地球惑星物性学1 (2013.10~) 参考文献: 大谷・掛川著 地球・生命 共立出版

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音・音速 遠くから聞こえてくる優しい,海 の音 海の波. 音とは?  音(おと)とは、物理学的には物体を通して縦波として伝 わる力学的エネルギーの変動のこと。 波動としての特徴 (周波数・波長・周期・振幅・速度など)を持つ。 物理学物体縦波力学的エネルギー 波動周波数波長周期振幅速度物理学物体縦波力学的エネルギー.
基本編: はじめての UNIX UNIX の基本的なコマンドを使ってみよう . 応用編:地震波形を使って震源を決めてみよ う 1.波形データをインターネットから取得しよう 2.地震波形を読もう 3.震源を決めてみよう 地球惑星物理学実験 II.
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Centaurus 銀河団におけるプラズマのバルク運動 2006/11/06 サロン 川埜直美 銀河団 銀河 : 可視光 銀河団プラズマ : X 線 ・ 数 100 ~ 数 1000 の銀河の集団 ダークマター : X 線、重力レンズ ・ 宇宙最大の自己重力系 より小規模のシステム(銀河.
4・6 相境界の位置 ◎ 2相が平衡: 化学ポテンシャルが等しい     ⇒ 2相が共存できる圧力と温度を精密に規定     ・相 α と β が平衡
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
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地球惑星物性学1 ( ~) 参考文献: 大谷・掛川著 地球・生命 共立出版
Primordial Origin of Magnetic Fields in the Galaxy & Galaxies - Tight Link between GC and Cosmic B –  Y. Sofue1, M. Machida2, T. Kudoh3 (1. Kagoshima.
第 3 回.
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第3章 地球物質とその性質.
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メンバー 梶川知宏 加藤直人 ロッケンバッハ怜 指導教員 藤田俊明
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化学工学基礎 −後半の後半− 第1回目講義 (2009年7月10日) 1 担当 二又裕之 物質工学1号館別館253ー3号室
第3章 地球物質とその性質.
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
地震波の種類・伝わり方 P 波、S 波、表面波 1.
プレートテクトニクス 講義レジメ [VI] 固体地球を“生きさせている”エネルギー源
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
G Knebel et al J. Phys,: Condens. Matter 16 (2004)
2019/4/22 Warm-up ※Warm-up 1~3には、小学校外国語活動「アルファベットを探そう」(H26年度、神埼小学校におけるSTの授業実践)で、5年生が撮影した写真を使用しています(授業者より使用許諾済)。
Term paper, report (2nd, final)
(d) ギブズ - デュエムの式 2成分混合物の全ギブスエネルギー: 化学ポテンシャルは組成に依存
原子核物理学 第5講 原子核の振動と回転.
バーチの法則と状態方程式 バーチの法則 Vp= a(M) + br Vp(km/sec) = r (g/cm3)
第3章 地球物質とその性質.
北大MMCセミナー 第62回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2016年11月4日(金) 16:30~18:00
◎ 本章  化学ポテンシャルの概念の拡張           ⇒ 化学反応の平衡組成の説明に応用   ・平衡組成       ギブズエネルギーを反応進行度に対してプロットしたときの極小に対応      この極小の位置の確定         ⇒ 平衡定数と標準反応ギブズエネルギーとの関係   ・熱力学的な式による記述.
地球惑星物性学1 ( ~) 参考文献: 大谷・掛川著 地球・生命 共立出版 島津康夫著・地球の物理 基礎物理学選書 裳華房
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
東北大 情報科学 田中和之,吉池紀子 山口大 工 庄野逸 理化学研究所 岡田真人
強結合プラズマ 四方山話 − 水素とクォーク、高密核融合、 クーロンクラスター、そして粘性 −
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卒論中間発表 2001/12/21 赤道の波動力学の基礎 北海道大学理学部 地球科学科 4年 山田 由貴子.
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
第3章 地球物質とその性質.
科学概論 2005年1月27日
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地球惑星物性学1 (2013.10~) 参考文献: 大谷・掛川著 地球・生命 共立出版 地球惑星物性学1 (2013.10~) 参考文献: 大谷・掛川著 地球・生命 共立出版 唐戸俊一郎著・地球物質のレオロジーとダイナミックス 共立出版 島津康夫著・地球の物理 基礎物理学選書 裳華房 島津康夫著・地球の進化  岩波書店 島津康夫著・地球内部物理学 裳華房 新版地学教育講座③ 鉱物の科学 東海大学出版会 http://epms.es.tohoku.ac.jp/minphys/ohtani/index_ohtani.html で授業資料を参照

1.地球惑星の内部構造と物質 1)地球型惑星と木星型惑星:内部構造と温度圧力 2)地球の層構造: 密度分布と地震波速度分布、PREM 第2回 1.地球惑星の内部構造と物質 1)地球型惑星と木星型惑星:内部構造と温度圧力 2)地球の層構造: 密度分布と地震波速度分布、PREM 3)地震波速度の温度圧力組成変化:地球内部の不均質性 4)地球内部の温度分布:様々な推定方法 キーワード: 惑星、月、慣性モーメント、地震波速度、密度、層構造 地殻、マントル、核、PREM、地温勾配、断熱温度勾配、マントル対流

地球の内部を探索する 地震の波:地震波=弾性波、音波、格子振動(フォノン) 5

Preliminary Reference Earth Model (Dziewonski and Anderson, 1981) 縦波(P波) 横波(S波) 地震パラメータ Φ

PREM (P, , ) 7

重要な熱力学関係式 マックスウェルの関係

熱膨張係数 α (K-1) 熱膨張係数 熱膨張率

体積弾性率(K)=非圧縮率(Incompressibility)= 1/(圧縮率) 圧縮率 β 等温体積弾性率 断熱体積弾性率

圧力分布 ある地点に於ける圧力 P(r) は、静水圧平衡を仮定すると、その上部にある物質の密度 ρ、重力加速度 g、高さ h の積で表される。 P = ρgh ある深度における圧力は地表からその深度までの間の密度と重力加速度との積を高さで積分して求められる。ここで M は半径 r 内の全質量である。                                             このようにして求められた地球内部の圧力は深度2890mのマントル-外核境界(グーテンベルク不連続面)において1.35× 1011 Pa (135万気圧)、地球中心で3.65 × 1011 Pa (365万気圧)である[13]。 GM

地球内部の密度分布 rg 一方、弾性論的には以下の関係式が成立する。 地震パラメター Seismic parameter 密度 地球内部のマントルなどは固体からなるが、地球サイズでみれば全体を液体と見做すことが可能で静水圧平衡が成立していると仮定される。 地震パラメター Seismic parameter 密度                                     一方、弾性論的には以下の関係式が成立する。                              これらの式から一定組成(均質)の部分におけるある深度の密度変化が求まる。この式はAdams-Williamsonの式と呼ばれる[15]。G は万有引力定数、M は半径 r 内の質量である。                                                                   半径 =Vb2 バルク音速の二乗 -rg rg = =- f Vp2-(4/3)Vs2

地震パラメター Seismic parameter g(r) 1/r The two types of seismic body waves are compressional waves (P-waves) and shear waves (S-waves). Both have speeds that are determined by the bulk modulus K, the shear modulus μ, and the density ρ0. The definition of the bulk modulus, is equivalent to Suppose a region at a distance r from the Earth's center can be considered a fluid in hydrostatic equilibrium, Also suppose that the compression is adiabatic (so thermal expansion does not contribute to density variations). The pressure P(r) varies with r as where g(r) is the gravitational acceleration at radius r. we get the Adams–Williamson equation: This equation can be integrated to obtain where r0 is the radius at the Earth's surface and ρ0 is the density at the surface. 地震パラメター Seismic parameter g(r) 1/r

地球内部の温度 核を作る物質の融点 相転移境界 地殻熱流量

135 GPa and 3000K at the core-mantle boundary, H, He, C, N, O 地球中心 365 GPa 6000 K Mg, Si, Fe 内核外核境界 330 GPa 5000 K 核マントル境界 135 GPa 3000 K 135 GPa and 3000K at the core-mantle boundary, 330 GPa and ~5000K at inner core-outer core boundary, 365 GPa and ~6000K at the center of the Earth. 5