ハイパー核とYN相互作用 夢 & リアリティ 2008/9/2 理研 after Hiyama’s talk at KEK after Day1 projects 「J-PARCハドロン物理の将来研究計画を考える」 5-10年後の夢のある話をせよ 夢 & リアリティ 山本@都留文科大
ハイパー核研究の二つの側面 ハイペロンを含む原子核の構造・反応 YN・YY相互作用の特徴
YN・YY相互作用とハイパー核 前置き YN・YY相互作用模型は2体散乱データの 貧困さのために非常に不定性が大きい ハイパー核データによる模型の制限や選択 が重要な役割を果たす ハイパー核データがNN核力における 2体散乱データの役割を果たすわけでない YN散乱データはベースである それなしにNijmegen modelは作れなかった
YN,YY相互作用が全部よくわかったとしたら 格子QCDでYN,YY力が正しく出たら Oka-san の問いかけ YN,YY相互作用が全部よくわかったとしたら 格子QCDでYN,YY力が正しく出たら 触発されて考えてみたこと 答えではないが
「YN,YY相互作用が全部よくわかる」 とは、どういうことだろうか? ΛN、∑N、ΛΛ、ΞN、Λ∑、∑∑、ΛΞ、∑Ξ、ΞΞ ・・・
まずは核力(NN interaction) 武谷核力論(1950年代)以降の発展 定性的特徴(1950年代) OPEP tail 中間領域引力 テンソル力 短距離斥力 50年 モデルの定量的確立 OBEP and beyond coreの成因 格子QCD 模型的アプローチ (現象を基礎とする) 第一原理的アプローチ 本質論的段階へ
核力模型の定量的成立 YN・YY相互作用(現状) *2体系の実験情報(phase shifts等)に基づく *多体系の情報からのfeedbackは限られている YN・YY相互作用(現状) *2体散乱実験は極めて限定的 *多体系の情報からの補完 どこへ、どのように?
究極目標はバリオンオクテット間相互作用の全体像 実験(2体散乱/多体系)で捉えうる各チャネルの基本的 特徴をコンシステントに表現し一定の予言性を有する 相互作用模型の構築が模型的アプローチの目標である 第一原理的研究(QCD + hyper computer)がいかに進んでも 模型的アプローチがそれに解消することはないだろう 人間の認識とは模型的イメージが脳裏に描かれることだから しかし実験不能なチャネルの情報をcomputer simulationに 依拠することはありえる
「格子QCDでYN,YY力が正しく出たら」 が意味すること 理論の理論たる所以はその予見性にある 模型的アプローチの基礎付けに留まらず 実験プロポーザルの種になりそれが検証されて 本物であることが実証される (実体論的段階から本質論的段階へ ニュートン力学による海王星の予見と発見) その段階に到達して初めて 実験不能なチャネルのsimulationがrealityを獲得する Λ∑、∑∑、ΛΞ、ΞΞ、・・・ 中性子星の内部を知る と私は思います
典型例としてのΛN spin-spin interaction 模型的アプローチ 典型例としてのΛN spin-spin interaction Λハイパー核におけるspin-doublet statesでのテスト ND × NF △ JA/JB × 模型構築における必要条件として考慮 NSC97e/f ESC04 FSS/fss2 spin-doublet states
Decomposition to spin-independent, spin-spin, LS and tensor parts spin-spin partを適切に調節することが前提
SLS/ALS problem 相互作用模型への反映 γ線分光実験によるΛs.o. splittingの精密測定は SLS/ALS は手にp-statesで効くshort-range interaction 多体効果の影響を受けにくい Λs.o. splitting in nucleiと素直にリンクする γ線分光実験によるΛs.o. splittingの精密測定は 90年代における代表的成果のひとつである 相互作用模型への反映 “Strong cancellation of SLS & ALS” はQMの専売特許ではなさそう also possible in ESC modeling
ESC04 modeling ESC07 (ππ),(πρ),(πω),(πη),(σσ) PS, S, V, AV nonets not taken (ππ),(πρ),(πω),(πη),(σσ) +(πK),(πK*)・・・ strangeness exchange ESC07 PS-PS exchange small spin-orbit interaction
ESC07 small spin-orbit splitting は meson-theoreticalに理解できる!! Experimental value estimated as KΛ~7 ESC07 small spin-orbit splitting は meson-theoreticalに理解できる!!
∑N interaction をめぐって 「将来研究計画を考える」 After Day-1 の目玉の一つ but 肥山さんのKEKトークに含まれていない
meson-theoretical models QM-based models 21S0 23S1 41S0 43S1 sum Fss 6.1 -20.2 -8.8 48.2 +9.8 fss2 6.7 -23.9 -9.2 41.2 +7.5 QM-based models
領域Ⅲ Repulsive core の成因 ハイパー核で領域Ⅲを見れるか? ESC ポメロン+ω チャネル・状態依存性はあまりない Tamagaki’s original idea: Pauli-forbidden state 領域Ⅲ Repulsive core の成因 たとえば ESC ポメロン+ω チャネル・状態依存性はあまりない FSS/fss2 QMに特有のチャネル依存性がある ハイパー核で領域Ⅲを見れるか? 原子核現象を通じて核力の領域IIIの異なる modelingを区別することはできなかった
QM cores K. Shimizu, S. Takeuchi and A.J. Buchmann, PTP, Suppl. 137(2000)
V[51]にPauli-forbidden stateが存在 強く変わる V[51]にPauli-forbidden stateが存在
ESC core に QM core の特徴を反映させる!!! Recent Nijmegen approach ESC core に QM core の特徴を反映させる!!! ESC core = pomeron + ω Assuming “equal parts” of ESC and QM are similar to each other Almost Pauli-forbidden states in [51] are taken into account by changing the pomeron strengths for the corresponding channels gP 2.5 gP ESC07-a,b,c,d,e,f,g
UΣ ESC07 ESC07 Strong repulsion in T=3/2 3S1 & T=1/2 1S0 states Large conversion width (strong ΛN-ΣN coupling)
Nijmegen 対 Kyoto-Niigata ESCもFSS/fss2も同じ範疇(模型的アプローチ)に属し 多かれ少なかれ現象論的パラメータを含む ESC07 two-meson exchange まで入れる、effective mesonは使わない repulsive core: ω meson + pomeron QM coreの特徴を現象論的に取り込む FSS/fss2 QM core + effective mesons 両者の接続には現象論的パラメータが使われている 原理的には Fujiwara QM core + Rijken meson exchange のモデルも可能である いずれにおいても模型的アプローチに相応しい現象論的処方を含む 原理主義の臭いはそぐわない
Quark Pauli-forbidden states の存在を いかにして実証するか? ∑N phase-shift analysis (可能?) ∑-nucleus potentialを通じて Quasi-free ∑ production ∑-nucleus scattering
GBN(r; E, kF) B-nucleus folding potential derived from complex G-matrix GBN(r; E, kF) N-nucleus scattering の記述においては “no free parameter” で 現象論的モデルを凌駕する
Calculated by Furumoto
Quasi-free ∑productionのspectrumから U∑の引力or斥力が決められるだろうか? ところで Quasi-free ∑productionのspectrumから U∑の引力or斥力が決められるだろうか?
by Maekawa, at al.
Λ optical potential by Yamamoto-Bando 1988 JLM近似 ΛA potential の Imaginary partのoriginはNAと同じ: Wscat
W= Wconv+ Wscat Wscatがp-nucleus の虚部分に対応
強い虚部分の存在! Dabrowski W∑<WN<WΛ
with U∑(JLM) Wconv only (dashed) はWSによる結果と似ている Wscatによる強いreduction
N-nucleus scattering : 核力から出発して”no free parameter”で説明できる 核力模型による差は小さい U∑の正負のような定性的特徴(相互作用模型の選別) ∑-nucleus scatteringで判別できるのではなかろうか さらには∑ spin-orbit potential (模型毎にバラバラ) の情報も・・・Lane potentialも・・・
∑∓-nucleus scattering 入射エネルギー 50~200 MeVで G-matrix近似は非常によい UcenとUsoは∑N interactionの良い情報 微分断面積と偏極量(Ay)からUcenとUsoが決まる UsoはAyだけからは決まらない N>Z targetsに対する ∑∓ 散乱でLane potentialも
Calculated by Furumoto
YN・YY interactions in S=-2 states とりわけΞN interaction ここに至って初めてBaryon octet 間相互作用の 全体像が見えてくる 現状はと言えば、ΞN interactionに関する 種々の理論的模型は定性的にすらバラバラ 実験なし理論の無力さを露呈 UWS~-14 MeVが唯一の手がかり できる計算を行いJ-PARC実験をかたずを飲んで待っている 先のシナリオは実験結果次第か・・・ Ξハイパー核の存在確認は次のパラダイムへの架け橋
十分に深いUΞ (light p-shell Ξnuclei) 素直なSU3 OBEPでは無理(NF, NSC89/97, etc 強い斥力) FSS/fss2は11S0 state attraction で頑張るが不十分 特殊なmodelingが必要 scalar-singlet meson dominant models: ND, Ehime Cancellation between vector & axial-vector mesons: ESC04d
Features of ESC04d and NHC-D ESC04d NHC-D Mass-dep of BΞ weak strong Lane term strong weak light Ξ-states ○ △ Conversion width large small (K-,K+) experiments in J-PARC are decisively important to select out reasonable interaction models 願わくば、いつか(K-,K0)反応を!
5年後、10年後のハドロン物理研究の考えられる将来像 (Hiyama’s view) QCD ペタコンの導入でさらに 発展 Lattice QCD ハドロン 現実的相互作用(YN、YY、メソンーバリオン) 新しくこの矢印が生まれる! 有限温度における 高密度状態の物理 (中性子星内部の研究) J-PARC YN散乱実験 多体系のダイナミクス 今は予想もできない現象を予言可能 チャーム核、オメガハイペロンを原子核に入れた ハイパー核、いろいろなメソンを原子核に入れた エキゾチックな原子核を予言 Shell 模型 Few-body計算 Cluster模型 J-PARC 高分解能ガンマ線実験 ペタコン
おわり
arXiv:0801.0879v1 6 Jan 2008 デタラメ例 Uσσ -1.37 -0.96
Jeulich modelにおけるΛN spin-spinが悪いことを 15年ほど前に指摘したがHolindeに無視された 最近のJeulich 05では更に悪くなっている 我々の提起を誠実に受け止めたNijmegen(Rijken)は NSC97, ESC04/07に取り組んだ
ΛN-∑N coupling の強さ (定量的理解へ) Meson theoretical model にとっての重要性 J-PARC実験の重要課題 neutron-rich Λhyper nuclei conversion widths of ∑states etc
玉垣さんのテキストより π π
ΛN-ΣN coupling を荷う実体は πである
dominated by π ΛN-ΣN tensor は NN tensor と同質 ΛN-∑N couplingが tensor-dominantである ことは多体構造計算における 理論的前提
Calculated by Furumoto
Experimental data suggesting attractive Ξ-nucleus interactions BNL-E885 12C(K-,K+)X KEK-E176 twin Λ hypernuclei UΞ~ -14 MeV UΞ~ -16 MeV represented by Woods-Saxon potential
ΞN 13S1- state attraction PS V ω Canceling of V and A Attraction of S appears cancel S A ε attractive a1 Contributions from PS-, S-, V-, AV-mesons
Double-Λ states after Nagara たくさん造ること Hiyama systematics からのズレ? ΛΛ-ΞN coupling の強さ?
ΛΛ attraction owing to ΛΛ-ΞN coupling Ξ statesの幅を 大きくする悪役