衛 生 学 実 習 <物理学的要因> テーマ:重力 HDTおよび回転運動による 人体への影響

Slides:



Advertisements
Similar presentations
東京大学医学系研究科 特任助教 倉橋一成 1.  背理法を使った理論展開 1. 帰無仮説( H0 、差がない)が真であると仮定 2. H0 の下で「今回得られたデータ」以上の値が観測でき る確率( P 値)を計算 3. P 値が 5% 未満:「 H0 の下で今回のデータが得られる可 能性が低い」
Advertisements

1標本のt検定 3 年 地理生態学研究室 脇海道 卓. t検定とは ・帰無仮説が正しいと仮定した場合に、統 計量が t 分布に従うことを利用する統計学的 検定法の総称である。
生物統計学・第 5 回 比べる準備をする 標準偏差、標準誤差、標準化 2013 年 11 月 7 日 生命環境科学域 応用生命科学 類 尾形 善之.
統計解析第 11 回 第 15 章 有意性検定. 今日学ぶこと 仮説の設定 – 帰無仮説、対立仮説 検定 – 棄却域、有意水準 – 片側検定、両側検定 過誤 – 第 1 種の過誤、第 2 種の過誤、検出力.
第6回 適合度の検定 問題例1 サイコロを 60 回振って、各目の出た度数は次の通りであった。 目の出方は一様と考えてよいか。 サイコロの目 (i) 観測度数 : 実験値 (O i ) 帰無仮説:サイコロの目は一様に出る =>それぞれの目の出る確率 p.
Wilcoxon の順位和検定 理論生態学研究室 山田 歩. 使用場面 2 標本 離散型分布 連続型分布(母集団が正規分布でない時など 効果的) ただパラメトリックな手法が使える条件がそ ろっている時に、ノンパラメトリックな手法 を用いると検出力(対立仮説が正しいときに 帰無仮説を棄却できる確率)が低下するとい.
エクセルと SPSS による データ分析の方法 社会調査法・実習 資料. 仮説の分析に使う代表的なモデ ル 1 クロス表 2 t検定(平均値の差の検定) 3 相関係数.
第4回 関連2群と一標本t検定 問題例1 6人の高血圧の患者に降圧剤(A薬)を投与し、前後の収縮期血圧 を測定した結果である。
統計的仮説検定の手順と用語の説明 代表的な統計的仮説検定ー標準正規分布を用いた検定、t分布を用いた検定、無相関検定、カイ二乗検定の説明
看護学部 中澤 港 統計学第5回 看護学部 中澤 港
点対応の外れ値除去の最適化によるカメラの動的校正手法の精度向上
統計学第10回 多群の差を調べる~ 一元配置分散分析と多重比較 中澤 港
第4章補足 分散分析法入門 統計学 2010年度.
様々な仮説検定の場面 ① 1標本の検定 ② 2標本の検定 ③ 3標本以上の検定 ④ 2変数間の関連の強さに関する検定
統計学第9回 「2群の差に関するノンパラメトリックな検定」 中澤 港
確率・統計Ⅰ 第12回 統計学の基礎1 ここです! 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均
第7回 独立多群の差の検定 問題例1 出産までの週数によって新生児を3群に分け、新生児期黄疸の
多変量解析 -重回帰分析- 発表者:時田 陽一 発表日:11月20日.
検定 P.137.
臨床統計入門(2) 箕面市立病院小児科  山本威久 平成23年10月20日.
統計的仮説検定 基本的な考え方 母集団における母数(母平均、母比率)に関する仮説の真偽を、得られた標本統計量を用いて判定すること。
第4回 (10/16) 授業の学習目標 先輩の卒論の調査に協力する。 2つの定量的変数間の関係を調べる最も簡単な方法は?
土木計画学 第5回(11月2日) 調査データの統計処理と分析3 担当:榊原 弘之.
第9回 二標本ノンパラメトリック検定 例1:健常者8人を30分間ジョギングさせ、その前後で血中の
統計的仮説検定の考え方 (1)母集団におけるパラメータに仮説を設定する → 帰無仮説 (2)仮説を前提とした時の、標本統計量の分布を考える
Effect sizeの計算方法 標準偏差が正確に求められるほど症例数が十分ないときは、測定しえた症例の中で、最大値と最小値の値の差を4で割り算した値を代用することが出来る。この場合には正規分布に従うことを仮定することになる。
統計的仮説検定 治験データから判断する際の過誤 検定結果 真実 仮説Hoを採用 仮説Hoを棄却 第一種の過誤(α) (アワテモノの誤り)
心理統計学 II 第7回 (11/13) 授業の学習目標 相関係数のまとめと具体的な計算例の復習 相関係数の実習.
第6章 2つの平均値を比較する 2つの平均値を比較する方法の説明    独立な2群の平均値差の検定   対応のある2群の平均値差の検定.
確率・統計Ⅱ 第7回.
第4回講義(4/26)の学習目標 1.1.3節 2種類の過誤等の理解を深めよう 1.1.4節 効果量とは 1.1.5節 検定の前提とその適否
統計学勉強会 対応のあるt検定 理論生態学研究室 3年 新藤 茜.
臨床統計入門(3) 箕面市立病院小児科  山本威久 平成23年12月13日.
母分散が既知あるいは大標本の 平均に関する統計的検定
統計学  西 山.
確率・統計輪講資料 6-5 適合度と独立性の検定 6-6 最小2乗法と相関係数の推定・検定 M1 西澤.
正規性の検定 ● χ2分布を用いる適合度検定 ●コルモゴロフ‐スミノルフ検定
対応のあるデータの時のt検定 重さの測定値(g) 例:
第8回 関連多群の差の検定 問題例1 健常人3名につき、血中物質Xの濃度を季節ごとの調べた。 個体 春 夏 秋 冬 a
母集団と標本調査の関係 母集団 標本抽出 標本 推定 標本調査   (誤差あり)査 全数調査   (誤差なし)査.
土木計画学 第6回(11月9日) 調査データの統計処理と分析4 担当:榊原 弘之.
Excelによる実験計画法演習 小木哲朗.
早稲田大学大学院商学研究科 2016年1月13日 大塚忠義
母集団と標本:基本概念 母集団パラメーターと標本統計量 標本比率の標本分布
相関分析.
リサーチカンファ 29 Aug, 2017.
第2日目第4時限の学習目標 平均値の差の検定について学ぶ。 (1)平均値の差の検定の具体例を知る。
4章までのまとめ ー 計量経済学 ー.
健診におけるLDLコレステロールと HDLコレステロールの測定意義について~高感度CRP値との関係からの再考察~
第8回授業(5/29日)の学習目標 検定と推定は、1つの関係式の見方の違いであることを学ぶ。 第3章のWEB宿題の説明
第11回授業(12/11)の学習目標 第8章 分散分析 (ANOVA) の学習 分散分析の例からその目的を理解する 分散分析の各種のデザイン
統計学 西 山.
確率と統計 年1月12日(木)講義資料B Version 4.
藤田保健衛生大学医学部 公衆衛生学 柿崎 真沙子
統計処理2  t検定・分散分析.
1.母平均の検定:小標本場合 2.母集団平均の差の検定
母分散の検定 母分散の比の検定 カイ2乗分布の応用
早稲田大学大学院商学研究科 2014年12月10日 大塚忠義
確率と統計2009 第12日目(A).
データの型 量的データ 質的データ 数字で表現されるデータ 身長、年収、得点 カテゴリで表現されるデータ 性別、職種、学歴
母分散の検定 母分散の比の検定 カイ2乗分布の応用
「アルゴリズムとプログラム」 結果を統計的に正しく判断 三学期 第7回 袖高の生徒ってどうよ調査(3)
クロス表とχ2検定.
母集団と標本抽出の関係 母集団 標本 母平均μ サイズn 母分散σ2 平均m 母標準偏差σ 分散s2 母比率p 標準偏差s : 比率p :
第5回 確率変数の共分散 確率・統計Ⅰ ここです! 確率変数と確率分布 確率変数の同時分布、独立性 確率変数の平均 確率変数の分散
藤田保健衛生大学医学部 公衆衛生学 柿崎 真沙子
確率と統計2007(最終回) 平成20年1月17日(木) 東京工科大学 亀田弘之.
数理統計学  第12回 西 山.
確率と統計 年12月16日(木) Version 3.
確率と統計 年1月7日(木) Version 3.
Presentation transcript:

衛 生 学 実 習 <物理学的要因> テーマ:重力 HDTおよび回転運動による 人体への影響 衛  生  学  実  習 <物理学的要因> テーマ:重力 HDTおよび回転運動による 人体への影響  担当:3班 阿河・井美・大貫・奥出・片山 ・熊井・戸水・佐伯・鈴木 

微小重力環境μGが人体に与える影響 HDT(Head Down Tilt) 体液シフト μGで体液の 分布が変化。 下肢は減少 上半身は増加 7° 体液シフトのシュミレーション 臥位で頭部をおよそ6°~10° 下げる

HDTと体液シフト 立位 臥位 BP 真の血圧 TP 壁内外圧差(血圧計の値) HP 静水圧 組織圧+血漿浸透圧 Thorax BP 真の血圧 TP 壁内外圧差(血圧計の値) HP 静水圧 組織圧+血漿浸透圧 HDTと体液シフト Thorax 立位 下肢の血液動態 Stomach Legs Pelvis Head  BP TP=BP+HP BP TP=BP+HP   ≒BP 臥位

HDT実験 計測① 最高・最低血圧 Ps・Pd 30秒おき ② 脈拍 HR 30秒おき 1、座位安静時 2、臥位安静時15min 3、HDT30min 計測① 最高・最低血圧 Ps・Pd    30秒おき     ② 脈拍 HR             30秒おき 被験者13人(男性20~25歳) *血圧やその変化を正確に測定するために以下の条件を定めた。   ・徐脈ではない    ・朝食や昼食をちゃんと食べた    ・寝起き、体調不良ではない    ・動かず安静に、かつ会話はしてはいけない    ・眠ってはいけない

各被験者の測定値の評価法 Change Range Average

体位と検定に用いた時間区分 U S U S1 S2 U:不安定期 S:安定期 座位 臥位 HDT

①一元配置分散分析法 ②対応のある2群の t 検定 帰無仮説H0:各群は同一の母集団からの標本   差があるとはいえない←群間分散に対する郡内分散が大きい 各群の平均値 群間に差がある   ←群間分散に対する群内分散が小さい ①で有意に差がある項目は、ノンパラメトリック法による追跡検定を行い、どの群間に差があるかをみた。 

最高血圧Ps 平均動脈血圧Pm 最低血圧Pd Ps t検定・分散分析・・・有意差あり○ (-5.697) Pd t検定・分散分析・・・有意差なし× 最高血圧Ps 平均動脈血圧Pm 最低血圧Pd 臥U 臥S HU HS1 HS2

脈拍 は一定 t検定・分散分析・・・× 臥U 臥S HU HS1 HS2

脈圧Pp =最高血圧Ps-最低血圧Pd     ∝ 1回拍出量SV 脈圧Pp は一定 t検定・分散分析・・・× 臥U 臥S HU HS1 HS2

脈圧Pp×脈拍∝心拍出量 は一定 t検定・分散分析・・・× 臥U 臥S HU HS1 HS2

③直線回帰 最小2乗法により、各点からの距離の2乗が最小になるように直線を引く。この回帰直線をy=ax+bとすると、この傾きaと切片bは以下の式で求められる。 -  - b=Sxy/Sxx   a=y-b x=1/n(Σyi-bΣxi) 相関係数|R|は1に近いほど、集団が直線に近くなる。

③直線回帰 最小2乗法により、各点からの距離の2乗が最小になるように直線を引く。この回帰直線をy=ax+bとすると、この傾きaと切片bは以下の式で求められる。 -  - b=Sxy/Sxx   a=y-b x=1/n(Σyi-bΣxi)

最高血圧 0°:y = -0.008 x + 113.395 |R|=0.044 HDT:y = -0.2519x + 115 |R|=0.828 最低血圧 0°:y = 0.1941x + 64.465 |R|=0.652 HDT:y = -0.1937x + 68.189   |R|=0.583 脈圧 0°:y = -0.2049 x + 48.933 |R|=0.754 HDT:y = -0.0601x + 44.842 |R|=0.235 =最高血圧Ps-最低血圧Pd  ∝1回拍出量

脈圧 0°:y = -0.2049x + 48.933 |R|=0.569 HDT:y = -0.0601x + 44.842 |R|=0.0553 =最高血圧Ps-最低血圧Pd  ∝1回拍出量 脈拍 0°:y = -0.0175x + 19.136 |R|=0.583 HDT:y = -0.075x + 18.858 |R|=0.306 脈圧Pp×脈拍 ∝心拍出量 0°:y = -4.994x + 938.1 |R|=0.611 HDT:y = -1.785x + 882.18 |R|=0.0889

検定法の比較 一元配置分散分析 t 検定 直線回帰 長所 ・二群以上の比較が一度にできる ・方法が簡便 ・二群の差を比較しやすい ・変化の傾向が 一目でわかる 短所 ・方法が複雑 ・比較の意義のある群間を判別しにくい ・二群の差を見るには追跡検定が必要 ・変化の傾向を見ることはできない ・正規分布のみ ・二群のみ ・使える場合が直線的な変化の時のみ

血漿量 考察 NE E

<実 験> テーマ:回転運動による生体への影響 <実   験> テーマ:回転運動による生体への影響 目的:   回転運動による超急性的変化が体に与える影響を考える。 方法:   まず、安静状態で血圧・脈拍を5回測定してから、回転式椅子に座らせ回転運動を加える。その直後、再び血圧・脈拍を5回測定する。   回転運動とは、90°/秒で5分間回転させ、その途中で15~20秒ごとに停止させたり、回転を再開したりする。また、3分間同一方向に回転した後は2分間逆方向に回転させる。

実験結果 最高血圧 上がった直後急激に下がる(A1⇒A2) フィードバック機構が働いている! 上がったものは落ち着く(A3⇒A5) 回転加速度負荷 回転加速度負荷をかけた直後あがる(B5⇒A1)

実験結果 最低血圧 上がった直後急激に下がる(A1⇒A2) フィードバック機構が働いている! 上がったものは落ち着く(A3⇒A5) 回転加速度負荷 回転加速度負荷をかけた直後あがる(B5⇒A1)

脈圧 実験結果 つまり 脈圧は一定 一回心拍出量:一定!! 脈圧=最高血圧-最低血圧 回転加速度負荷

脈拍 実験結果 脈拍はA1⇒A2以外一定 A1⇒A2は低下する 脈圧と脈拍は一定に保たれている 回転加速度負荷 心拍出量は一定

符号検定 (ノンパラメトリック法) 最低血圧   対応関係のある2群間に“差がある”といってよいかを検定する方法。対応する各ペアの差を求め、その差の符号に着目する。 2群間に“差がない” のであれば符号の出現率は1/2の二項分布に従うはずである。そこで、   1. 各ペアの差を求める。   2. 1で求めた差の符号に注目し、少ない方の符号の個数をrとする。   3. 二項分布において、少ないほうの符号の出る回数がr以下となる確率P(x≦r)と有意水準によって棄却されるかどうかで判定を行う。

Kruskal-Wallisの検定 3群以上の平均値の差で水準が一元のときに使うノンパラメトリックの方法である。 最低血圧   3群以上の平均値の差で水準が一元のときに使うノンパラメトリックの方法である。   全部のデータnに対して順位をつけたのち、各水準ごとの順位合計Riを出し、それを用いてHを計算する。   Hがχ2検定で棄却されるかどうかを調べる。

Wilcoxon検定 ノンパラメトリック法の1つで、対応関係の存在する2群に“差がある”といってよいかを検定する方法。   ノンパラメトリック法の1つで、対応関係の存在する2群に“差がある”といってよいかを検定する方法。   2群の差を表す統計量である符号別順位和Tによって   ①n≦25のとき     Wilcoxon検定表を用いて判定   ②n>25のとき     Tを標準化した値Zが棄却域に    あるかどうかを標準正規分布表    によって判定   今回の実験ではn=28のため   ②n>25の場合を用いた。 脈拍

脈圧に関して回転後と比べて入浴後の方が下がる 回転と高血圧患者の入浴 血管拡張 静脈還流量DOWN 入浴 回転 脈圧に関して回転後と比べて入浴後の方が下がる

脈圧に関して回転後と比べてNA投与後の方が上がる 回転とノルエピネフリン β1+++ α1++ 回転 投与 脈圧に関して回転後と比べてNA投与後の方が上がる

考察 入浴することによる直接的な効果は、末梢血管の拡張だけであるため、最高血圧が二回に分けて下がった。   入浴することによる直接的な効果は、末梢血管の拡張だけであるため、最高血圧が二回に分けて下がった。   また、NAによる効果は、心臓と末梢血管の両方に作用するため、最高血圧は一回の上昇のみであった。   つまり、回転の効果は上昇が一回のみであるため、心臓と末梢血管同時になんらかの作用が働いている,もしくは心臓のみに作用していると考えられる。