三重大学医学部附属病院総合診療部 飛松 正樹

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三重大学医学部附属病院総合診療部 飛松 正樹 三重大学 家庭医療学プログラム 三重大学医学部附属病院総合診療部 飛松 正樹

家庭医療とは 多面的要素をもったヘルスケア 予防・医療・福祉 個人・家族・地域 身体的・心理的・社会的 資料1ページ 一般目標 資料1ページ 一般目標  家庭医療とは、あらゆる身体疾患をケアできるだけではなく心理面、社会面にも配慮した全人的医療を行い、個人のみでなく家族や地域をも視野に入れ、医療のみでなく保険や福祉にも関わる多面的な要素をもったヘルスケアである。と定義しています。

プログラムの目標 本後期研修を履修して、家庭医療を実践する家庭医となること プログラムの目標は、さきほどのような家庭医療を実践する家庭となることです。 プログラムを終了すると将来、都市・僻地を問わず、地域で活躍できる家庭医になることができます。

研修の到達目標(3年目) 良好な患者医師関係の構築 患者中心の医療の展開 共感の仕方 家族へのアプローチ Family genogramが書ける 家族のライフサイクルを外来診療に応用できる 資料3ページ以降に家庭医療研修の到達目標が記載してあります  3年目では  診療の中で、良好な患者医師関係、  家族図、ライフサイクルを通じで、個人の背景にある家族を意識して診療すること

研修の到達目標(3年目) ヘルスプロモーション 行動変容を促す健康教育ができる 地域包括医療 訪問診療 介護保険に関する高齢者ケア Common diseaseの外来診療ができる 喫煙、肥満、運動など生活習慣への対処として行動変容を促す健康教育ができること 地域との関わりとして、訪問診療 介護保険の主治医意見書、訪問看護指示書、ケアマネージェーやその他の職種、事業所との連携ができること 病棟、外来研修を通じてCommon diseaseを診療するための知識や技術を身につけるように努めます

研修の到達目標(3年目) Somatization 以下の発見・診断・治療ができる アルコール依存症のスクリーニングができる うつ病・うつ状態、パニック障害 身体表現性障害、適応障害、心身症 アルコール依存症のスクリーニングができる うつ、不安障害、アルコール関連問題などを発見できること

研修到達目標(3年目) Somatization 簡易精神療法ができる 外来森田療法ができる 精神的問題を有する患者さんに対応するためにも簡易精神療法や外来森田療法などの精神療法をができることを目指しています

研修の到達目標(4年目) 地域包括医療 家族へのアプローチ 家族システム論的にアプローチ できる 予防医学 地域でのヘルスプロモーション 4年目の目標としては、 家族システム論的に、患者本人、家族の一部へのアプローチができる 地域においては、 一次予防、二次予防など地域での予防活動、健康教育事業など地域との関わりをさらに深めていくことになります。

研修の到達目標(4年目) Somatization 簡易精神療法ができる 認知療法ができる 認知行動療法ができる 精神的な問題に対しては、さらに精神療法の技術を磨き、認知療法、認知行動療法ができること

研修の到達目標(5年目) 地域包括医療 産業医、校医 高齢者施設の嘱託医 公的扶助制度に関する助言 診療所の経営・管理 5年目には、個人・家族からさらに地域への関わりを強く重視することになり 地域のニーズに応じて役割を広げ 地域包括医療を展開できること

研修の到達目標(5年目) 高齢者への生きがい支援 個人へのケアができる 家族へのアプローチができる 疾患、心身の健康を超えた個人生きがいを意識してケアすることが必要となります。

研修期間 6年間 初期2年間 研修医 後期4年間 レジデント 当プログラムの後期研修は4年間としています。

研修場所 モデルクリニック 3ヶ所 大学病院 市中病院 4ヶ所 モデルクリニックが3箇所 大学病院 モデルクリニック  3ヶ所 大学病院 市中病院 4ヶ所 モデルクリニックが3箇所 大学病院 市中病院 内科、小児科、産婦人科、整形外科

人材 教授 津田 司 (研修プログラム責任者) 助教授 竹村 洋典 (家庭医療指導医) 助手 横谷 省治 (家庭医療指導医) 教授  津田 司  (研修プログラム責任者) 助教授 竹村 洋典 (家庭医療指導医) 助手  横谷 省治 (家庭医療指導医) 中野 貴司 (小児科指導医) 能勢 義正 (産婦人科指導医) 加藤 公  (整形外科指導医) 仲田 和正 (整形外科指導医) 中西 朝子 (皮膚科指導医) 指導スタッフとして家庭医療指導医に3名 他の専門診療科指導医に小児科、産婦人科、整形外科医、皮膚科の先生がいらっしゃいます。専門診療科指導医は、他施設の専門医です。

研修内容 診療所研修 27ヶ月 内科 6ヶ月 小児科 3ヶ月 選択研修 12ヶ月 (整形外科、皮膚科を含む) 研修期間をまとめますと 診療所研修  27ヶ月 内科  6ヶ月 小児科  3ヶ月 選択研修  12ヶ月 (整形外科、皮膚科を含む) 研修期間をまとめますと 4年間のうち 診療所が27ヶ月 内科6ヶ月 小児科3ヶ月 選択研修が12ヶ月になります

Mie Medical Complex内の管理型臨床研修病院で2年間のローテート研修 研修プログラムの例 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 初期研修医 Mie Medical Complex内の管理型臨床研修病院で2年間のローテート研修 レジデント 1年 内科 クリニック研修 小児科 2年 エレクティブ 3年 4年 例を示しますと、初期研修は、三重県下の教育・研修医群であるMMCで2年間のローテート研修を行います。 他県で初期研修を終えられ、後期研修から開始することも可能です。 レジデント1年目は、内科、小児科の研修が中心となり、クリニック研修は3ヶ月 2、3年目は、クリニック研修と、選択研修の期間があり 4年目は、1年間クリニックで研修します。

クリニック研修 家族単位のかかりつけ医 外来診療・予防活動・福祉支援活動に参画する 家族単位のかかりつけ医として、外来診療、予防活動、福祉支援活動に参画することによって、家庭医としての修練をつむことになります。

エレクティブ研修 整形外科、皮膚科は選択必須 その他希望の科を選択 原則として他施設で研修 週1回の半日はhalf-day backとして クリニックで担当患者の継続診療 エレクテイブ研修は  整形外科、皮膚科は選択必須です。他は希望により他科研修や超音波、内視鏡研修などを行います。  またエレクテイブ研修の期間もハーフデイバックを行いクリニックで担当患者の継続診療も続けます。

レジデント回診/モーニングカンファレンス 週間予定の例 月 火 水 木 金 7:30-8:30 レジデント回診/モーニングカンファレンス 8:30-12:00 初診外来 皮膚科外来研修 地域病院 外来 再診外来 12:00-17:00 外来/病棟 研修医指導 17:00-18:00 家庭医療 抄読会 症例 検討会 薬の使い方勉強会 専門診療科勉強会 ジャーナルクラブ 18:00-19:00 医局会 トピック 勉強会 資料2ページ  1週間の予定は、このようになっています。現在の内容で示してありますので資料と少しことなります。  外来診療が中心となっています。  半日、研修日があり、他院での外来もあります。  夕方に勉強会を設けています。

研修のオプション 大学院コース 家庭医療に関する研究 家庭医の教育 さらに後期研修後 将来教育スタッフとしえ活躍したい人や家庭医に必要な研究に取り組みたい人は 大学院コースで研修、研究をすることができます

研修のオプション 米国留学コース 米国家庭医療レジデント 米国家庭医療の研修見学 (3ヶ月~1年間の期間で留学) 追加研修 得意領域を持ちたい人は、さらに1~2年間研修できる USMLEに合格すれば、ミシガン大学、ミシガン州立大学での家庭医レジデント USMLEを合格していない人も3ヶ月から1年の期間で家庭医療を研修見学することができます。 診療能力に得意な領域を持ちたいレジデントは、6年終了後さらに1-2年の研修を行うこともできます。

資格 日本家庭医療学会認定専門医 5年終了後に受けることができる 日本内科学会認定内科医 4年目に受けることができる 日本家庭医療学会認定専門医  5年終了後に受けることができる 日本内科学会認定内科医  4年目に受けることができる 最後に研修中に取得可能な資格として 4年目に内科学会認定医 5年目に日本プライマリケア学会認定専門医を受けることができます。 以上で三重大学・家庭医療学プログラムの説明を終了いたします。 ありがとうございました。