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院内感染:耐性菌 院内感染 : 耐性菌について 役に立つ薬の情報~専門薬学
院内感染 院内感染の防止が重要 院内感染とは 病院・診療所などの医療機関で、病原菌に感染すること 院内感染で問題となる様式 患者さんが新たに感染 日和見感染 : 免疫力の低下によって発症 医療従事者が感染 最初に、院内感染について紹介していきます。院内感染の定義としては、「病院・診療所などの医療機関で、病原菌に感染すること」を指します。 院内感染で問題となる様式としては二種類あります。一つ目に、患者さんが新たに感染を引き起こす様式です。入院している患者さんなど、免疫力が健常人に比べて低下しているときに問題となります。 免疫力の低下によって感染症が起こることを日和見感染と呼びますが、この日和見感染が引き金となって院内感染が発生します。 二つ目に問題としては、医療従事者の感染があります。これには、針刺し事故などの職業感染が挙げられます。 これら院内感染を防止することが重要となります。 職業感染 : 針刺し事故など 院内感染の防止が重要 役に立つ薬の情報~専門薬学
耐性菌とは 院内感染と耐性菌は大きく密接 院内感染では、「耐性菌」が問題となる 耐性菌とは : 抗菌薬が効きにくい病原菌 抗菌薬を投与しても、感染症が改善しない 特に、多剤耐性菌が問題 多剤耐性菌 多くの薬剤に耐性を示す それでは、耐性菌について解説していきたいと思います。先ほど紹介した院内感染で問題となるのが耐性菌です。 耐性菌とは、抗菌薬が効きにくい病原菌のことです。そのため、抗菌薬を投与しても感染症が改善しません。 これら耐性菌の中でも、特に多剤耐性菌が問題となります。多剤耐性菌は多くの薬剤に耐性を示すため、使用できる薬剤が限られています。そのため、耐性菌が院内感染を起こすと、とてもやっかいな状況となります。 このように、院内感染と耐性菌は大きく密接しています。 院内感染と耐性菌は大きく密接 役に立つ薬の情報~専門薬学
耐性菌の歴史 耐性菌出現の歴史 1961 年 1990 年代 MRSA の出現 MDRP(多剤耐性緑膿菌)の出現 多剤耐性アシネトバクターの出現 耐性菌の歴史は、フレミングが1992 年にペニシリンを発見したことから始まります。ペニシリンはイエローマジックと呼ばれ、第二次世界大戦でも大きく活躍しました。 しかしながら、1961 年には院内感染で大きな問題となったMRSA が英国で最初に報告されました。MRSA はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の略称であり、メチシリンという抗生物質が効かない菌です。 その後、1986 年にはVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)が発見されます。バンコマイシンは抗生物質の一つです。 当時、バンコマイシンは「耐性菌が出現しない抗生物質」といわれていました。この常識に反し、バンコマイシンに耐性をもつ菌が出現してしまったのです。 1990 年代には、ほとんどの抗菌薬が無効であるMDRP(多剤耐性緑膿菌)や多剤耐性アシネトバクターが出現し、問題となりました。 1929 年 1986 年 2000 年代 ペニシリンの発見 VRE の出現 VRSA の出現 役に立つ薬の情報~専門薬学
バンコマイシンの構造式 バンコマイシンの歴史 1956 年に開発 40 年以上、耐性菌出現なし 「最後の切り札」として、 地位を確立していく 1997 年にVRE が出現 先ほど、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)を紹介しましたが、バンコマイシンについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。 スライド左側にバンコマイシンの構造式を載せてあります。一目見て分かるとおり、複雑な構造をしていることが分かります。この複雑な構造が「耐性菌が出現しない」と言われていた理由の一つです。 バンコマイシンは1956 年に開発され、この後40 年以上耐性菌が出現しませんでした。このため、耐性菌に抵抗する「最後の切り札」として、地位を確立していきます。 しかし、1997 年にVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)が出現し、世界に衝撃を与えました。 このように、耐性菌は日々進化しています。それでは、耐性菌の進化に対して抗菌薬はどれくらい開発されているかを次のスライドで確認していきます。 世界に衝撃を与える ※ VRE(バンコマイシン耐性腸球菌) 役に立つ薬の情報~専門薬学
抗菌薬の開発数 1940 年代 1950 年代 1960 年代 1970 年代 1980 年代 1990 年代 2000 年以降 5 10 5 10 15 20 25 30 35 40 45 (開発数) 抗菌薬の開発数ですが、1940 年代から徐々に開発数が多くなっていることが分かります。しかし、そのピークは1980 年代であり、2000 年以降は抗菌薬の開発がほとんど進んでいないことが分かります。 このように、耐性菌はもの凄い勢いで進化しているのに対し、新しい抗菌薬はほとんど開発されていません。そのため、私たちが行える対策としては、いかに耐性菌の発生を抑えるかにかかっています。 役に立つ薬の情報~専門薬学
日本人の死亡率の推移 50 100 150 200 250 300 (人口10万対) 1950 年 1960 年 1970 年 1980 年 50 100 150 200 250 300 (人口10万対) 1950 年 1960 年 1970 年 1980 年 1990 年 2000 年 2010 年 結核 悪性新生物(がん) 心疾患 脳血管疾患 肺炎 スライドには、日本人の死亡率の推移を示してあります。 死亡率の1~4 位までを確認しますと、上から順に悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患、肺炎となっています。 平均寿命が延びたことや高齢化により、がんによる死亡率が上昇していることが分かります。心疾患や脳血管疾患では多くの薬があり、死亡率は大きく伸びていません。 注目すべきは第四位の肺炎であり、多くの肺炎は感染症によって引き起こされます。肺炎による死亡率は年を追うごとに上昇しており、この理由の一つとして耐性菌の問題が挙げられます。 役に立つ薬の情報~専門薬学
主な薬剤耐性のメカニズム 薬剤の不活性化 薬剤を化学的に修飾・分解する酵素を産生 最もよく見られる耐性機構 薬剤作用点の変異 病原菌側の構造を変化させる ウイルスで多く確認させる耐性機構 薬剤を細胞外へ排出 それでは、病原菌が薬剤耐性を獲得する主なメカニズムについて紹介していきます。 まず一つ目に、薬剤の不活性化があります。これは、薬剤を化学的に修飾・分解する酵素を産出することで耐性を獲得します。耐性獲得の際に、最もよく見られる耐性機構です。 二つ目に、薬剤作用点の変異があります。これは、病原菌側の構造を変化させることで耐性を獲得します。これにより、薬剤が病原菌に作用しなくなります。ウイルスで多く確認される耐性機構です。 三つ目に、薬剤を排出するポンプを獲得することがあります。この「薬剤を細胞外へ排出する機構」ですが、多くの薬剤を外に排出する多剤排出ポンプが大きな問題となります。 薬剤を排出するポンプを獲得する 多剤排出ポンプが問題となる 役に立つ薬の情報~専門薬学
薬剤耐性遺伝子の伝罵 種類の違う菌であっても、遺伝子が伝わる 遺伝子が伝わる 役に立つ薬の情報~専門薬学 また、薬剤耐性を生み出す遺伝子をもつ耐性菌がいる場合、この遺伝子は病原菌同士で伝わっていきます。 そのため、一回でも耐性菌が報告された場合、その後に薬剤に対する耐性菌が確認される確率が数段高くなります。 なお、これら薬剤耐性遺伝子は、たとえ種類の違う菌であっても遺伝子が伝わってしまいます。 種類の違う菌であっても、遺伝子が伝わる 役に立つ薬の情報~専門薬学
なぜ、耐性菌が増えるのか 自然条件下でも、一定数の耐性菌が発生している ① 耐性菌とそうでない菌が混在 ② 耐性菌のみが 生き残ってしまう 生き残ってしまう ③ 耐性菌の増殖 なぜ耐性菌が増えるかですが、これには抗菌薬の使用が大きく関わっています。 そもそも、抗菌薬を使用していない自然条件化であったとしても、一定数の耐性菌が発生しています。これら耐性菌は通常の菌よりも貧弱であるため、放っておけば淘汰されていきます。 ところが、耐性菌とそうでない菌が混在している状況で抗菌薬を使用した場合、淘汰されるどころか耐性菌のみが生き残ってしまいます。 その後、耐性菌が増殖することでその勢力を拡大していきます。 役に立つ薬の情報~専門薬学
上記の「耐性菌増加の原因」を避けて使用する 耐性菌の出現を抑えるには 耐性菌が発生しやすい環境 抗菌薬の低濃度投与 病原菌が抗菌薬に徐々に慣れてしまう 治療直前での抗菌薬投与の中断 炎症の悪化や耐性菌出現の恐れ 同じ抗菌薬の長期間投与 耐性菌が感受性菌に取って代わる環境が整う これら耐性菌の出現を抑えるには、いくつかの方法が存在します。耐性菌が発生しやすい環境があるため、これらを避ければ良いのです。ここでは、耐性菌が発生しやすい環境を三つ紹介します。 一つ目に、抗菌薬の低濃度投与があります。低濃度の投与を行うことで、病原菌が完全に死滅せず、抗菌薬に徐々に慣れてしまいます。 二つ目に、治療直前での抗菌薬投与の中断があります。これによって、「炎症の悪化」や「耐性菌出現の恐れ」が高まります。 三つ目に、同じ抗菌薬の長期間投与があります。長い間投与するほど、耐性菌発生の確率が高まります。わずかでも病原菌が薬剤耐性化してしまったら、その後は急速に耐性菌が蔓延していきます。 耐性菌の出現を抑えるためには、上記の「耐性菌増加の原因」を避けて抗菌薬を使用する必要があります。 上記の「耐性菌増加の原因」を避けて使用する 役に立つ薬の情報~専門薬学
主な耐性菌 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) 1970 年代から、院内感染の原因菌として注目 VRE(バンコマイシン耐性腸球菌) 最初のバンコマイシン耐性菌 MDRP(多剤耐性緑膿菌) それでは、主な耐性菌について見ていきたいと思います。今回紹介する耐性菌は、前のスライドの「耐性菌の歴史」で紹介した菌についてです。 一つ目にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)があります。MRSA は1970 年代から、院内感染の原因菌として注目されてきました。 二つ目にVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)があります。耐性菌が出ないと考えられていたバンコマイシンに対する最初の耐性菌です。 三つ目にMDRP(多剤耐性緑膿菌)と多剤耐性アシネトバクターがあります。この病原菌は、ほとんどの抗菌薬が効きません。 これらの病原菌について、次のスライドから確認していこうと思います。 多剤耐性アシネトバクター ほとんどの抗菌薬が効かない 役に立つ薬の情報~専門薬学
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) [ 黄色ブドウ球菌 ] 皮膚や腸管に存在する常在菌 通常は無害 手指などを介する接触感染が主 [ 重篤な症状 ] 表皮感染症 食中毒 敗血症 肺炎 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)についてです。 黄色ブドウ球菌の特徴としては、皮膚や腸管に存在する常在菌であり、通常は無害であるということです。手指などを介する接触感染が主となっています。 重篤な症状としては表皮感染症、食中毒、敗血症、肺炎などがあります。 黄色ブドウ球菌が薬剤耐性化したMRSA についてですが、抗生物質であるメチシリンに耐性を持つ黄色ブドウ球菌の総称です。現在では、バンコマイシンを含む多剤耐性のMRSA が問題となっています。 MRSA について メチシリン(抗生物質)に耐性を持つ黄色ブドウ球菌の総称 バンコマイシンを含む、多剤耐性MRSA が問題 役に立つ薬の情報~専門薬学
VRE(バンコマイシン耐性腸球菌) [ 腸球菌 ] 腸管内に存在する常在菌 病原性が低く、通常は害がない もともと多くの抗菌薬に耐性をもつ [ 重篤な症状 ] 敗血症 VRE について 次にVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)についてです。 腸球菌は腸管内に存在する常在菌であり、病原性が低く通常は害がありません。もともと、多くの抗菌薬に耐性をもつ細菌でもあります。重篤な症状としては、敗血症があります。 VRE はバンコマイシン耐性が確認された最初の菌種であり、家畜飼料への抗菌薬投与がVRE 出現に関わったとされています。 腸球菌自体は病原性が低く問題とならないのですが、他の菌種への薬剤耐性遺伝子の伝罵に大きく関与しています。 バンコマイシン耐性が確認された最初の菌種 家畜飼料への抗菌薬投与がVRE 出現に関わったとされる 薬剤耐性遺伝子の伝罵に大きく関与 役に立つ薬の情報~専門薬学
MDRP(多剤耐性緑膿菌) [ 緑膿菌 ] 自然環境中に存在する常在菌 健常者に感染することはまれ もともと多くの抗菌薬に耐性をもつ [ 重篤な症状 ] 敗血症 肺炎 心内膜症 中枢神経感染 MDRP(多剤耐性緑膿菌)について紹介していきます。 緑膿菌は自然環境中に存在する常在菌であり、健常者に感染することはまれです。腸球菌と同じように、もともと多くの抗菌薬に耐性をもちます。 重篤な症状としては敗血症、肺炎、心内膜症、中枢神経感染などがあります。 MDRP は消毒液中であっても、低濃度では増殖することがあります。また、ほとんどの抗菌薬が無効なため、院内感染で特に問題となります。 MDRP について 消毒液中でも、低濃度では増殖することがある ほとんどの抗菌薬が無効なため、院内感染で問題となる 役に立つ薬の情報~専門薬学
緑膿菌の薬剤抵抗性 × 自然耐性 獲得耐性 元からもっている薬剤耐性 後天的に獲得した薬剤耐性 緑膿菌に元から備わっている耐性機構 ① × ② ③ ④ ⑤ ① 薬剤の取り込み阻害 ② 取り込まれた薬剤の排出 ③ 薬剤の分解・修飾 ④ 薬剤標的部位の構造変化 緑膿菌の薬剤抵抗性について紹介していきます。 薬剤耐性には二種類あり、「元から備わっている薬剤耐性」である自然耐性と「後天的に獲得した薬剤耐性」である獲得耐性があります。 先ほど紹介した通り、緑膿菌は自然耐性が備わっている病原菌です。これらの耐性機構としては、「薬剤の取り込み阻害」、「取り込まれた薬剤の排出」、「薬剤の分解・修飾」、「薬剤標的部位の構造変化」、「バイオフィルムの形成」などがあります。 緑膿菌はもともと多くの耐性機構を保有しているため、他の抗菌薬への薬剤耐性化もスムーズに進んでしまいます。 ⑤ バイオフィルムの形成 役に立つ薬の情報~専門薬学
多剤耐性アシネトバクター [ アシネトバクター ] 自然環境中に存在する環境菌 通常は無害 高い湿度を好む(呼吸器系など) [ 重篤な症状 ] 敗血症 肺炎 髄膜炎 次に多剤耐性アシネトバクターについて紹介していきます。 アシネトバクターは自然環境中に存在する環境菌であり、通常は無害です。呼吸器系など、高い湿度を好みます。 重篤な症状としては敗血症、肺炎、髄膜炎などが知られています。 多剤耐性アシネトバクターに対してはほとんどの抗菌薬が無効であり、乾燥や消毒薬に対しても抵抗性をもちます。 多剤耐性アシネトバクター ほとんどの抗菌薬が無効 乾燥や消毒薬に対しても抵抗をもつ 役に立つ薬の情報~専門薬学
健常人にとっての耐性菌 耐性菌の感染力 通常の病原菌と同じ 通常の菌に比べ、耐性菌はまれにしか存在しない 健常人にとっては、問題とならない 耐性菌は誰にでも感染する訳ではない 耐性菌感染の条件 健常人にとっての耐性菌についてですが、耐性菌の感染力は通常の病原菌と同じです。また、通常の菌に比べて耐性菌はまれにしか存在しないため、健常人にとっても問題となりません。 このように、耐性菌は誰にでも感染する訳ではありません。 耐性菌感染の条件としては、「抵抗力(体力)の低下」や「耐性菌の増殖しやすい環境」などがあります。これらの条件が揃った場合、耐性菌に感染してしまいます。 ・ 抵抗力(体力)の低下 ・ 耐性菌の増殖しやすい環境 など 役に立つ薬の情報~専門薬学
院内感染対策の種類 病原菌の蔓延を防止 院内感染の多くは接触感染 接触感染予防策、標準予防策の徹底 環境整備 薬剤耐性菌へ感染した患者さんの隔離 手技の見直し(汚物処理など) 適切な知識の習得 院内感染への対策をいくつか紹介します。 一つ目に、病原菌の蔓延を防止することがあります。院内感染の多くは手指などを介した接触感染によるものです。そこで、接触感染予防策や標準予防策を徹底します。 二つ目に、環境整備があります。環境整備では、「薬剤耐性菌へ感染した患者さんの隔離」や「汚染処理など手技の見直し」を行います。 三つ目に、適切な知識の習得があります。前のスライドで紹介した「抗菌薬の適正使用」や「耐性菌対策について、医療従事者を教育すること」などを実施します。 次のスライドから、もう少し具体的に見ていきたいと思います。 抗菌薬の適正使用 耐性菌対策について、医療従事者の教育 役に立つ薬の情報~専門薬学
全ての患者さん・職員全員に対し、標準予防策を実施 院内感染への対策 ① 標準予防策 感染経路への対策 感受性宿主への対策 病原体への対策 感染症の有無に関わらず、 ・ 患者さんと接するときにはマスクをする ・ 汚れた手袋・ガウンはすぐに外し、手洗いをする ・ 入室時、部屋を出るときに消毒薬を使用 ・ 使用済み針はキャップをする など 院内感染への対策として、標準予防策の徹底があります。 感染症の予防には「病原菌への対策」、「感染経路への対策」、「感受性宿主への対策」などがあります。これら三つの対策に共通して行うべき予防策として標準予防策があります。 標準予防策では感染症の有無に関わらず、「患者さんと接する時にはマスクをする」、「汚れた手袋・ガウンはすぐに外し、手洗いをする」、「入室時、部屋を出るときに消毒薬を使用する」、「使用済み針はキャップをする」などがあります。 全ての患者さん・職員全員に対し、標準予防策を実施します。 全ての患者さん・職員全員に対し、標準予防策を実施 役に立つ薬の情報~専門薬学
耐性菌を保有する患者さんは個室隔離が原則 院内感染への対策 ② 院内感染防止の有効な手段 薬剤耐性菌へ感染した患者さんの隔離 院内感染防止の有効な手段として、薬剤耐性菌へ感染した患者さんの隔離があります。 スライド左の図ではベッドが複数あり、さまざまな人が行き交っています。ここで、薬剤耐性菌の保菌者が確認された場合、右の図のように個室へと移動させます。これにより、耐性菌の蔓延を防ぐことができます。 このように、耐性菌を保有する患者さんは個室隔離が原則となります。 耐性菌を保有する患者さんは個室隔離が原則 役に立つ薬の情報~専門薬学
院内感染への対策 ③ 耐性菌は手指を介して伝播 接触感染対策が重要 手すりや診察台など、 一日一回はアルコール消毒 浴槽・トイレなど 水周りの汚染に注意 耐性菌は手指を介して伝罵するため、接触感染対策や環境整備が重要となります。 スライドにはベッド、診察台、浴槽のイラストについて載せてあります。院内感染予防の対策例としては、手すりや診察台など一日一回はアルコール消毒を行うことが考えられます。 他にも、浴槽やトイレなどの水周りの汚染に注意することも必要となります。スライドに示した場面以外にも対策すべき箇所はたくさんあります。それぞれの箇所について、適切な対策を行う必要があります。 役に立つ薬の情報~専門薬学
まとめ ・ 抗菌薬の適正使用 ・ 院内感染の防止対策 現在の耐性菌問題 ほとんどの抗菌薬が効かない多剤耐性菌が問題となる 耐性菌発生や院内感染を防止するために ・ 抗菌薬の適正使用 ・ 院内感染の防止対策 これまでの内容をまとめます。 現在の耐性菌問題としては、ほとんどの抗菌薬が効かない多剤耐性菌が問題となっています。 耐性菌発生や院内感染を防止するために行うべきこととしては「抗菌薬の適正使用」、「院内感染の防止対策」があります。 これにより、患者さんや医療従事者にとって不幸な感染症を防ぐことができます。また、医療訴訟を未然に防ぐことにも繋がります。 患者さんや医療従事者にとって不幸な感染症を防ぐ 医療訴訟を未然に防ぐことにも繋がる 役に立つ薬の情報~専門薬学