心理学的視点から検討した 歩きスマホ抑制アプリの制作 これから心理学的視点から検討した歩きスマホ抑制アプリの制作についての発表を始めます. 1210960086 恒川稜平 1/19
7月にリリースされたPokemonGoでも話題になった歩きスマホを課題とし,これをどうにかするアプリを制作したいと考えました.現在,歩きスマホは社会問題の一つになっています.中には歩きスマホをしていたことで死亡してしまったという人もいます.例として,東京都内での事故を上げます.駅でスマホの画面を見ながらホームを横切るように歩いていた女性がホームから転落して走行中の電車にはねられて死亡したというものである. 2/19
歩きスマホを検知 ↓ 画面上に警告を表示 3/19 このような事故があったことから携帯会社でも対応はもちろんある. 例えば携帯会社であるauは歩きスマホを検知して画面上に警告を表示するアプリをだしています. 3/19
4/19 他にもDocomoから啓発動画が出ている. この動画はMMD研究所から発表された歩きスマホに関するデータの数々を紹介しています.それを歩きスマホで視界を奪われながら江戸に向かう参勤交代に当てはめて描いたものです. 4/19
こちらが歩きスマホをしながら参勤交代をしている動画の一部です. 5/19
この動画は落ちとして皆の者,おもてをあげよ.と締めくくっています. 6/19
こちらは既存のアプリである,歩きスマホ防止というアプリです.このアプリの機能としては,歩きスマホを検知して警告を行うかどうかを選択することができ,ほかにも,歩行検知感度の調節や通知領域に表示するかなども選べます.本アプリは無料ですが,有料版もあり,有料版にはパスワードロックをかける機能が追加されている. 7/19
歩きスマホの危険性の認識 ではなぜ歩きスマホをしてしまうのだろうか.やや危ないと思うと危ないと思うの人を入れると全体では98.3%もの人が歩きスマホは危ないと認識している.歩きスマホを危ないと認識していながらなぜやめられないのでしょうか. 8/19
「歩きスマホは スマホ依存の人が たまたま歩いてる」 「歩きスマホは スマホ依存の人が たまたま歩いてる」 心理学者である橋本ゆかり先生(長崎県立大学)とのミーティングを経て,「歩きスマホはスマホ依存の人がたまたま歩いているというのが実態ではないか」という重要な発見に至った. 一部例外 9/19
パブロフの犬 行動主義心理学という心理学があります.どのような刺激とどのような反応や行動がセットになっているのか,そのつながりを解明していき,そのつながりの法則によって,次にどのような反応や行動がおこるのかを予測したりコントロールすることを目的としたものです.代表的なものとして,パブロフの犬やスキナー箱などがあります. 条件反射 自発行動 10/19
行動随伴性 正:与えられること 負:取り除かれること 強化:行動が増えること 罰:行動が減ること 縦軸:三項随伴性 横軸:行動随伴性 負:取り除かれること 強化:行動が増えること 罰:行動が減ること 行動主義心理学の中に,三項随伴性理論というのがある.三項随伴性とは,オペラント条件付けを基にした理論で,「人間がなぜ,どうして,その行動をするのか」をA:Antecendent Bの行動が自発されるきっかけとなる刺激 B:行動C:結果から説明する.さらに三項随伴性を4パターンにわけた行動随伴性理論でスマホ依存を説明する.行動随伴性は正と負,強化と罰で組み合わせて4パターンで分類します 今回はAがスマートフォンを携帯していることを認識している.Bがスマートフォンでゲームをした.ですべて一緒に設定しています.①の正の強化の場合はC:で楽しいが与えられたことで行動が増えるパターンです.②の正の罰の場合,結果が人とぶつかってしまって痛かったという痛みが与えられているので,行動が減るパターンとなります.③の負の強化は結果で結果が暇をつぶせたという暇を取り除くことができたという結果なので行動が増えるパターンとなります.負の罰は,結果が行動制限された(携帯を取り上げられる)などのことから携帯を取り除かれることで行動が減るパターンとなっています.これらのことから罰の人とぶつかってしまったなどはほとんどなく,現実では強化,ゲームをして楽しかったなどがよく起こるようなものばかりです.このことからスマホには中毒性があることがわかります. *A:Antecedent B:Behavior C:Consequence 縦軸:三項随伴性 横軸:行動随伴性 11/19
環境条件に応じた歩きスマホの リスク管理と行動分析 スマホの操作時間が長い ↓ 歩きスマホをする時間も長い ↓ 環境条件を考慮していない 環境条件に応じた歩きスマホのリスク管理と行動分析という論文があります.こちらの論文では,スマートフォン・携帯電話の1日当たりの使用時間が長くなるほど,1日当たりに「歩きスマホ」をする時間も長くなる傾向にある.スマートフォン・携帯電話の1日当たりの使用時間の長い人の方が,どの環境条件に対しても「歩きスマホ」を「よくする」や「ややする」 という結果が出ている. 12/19 辻陽介 他 (2014)「環境条件に応じた歩きスマホのリスク意識と行動分析」 http://www.risk.tsukuba.ac.jp/pdf/group-work2014/report/2014_group_04_final
「歩きスマホは スマホ依存の人が たまたま歩いてる」 「歩きスマホは スマホ依存の人が たまたま歩いてる」 結果として歩きスマホはスマホ依存の人がたまたま歩いているということにつながります. こちらの図には一部例外と書いてあるのですが,これは営業などで知らない土地に行き,地図などを見ながら行き先を探さなくてはならない人のことを表します.仕事中は必要に迫られて歩きスマホをしているが,必ずしもその人がスマホ依存ではありません. 一部例外 13/19
14/19 依存といえばアルコール中毒やタバコ中毒も思い当たる方もいるだろうと思います. では,たばこやアルコールはどうやって中毒を解脱するのでしょうか. たくさんの方法がもちろんあるのですが,その中でも動機づけ面接法に焦点をあてました. 14/19
動機づけ面接(受容) 動機付け面接とは相手の「抵抗」や「両価性」をどう扱うかを研究しているコミュニケーションツールであり,それらに直接的に向き合い,行動変容を促すのは特徴的です.まず,相手を受容することが大前提となります.その後,段階的なコミュニケーション深め,行動変容を促します. 15/19
動機づけ面接法を用いた アプリの設計 是認・正確な共感 自立性のサポート 16/19 目標を達成できなかった場合には,相手を受領するという事でまず,歩きスマホをやめることは難しいですよねなどの共感を示すことが大事になってきます.次に自立性のサポートをするためにこちらからの指示はなくして,相手に選択してもらうことが大事になります.リスク認知の文章は読んでほしいのですが,リスク認知の文章も読むかどうかを選択してもらう形にします. 16/19
実演 17/19 アプリの実演を行います. 画面は先ほど説明しました,歩きスマホ防止というアプリです. こちらが制作したアプリとなっています. まず基本的な機能として歩数計,画像ポップアップ機能です. (実演) こちらのチェックボックスにチェックをつけることで歩行を検知して画像を出すことができます. そしてこちらのカレンダーを表示するというボタンを押すとカレンダーが表示されます. カレンダーはデータベースとつなげており,日にちをタップすることで前の日などの歩数計の値やポップアップした回数などをみることができます. 先ほど設計のところで説明した通り,相手に見ますか??と尋ねるが必ずしも見なければいけないという選択はなくしています. リスク認知の文章を読むを選択すると,リスク認知の文章が表示されて,その後目標値をセットできるようになります. 目標値を変更するとそれが新しい目標値に変更されます. 以上で,実演を終わります. 17/19
・デザイン性の追求 ・実装においての問題点の修正 今後の課題 ・デザイン性の追求 ・実装においての問題点の修正 本アプリの実装の段階で実装する機能ごとに画面をわけていたために分割したままで,まとまっていない画面となっている点や 実装段階でプログラムの書き方などに問題があり,限定的な条件下でか動かないようなプログラムなどがあり,限定的な条件以外でも動くようなプログラムが必要である. 18/19
まとめ ・歩きスマホという行動はスマホ依存の 一部である ・依存からの解脱のための動機づけ面接法 を用いたプログラムの設計と開発 19/19 一部である ・依存からの解脱のための動機づけ面接法 を用いたプログラムの設計と開発 まとめとして,今回は歩きスマホという行動がスマホ依存の一部であることを発見した.それを解決するために動機付け面接という方法で解脱に向かうためのプログラムの設計と開発をしました. 19/19 心理学的視点から検討した歩きスマホ抑制アプリの制作 1210960086 恒川稜平