平成29年度全国学力・学習状況調査の結果を 踏まえた指導の改善・充実に向けた説明会 「算数科における指導改善のポイント」

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平成29年度全国学力・学習状況調査の結果を 踏まえた指導の改善・充実に向けた説明会 「算数科における指導改善のポイント」 平成29年10月11日(水) 於:群馬県生涯学習センター 群馬県教育委員会  義務教育課 教科指導係 帖佐 一 

◎H29全国学力・学習状況調査  算数A問題【平均正答率】 群馬県公立【78%】 全国公立【78.6%】 児童質問紙 調査問題の回答時間は十分だった【89%】→【全国比:2P↑】 算数B問題【平均正答率】 群馬県公立【44%】 全国公立【45.9%】 児童質問紙 調査問題の回答時間は十分だった【50%】→【全国比:2P↓】 ◎算数A問題については、全国の平均正答率とほぼ同様。 〇時間も十分と回答。 ◎算数B問題については、全国の平均正答率よりも2P程度低い。 〇時間が不十分と回答。

◎H29全国学力・学習状況調査 【群馬県】児童質問紙 ◎H29全国学力・学習状況調査             【群馬県】児童質問紙 ◎算数の勉強が好き【70%】→【全国比:4P↑】 ◎算数の授業内容がよく分かる【84%】→【全国比:3P↑】 ○算数の勉強は大切【93%】→【全国比:1P↑】 ☆新たな問題に出会ったとき、それを解いてみたいと思う 【77%】→【全国比:2P↑】 ☆解き方が分からないとき、諦めずに色々な方法を考える 【82%】→【全国比:1P↑】 ☆算数で学習したことを生活の中で活用できるかを考える 【70%】→【全国比:1P↑】 群馬県の児童は、全国の児童よりも算数の勉強が好き、授業内容もよく分かる。 意欲をもって粘り強く取り組むとともに学習したことを活用しようとしている。

◎H29全国学力・学習状況調査 から見える“群馬の児童の姿” ◎H29全国学力・学習状況調査       から見える“群馬の児童の姿”  〇群馬県の児童は、全国の児童よりも算数の勉強が好き。 〇授業内容もよく分かる。 〇意欲をもって粘り強く取り組むことができる。 〇学習したことを活用しようとしている。 学習意欲をもって、学びに立ち向かっている。 ◎算数の「主として『知識』に関する問題」は全国並。 ◎算数の「主として『活用』に関する問題」に課題。 算数A、Bともに例年と同じ傾向。 〇もっている知識・技能等を実生活の様々な場面に活用することができるようにする  授業実践を行うことが大切。 ☆数学ができるようになりたい【中:92%】

数学的に考えることの楽しさを実感している子どもの育成 ◎算数指導で目指したい子どもの姿 数学的に考えることの楽しさを実感している子どもの育成 楽しさを実感している子どもの姿 ・なぜ?なんだろう?不思議?と疑問に思う。 ・問われていることを整理できる。 ・どの考え(既習事項)が使えそうか?と考えられる。 ・自分なりに解決の道筋を考えられる。 ・他にもっとよい(分かりやすい、誰にでも分かる、いつでも使える)考えはないの?  と考えられる。 ・他の人を説得できる結論が説明できる。など 算数科では考えることが楽しい子を育てたい。 考えるときに算数を使う子どもになってほしい。

「算数科における指導改善のポイント」 【全国学力・学習状況調査 算数A2(3)より】 算数A2(3) 群馬県平均正答率【59.9%】 「算数科における指導改善のポイント」         【全国学力・学習状況調査 算数A2(3)より】 算数A2(3) 群馬県平均正答率【59.9%】 ↓【-6.7%】 全国平均正答率【66.6%】 ○加法と乗法の混合した整数と小数の計算ができるかどうかを見る問題。 H19(10年前)と同じ問題を今年度実施 群馬県平均正答率 【H19→H29】 →【-5.2%】 全国正答率との差【H19→H29】 →【-2.9%】

「算数科における指導改善のポイント」         【解答類型(想定される児童の解答)】 【解答例】 6+0.5×2 =6+1 =7

「算数科における指導改善のポイント」 算数A2(3) 群馬県平均正答率【59.9%】 ↓【-6.7%】 全国平均正答率【66.6%】 「算数科における指導改善のポイント」         算数A2(3) 群馬県平均正答率【59.9%】 ↓【-6.7%】 全国平均正答率【66.6%】 【解答例】 6+0.5×2 =6+1 =7 【誤答例①】 6+0.5×2 =6.5×2 =13 【誤答例②】 6+0.5×2 =1.1×2  (11×2) =2.2(22) およそ980人 (群馬県の6年生) 群馬の反応率 【22.2%】 ↓【+4.9%】 全国の反応率 【17.3%】 群馬の反応率 【6.0%】 ↓【+0.9%】 全国の反応率 【5.1%】 およそ3,700人 (群馬県の6年生) 40人学級で約9名

「算数科における指導改善のポイント」 教師の声かけ:計算は左から順番に! 教師の声かけ:計算は筆算でする! 【誤答例①】 「算数科における指導改善のポイント」         教師の声かけ:計算は左から順番に! 教師の声かけ:計算は筆算でする! 教師の声かけ:筆算(加減)は右をそろえる! 【誤答例①】 6+0.5×2 =6.5×2 =13 教師の声かけ:筆算(乗法)は右をそろえる! 【誤答例②】 6+0.5×2 =1.1×2  (11×2) =2.2(22) 教師の声かけ:筆算(小数)は位をそろえる! 教師の声かけ:乗法を先に計算する!

教師の声かけ:筆算(加減)は右をそろえる! 「算数科における指導改善のポイント」         【誤答例①】 6+0.5×2 =6.5×2 =13 教師の声かけ:計算は左から順番に! 0.5×2+6 なら間違えない 【誤答例②】 6+0.5×2 =1.1×2  (11×2) =2.2(22) 教師の声かけ:計算は左から順番に! 教師の声かけ:筆算(加減)は右をそろえる! 教師の声かけ:計算は筆算でする!    6 +0.5 1.1 1.1×2=2.2

「乗法を先に計算する!」を身に付けるためには… 「算数科における指導改善のポイント」         「乗法を先に計算する!」を身に付けるためには… 反復練習を繰り返せばよいのでしょうか?

四則演算の定着を目指し、 計算の仕組みの本質を身に付けさせる(授業改善) 【活動例:4年「計算の仕方を考えよう」】 〔問題〕図のようにおはじきを並べました。おはじきは何個あるでしょうか?  【児童の素朴な発想】  2×3=6と3×4=12で  6+12=18だから・・・・  先生!答えは18個だよ! このような児童が4年生までに身に付けてきている数学的な考え方をより豊かにしていく授業を展開する。  第4学年では,単に式に慣れさせるだけではなく,数量の関係を四則の混合した式や,( )を用いた式に表し,式を適切に用いることができるようにすることをねらいとする。(中略)  一つの式に表すことには,数量の関係を簡潔に表すことができるなどのよさがあることが分かるようにし,四則を混合させたり( )を用いたりして一つの式に表すことができるようにすることが大切である。  【学習指導要領解説 算数編(H20.8月)抜粋】 〔めあて〕 一つの式で表された考え方を探ろう

【活動例:4年「計算の仕方を考えよう」】 ① 5×3+3 ② 3+5×3 四則演算の定着を目指し、 計算の仕組みの本質を身に付けさせる(授業改善) 【活動例:4年「計算の仕方を考えよう」】 〔めあて〕 一つの式で表された考え方を探ろう 【解決したい課題】 左から計算してしまう! 問題場面を二つ準備し、一つの式に表す活動(自力解決)を行い、意図的に取り上げた二つの式を基に、話し合い活動を実施する。 二つの図から①②の式を取り上げ考え方の違いを話し合わせることは、「計算の順序やきまりがある」ことを実感することにつながる。 ① 5×3+3 ② 3+5×3

【活動例:4年「計算の仕方を考えよう」】 例 5×3+3 ① 2×3+3×4 ② 5×4-2 四則演算の定着を目指し、 計算の仕組みの本質を身に付けさせる(授業改善) 【活動例:4年「計算の仕方を考えよう」】 〔めあて〕 一つの式で表された考え方を図で表そう 【ねらい】数量の関係を式に表したり,式を読み取ったりする力を伸ばす 例 5×3+3 ① 2×3+3×4 ② 5×4-2 児童の振り返り:乗法は一つの数のまとまり。 児童の振り返り:乗法を先に計算する。 児童の振り返り:合わせる考え方と全体からひく考え方がある。 式を、答えを出すためだけに活用するのではなく、思考を表現する道具として扱わせる。

【系統を意識した指導の必要性】 四則演算の定着を目指し、 計算の仕組みの本質を身に付けさせる(授業改善) 【ねらい】数量の関係を式に表したり,式を読み取ったりする力を伸ばす 【系統を意識した指導の必要性】 小2下「九九をつくろう」 小4下「広さを調べよう」 小5下「かさの表し方を考えよう」  【数学的な見方や考え方】  3×2=6  6×3=18  6+18=24 〇かけ算のよさ 〇まとまりの理解  【数学的な見方や考え方】  4×6ー2×3=18 〇一つの式に表現するよさ 〇計算のきまりの理解 〇多様な考え方の理解  【数学的な見方や考え方】  8×4×6+8×5×4 =352 〇多様な考え方から、より  よい考え方を見いだすよさ 〇計算の工夫の理解

☆1年生が学習する順番に並べてみましょう! 【算数学習の系統のとらえ方の例】 小学校1年生の学習(足し算) ① 5+3            ② 9+4           ③ 0+2 ④ 3+2+4         ⑤ 10+5          ⑥ 3+2 ⑦ 7+3            ⑧ 50+20         ⑨ 12+3  ☆1年生が学習する順番に並べてみましょう! ・大学入試改革、採点のしやすさで迷走している感。入試で出題されるのが、最も現実的に変化をさせやすいのは確か。 ただ、そもそも入試で出題されるから、大事なわけではない。昔の知識・技能の習得重視の時代から、大事にすべきことは変わってはいない。 ・論点整理について、「資質・能力」の捉え方、評価規準のあり方、算数・数学科で目指す方向性について ⑥ → ① → ⑦ → ③ → ⑤ → ⑨ → ④ → ② → ⑧ ② 9+4  9+4 ① ③ ⑩  9+4=9+1+3 さくらんぼ算?  9+4=3+6+4

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【全国学力・学習状況調査 算数B5より】 「最大の満月の直径」と「最小の満月の直径」を比べたとき、 「最小の満月の直径」をもとにすると、「最大の満月の直径」 は約14%長いです。 【全国学力・学習状況調査H29B5】

【全国学力・学習状況調査 算数B5より】 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【全国学力・学習状況調査 算数B5より】  「最大の満月の直径」と「最小の満月の直径」を1円玉の直径としたときに、「最小の満月の直径」をもとにして14%長くなっている「最大の満月の直径」は、100円玉と500円玉のどちらの直径に近いですか。  選んだ硬貨のほうが、 「最大の満月の直径」に近いと考えたわけを、言葉や式を使って書きましょう。 【全国学力・学習状況調査H29B5(2)】 算数B5(2) 群馬県平均正答率【10.3%】 ↓【-2.9%】 全国平均正答率【13.2%】 比べる 違い(差)で比べる? 割合(比)で比べる? H29年度の全国学力・学習状況調査で最も低い平均正答率 群馬県においても全国においても課題

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【全国学力・学習状況調査 算数B5より】 「最小の満月の直径」をもとにして「最大の満月の直径」が14%長いことを表しているものを選びなさい。 【全国学力・学習状況調査H29B5(1)】 算数B5(1) 群馬県平均正答率【64.8%】 ↓【-0.2%】 全国平均正答率【65.0%】 およそ1,500人 (群馬県の6年生) 40人学級で約4名 回答1、2の反応率 【9.3%】

【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善)  【児童の素朴な発想】  20% → 0.2   増量 → 多くなる  かさ(量)と割合(百分率)?  家で使っていたせんざいの20%増量した せんざいが売られていました。 そのせんざいは480mLです。 家で使っていたせんざいは何mLですか。 【全国学力・学習状況調査H27B2(2)】  このような児童が5年生までに身に付けてきている数学的な考え方を的確に表現できるようしていく授業を展開する。 日常の事象とは、せんざいのことではなく20%増量するという算数的な内容のこと

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 家で使っていたせんざいの20%増量した せんざいが売られていました。 そのせんざいは480mLです。 家で使っていたせんざいは何mLですか。 【全国学力・学習状況調査H27B2(2)】 割合の学習指導に関して、改善・充実を要する事項 ① 割合の意味についての理解    ② 基準量・比較量・割合の関係についての理解 ③ 百分率の意味についての理解  ④ 量を表す数と割合を表す数についての理解 【H29全国学力・学習状況調査 報告書より】

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 〔問題〕1ふくろ45g入りのおかしを、            して売ろうと考えています。     1ふくろは何gですか。       に当てはまる条件カードを準備しました。 教師の声かけ:隠れていて見えないね。20何かな? 20     【児童の発想】  「20g減らして」  【児童の発想】  「20g増やして」  【児童の発想】  「20%減らして」  【児童の発想】  「20%増やして」 違い(差)で比べる 割合(比)で比べる

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 〔問題〕1ふくろ45g入りのおかしを、            して売ろうと考えています。     1ふくろは何gですか。 20g増量  【児童の発想】  ・45+20=65 ・65gです。   【児童の発想】 ・これは簡単だよ。  【児童の発想】  ・20g減量もできます。   児童の発想を大切にした授業展開を意識し、難しい概念を構築できるように下準備を行うことが大切。  学ぶべき内容を全体で共有するためにも既習事項や多くの児童が考えるであろう実態を授業で確認する。

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 〔問題〕1ふくろ45g入りのおかしを、            して売ろうと考えています。     1ふくろは何gですか。 20%増量  【児童の素朴な発想】  20% → 0.2   増量 → 多くなる  重さ(量)と割合(百分率)?  教師の声かけ:1ふくろは45gよりも重いですか?  【児童の発想】・増量だから重くなると思います。 教師の声かけ:売っている重さとはじめの重さの関係を図や言葉で表してみましょう。 〔めあて〕 もとの量と増える量の関係を図や言葉で表してみよう

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 〔問題〕1ふくろ45g入りのおかしを、            して売ろうと考えています。     1ふくろは何gですか。 20%増量 〔めあて〕 もとの量と増える量の関係を図や言葉で表してみよう 示された情報や場面から、基準量(もとになる量)、比較量(比べられる量)、割合の関係を的確に捉えることを重視する。 ☆計算で答えを求めるのは次の課題。

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 〔問題〕1ふくろ45g入りのおかしを、            して売ろうと考えています。     1ふくろは何gですか。 20%増量 〔めあて〕 もとの量と増える量の関係を図や言葉で表してみよう  【児童の発想】・20%増量→何g増量?  45×0.2=9 はじめの重さから9g増量  重さは、45+9=54 54gだ。 教師の声かけ:1つの式で表せないかな?  【児童の発想】・ここが、増えた所。  【児童の発想】・45×1+45×0.2→分配法則!  ・45×(1+0.2)=45×1.2 で表せるはず。 【児童の発想】・20%減量はどうなるのかな?→ 図で減った所を確認してみよう

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【活動例:5年「比べ方を考えよう」】 〔問題〕1ふくろ45g入りのおかしを、            して売ろうと考えています。     1ふくろは何gですか。 20%減量 〔めあて〕 もとの量と減る量の関係を図や言葉で表してみよう 【児童の発想】・20%減量はどうなるのかな?→ 図で減った所を確認してみよう。  【児童の発想】・20%減量→何g減量?  45×0.2=9 はじめの重さから9g減量  重さは、45ー9=36 36gだ。  【児童の発想】・前の学習とつながるな。 教師の声かけ:1つの式で表せないかな?  【児童の発想】・45×1ー45×0.2           ・45×0.8 で表せるはず。

割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 日常の事象における数量の関係を 割合を用いて考察できるようにする(授業改善) 【全国学力・学習状況調査 算数B5より】 「最大の満月の直径」と「最小の満月の直径」を比べたとき、 「最小の満月の直径」をもとにすると、「最大の満月の直径」 は約14%長いです。 【全国学力・学習状況調査H29B5】 【児童の発想】・14%長いはどうなるのかな?→ 図で確認してみよう 【児童の発想】 ・   が長いところ。 【児童の発想】 ・もとの長さより何cm長いのかな。 【児童の発想】 ・もとの長さは100%。比べる長さは114%? 教師の声かけ:どちらが正しく 表した図なんだろう? 【児童の発想】 ・1めもりは何%だろう 【児童の発想】 ・1つの式で表すと。

活用する力を伸ばす「評価資料集」Ⅰ・Ⅱについて 平成27年3月 活用する力を伸ばす「評価資料集」Ⅱ 平成28年1月 「問い」の視点の参考になるよう 活用する力を伸ばす「評価資料集」 (CD-R版、冊子版)の配付・活用 ・「評価資料集Ⅱ」もちろん、このまま使っていただいてかまわないが、授業のめあてにそった評価問題の大切さを先生方に実感してほしい。今回は、一太郎やWord形式のデータも添付したので、子どもの実態や先生のねらいに合わせて、編集して利用してほしい。著作権の問題で、Web掲載はできないが、市町村によっては共有サーバ等に保存しておき、管内の先生方が利用できるようにしていただいている市町村もあるようだ。中学校の先生にもぜひ見てほしい。(じゃあ、配れと言われそうだが) ・大事なのは、意識して「指導と評価の一体化」を図ること。そのためには、業者テストだけでなく、特に、思考力・判断力・表現力を評価する際には、自分で評価問題や適用問題をつくってやらせてほしい。 ・全国学テの分析は、もう多くの市町村や学校で行われていると思う。県でも資料を作成するので、それぞれの分析資料と併せて活用してほしい。分析も多様な側面から見ていくことの価値は高い。

◎「評価資料集」を活用した 授業改善の方法について ◎「評価資料集」を活用した       授業改善の方法について ・この間見たサスペンスの塾講師の言葉。「数学なんて社会と一緒。このやり方を覚えれば全部できるようになる。」他の同僚教師「先生、わかりやすいって評判ですよ」  数学にも社会にも失礼。受験で終わる勉強なんて全く意味なし。

【解答例】 ・この間見たサスペンスの塾講師の言葉。「数学なんて社会と一緒。このやり方を覚えれば全部できるようになる。」他の同僚教師「先生、わかりやすいって評判ですよ」  数学にも社会にも失礼。受験で終わる勉強なんて全く意味なし。

【解答?】 ・この間見たサスペンスの塾講師の言葉。「数学なんて社会と一緒。このやり方を覚えれば全部できるようになる。」他の同僚教師「先生、わかりやすいって評判ですよ」  数学にも社会にも失礼。受験で終わる勉強なんて全く意味なし。

◎「評価資料集」を活用した 授業改善の方法について ◎「評価資料集」を活用した       授業改善の方法について ・リーフレットを参照しながら。

◎学力向上を目指す授業改善を行うために 授業者に期待すること    ◎学力向上を目指す授業改善を行うために             授業者に期待すること ○解けているけど、実はわかっていないという  ことを認識を。 (児童の実態に応じた丁寧な授業へ) 何ができるか、どこまで身に付いているか ○授業の子どもとのやりとり、練習問題や  評価問題、単元テスト、いずれにおいても、  考え方を「問う」ことを大切な視点にできる  授業づくりを。 【H29年度学校教育の指針指導の重点の実践】

◎学力向上を目指す授業改善を行うために (組織的に取り組むための一歩) ①目標「めあて」を提示しましょう。 ※なぜ、「めあて」を提示するのか? 本時は、どんな内容について、 ○どんな知識・技能の習得を目指すのか、 ○どんな視点(手だて)で考えていくのか、 ○ワクワク(考えてみよう!)と意欲がわくか、 を共通理解させ集団で学ばせるため。 ※集団で学ぶ意義は、共通の視点で考え、思考を高め、深めること。 ・この間見たサスペンスの塾講師の言葉。「数学なんて社会と一緒。このやり方を覚えれば全部できるようになる。」他の同僚教師「先生、わかりやすいって評判ですよ」  数学にも社会にも失礼。受験で終わる勉強なんて全く意味なし。

◎学力向上を目指す授業改善を行うために (組織的に取り組むための一歩) ②授業の終わりに 「ふりかえり」をしましょう。 ※なぜ、「ふりかえり」を実施するのか? 本時で学んだことを「子どもの言葉(姿)で」ふりかえる ことで、 ○定着問題や発展問題に取り組ませ、本当に分かったかを確認する。(一人で宿題ができる自信へ) ○わかったこと、まだわからないことを明確にする。 (集団での学びを個の学びへの再構築へ) ※個で“分かった”“できる”を高めることが学びの本質。 ・この間見たサスペンスの塾講師の言葉。「数学なんて社会と一緒。このやり方を覚えれば全部できるようになる。」他の同僚教師「先生、わかりやすいって評判ですよ」  数学にも社会にも失礼。受験で終わる勉強なんて全く意味なし。

おわりに