物理学Ⅰ - 第 11 回 - 前回のまとめ 回転軸の方向が変化しない運動 回転運動のエネルギーとその応用 剛体の回転運動の方程式

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電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 7/10講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
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物理学Ⅰ - 第 11 回 - 前回のまとめ 回転軸の方向が変化しない運動 回転運動のエネルギーとその応用 剛体の回転運動の方程式 物理学Ⅰ - 第 11 回 - 前回のまとめ 回転軸の方向が変化しない運動   運動方程式と回転の運動方程式を連立して解く 回転運動のエネルギーとその応用   エネルギー保存の法則が便利な場合もある 剛体の回転運動の方程式   ニュートンの三法則から導出される   特に、外力によるトルクが働かなければ   剛体の角運動量は保存する

第10章 流体 この章のポイント 1.圧力についての理解 c.f. 運動量の変化率=力 2.流体力学の基礎 連続の式、ベルヌーイ方程式、粘性 第10章 流体 流体は大学初年度の物理学コースでは扱わない        ・・・時間的制約、内容の高度さ 必要に応じて「流体力学」として専門課程で学ぶ シラバスでは内容として含んでいたが時間の都合で省略 医系の履修者(血液は流体)向けの基礎という目的も この章のポイント  1.圧力についての理解    c.f.  運動量の変化率=力  2.流体力学の基礎    連続の式、ベルヌーイ方程式、粘性

物理未履修者向けに最小限の一般教養 圧力 単位面積当たりに働く力の大きさ 1.物質にかかる負荷の尺度 スカラー量 力:ベクトル量(面に垂直に働く) 圧力:大きさだけ 1.物質にかかる負荷の尺度 指で押すか、針で刺すか・・・力が同じでも効果が異なる 2.流体(気体、液体)から受ける力の本質 流体から受ける力は面の面積に比例する 面積 ⇔ 接触する分子の数 分子のブラウン運動

浮力 =物体が押しのけた流体の重力の大きさ 密度 ⇒ 圧力 アルキメデスの原理 流体中にある物体が流体から受ける圧力の合力 浮力の大きさ 断面積 高さ ⇒ 体積 圧力 浮力の大きさ アルキメデスの原理

第11章 振動 この章のポイント 1.単振動:一番単純で基本的な振動 2.減衰振動 3.強制振動と共鳴・・・Advancedなのでスキップ 第11章 振動 この章のポイント  1.単振動:一番単純で基本的な振動 微小な振動は単振動で近似できる(cosωt, sinωt)    波動でも重要な役割(一番単純な波の振動)    単振動のエネルギーは波動のエネルギーの理解に通じる  2.減衰振動    現実の振動は様々な抵抗により次第に減衰  3.強制振動と共鳴・・・Advancedなのでスキップ    共鳴:特定の振動数で振動が大きくなる現象    様々な物理現象を表す概念

今日の内容 第11章 振動  1.単振動  2.減衰振動 力学分野のまとめ

第11章 振動 §1 単振動 (11-1~5) 物体を少し動かしても元の場所に戻ろうとする例は多い 第11章 振動 §1 単振動 (11-1~5) 物体を少し動かしても元の場所に戻ろうとする例は多い 安定状態に戻ろうとする性質 復元力・・・元の場所に戻そうとする性質の力 窪みに落ちた物体 振り子 ばねに付けた物体

次回以降の「波動」との基礎としても重要(光、電磁波、音波) ☆振動運動の特徴 ・安定な位置の周りを往復する 周期 ・運動は周期的(同じ運動を繰り返す) ☆単振動 sin、cosで表される振動・・・最も単純な振動 周期関数で同じ動きを繰り返す→振動 1.フックの法則に従う復元力(kx)が働くときの振動 ・・・ 摩擦、空気抵抗がない理想的状況 2.微小な振動についての良い近似 ・・・ 広い範囲の振動現象が理解できる 次回以降の「波動」との基礎としても重要(光、電磁波、音波)

☆単振動の運動・・・運動論的記述 力学的理解は後回しにして、 まずsin、cosで表される振動を描写(どんな関数となるか?) バネの先の重りの位置:x(t) ごとに  から    までの動きを繰り返す 周期 振幅 振動数 [Hz] 1秒間の繰り返しの回数

周期、振動数を用いた表現 ω:角振動数 f : 振動数(周波数) 単振動での速度 となるときにスピード最大

☆単振動と円運動の対応 円運動を横から見ると単振動 ⇒ 1次元に射影 半径 、角速度 の等速円運動は、 角振動数は円運動の角速度と対応 円運動を横から見ると単振動 ⇒ 1次元に射影 半径  、角速度  の等速円運動は、 X軸に射影する 角速度ω 復元力 角振動数ω 角振動数は円運動の角速度と対応 ωは1sに円運動を何周するかを表す

☆単振動を起こす力 単振動での加速度 力学: ・与えた力に対してどのような運動が起こるかを考える ・・・微分方程式を解く必要   ・与えた力に対してどのような運動が起こるかを考える    ・・・微分方程式を解く必要   ・物体の加速度から働く力を求める 単振動での加速度

単振動で働く力 の力が働いているということ ⇔ フックの法則 に従うとき の単振動をする 質量 の物体が単振動しているときは 質量  の物体が単振動しているときは バネ定数k の力が働いているということ 角振動数ω ⇔ フックの法則 がつり合いの位置 バネの自然長の位置 に従うとき の単振動をする

本来の流れとして表現すると 単振動の運動方程式 質量 の物体が の力を受けるとき フックの法則に従う復元力 (微分方程式) 質量  の物体が          の力を受けるとき フックの法則に従う復元力 単振動の運動方程式 (微分方程式) の解として単振動が実現する 補足: 二階微分方程式の解は、

☆一般の復元力が働く場合 微小な振動の場合 線形近似 では力が働かない におけば静止したまま では に引き戻そうとする では は原点での接線(図の赤線)で近似できる 線形近似 ⇒ 微小な振動はすべて単振動

☆振り子 小さな振動を単振動で近似する代表例 角度の振動と捉えるとよい ⇒ の関係によりつり合いの位置から 円弧の移動量 の関係によりつり合いの位置から 円弧に沿って測った距離を考えるのと同じ 張力 円弧に沿って測る距離(正負あり) 接線方向の速度の成分(距離の変化率) 接線方向の加速度の成分 重力 中心方向の加速度の成分は別

円の接線方向の運動方程式 接線方向の力 従って、 線形近似 を使って書き表すと、 線形近似 より、                  の角振動数の単振動をする 周期

では、振り子の振幅が大きくなると、周期は? 問1 単振動は周期が振幅に依らないという 特徴を持つ では、振り子の振幅が大きくなると、周期は? 1. 2. 3. 長くなる 短くなる 変わらない / 300 10 今すぐ回答

振幅が大きくなると中央に戻す力が弱めにずれる 答 振幅が大きくなると中央に戻す力が弱めにずれる 例えば       では 線形近似:sinθ~θが成り立たなくなる 微小な振動は単振動(線形近似が成立)で表されるが、 振動が大きい場合は難しい

☆単振動のエネルギー 弾性的ポテンシャルエネルギー 単振動を実現する代表例はバネの振動 フックの法則に従う復元力 保存力で弾性的ポテンシャルエネルギーを導入できること については第5章§3で学んだ(バネの伸びのみに依存) 弾性的ポテンシャルエネルギー エネルギー保存の法則 ⇒ バネに限らず単振動が生じているときは のポテンシャルエネルギーがあると捉えられる

§2 減衰振動 (11-6) ☆復元力と粘性抵抗が働くときの運動 運動方程式 ⇅ 減衰率 角振動数 §2 減衰振動 (11-6) 振動は空気抵抗などで次第に弱くなりやがて止まる スピードが十分小さくなったときの空気抵抗は 粘性抵抗で近似できる   ⇒ 運動方程式が解ける ☆復元力と粘性抵抗が働くときの運動 運動方程式 質量 粘性抵抗の比例定数 ⇅ この形の微分方程式は、 物理の様々な分野で出てくる 基本式 常微分方程式の数学 減衰率 角振動数

ここでは解の形を仮定して決定 粘性抵抗は振動が徐々に弱くなる効果を与える ⇒ 指数関数的減衰と振動数のずれを起こす

運動方程式より 任意の時刻に成り立つためにはsin、cosの係数は0 ⇒ と取ると解になる と置くと 粘性抵抗による単振動からのズレ

☆解の性質 最大振幅 粘性抵抗(b)が小さければ指数関数はゆっくり減少 振動数はほぼ同じ(ズレが小さい) ⇒ 振幅がゆっくり減少しながら振動する 最大振幅

力学分野のまとめ 1.力学現象はすべてニュートンの三法則で理解できる 2.運動方程式を細工することで便利な関係が得られる 力が分かれば運動が決まる 力を捉えるのが重要 運動を見れば働いている力が分かる 2.運動方程式を細工することで便利な関係が得られる 仕事と運動エネルギーの定理 非保存力のする仕事は力学的エネルギーの変化 力積は運動量の変化 力は運動量の変化率 トルクは角運動量の変化率 回転運動の方程式

3.特に保存の法則の形で利用できる場合は使いやすい 最初と最後を比較して考察するのが容易 最後のスピード、高さ、速度、角速度などを求められる 4.保存しない場合も有用 運動量の変化から働く力を考察する 大きさのある物体の複雑な回転運動・・・試験範囲外 独楽など 5.代表的な運動について個別に特徴をみた 等速度運動、等加速度運動、等速円運動、単振動 ・・・より複雑な運動を理解する基本になる

今日のまとめ 単振動 減衰振動 フックの法則に従う復元力が働くときの振動 微小な振動は単振動で近似できる 振幅が次第に小さくなりながら振動   フックの法則に従う復元力が働くときの振動   微小な振動は単振動で近似できる 減衰振動   振幅が次第に小さくなりながら振動   抵抗が働く場合、 振幅の減衰と単振動からのズレが起きる

復習内容 必須範囲・・・11-1~6 10章は範囲外 10-1~10は自習しておく 11-7~11は範囲外であるが 物理系の専門分野に進むことを考えている人は 理解できる範囲で自習しておいて損はしない (指数関数表記、臨界減衰、共鳴、分子の振動) 10章は範囲外 10-1~10は自習しておく