3枚の絵で症例をまとめる 全身の情報、過去の経過を プロファイルし なぜこの診断、治療方針を 決定したか? 治療の結果は? その上で何をするか?
現病歴 既往歴 治療介入 73歳 再発する肝細胞癌 平成26年 平成25年 平成4年 4/16 8/6 9/5 9/3 33年前外傷で輸血 現病歴 既往歴 治療介入 HCV抗体(+) HCV-RNA(-) HBs抗原(-) HBs抗体(-) HBC-IgG抗体(+) 73歳 再発する肝細胞癌 DEB-TACE施行 内科入院 フォローのため 当院通院 年1回近医にて ・腹部エコー ・採血 平成25年5/7まで 腫瘤はっきりせず AFP:正常値 (PIVKAⅡ測定なし) 造影CT: 肝外側区14×12mm大の結節影 AFP:1.9 AFP-L3:0.5 PIVKA-Ⅱ:313.1 CTにて腫瘤影なし AFP: 1.4 PIVKA: 224 平成26年 4/16 8/6 9/5 9/3 外科にて 肝右葉切除術 病院にて エコー・造影CT: 肝右葉S7, 8に約10cm大の腫瘤 33年前外傷で輸血 近医にて エコー・造影CT:肝右葉に腫瘤像 AFP:44 PIVKAⅡ:32501 平成25年 7/4 7/10 7/24 8/19 C型慢性肝炎の指摘 平成4年 8/16 臨床実習時、実際の学生作らせている3枚の絵のうち最初の臨床経過 平成6年 インターフェロン療法施行
身体所見のまとめ KT: 36.5℃, SpO2: 96(room air) 下腿浮腫なし 【生活歴】 【入院時所見】 KT: 36.5℃, SpO2: 96(room air) 下腿浮腫なし 【生活歴】 飲酒歴:禁酒中(昨年まで焼酎2~3杯/day) 喫煙歴:禁煙中(50歳まで20本/day) 【家族歴】 父:大動脈瘤(山大でope) 祖父・祖母:癌(詳細不明) 【既往歴】 約5年前~ 鍼灸治療歴あり(右変形膝関症) 輸血歴あり、刺青なし H25年HCCにて肝右葉切除術 【アレルギー】なし 【内服】 ウルソデオキシコール酸(100)3T 1T×毎食後 プラバスタチンナトリウム錠(10)1T 1T×夕食後 大建中湯2.5g/包15g 2包×毎食前 ブロチゾラム錠 1T×寝る前 イソロイシン・ロイシン・バリン顆粒4.15g/包3包 1×朝夕食後と寝る前 エソメプラゾールマグネシウム水和物(20) 1cap×朝食後 意識清明 リンパ節腫脹(-) 眼瞼結膜:貧血(-) 眼球結膜:黄染(-) HR: 77, BP: 154/80 Heart:心音正常、no murmur Lung:呼吸音正常、no rale 腹部:平坦、軟 圧痛(-) 腸蠕動音正常 血管雑音(-) 脾・腎触知しない腫瘤触知しない クモ状血管腫(-) 肝:触知しない 黄疸(-)、腹水(-) Child-Pugh分類A (6点) 正中部および 季肋部に手術痕(+) 平成25年8/19 肝右葉切除術 手掌紅斑(-) 身体所見のまとめ、全身像で表現させ、また内服剤を使った上での現症を作成してもらっています。 多くの投薬がされて、今があれば大事な情報なのでそうしています。 薬は一般名 ARB, H2ブロッカーなどで 記載 下腿浮腫(-)
治療経過(臨床実習I 5年生のまとめ) 初発肝癌 平成26年 再発HCC(T3N0M0 stageⅢ) 肝外側部:22mm大 9/5 当科にて DEB-TACE施行 8/19 消化器外科にて 肝右葉切除術 平成25年 HCC 肝右葉S7・8:約10cm大 平成26年 再発HCC(T3N0M0 stageⅢ) 肝外側部:22mm大 肝内側辺縁:12mm大 初発肝癌 血管造影所見 ・SMAからのCTAPでは明らかなVp因子は認めなかった。 ・肝外側部と肝内側部S3にそれぞれ22mm大、12mm大の CTAPで欠損、CHAからのCTAで早期濃染、wash outを認める HCCを認めた。 ・CHAからのDSAでS2, S3にtumor stainを認めた。 ・A2、A3にcannulationしエピルビシンを用いてDEB-TACEを施行した。 肝臓で入院した患者の肝臓の状態を、今までの治療歴を踏まえ1枚の図にまとめています。 このよう3枚の図をつくることで、患者の全体像がわかり経過がわかります。この図3枚を使い、 臨床判断の可否、今の状況、今後の問題点などを討議しています。