東アジア文化論(10/16) 講義HP: http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/eastasia/eastasia.html 東アジア文化論(10/16) 『成長するアジアと日本の位置づけ』 参考テキスト:「2010年のアジア 次世代の成長シナリオ」 出版:東洋経済新報社 野村総合研究所(著) ISBN4-492-44335 定価1,600円+税
10月23日と30日(火)は講義は休講です。 講義代替の課題レポート ●東アジア、東南アジア圏内の宗教 (国や特徴など)について調べる (国や特徴など)について調べる ●アジアで近年(最近)発生した災害 (サイクロン、地震など)について調べる ・それぞれ、A4で1枚程度。 ・上記の2つの課題について、インターネットや本で調べて、レポートを作成してください。 ・11月6日(火)の講義時に提出。
前回の宿題 GMS(東南アジアに深く関係)とは何かについて調べる。 次回の講義終了時に、A4のレポート用紙にて、次回の講義レポートの下に重ねて提出 注意事項:ホッチキスでとめないこと、折り曲げないこと、すべてのページに記名のこと
地域形成のメカニズムとは? 2.メガ・リージョナリズムとは? メガ・リージョナリズムの特徴として以下のことが挙げられる。 ①アメリカや中国といった大国の参加と関与を得て、中小国とともに地域を形成すること。 ②経済発展、経済規模、政治制度の異なる国々が参加していること。 ③柔軟で開放的、包括的な性格を有していること。 ④地域主義による利益を無差別で適用するが、自由化の達成目標については各国の事情を勘案すること。 開かれた地域主義を原則としつつ、グローバルな政治・経済制度との調和を図り、域内の経済的相互依存の促進と管理を目指したものである。
地域形成のメカニズムとは? 3.アジア太平洋経済協力機構(APEC) APEC発足にあたっては、1980年代末に進行していたヨーロッパにおける単一市場形成の動きに対処し、ヨーロッパが閉鎖市場になることをけん制し、その対抗措置として設立された。APECは、開かれた地域協力によって経済のブロック化を抑え、域内の貿易・投資の自由化を通じて、世界貿易機関(WTO)のもとでの多角的自由貿易体制を維持・発展することを目的とした。APECは非公式なフォーラムであって、メンバーを法的に拘束しない緩やかな協力の、枠組という性格を持たないという特徴を持つ。
地域形成のメカニズムとは? ASEAN 米州 オセアニア その他 1989年 (発足時) フィリピン、インドネシア、 マレーシア、シンガポール、 タイ、ブルネイ アメリカ カナダ オーストラリア ニュージーランド 日本、韓国 1991年 中国、香港、台湾 1993年 メキシコ パプアニューギニア 1994年 チリ 1998年 ベトナム ペルー ロシア
地域形成のメカニズムとは? 4.APECの特徴及び周囲へ与えた影響 第二次世界大戦後のアジア太平洋の秩序が、基本的に二国間枠組みで取り決められてきた。例えば、軍事同盟や経済面でも多角的な地域取り決めはなかった(ASEANや民間レベルを除く)。
地域形成のメカニズムとは? 4.APECの特徴及び周囲へ与えた影響 APECの最大の特徴は、複数国間で多角的な地域取り決めを行うことである。 特に首脳会議は、域内の課題にとどまらず、テロ問題等、国際社会全体の課題につき首脳同士が直接意見交換する貴重な場を提供。
「地域」としての東アジア このような背景を受け、現在の東アジアが形成されるに至り、それまでの経緯及び特徴としては、以下の3つが挙げられる。 1.冷戦構造下の東アジアの政治・安全保障システム ・東アジアは米国と「ハブ・スポークス関係(アメリカと各国の2国間関係のみを重視する戦略)」と呼ばれる安全保障関係を構築した。アジア諸国に横のつながりを強化させない目的。 2.東アジア諸国の権威主義から民主主義への体制移行 ・民主主義への移行により、中産階級社会の台頭。 ・日本企業や華僑(中国・台湾・香港・マカオ以外の国家・地域に移住しながらも、中国の国籍を持つ漢民族)を中心とするビジネスネットワークの拡大。
「地域」としての東アジア 3. 東アジアの独特の経済発展 ・ 1980年代以降,東アジア諸国は経済自由化政策を競って採用し、世界中から資本や技術を受け入れたこと。 ・ 「雁行(がんこう)型経済発展」と称される様に、発展段階の異なる国々が地域一体となって経済的発展を遂げたこと。 ・ 1970年代には新興工業経済群(NIES)、1980年代には、東南諸国連合(ASEAN)各国が、そして1990年代には中国の高度経済成長を成し、1997年にASEAN+3(日、中、韓)の枠組みが成立した。東アジア共同体の成立。
「地域」としての東アジア これらの要因から、東アジア(共同体)は、ヨーロッパ諸国のような制度面から統合を進めた(EU:欧州連合)とは異なり、東アジアでは、市場が先行した「地域」が形成されたと言える。
アジア域内では、10年以内に多くの品目でゼロ関税が適用される。 東アジア経済(1) 各国の役割 ・ 日本 韓国 台湾 シンガポール : 資本や技術を提供 ・ 中国 インド : 市場の出し手 ・ 東南アジア諸国連合(ASEAN) : 受け入れた資本や技術を活用した生産機能の提供 アセアン自由貿易地域(AFTA) 自由貿易協定(FTA) 経済連携協定(EPA) アジア域内では、10年以内に多くの品目でゼロ関税が適用される。 中国 日本 ASEAN インド 韓国 台湾 一次産品及び工業製品の円滑な流通 部品・原材料・設備・機械などの生産財や技術の提供 産業競争力の向上 各国は相互に連携しながらの成長が可能
AFTA(ASEAN自由貿易地域) AFTA(ASEAN自由貿易圏)とは、ASEAN Free Trade Areaの略で、ASEAN(東南アジア諸国連合)域内で関税を0~5%程度に引き下げ、EU(欧州連合)や北米自由貿易協定(NAFTA)に匹敵する自由貿易地域を作ろうという構想のこと。関税の引き下げは、原材料や部品などが域内で調達しやすくなるため、生産拠点として日本企業からも期待が大きい。 FTA(自由貿易協定) 自由貿易協定(Free Trade Agreement/FTA)とは、物品の関税、その他の制限的な通商規則、サービス貿易等の障壁など、通商上の障壁を取り除く自由貿易地域の結成を目的とした、2国間以上の国際協定である。 EPA(経済連携協定) 経済連携協定(Economic Partnership Agreement/EPA)とは自由貿易協定と異なり、ただ単に関税を撤廃するなど、通商上の障壁を取り除くだけでなく、締約国間で経済取引の円滑化、経済制度の調和並びに、サービス、投資、電子商取引等、さまざまな経済領域での連携強化・協力の促進等をも含めたものを言う。
東南アジア諸国連合(ASEAN)とは?(復習:前出) 東南アジア諸国連合(Association of South-East Asian Nations)は、東南アジア10ヶ国の経済・社会・政治・安全保障・文化での地域協力組織。本部はインドネシアのジャカルタ。 1987年 (発足時) タイ、インドネシア、フィリピン、 マレーシア、シンガポール 1984年 ブルネイ 1995年 ベトナム 1997年 ラオス、ミャンマー 1999年 カンボジア 設立目的 (1)域内における経済成長、社会・文化的発展の促進。 (2)地域における政治・経済的安定の確保。 (3)域内諸問題の解決。 加盟国数 地域・国名 人口 GDP値 一人当りGDP値 10 ASEAN 5.50億人 8,619億USドル 1,079USドル 3 北米自由貿易協 (NAFTA) 4.3億人 14兆USドル 29,942USドル 27 欧州連合(EU) 4.56億人 13兆USドル 30,000USドル 6 メルコスール 2.5億人 1兆USドル 4,000USドル × 中華人民共和国 13.08億人 2.3兆USドル 1,702USドル インド 11.3億人 8,002億USドル 678USドル
東アジア経済(2) 「成長の架け橋」となるASEAN ASEAN 投資 : 減少 投資 : 増加 二極化 シンガポール マレーシア 要因 : 労働力確保に課題 要因 : 政治的不安定 インドネシア 、 フィリピン 要因 : 優れた人材とインフラ シンガポール 要因 : 豊富な労働力(でも実は・・・)と部品産業の充実 タイ 要因 : WTO加盟間近 ベトナム
今週の宿題(10/16) 現在も大きな話題となっているTPP(Trance Pan Pacific …、アメリカが抜けて最終的な合意に向けて、大きな話題となった)について調べよ。また、自分はTPPについてどう考えるか? 次回の講義終了時に、A4のレポート用紙にて、次回の講義レポートの下に重ねて提出 注意事項:ホッチキスでとめないこと、折り曲げないこと、すべてのページに記名のこと