燃焼の流体力学 4/22 燃焼の熱力学 5/13 燃焼流れの数値解析 5/22

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1 今後の予定 8 日目 11 月 17 日(金) 1 回目口頭報告課題答あわせ, 第 5 章 9 日目 12 月 1 日(金) 第 5 章の続き,第 6 章 10 日目 12 月 8 日(金) 第 6 章の続き 11 日目 12 月 15 日(金), 16 日(土) 2 回目口頭報告 12 日目 12.
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2009年5月28日 熱流体力学 第7回 担当教員: 北川輝彦.
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◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
2009年5月21日 熱流体力学 第6回 担当教員: 北川輝彦.
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(d) ギブズ - デュエムの式 2成分混合物の全ギブスエネルギー: 化学ポテンシャルは組成に依存
キャリヤ密度の温度依存性 低温領域のキャリヤ密度                   ドナーからの電子供給→ドナーのイオン化電圧がわかる                              アクセプタへの電子供給→アクセプタのイオン化電圧がわかる             常温付近                            ドナー(アクセプタ)密度で飽和→ドナー(アクセプタ)密度がわかる.
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
◎ 本章  化学ポテンシャルの概念の拡張           ⇒ 化学反応の平衡組成の説明に応用   ・平衡組成       ギブズエネルギーを反応進行度に対してプロットしたときの極小に対応      この極小の位置の確定         ⇒ 平衡定数と標準反応ギブズエネルギーとの関係   ・熱力学的な式による記述.
建築環境工学・建築設備工学入門 <空気調和設備編> <換気設備> 自然換気の仕組みと基礎
モル(mol)は、原子・分子の世界と 日常世界(daily life)をむすぶ秤(はかり)
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河川工学 -洪水流(洪水波の伝播)- 昼間コース 選択一群 2単位 朝位
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
今後の予定 8日目 11月13日 口頭報告答あわせ,講義(5章) 9日目 11月27日 3・4章についての小テスト,講義(5章続き)
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
流動を伴う物質移動(p.483) y x 壁を伝わって流れ落ちる 薄い液膜にA成分が拡散 δ NA,y 速度分布:p.96.
潮流によって形成される海底境界層の不安定とその混合効果
堆積炭塵爆発に対する大規模連成数値解析 研究背景 研究目的 計算対象および初期条件 燃焼波の様子(二次元解析) 今後の予定
4.燃焼と火炎性状(1).
複雑流動場における物質移行過程の解明を目指した大規模数値計算 :実験計測データとの比較による数値モデルの構築
熱量 Q:熱量 [ cal ] or [J] m:質量 [g] or [kg] c:比熱 [cal/(g・K)] or [J/(kg・K)]
・Bernoulli(ベルヌーイ)の定理
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
2009年5月14日 熱流体力学 第5回 担当教員: 北川輝彦.
外部条件に対する平衡の応答 ◎ 平衡 圧力、温度、反応物と生成物の濃度に応じて変化する
熱伝導方程式の導出 熱伝導:物質の移動を伴わずに高温側から低温側へ熱が伝わる現象 対流、輻射 フーリエの法則Fourier’s law:
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燃焼の流体力学 4/22 燃焼の熱力学 5/13 燃焼流れの数値解析 5/22 反応性流体力学特論  -燃焼流れの力学- 燃焼の流体力学 4/22 燃焼の熱力学 5/13 燃焼流れの数値解析 5/22

燃焼の熱力学 ・熱と物質の収支 ・反応速度 物質拡散 化学種の流出 化学種の流入 化学種の濃度変化 熱の流出 熱の流入 温度変化 温度拡散 反応後端 反応前端 既反応 流体 未反応 流体 ⊿x/⊿t=反応の移動速度 化学反応帯 ⊿tの間に反応が 終わった空間  = ⊿x’      ⊿tの間に反応が ⊿x = 始まった空間

反応流れの基礎式 連続の式 運動量の式 エネルギー式 + 状態方程式 + 化学種の式 アレニウス則 化学反応

エネルギーの輸送方程式 (ha = h+v2/2) 内部エネルギー エンタルピー 全エンタルピー 化学エンタルピー流束 Dufour 効果 (比熱Cpが化学種、温度に因らず一定のとき)

反応と自由エネルギー 時間経過 断熱火炎 エンタルピー: H=E+PV ⇒ dH=(TdS-PdV)+d(PV)= TdS+VdP Mixture fraction 混合分率 断熱火炎 Temperature Density 時間経過 エンタルピー:   H=E+PV  ⇒ dH=(TdS-PdV)+d(PV)= TdS+VdP ・(化学)エンタルピーと元素質量(モル量)は保存される 自由エネルギー: G=H-TS  ⇒ dG=(TdS-VdP)-d(TS) = -SdT+VdP ・自由エネルギーが最小となる方向に反応は進む

燃焼流れのモデル typical burner flame premixed flame diffusion flame temperature distance along streamline typical burner flame fuel air premixed flow Inner flame outer Stream lines diffusion layer pre-heated layer reaction layer oxygen fuel burnt gas flame propagation reaction range unburnt gas diffusion diffusion premixed flame (inner flame) diffusion flame (outer flame)

火炎解析へのアプローチ –2つの燃焼形態と火炎面追跡モデル- 火炎解析へのアプローチ –2つの燃焼形態と火炎面追跡モデル- 反応帯 酸化剤濃度 燃料濃度 拡散層 拡散 反応帯 既燃ガス温度 未燃ガス温度 伝播 予熱帯 拡散火炎 例:ろうそく、ライター 燃料と酸化剤の混合面における燃焼 燃焼反応は混合律速 火炎に伝播性はない。 火炎特性(火炎面など)を表現する関数 混合分率、混合分率の拡散係数 予混合火炎 例:ブンゼンバーナ、ガスコンロ 混合比の定まった予混合ガスの未燃、既燃ガス界面における燃焼 火炎は伝播性を持つ 反応は温度律速 火炎特性(火炎面など)を表現する関数 反応進行度、火炎伝播速度

拡散燃焼流れ 瞬時温度分布 予混合燃焼流れ

拡散燃焼における基本的流れ場 ジェット 混合層 対向流 など

予混合燃焼の基本的流れ場 保炎 伝播火炎 Lift-up flame recirculation zone (velocity) Instantaneous Temperature Averaged Temperature Lift-up flame Pilot flame 安定火炎 振動火炎

熱・物質移動に関係する無次元数 Nusselt数 h:熱伝達係数 Prandtl数 ν:動粘性係数 Schmidt数 D:物質拡散係数 Lewis数           α:温度拡散係数

化学反応に関係する無次元数 乱流Damköhler数 (第1)Damköhler数 tr:流れの特性時間 Karlovits数 予熱帯厚                           tc:反応の特性時間 Karlovits数         予熱帯厚                        燃焼速度:S 乱流Damköhler数    l :乱流長さスケール    u’:速度変動、δ: 火炎厚さ