資料②-1 資料3 在宅医療を支える   後方支援体制について 地方独立行政法人 りんくう総合医療センター 地域医療連携室長  中西 賢.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 STAS-J 導入プロセスと 看護師への影響 宮城千秋(沖縄県立精和病院) 神里みどり(沖縄県立看護 大学)
Advertisements

ブルーカードシステムの導入の背景 日田市では医師会を中心に在宅医療連携事業に取り組んで いるが、訪問診療医師の不足やバックアップ病院の未整備 などのため、その目的は達成されていない。 今回在宅患者の情報をクラウド化し、急変時スムーズに救 急病院へ搬送できるような IT 連携ツールとして 「ブルーカードシステム」を導入することを計画した。
「ICT在宅医療・介護システム」プログラム 開発等役務費一般競争入札のご案内 ー総務省「地域ICT利活用連携事業」を受託ー
多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業 全体研修会 『地域包括ケアシステム構築に向けて進むべき道』
HOT Proj. マイカルテ サービス 共有カルテ サービス
ノーマライゼーションかしわプラン策定に向けた基礎調査について
“想い”を受け継ぎ,“想い”を繫ぐ ~生活期からの発信!「連携シート」の活用を試みて~ 長崎県 介護老人保健施設 恵仁荘
市町村による精神障がい者の地域移行を進めるための支援策について(案)
平成26年度 診療報酬改定への要望 (精神科専門領域) 【資料】
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 3 支援体制整備③ 医療・福祉・教育の連携
桑 名 市    市議会定例会[6月] 提出議案の概要について.
第3回はままつCDE研究会 アンケート集計結果
平成25年6月7日(金) 医療保健政策区市町村包括補助事業 台東区 口腔ケア連携推進事業 台東区健康部健康課.
愛知県統一がん地域連携パス プロジェクト ~がんの地域連携確立にむけて~
広島県西部地域保健対策協議会 ●設置目的   広島西二次保健医療圏(大竹市・廿日市市)における住民の健康の保持・増進と福祉の向上に寄与するため,保健・医療・福祉に関する事項について調査・協議し,必要な事業を実施する。 ●設立年月日 平成 9 年11月27日 ●構成団体(大竹市・廿日市市域の22機関・団体)
趣旨  平成22年4月1日厚生労働省(医政発0401第17号) 各都道府県知事にあて発令された文章を受けて 県内各施設における医療的ケアを実践的に 指導できる看護職員を養成することを目的
愛知県統一がん地域連携パス プロジェクト ~がんの地域連携確立にむけて~
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 3 支援体制整備④ 資源開拓・創出方法
在宅ホスピスケア実施におけるSTAS-Jの有用性
退院後を支えてこそ 医療連携から地域連携へ
重症心身障害児者等 支援者育成研修テキスト 5 ライフステージにおける支援① 各ライフステージにおける 相談支援に必要な視点
【チーム及び必要に応じて、対象者情報に詳しい者】
平成25年度 堺ブロック 合同総会報告.
病院ならびに老健と外部医療機関との連携の実態と課題
自治医科大学附属 さいたま医療センター 救急部 2014年8月 八坂 剛一.
高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7 1 意見交換会開催に至る経緯と今年度の取り組み  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治   療の希望確認ができているかの課題提起がなされた。  平成27年度   (1)介護サービス事業者協議会主催研修会および施設ごとの講演会の開催.
1年目(28年度)の取り組みから そこで2年目(29年度)は 要介護状態が悪化している方の再発予防は難しい
YMCA訪問看護ステーション・ピース 第2回 小児研修会のご案内
『県中医療圏退院調整ルール』の 運用状況に関するケアマネジャーへのアンケート調査結果
平成28年度病院連絡会議 ~病院と在宅との連携~
長崎がん相談支援センター なんでもおたずねください 吉原律子・平山美香・木場英郎 白髭 豊・ 鳥山ふみ子 長崎がん相談支援センター
緩和ケアチームの立ち上げ ー緩和ケア医の立場からー
若年性認知症支援コーディネーター設置等事業
保 健 医 療 連 携 室  北海道立江差病院では、患者さまやご家族の皆様に、より良い医療・看護を効率的に提供できるように、地域における医療、介護福祉施設、関係機関と連携し、各機関・施設の機能と役割を最大限に発揮できるように、調整していくための窓口です。 ○ 診察療予約受付の流れ 報告書 □ 保健医療連携室 
地域医療構想と地域包括ケア 千葉大学予防医学センター 藤田伸輔 2016/7/2 新潟朱鷺メッセ.
多職種協働による在宅医療を担う 人材育成事業 地域リーダー研修 「在宅医療と医師、医師会の役割」
【チーム員及び必要に応じて、対象者情報に詳しい者】
新たに在宅医療に取り組む方のための 研修教材のご案内
地域ネットワークを構築 相談支援事業が核 甲賀地域障害児・者サービス調整会議(甲賀地域自立支援協議会)の運営 図3 約80機関で構成
伊藤大樹 あおばクリニック 福岡東在宅ケアネットワーク
「“人生の最終段階における医療” の決定プロセスに関するガイドライン」
『噛むこと・食べること の 重要性 』 八代歯科医師会理事  高野歯科クリニック院長   高野 明夫.
輝いて、自宅で ~終わりよければすべてよし~
トータス往診クリニック 国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科 大橋 晃太
【「患者のための薬局ビジョン」における薬剤師・薬局の機能概要】
平成30年8月 府中地区ケアマネジマント モデル 有地.
交通アクセス お問い合わせ先はこちら 社会福祉法人 ヴィラージュ虹ヶ丘 神奈川県川崎市麻生区虹ヶ丘1丁目22番1-2号
平成30年度に新たに設置する精神医療懇話会について
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 2 計画作成③ 重症心身障害児者等の ニーズ把握事例 ~久留米市のコーディネートの現状~
在宅医療・介護多職種連携協議会 多職種連携・情報共有システム部会
<平成28年度在宅医療関連講師人材養成事業 研修会>
千葉県脳卒中連携意見交換会 MSW部会 倉石 智穂 (公益財団法人日産厚生会佐倉厚生園病院)
オフィス藤田 グループホーム燦々(さんさん) 看護師 介護支援専門員 古城順子
認知症ケアパス 在宅生活 家族 地域資源 気づき 軽度 認知症の度合い 重度 終末期 介護・福祉・住まい・住民 地域住民 保健・医療・看護
新たに在宅医療に取り組む方のための 研修教材のご案内
今後めざすべき基本目標 ―「ケアの流れ」を変える―
(訪問看護ステーション協会、教育ステーション等にて実施)
表1.入院医療から在宅療養への移行期での評価
おくすり整理そうだんバッグ 地域医療委員会.
在宅医療施策の取組状況と今後の展開(案)
高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7-1 1  意見交換会開催に至る経緯  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治療 に関する意向確認ができているかという課題提起がなされた。  平成27年度   (1) 介護サービス事業者協議会主催研修会・施設ごとの講演会(救急課)                  
若年性認知症の人への支援 若年性認知症支援コーディネーター これらの支援を一体的に行うために を各都道府県に配置
STAS導入を試みての 経過報告と今後の課題
「効率的で質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」(車の両輪)
在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
目 次 第1章 大阪府保健医療計画について 1.医療計画とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
入退院時の多職種連携 医療機関の立場から 安佐北区介護支援専門員連絡協議会 定例研修会 2019年1月16日(水)
在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
精神科医療機関とハローワークの連携モデル事業の実施
私のカルテ 発熱性好中球減少に対する予防的G-CSF製剤使用のための地域連携パス(通称:G連携)
Presentation transcript:

資料②-1 資料3 在宅医療を支える   後方支援体制について 地方独立行政法人 りんくう総合医療センター 地域医療連携室長  中西 賢

(平成24年度実施、泉佐野泉南医師会圏域 多職種連携に関するアンケートより) 当地域における状況 (平成24年度実施、泉佐野泉南医師会圏域 多職種連携に関するアンケートより) ※泉佐野泉南医師会HPよりダウンロード可能

多職種からの意見 ~医療と介護・多職種に関する連携アンケート(平成24年度実施)より抜粋~ ◆病院(地域連携室)に対する意見 【抜粋】 【医師】 ・病院間の連携を密にして欲しい。 ・入院の必要な患者や緊急時に診ていただけない場合がある。 ・スムーズな反応(緊急入院、レスパイト入院等)。 【訪問看護師】 ・退院時カンファレンスの開催時、リーダーシップをとってもらいたい。 【ケアマネジャー】 ・退院時カンファレンスを必ず開催してほしい。(主治医も参加してもらえるよう調整も!) 【地域包括支援センター】 ・退院前のカンファレンス時、在宅支援の担当者が参加できるよう連携体制をとってほしい。 【行政】 ・入退院時におけるより円滑な支援意識の醸成。 ・地域在宅医療のコーディネーターの役割に期待します。 ・精神疾患が安定している身体疾患で入院が必要な患者の受け入れ体制の充実を希望

多職種からの意見 ~医療と介護・多職種に関する連携アンケート(平成24年度実施)より抜粋~ (医師対象の質問) ◆病院が開催する退院する患者の  退院前カンファレンスに参加していますか。 回答 率 参加している 2% 時々参加している 4% 参加していない 91% 未回答 3%

体制整備 在宅医療患者の後方支援 ➤求められているのは、受け入れの 『確 約』 (結果として・・・) 南泉州地区からの患者流出を防ぐ(目標)   ・緊急時など入院が必要な場合に必ず受け入れして欲しい   ・退院時カンファレンスを開催して欲しい ➤求められているのは、受け入れの 『確 約』 (結果として・・・)   南泉州地区からの患者流出を防ぐ(目標) ★今回、在宅患者が入院を要する事態が発生した場合の対応に焦点を当て、体制を整備する。 ➤南泉州地区 病病連携協議会にて検討をすすめた。

病病連携協議会 運営組織 泉佐野泉南医師会 (理事会) 報告・相談 南泉州地区 病病連携協議会 りんくう総合医療センター 病病連携協議会 運営組織 りんくう総合医療センター 地域医療支援病院運営委員会(*1) 泉佐野泉南医師会 (理事会) 報告・相談 南泉州地区 病病連携協議会 **部会 ××部会 事務局部会 (*1) りんくう総合医療センター地域医療支援病院運営委員会 (委員会構成メンバー) 医師会長、歯科医師会長、薬剤師会長、消防長、 保健所長、学識経験者(社会福祉協議会常務理事) りんくう総合医療センター病院長、副病院長3名

想定する運用 ★在宅患者が入院を要する事態が発生した場合の対応に焦点を当て、体制を整備する。 在宅患者に入院を必要とする事態が発生した場合の受け入れ病院を予め決めておく。 不測の事態も考慮し、第1選択と第2選択の病院を設定することで、圏域内で極力受け入れできるような体制を構築する。

➤3パターンに大別して運用ルールを整理する 想定するシチュエーション (在宅医療を開始するタイミング) Ⓐ 病院から在宅退院する場合 Ⓑ かかりつけ医通院患者が通院できなく在宅医療が開始される場合 Ⓒ 施設入所の患者 ➤3パターンに大別して運用ルールを整理する

想定するシチュエーション Ⓐ 病院から在宅退院する場合 Ⓑ かかりつけ医通院患者が通院できなく在宅医療が開始される場合 Ⓒ 施設入所の患者 (在宅医療を開始するタイミング) Ⓐ 病院から在宅退院する場合 Ⓑ かかりつけ医通院患者が通院できなく在宅医療が開始される場合 Ⓒ 施設入所の患者 ➤運用を開始しやすい、Aパターンからマニュアルを整理し、  試行運用を開始する

在宅医療患者の後方支援体制(イメージ) ・在宅医 ・訪問看護師 ・ケアマネジャー 等 在宅医 第1選択の病院群 速やかに 戻っていただく ・在宅医 ・訪問看護師 ・ケアマネジャー 等 在宅医 第1選択の病院群  『○○病院』 『××病院』 『★★病院』 『■■病院』  『**病院』 『◆◆病院』 『●●病院』 『※※病院』 第1選択     病院 重篤な病態は在宅医から 直接、第2選択病院へ ・循環器疾患 ・脳卒中    等 第2選択の病院  『りんくう総合医療センター』 第2選択     病院 ※圏域内病院にアンケートにてそれぞれの役割を選択していただいた

在宅医療患者の後方支援体制 【パターンA】~退院前に調整~ 在宅退院調整時、退院前カンファレンスを開催 在宅退院後の緊急時の連絡体制を確認 入院医療機関から第1選択の医療機関に事前調整 (自院が第1選択の場合は院内調整) 入院医療機関から第2選択の医療機関(りんくう総合医療センター)に事前調整   ※りんくう総合医療センターから退院の場合はりんくう内で院内調整 調整結果を本人・在宅医等で情報共有 ※順次、速やかに在宅に戻す等の調整を図る。(第2選択→第1選択→在宅)

パターンA 退院前カンファレンス 連携先医療機関との調整 在宅退院 在宅医・勤務医の カンファレンス参加必須 ➤方針共有 ・在宅生活に向けた調整(医療・介護・その他) ・急変時・緊急時の受け入れ病院の選定(本人・家族希望) 連携先医療機関との調整 ・連携先病院(患者希望)と調整 ・事前に診療情報提供書送付(カルテ準備等) ・本人・家族を含めたチームで情報共有 在宅退院 在宅医・勤務医の カンファレンス参加必須 ➤方針共有 病院間で予めの受入調整 ・第1選択➡第2選択 ・第2選択➡第1選択

在宅後方支援・緊急時情報共有シート マニュアル整備 ➤病院間で共有 随時、マニュアル改訂・更新を行っていく 患者様ご本人の基本情報 かかりつけ医の情報 第1選択病院の情報 第2選択病院の情報 随時、マニュアル改訂・更新を行っていく

運用状況(参加病院) (『在宅医療を支える後方支援マニュアル』より抜粋)

運用実績(概要) 試行運用を開始して、現在まで4症例の運用を行った。 1例は第1選択病院で受入・看取り、 1例は在宅看取り、 2例は在宅医療継続中

現状と今後の展開について 運用件数は多くは発生していない状況 連携医療機関の拡大をすすめる 試行運用を継続していく Bパターン・Cパターンの試行運用へも着手 質の担保(事前指示・ACPなど)の検討

医師会地域連携室(医療・介護連携の相談窓口)とも連携してすすめていく 圏域の多職種へ運用の周知を図っていく

ご清聴ありがとうございました