エレベータの振動解析 (ロープ・かご) 富山大学 大学院理工学研究部(工学) 木村弘之 台北101国際金融センター.

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エレベータの振動解析 (ロープ・かご) 富山大学 大学院理工学研究部(工学) 木村弘之 台北101国際金融センター

エレベータの振動解析 (ロープ)  ・差分法による解析、理論解の導出  ・振れ止め枠による揺れ抑制  ・動吸振器による 揺れ抑制  ・走行ベルトへの応用  ・(地震時のロープ揺れ   リアルタイム推定手法の開発)  (かご)  ・かご振動の低減

超々高速エレベータの開発 ロープの横揺れ対策 制御装置 巻上機の超高速化 巻上機 風切り音の低減 釣合い おもり かご振動の低減 整風 ・超高速大容量機の開発 ・低振動低騒音巻上機  の開発 ・防振支持構造の開発 巻上機 風切り音の低減 ・整風カプセルの開発 釣合い おもり かご振動の低減 ・走行振動シミュレー  ション技術の開発 ・アクティブ制振装置  の開発 ロープの横揺れ対策 ・横揺れシミュレーション  技術の開発 ・ロープ制振装置の開発 整風 カプセル 気密防音かご (気圧制御) 耳詰り対策 ・かご内気圧制御シス  テムの開発 非常止め装置の開発 ・制動能力の向上

エレベータ・ロープの構成 と解析モデル ロープの運動方程式と解析方法 ・エレベータ・ロープを長さが 変化する弦でモデル化 ・減衰係数は実測 と解析モデル     ロープの運動方程式と解析方法  巻上機 調速機 U :単位長さ当りの質量、   :速度      :張力、   :単位長さ当りの減衰係数 :ロープに作用する単位長さ当りの荷重 カウンターウェイト ・エレベータ・ロープを長さが  変化する弦でモデル化 ・減衰係数は実測  ①ロープ長さの変化を汎用ソフトでは考慮できないため、解析ソフトを開発。(差分法) ②理論解およびモデル試験で精度を検証。 ③減衰係数は実測。 y メイン ロープ かご 減衰比測定結果     h=0.002 h=0.02 コンペン ロープ V コンペン シーブ ガバナ ロープ

エレベータ・ロープの横振動解析 Rope deflection ロープ横振動解析 管制運転 振れ止め枠 建物の振動モード 変位データ

エレベータ・ロープの横振動解析 建物の振動モード 変位データ ロープ横振動解析 管制運転 振れ止め枠 Vibration mode shape

理論解の導出(       ) u 等価 u

右端が加振される場合の理論解(正弦波 ) ①右端から出る波 ②左端で反射する波 ③右端でさらに反射する波 右端が加振される場合の理論解(正弦波   ) ② ③ ④ ⑤ ⑥ ① ①右端から出る波 ②左端で反射する波 ③右端でさらに反射する波 移動するロープ内で反射を繰り返す波を重ね合わすことで、理論解を導出。

解析結果(右端加振) ロープが短くなる場合 u/u0 FDM 理論解 FDM 理論解 u/u0 u/u0 差分法の計算精度を理論解 で検証。

振れ止め枠による・ロープの振動抑制 正弦波(建屋の一次の固有振動数)加振時の応答 振れ止め枠なし 振れ止め枠あり(片側)

動吸振器による・ロープの振動抑制 両端を同位相で加振した場合 かご 釣合いおもり

動吸振器による・ロープの振動抑制 両端を同位相で加振した場合 かご 釣合いおもり 原理的には、動吸振器により、約1/2に低減可能

応用例 走行ベルトの振動解析 両端を同位相で加振した場合 応答倍率 速度 加振振動数 共振振動数は速度0の場合の 倍に低下。 共振振動数 FDM 応答倍率 速度 加振振動数 共振振動数は速度0の場合の      倍に低下。

応用例 走行ベルトの振動解析 両端を同位相で加振した場合 反共振振動数 応答倍率 速度 加振振動数 反共振振動数は速度0の場合の      倍、     倍

振動モード 応答倍率 速度 加振振動数

振動モード 応答倍率 速度 加振振動数

振動モード 両端を同位相で加振(               、     ) 応答倍率 速度 加振振動数

振動モード 両端を同位相で加振(               、     ) 応答倍率 速度 加振振動数

かごの振動の低減 かごの振動解析により、 ①かごの振動特性改善 (15GalP-P以下目標) ②レール加工精度の適正化 コイルばね かご  (15GalP-P以下目標) ②レール加工精度の適正化 コイルばね かご かご枠 防振ゴム ローラーガイド

かごの周波数特性 かご解析モデル(3D) 走行時のかご振動(600m/分) 解析結果 試験結果 加速度(Gal) 時間(s) 東芝レビューより

過去のレールデータを元にかご振動解析を実施 レール加工精度 据え付け公差 を決定 かごの周波数特性 レール               で走行時には、 入力は、1.7Hzとなり、共振しない 5m 過去のレールデータを元にかご振動解析を実施  レール加工精度 据え付け公差     を決定 5m

1,010 m/分 走行時のかご床振動測定結果 15 GalP-P以下を達成 東芝レビューより

エレベータの振動解析 (ロープ)  ・差分法による解析、理論解の導出  ・振れ止め枠による揺れ抑制  ・動吸振器による 揺れ抑制  ・走行ベルトの振動解析  ・(地震時のロープ揺れ   リアルタイム推定手法の開発)  (かご)  ・かご振動の低減