黒体輻射 1. 黒体輻射 2. StefanのT4法則、 Wienの変位測 3. Rayleigh-Jeansの式

Slides:



Advertisements
Similar presentations
熱流体力学 第4章 番外編 熱力学的系 状態方程式 熱力学で扱う偏微分公式 熱力学の第一法則(工学系と物理系)
Advertisements

宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z. 発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展.
Determining Optical Flow. はじめに オプティカルフローとは画像内の明る さのパターンの動きの見かけの速さの 分布 オプティカルフローは物体の動きの よって変化するため、オプティカルフ ローより速度に関する情報を得ること ができる.
電子物性第1 第4回 ーシュレーディンガーの波動方程式ー 電子物性第1スライド4-1 目次 2 はじめに 3 Ψがあると電子がある。
生体分子解析学 2017/3/2 2017/3/2 機器分析 分光学 X線結晶構造解析 質量分析 熱分析 その他機器分析.
電磁気学C Electromagnetics C 7/27講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
「光と量子力学」 ー「粒子」と「波動」の融合ー
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/5講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
第5回 黒体放射とその応用 東京大学教養学部前期課程 2013年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
平成25年度 東京工業大学 大学院基礎物理学専攻
第9回 星間物質その2(星間塵) 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
第5回 黒体放射とその応用 東京大学教養学部前期課程 2012年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
平成25年度 東京工業大学 大学院基礎物理学専攻

5.アンテナの基礎 線状アンテナからの電波の放射 アンテナの諸定数
1.Atwoodの器械による重力加速度測定 2.速度の2乗に比例する抵抗がある場合の終端速度 3.減衰振動、強制振動の電気回路モデル
前回の内容 結晶工学特論 第4回目 格子欠陥 ミラー指数 3次元成長 積層欠陥 転位(刃状転位、らせん転位、バーガーズベクトル)
第2課 黒体輻射とカラー 2.1. 黒体輻射の式 熱平衡にある振動数νの輻射を考える。 フォトンの個数は常に揺らいでいる
第4回 放射輸送の基礎 東京大学教養学部前期課程 2015年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
電界(電場)は 1C に 働く力.
第4回 放射輸送の基礎 東京大学教養学部前期課程 2014年冬学期 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
2.伝送線路の基礎 2.1 分布定数線路 2.1.1 伝送線路と分布定数線路 集中定数回路:fが低い場合に適用
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 5/15講義分 電磁場のエネルギー 山田 博仁.
授業の内容 天文学は天体からの光を研究する学問です。 そこでこの授業では、「光」をどう扱うかの基礎を学びます。 授業計画は、
菊地夏紀 荒木幸治、江野高広、桑本剛、平野琢也
原子核物理学 第4講 原子核の液滴模型.
実習 「太陽の光球面のようすを調べよう」 「太陽の黒点の温度を求めよう 」
5.3 接地アンテナ 素子の1つを接地して使用する線状アンテナ 5.3.1 映像アンテナと電流分布
黒体輻射とプランクの輻射式 1. プランクの輻射式  2. エネルギー量子 プランクの定数(作用量子)h 3. 光量子 4. 固体の比熱.
ナノデザイン特論2 レーザーの基礎
前期量子論 1.電子の理解 電子の電荷、比電荷の測定 2.原子模型 長岡モデルとラザフォードの実験 3.ボーアの理論 量子化条件と対応原理
量子ビーム基礎 石川顕一 6月 7日 レーザーとは・レーザーの原理 6月21日 レーザー光と物質の相互作用
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 5/19講義分 電磁場のエネルギー 山田 博仁.
電磁気学C Electromagnetics C 5/28講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
古典論 マクロな世界 Newtonの運動方程式 量子論 ミクロな世界 極低温 Schrodinger方程式 ..
太陽放射と地球放射の エネルギー収支 温室効果.
Ⅴ 古典スピン系の秩序状態と分子場理論 1.古典スピン系の秩序状態 2.ハイゼンベルグ・モデルの分子場理論 3.異方的交換相互作用.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/30講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
前回の講義で水素原子からのスペクトルは飛び飛びの「線スペクトル」
電磁気学C Electromagnetics C 7/17講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
電磁気学C Electromagnetics C 4/27講義分 電磁場のエネルギー 山田 博仁.
量子力学の復習(水素原子の波動関数) 光の吸収と放出(ラビ振動)
B: 黒体輻射 2006年10月16日 単位名 学部 :天体輻射論I 大学院:恒星物理学特論IV 教官名 中田 好一
電子物性第1 第11回 ー金属の電気的性質ー 電子物性第1スライド11-1 目次 2 はじめに 3 導電率(電子バス) 4 欠陥の多い結晶
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 8/4講義分 電気双極子による電磁波の放射 山田 博仁.
2.4 Continuum transitions Inelastic processes
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/9講義分 電磁場の波動方程式 山田 博仁.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 5/23, 5/30講義分 物質中でのMaxwell方程式 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
パイプ風鈴の振動理論 どの様な振動をしているか。周波数は何で決まるか。 (結論) ・振動数は棒の長さLの二乗に反比例する。
平面波 ・・・ 平面状に一様な電磁界が一群となって伝搬する波
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 8/11講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
機器分析学 赤外吸収スペクトル ラマンスペクトル.
第4課 輻射の方程式 I 平成16年11月1日 講義のファイルは、
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
落下水膜の振動特性に関する実験的研究 3m 理工学研究科   中村 亮.
確率と統計2007(最終回) 平成20年1月17日(木) 東京工科大学 亀田弘之.
電磁気学C Electromagnetics C 5/20講義分 電磁場の波動方程式 山田 博仁.
ここでは、歪エネルギーを考察することにより、エネルギー原理を理解する。
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 5/22, 5/29講義分 物質中でのMaxwell方程式 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
生体分子解析学 機器分析 分光学 X線結晶構造解析 質量分析 熱分析 その他機器分析.
電磁気学C Electromagnetics C 4/24講義分 電磁場のエネルギー 山田 博仁.
電磁気学C Electromagnetics C 7/10講義分 電気双極子による電磁波の放射 山田 博仁.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/11, 6/18講義分 物質中でのMaxwell方程式 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
振幅は 山の高さ=谷の深さ A x A.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 6/7講義分 電磁波の反射と透過 山田 博仁.
管の長さを変えると・・・ ・l. 管の長さを変えると・・・ ・l このようになった時、最後の形がそろい強い音がする! 要するに ・l 波長整数個 このようになった時、最後の形がそろい強い音がする!
60Co線源を用いたγ線分光 ―角相関と偏光の測定―
Presentation transcript:

黒体輻射 1. 黒体輻射 2. StefanのT4法則、 Wienの変位測 3. Rayleigh-Jeansの式 1. 黒体輻射  2.  StefanのT4法則、 Wienの変位測 3. Rayleigh-Jeansの式 空洞中の電磁波の空間モード エネルギー等分配の法則 4. Wienの輻射公式

黒体輻射 波長(μm) 光強度 波数(10000cm‐1) 光強度 2 4 6 1 0.5 1 2 3 0.5 2000K 6000K 2 4 6 光強度 1 0.5 2000K 1750K 1500K 1250K 1000K 波数(10000cm‐1) 1 2 3 光強度 0.5 3000K 4000K 5000K 6000K

黒体輻射 StefanのT4法則 黒体輻射のパワー密度PはT4に比例する Wienの変位測

空洞中の電磁波(光)の観測 L L L

弦の振動 定在波 L n = 0, 1, 2, 3,・・・

空洞中の電磁波(光)のモード nx, ny, nz = 0, 1, 2, 3,・・・ L x方向のモード y方向のモード z方向のモード x

2次元の波のモード A y x

2次元の波のモード λy λ x y λx 波はベクトル!

モード 2次元の波のモード(正方形の場合) の組でモードが決まる 3次元波のモード(立方体の場合) の組でモードが決まる

空洞中(3次元)の電磁波のモード nx, ny, nz = 0, 1, 2, 3,・・・ 波はベクトル!

空洞中の電磁波のモード nx nz 1 2 3 4

空洞中の電磁波のモード  (x方向だけを考える) n 1 2 3 4 5 6 7 8 9 振動数が高い

空洞中の電磁波のモード 半径 の球に含まれる格子点(モード)は 全て振動数がνと小さいかまたは等しい。

空洞中の電磁波の空間モード 半径 の球に含まれる格子点(モード)の数 = 振動数がνよりも小さいモードの数N(ν) モードの数の計算 ・格子点当たりの体積は1 ・球の1/8だけを計算(nx, ny, xz≧0) ・偏光の自由度(縦偏光か横偏光か)は2

周波数ν ν+δν ν N(ν+δν) N(ν) モードの数

空洞中の電磁波の空間モード は振動数がν~ν+δνの範囲にあるモードの数 ここで

詳細平衡の定理 ・一定の時間が経過すると系の全ての部分の 温度が等しくなる(熱平衡状態)。 ・熱平衡状態では、系の全ての部分で光の  温度が等しくなる(熱平衡状態)。 ・熱平衡状態では、系の全ての部分で光の  放出(輻射)と吸収がつり合う。 ・黒体の温度がTならば、輻射場(光の各モード)  の温度もTとなる。 ・光の各モードは「振り子」に置き換えられる。 ・各「振り子」のエネルギーは温度Tでのボルツマン  の分布p(ε)に従う。 モードあたりのエネルギー=kT

振動モード 各々の振動モードは、振り子に対応する! 振り子 エネルギー 等分配の法則

周波数ν kT モードの数

Rayleigh-Jeansの式 振動数がνからν+dνの間にある 単位体積あたりの輻射のエネルギー 波長λが短いと 実験に合わない! 波長(μm) 2 4 6 光強度 1 0.5 1750K 波長λが短いと 実験に合わない!

Rayleigh-Jeansの式 1 光強度 0.5 1750K 2 4 6 波長(μm)

Wienの輻射公式 根拠無しの直感! 1 光強度 0.5 波長λが長いと 実験に合わない! 1750K 2 4 6 波長(μm)

問題1 Rayleigh-Jeansの式 を波長λに関する式に変換せよ。 ヒント

問題2 体積Vの空洞において、周波数がνより小さい 電磁波のモードの数は次式で与えられる。 エネルギー等分配の法則からRayleigh-Jeansの式 を求めよ。