現代の二都物語 第1章 ー大学、軍事費、そして起業家たちー

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現代の二都物語 第1章 ー大学、軍事費、そして起業家たちー 現代の二都物語 第1章 ー大学、軍事費、そして起業家たちー 総合政策学部4年 小山 健太 総合政策学部3年 鋤先 麻美 環境情報学部3年 橋場 加奈

世界の資本・技術・企業・情報の集まるところにしか興らない この本が示唆するところ 「産業振興がうまくいかない!!」 近代産業は、 世界の資本・技術・企業・情報の集まるところにしか興らない 公共事業が目白押し! 自律神経失調症状態? 日本は? 地域戦略の重要性 自立できる地域を作る・循環できる地域を作る

どうして、 ボストン・ルート128は衰退し、 シリコンバレーは復活したのか? 「異質の産業システムの構築」 ボストン VS シリコンバレー 経済成長度のイメージを 簡略化したグラフで見てみよう ボストン VS シリコンバレー どうして、 ボストン・ルート128は衰退し、 シリコンバレーは復活したのか? 「異質の産業システムの構築」 シリコンバレー ボストン・ルート128 ~70年代 80年代前半 80年代後半 90年代 両者に危機!! →長期的な衰退への道? 大きな差が生まれる!! ボストンの不幸 シリコンバレーの幸運 そして・・・・

少数の比較的独立性の高い企業が圧倒的な力を保持 強固な企業間や企業内、企業と組織の「垣根」 =独立企業型産業システム ボストンの敗因 少数の比較的独立性の高い企業が圧倒的な力を保持 自己完結型企業の集合体 企業の組織はピラミッド型 権限の中央集中 強固な企業間や企業内、企業と組織の「垣根」

社会ネットワークが網羅的に張り巡らされている 横のつながりを重視する緩やかな組織の結びつき 風通しの良い企業間や企業内、企業と地域の「垣根」 シリコンバレーの勝因 =ネットワーク分散型産業システム 地域ネットワークがベース 社会ネットワークが網羅的に張り巡らされている 労働市場がオープン 横のつながりを重視する緩やかな組織の結びつき 風通しの良い企業間や企業内、企業と地域の「垣根」 地域の組織や文化 産業構造 企業の内部構造

二都の発展の背景 ◆第二次世界大戦~冷戦期 軍事関連技術の開発 =大学の研究施設へ 連邦予算の大量投入 スタンフォード大 MIT  連邦予算の大量投入 防衛・航空宇宙関連プロジェクト スタンフォード大 MIT 先進技術集積地域へ 関連業者・大企業の誘致・新企業の設立

産業に直結する研究、政府プロジェクトの獲得 出発点の違い 1950年代以前 シリコンバレー 加工食品販売業 伝統による制約なし + スタンフォード大 Route128 繊維・機械産業 伝統的な工業地帯 + MIT 産業に直結する研究、政府プロジェクトの獲得 地域産業との 開放的・協力的関係 政府機関/大企業との閉鎖的・密着関係

R128エリアの発展 1861年 MIT設立―「大学と産業との交流」 1920年代 大手企業との連携、民間からの投資 【トピック】 1861年 MIT設立―「大学と産業との交流」 1920年代 大手企業との連携、民間からの投資 軍事研究により政府から資金 バネバー・ブッシュによるMITとワシントンの 緊密なコネクト →軍事発注により地域経済が潤う →投資可能な資本の発生 1940~1950年代 60億ドル ARD DEC 1955年 地域の新規企業への投資を縮小、 MITと企業の乖離 ⇒MITとRoute128は相対関係へ

R128と軍需 1951年 Route128の完成 「アメリカのテクノロジー・ハイウェイ」 研究施設、大手支社、新規企業の結集 1960年代 2万4千人 1960年代 防衛受注により技術系新企業が続々誕生 関連研究開発への大量の軍事費投入 175社 10億ドル/年 (冷戦期) 1970年代 軍需発注の激減、不況 →民需発注への適応力不足 失業率20% ベトナム戦争終結 1970年代後半 ミニコンピュータ産業の繁栄(軍需発注による) ⇒その後10年にわたり爆発的な成長 「マサチューセッツの奇跡」 10億ドル 10万人

シリコンバレー (1930年代~1970年代) サンタクララ・バレー

地域産業 大学 問題意識 スタンフォード大学 電気工学科教授(MIT卒) ワシントン・軍   電気工学科教授(MIT卒)    フレデリック・ターマン   ワシントン・軍 地域産業 大学 ほとんど産業がなく、 軍事予算を使った 研究も深く関与できなかった。 優秀な学生が 東部へ流出する

地域産業 大学 両者のGIVE (& TAKE) 他に負けない自立した科学技術産業の発展 技術者と研究者のコミュニティ エレクトロニクス企業 実用的な研究の推進 大学施設の解放 学生の起業を支援 企業へのコンサルティング 資金その他の面で 大学を援助 ベンチャーキャピタル 新規企業へ投資

地域産業 大学 1930 学生の起業を支援 起業 1940 新制度 ・スタンフォード研究所  リットン・エンジニアリング・ラボラトリーズ  ヒューレット・パッカード  バリアン・アソシエイツ 1940 新制度  ・スタンフォード研究所  ・特別協力プログラム  ・スタンフォード    ・インダストリアル・パーク 軍事費・宇宙開発費による、 エレクトロニクス産業と航空宇宙産業の成長 1950

地域産業 大学 1950 ショックレー半導体研究所 実用的研究の推進 学生の起業支援 基金の一部を 新企業へ投資 コンサルティング フェアチャイルド・セミコンダクタ社 1960 半導体企業の増加 商業生産への円滑な移行 1970 「シリコンバレー」と名付けられる   労働者は10万人を超える ベンチャー・キャピタルによる 資金供給