言語学 語のかたち② p.p.95-108.

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日本語構造伝達文法 この項は『日本語構造伝達文法( 05 版)』の 日本語の構造モデル紹介 と 形態素分析 今泉 喜一 詳しい説明は本か次のオンライン本でお読みください。 第1章,第2章/第 40 章の内容が中心です。
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言語学 語のかたち② p.p.95-108

小テストについて 言語学の基礎 小テスト1~4(言語学の基礎) 小テスト5~6(音韻論) 1:言語学の基礎01 2:言語学の基礎02,03 3:言語学の基礎04,05 4:言語学の基礎 まとめと補足 小テスト5~6(音韻論) 5:音韻論 1~3 6:音韻論 4~6

クイズ1 形態素について誤っているのはどれか。 1.意味をになう最小の言語単位である。 2.「くろねこ」は「くろ」と「ねこ」の2つの形態素からなる。 3.「ねこ」は「ね」と「こ」の2つの形態素からなる。 4.「厚み」の「み」は形態素である。 5.一つの語は一つ以上の形態素からなる。

クイズ2 「調べさせられた」を構成する形態素は何個か。 1.3 2.4 3.5 4.6 5.7

1. 語および語の構造 1.2. 形態素 (morpheme) 1.2.2. 自由形態素と拘束形態素 語-(屈折形態素+派生形態素)=語根(root) 語-拘束形態素=語根(root) 語-屈折形態素=語幹(stem) 基体(base) 接辞を付け加えることのできる要素

2. 語形成 語形成には、文中のある語が他の語との文法関係を示すために語形を変化させる ---------- と、基体に接辞をつけくわえたり、一部の音韻を変化させることによって新語を形成する ------- がある。 Cf. 屈折形態素,派生形態素 2.1. 屈折 (inflection) 接辞を付加する 語頭屈折 語中屈折 語尾屈折 2.2. 派生 (derivation)

2. 語形成 2.2. 派生 (derivation) 派生には、品詞を変える ------- と変えない ------- がある。 語類変更派生 語類保持派生 happy  unhappy happy  happiness 高い  高さ 足  素足

2. 語形成 2.2. 派生 (derivation) 日本語の語類保持派生 教科書 (p.97) を参照

2. 語形成 2.2. 派生 (derivation) 日本語の語類変更派生 教科書 (p.98) を参照

クイズ3 以下の単語のなかで、語構成が異なるものはどれか。 1.不愉快な 2.不注意な 3.不健全な 4.不完全な

2. 語形成 2.3. 複合 2つの基体を組み合わせて、文法上も意味上も1語として機能する新しい語を形成することを-------という。また、形成された語を-------という。 複合(compounding) 複合語(compound word) 登山電車 携帯電話 電子辞書

2. 語形成 2.3. 複合 統語的複合と非統語的複合 統語的複合 非統語的複合 ※さらに詳しい規則は、pp.100-101 花見、酒飲み 観桜(かんおう)、飲酒 ※さらに詳しい規則は、pp.100-101

クイズ4 次の複合語のうち、前と後の要素の意味的な関係が異なっているものはどれか。 1.雪解け 2.金儲け 3.草刈り 4.窓拭き

2. 語形成 2.4. 転換(conversion) 特に英語の品詞転換にみられるゼロ派生が代表的 place(場所)  place(置く) help(助ける)  help(助け) calm(落ち着いた)  calm(落ち着く) 連用形が名詞として用いられる日本語 (p.102) 遊ぶ⇒遊-び (イ段) 遠い⇒遠-く (「く」の形をとる)

2. 語形成 2.5.1. 短縮(shortening) 基体を短縮すること 逆成 (back-formation) 頭文字語 (acronym) 省略語 (clipped word) cf. clipping ワープロ  ? パート  ? ファミマ  ?

2. 語形成 2.5.2. 混成(blending) 複数の語から形態素とは認められない部分を組み合わせて新しい語をつくりだすこと smog (smoke+fog) brunch (breakfast+lunch) 切手 切符+手形 ゴジラ ゴリラ + クジラ

2. 語形成 2.5.3. 異分析 (metanalysis) Napron (エプロン)