衛 生 学 実 習 <物理学的要因> テーマ:重力 HDTおよび回転運動による 人体への影響 衛 生 学 実 習 <物理学的要因> テーマ:重力 HDTおよび回転運動による 人体への影響 担当:3班 阿河・井美・大貫・奥出・片山 ・熊井・戸水・佐伯・鈴木
微小重力環境μGが人体に与える影響 HDT(Head Down Tilt) 体液シフト μGで体液の 分布が変化。 下肢は減少 上半身は増加 7° 体液シフトのシュミレーション 臥位で頭部をおよそ6°~10° 下げる
HDTと体液シフト 立位 臥位 BP 真の血圧 TP 壁内外圧差(血圧計の値) HP 静水圧 組織圧+血漿浸透圧 Thorax BP 真の血圧 TP 壁内外圧差(血圧計の値) HP 静水圧 組織圧+血漿浸透圧 HDTと体液シフト Thorax 立位 下肢の血液動態 Stomach Legs Pelvis Head BP TP=BP+HP BP TP=BP+HP ≒BP 臥位
HDT実験 計測① 最高・最低血圧 Ps・Pd 30秒おき ② 脈拍 HR 30秒おき 1、座位安静時 2、臥位安静時15min 3、HDT30min 計測① 最高・最低血圧 Ps・Pd 30秒おき ② 脈拍 HR 30秒おき 被験者13人(男性20~25歳) *血圧やその変化を正確に測定するために以下の条件を定めた。 ・徐脈ではない ・朝食や昼食をちゃんと食べた ・寝起き、体調不良ではない ・動かず安静に、かつ会話はしてはいけない ・眠ってはいけない
各被験者の測定値の評価法 Change Range Average
体位と検定に用いた時間区分 U S U S1 S2 U:不安定期 S:安定期 座位 臥位 HDT
①一元配置分散分析法 ②対応のある2群の t 検定 帰無仮説H0:各群は同一の母集団からの標本 差があるとはいえない←群間分散に対する郡内分散が大きい 各群の平均値 群間に差がある ←群間分散に対する群内分散が小さい ①で有意に差がある項目は、ノンパラメトリック法による追跡検定を行い、どの群間に差があるかをみた。
最高血圧Ps 平均動脈血圧Pm 最低血圧Pd Ps t検定・分散分析・・・有意差あり○ (-5.697) Pd t検定・分散分析・・・有意差なし× 最高血圧Ps 平均動脈血圧Pm 最低血圧Pd 臥U 臥S HU HS1 HS2
脈拍 は一定 t検定・分散分析・・・× 臥U 臥S HU HS1 HS2
脈圧Pp =最高血圧Ps-最低血圧Pd ∝ 1回拍出量SV 脈圧Pp は一定 t検定・分散分析・・・× 臥U 臥S HU HS1 HS2
脈圧Pp×脈拍∝心拍出量 は一定 t検定・分散分析・・・× 臥U 臥S HU HS1 HS2
③直線回帰 最小2乗法により、各点からの距離の2乗が最小になるように直線を引く。この回帰直線をy=ax+bとすると、この傾きaと切片bは以下の式で求められる。 - - b=Sxy/Sxx a=y-b x=1/n(Σyi-bΣxi) 相関係数|R|は1に近いほど、集団が直線に近くなる。
③直線回帰 最小2乗法により、各点からの距離の2乗が最小になるように直線を引く。この回帰直線をy=ax+bとすると、この傾きaと切片bは以下の式で求められる。 - - b=Sxy/Sxx a=y-b x=1/n(Σyi-bΣxi)
最高血圧 0°:y = -0.008 x + 113.395 |R|=0.044 HDT:y = -0.2519x + 115 |R|=0.828 最低血圧 0°:y = 0.1941x + 64.465 |R|=0.652 HDT:y = -0.1937x + 68.189 |R|=0.583 脈圧 0°:y = -0.2049 x + 48.933 |R|=0.754 HDT:y = -0.0601x + 44.842 |R|=0.235 =最高血圧Ps-最低血圧Pd ∝1回拍出量
脈圧 0°:y = -0.2049x + 48.933 |R|=0.569 HDT:y = -0.0601x + 44.842 |R|=0.0553 =最高血圧Ps-最低血圧Pd ∝1回拍出量 脈拍 0°:y = -0.0175x + 19.136 |R|=0.583 HDT:y = -0.075x + 18.858 |R|=0.306 脈圧Pp×脈拍 ∝心拍出量 0°:y = -4.994x + 938.1 |R|=0.611 HDT:y = -1.785x + 882.18 |R|=0.0889
検定法の比較 一元配置分散分析 t 検定 直線回帰 長所 ・二群以上の比較が一度にできる ・方法が簡便 ・二群の差を比較しやすい ・変化の傾向が 一目でわかる 短所 ・方法が複雑 ・比較の意義のある群間を判別しにくい ・二群の差を見るには追跡検定が必要 ・変化の傾向を見ることはできない ・正規分布のみ ・二群のみ ・使える場合が直線的な変化の時のみ
血漿量 考察 NE E
<実 験> テーマ:回転運動による生体への影響 <実 験> テーマ:回転運動による生体への影響 目的: 回転運動による超急性的変化が体に与える影響を考える。 方法: まず、安静状態で血圧・脈拍を5回測定してから、回転式椅子に座らせ回転運動を加える。その直後、再び血圧・脈拍を5回測定する。 回転運動とは、90°/秒で5分間回転させ、その途中で15~20秒ごとに停止させたり、回転を再開したりする。また、3分間同一方向に回転した後は2分間逆方向に回転させる。
実験結果 最高血圧 上がった直後急激に下がる(A1⇒A2) フィードバック機構が働いている! 上がったものは落ち着く(A3⇒A5) 回転加速度負荷 回転加速度負荷をかけた直後あがる(B5⇒A1)
実験結果 最低血圧 上がった直後急激に下がる(A1⇒A2) フィードバック機構が働いている! 上がったものは落ち着く(A3⇒A5) 回転加速度負荷 回転加速度負荷をかけた直後あがる(B5⇒A1)
脈圧 実験結果 つまり 脈圧は一定 一回心拍出量:一定!! 脈圧=最高血圧-最低血圧 回転加速度負荷
脈拍 実験結果 脈拍はA1⇒A2以外一定 A1⇒A2は低下する 脈圧と脈拍は一定に保たれている 回転加速度負荷 心拍出量は一定
符号検定 (ノンパラメトリック法) 最低血圧 対応関係のある2群間に“差がある”といってよいかを検定する方法。対応する各ペアの差を求め、その差の符号に着目する。 2群間に“差がない” のであれば符号の出現率は1/2の二項分布に従うはずである。そこで、 1. 各ペアの差を求める。 2. 1で求めた差の符号に注目し、少ない方の符号の個数をrとする。 3. 二項分布において、少ないほうの符号の出る回数がr以下となる確率P(x≦r)と有意水準によって棄却されるかどうかで判定を行う。
Kruskal-Wallisの検定 3群以上の平均値の差で水準が一元のときに使うノンパラメトリックの方法である。 最低血圧 3群以上の平均値の差で水準が一元のときに使うノンパラメトリックの方法である。 全部のデータnに対して順位をつけたのち、各水準ごとの順位合計Riを出し、それを用いてHを計算する。 Hがχ2検定で棄却されるかどうかを調べる。
Wilcoxon検定 ノンパラメトリック法の1つで、対応関係の存在する2群に“差がある”といってよいかを検定する方法。 ノンパラメトリック法の1つで、対応関係の存在する2群に“差がある”といってよいかを検定する方法。 2群の差を表す統計量である符号別順位和Tによって ①n≦25のとき Wilcoxon検定表を用いて判定 ②n>25のとき Tを標準化した値Zが棄却域に あるかどうかを標準正規分布表 によって判定 今回の実験ではn=28のため ②n>25の場合を用いた。 脈拍
脈圧に関して回転後と比べて入浴後の方が下がる 回転と高血圧患者の入浴 血管拡張 静脈還流量DOWN 入浴 回転 脈圧に関して回転後と比べて入浴後の方が下がる
脈圧に関して回転後と比べてNA投与後の方が上がる 回転とノルエピネフリン β1+++ α1++ 回転 投与 脈圧に関して回転後と比べてNA投与後の方が上がる
考察 入浴することによる直接的な効果は、末梢血管の拡張だけであるため、最高血圧が二回に分けて下がった。 入浴することによる直接的な効果は、末梢血管の拡張だけであるため、最高血圧が二回に分けて下がった。 また、NAによる効果は、心臓と末梢血管の両方に作用するため、最高血圧は一回の上昇のみであった。 つまり、回転の効果は上昇が一回のみであるため、心臓と末梢血管同時になんらかの作用が働いている,もしくは心臓のみに作用していると考えられる。