―自家培養真皮移植、超薄分層植皮による瘢痕拘縮形成― 北里大学人工皮膚開発センターとの共同研究 文献 Skin regeneration for children with burn scar contracture using autologous cultured dermal substitutes and superthin auto-skin grafts: preliminary clinical study. Fujimori Y, Ueda K, Fumimoto H, Kubo K, Kuroyanagi Y. Ann Plast Surg. 2006 Oct;57(4):408 左はZ形成後6ヶ月の写真です。瘢痕が目立たなくなっていますが腰から臀部にかけて【クリック】軽度の拘縮を認めます。 この部分に対して図のようにダブルY切開を加え拘縮を解除したのち、自家培養真皮移植を施行しました。培養真皮移植後1週間で良好な肉芽形成をみとめます。植皮の表面に光っているのはデルマトームテープです。この場合テープをつけたまま移植を行っています。 クリック 臀部の瘢痕拘縮 自家培養真皮貼付後 1週間 超薄分層植皮術を施行 2歳2ヶ月
自家培養真皮を用いた小児広範囲熱傷後瘢痕の治療 (北里大学人工皮膚開発センターとの共同研究) 通常の分層植皮による手術 ×採皮部の瘢痕 ×同一部位から採皮できない ×創処置が苦痛 (採皮部の治癒が遅い) 超薄分層植皮のみによる手術 ×強い植皮の収縮 以上をまとめますと、(click)通常の分層植皮では、採皮部の瘢痕や同一部位から採皮できないことが、次の手術を制限してしまい、採皮部の治癒が遅いことから、同部の創処置が患児にかなりの苦痛を与えることが問題となります。 (click)瘢痕を残さないような超薄分層植皮は、術後の収縮が問題となります。そこで、これらの問題を解決するために、われわれは、 (click)自家培養真皮を用いて移植床を形成した後に、超薄分層植皮片をおこなう方法を新しい治療戦略として考案しました。 あらかじめ保存した細胞から作成した自家培養真皮を貼付し移植床を形成した後に超薄分層植皮をおこなう
超薄分層植皮片 植皮2週間後 テープは容易に剥がすことが出来る 4~6/1000インチの植皮片(H.E) 自家培養真皮移植によって形成された移植床に対して、【組織】われわれは約1000分の4~6インチの薄い植皮を行います。パジェット型デルマトームで採取した皮膚は非常に薄くデルマトームテープから剥がすことが困難であるため前のスライドにあったようにそのまま植皮を行います。テープは2週間もたてばこのように容易に剥がすことが出来ます。 クリック 植皮2週間後 テープは容易に剥がすことが出来る 4~6/1000インチの植皮片(H.E)
超薄分層植皮採皮部の術後経過 採皮直後 術後6ヶ月 採皮部の経過です。非常に薄い採皮を行っているため、ほとんど瘢痕の形成を認めず同部位からの採皮が可能です。 クリック 採皮直後 術後6ヶ月