium Two types of nitric oxide (NO) synthesis in endothelium (left, eNOS) and macrophages (right, iNOS). NO causes vasodilation, and NO free radicals are cytotoxic to microbial and mammalian cells. NOS: NO synthase. (Fig. 3-22, Robbins) 図2-12参照
Virchow’s triad in thrombosis Virchow’s triad in thrombosis. Endothelial integrity is the single most important factor. Note that injury to endothelial cells can affect local blood flow and/or coagulability; abnormal blood flow (stasis or turbulence), in turn, can cause endothelial injury. The factors may act independently or may combine to cause thrombus formation. (Fig.5-12)
冠動脈攣縮 spasm 血管平滑筋の過剰収縮 冠血管狭窄 冠血流量減少
Verapamil 10 -5 M Force of contraction 冠動脈平滑筋 脱分極depolarization 90 mM KCl (high K contraction) (10 min) 脱分極depolarization Verapamil 10 -5 M Ca2+ channel blocker Voltage-dependent L-type Ca2+ channel open Ca2+ influx Force of contraction
Force of contraction Ca2+ channel blocker 血小板 血栓形成 血管収縮 (10 min) Thromboxan A 2 ( agonist contraction) Ca2+ channel blocker Force of contraction
0-Ca2+ solution Ca2+ influx (-) Force of contraction (10 min) Thromboxan A 2 ( agonist contraction) 0-Ca2+ solution Ca2+ influx (-) Force of contraction
Ryanodine Empty stored Ca2+ Force of contraction (10 min) Thromboxan A agonist contraction) Ryanodine Empty stored Ca2+ Force of contraction
Ryanodine Empty stored Ca2+ Verapamil 0-Ca2+ solution Ca2+ influx (-) (10 min) Thromboxan A 2 ( agonist contraction) Ryanodine Empty stored Ca2+ Verapamil 0-Ca2+ solution Ca2+ influx (-) Force of contraction
H2C O NO2 | HC O NO2 ニトログリセリン nitroglycerine 脂溶性→肝臓で脱ニトロ化を受け無効になる グリセリンと硝酸のエステル (軽い揮発性及び脂溶性) 脂溶性→肝臓で脱ニトロ化を受け無効になる ↓ t1/2=2-8 min 主に舌下で投与される(first pass effectを避けるため) ほかに,点滴静注、テープ剤
作用機序 NO2→NO ↓ グアニル酸シクラーゼ↑ GTP → cGMP↑ (1) 細胞膜CaポンプによるCaくみ出し↑ NO2→NO ↓ グアニル酸シクラーゼ↑ GTP → cGMP↑ (1) 細胞膜CaポンプによるCaくみ出し↑ (2) KCa↑(過分極) (3) MLC-P → MLC(Ca感受性低下) 血管平滑筋弛緩
奏効期序,治療効果 血管拡張(特に静脈、太い冠動脈) ↓ 静脈還流量↓ 左心室拡張期圧↓ O2 供給↑ 前負荷↓↓ O2 需要 血管抵抗↓ Spasm抑制・予防 冠血流量の再配分 虚血部への血流↑ O2 供給↑ 前負荷↓↓ O2 需要 ↓↓ 血管抵抗↓ → 後負荷↓ 心拍出量↓ 副作用:心拍数↑ (圧受容器反射) 血圧低下
硝酸エステルの狭心症の治療メカニズム(奏効機序) 全身循環 後負荷軽減 肺 前負荷軽減 細動脈 拡張 + 硝酸エステル薬 拡張 (抵抗血管) 太い冠動脈の拡張 拡張 虚血領域 Spasm抑制・予防 虚血の軽減 静脈 (容量血管) 静脈環流 の減少
心臓では O2需要↓↓ O2供給 ↑ 心拍出量↓ 冠血流量の再分配
耐性 SH基の枯渇などによる 副作用 頭痛、顔面紅潮、起立性低血圧、 めまい、反射性頻拍、動悸
Ca拮抗薬 フェニルアルキルアミン(PAA)系 ベラパミルなど ジヒドロピリジン(DHP)系 ニフェジピン、 アムロジピンなど フェニルアルキルアミン(PAA)系 ベラパミルなど ジヒドロピリジン(DHP)系 ニフェジピン、 アムロジピンなど ベンゾチアゼピン(BTZ)系 ジルチアゼムなど
電位依存性Ca2+チャネル L型 心筋、平滑筋に多く分布。興奮収縮連関に関与。 N型 神経終末で神経伝達物質 (NA)放出に関与。 L型 心筋、平滑筋に多く分布。興奮収縮連関に関与。 N型 神経終末で神経伝達物質 (NA)放出に関与。 P/QN型 神経終末で神経伝達物質 (ACh)放出に関与。 T型 洞房結節におけるペースメーカー電位産生に関与。 Ca拮抗薬はL型Caチャネルに結合して遮断する ベラパミル チャネルが開いた時に細胞の内側から結合 (open channel block) ニフェジピン 不活性化状態のチャネルに細胞の外側から 結合して不活性化状態を保つ ジルチアゼム ベラパミルとほぼ同じ結合部位 (ニフェジピンとベラパミルの中間型)
Ca2+チャネルの遮断 ↓ Ca2+流入の抑制 [Ca2+]i↓ 弛緩
ニフェジピン 血管選択性強い 心筋より血管平滑筋のCaチャネルに親和性高い 心筋より血管平滑筋の方が静止膜電位が脱分極 ニフェジピン 血管選択性強い 心筋より血管平滑筋のCaチャネルに親和性高い 心筋より血管平滑筋の方が静止膜電位が脱分極 →不活性化状態のチャネル多く ニフェジピンがよく結合する
O2需要↓ O2供給↑ 心臓では 血管抵抗↓↓ 心拍数↓心拍出量↓(PAA,BTZ) 注意 心拍数↑心拍出量↑(DHP) 注意 心拍数↑心拍出量↑(DHP) 陰性変力作用(PAA) 冠血流量↑ (スパスム防止)
反射性頻拍(DHP)、 心不全悪化(PAA、BTZ)、 副作用 (Ca2+チャネル遮断作用) 反射性頻拍(DHP)、 心不全悪化(PAA、BTZ)、 顔面紅潮、動悸、血圧降下、浮腫、便秘 禁忌 妊婦(催奇形性あり) 重篤な低血圧や心原性ショックのある人
ニトログリセリン、ニフェジピン、ベラパミル・ジルチアゼム の循環動態に対する作用の比較 ニトログリセリン 前負荷↓↓ 後負荷↓ 心拍出量↓↓ ニフェジピン 後負荷↓ 心拍出量↑ ベラパミル 後負荷↓ 心拍出量↓ ジルチアゼム
O2需要↓↓ β遮断薬 1. 非選択性 プロプラノロールなど 2. β1選択性 メトプロロール、アテノロール 1. 非選択性 プロプラノロールなど 2. β1選択性 メトプロロール、アテノロール 3. α遮断作用を併せ持つもの ラベタロール 心拍数↓ 心筋収縮力↓ 心拍出量↓ O2需要↓↓
その他の狭心症治療薬 高脂血症治療薬 抗血栓薬 etc. K+チャネルオープナー:心筋/平滑筋KATP開口 ニコランジル(NKハイブリッド) レブクロマカリム ジアゾキシド ミノキシジル(発毛剤) ジピリダモール ジラゼプ トラピジル 高脂血症治療薬 抗血栓薬 etc.
PTCA(経皮的冠動脈形成術) ・適応 1枝病変 ・禁忌 左主幹部病変 2枝閉塞時の第3枝病変 バルーンカテーテルを冠動脈に入れ、プラークを圧縮、亀裂を加えることによって血管内腔を拡張させる. ・適応 1枝病変 ・禁忌 左主幹部病変 2枝閉塞時の第3枝病変
PTCAの問題点 30から40%の再狭窄率 再狭窄の原因 ・elastic recoil ・血栓 ・平滑筋細胞の増殖 30から40%の再狭窄率 再狭窄の原因 ・elastic recoil ・血栓 ・平滑筋細胞の増殖 ⇒new devicesの開発 アテレクトミー、ステント 平滑筋細胞の増殖抑制の薬物・遺伝子治療
アテレクトミー プラークを切除、除去する ステント バルーンで拡張された血管壁を 内側から支持する網状構造物 ⇒再狭窄率は10数%に
現在使用されるステントの例