循環器系.

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メタボリックシンドロームの考え方. 危険因子の数と心臓病のリスク 軽症であっても「肥満(高 BMI )」、「高血圧」、「高血糖」、「高トリグリセリド(中性脂肪) 血症」、または「高コレステロール血症」の危険因子を2つ持つ人はまったく持たない人に比べ、
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代謝経路の有機化学 細胞内で行われている反応→代謝 大きな分子を小さな分子に分解→異化作用 第一段階 消化→加水分解
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解糖系 グルコース グルコキナーゼ(肝) ヘキソキナーゼ(肝以外) *キナーゼ=リン酸化酵素 グルコース6-P グルコースリン酸イソメラーゼ
第1章:ATIS(アテローム血栓症)とは? atherothrombosis
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8章 食と健康 今日のポイント 1.食べるとは 何のために食べるのか? 食べたものはどうなるのか? 2.消化と吸収 3.代謝の基本経路
輸血の生理学 大阪大学輸血部 倉田義之.
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イオン透過性の差をもたらす機構 ・チャネルにはイオン選択性がある。 ・チャネルは常に開いているものばかり ではない(開閉の制御機構がある)。
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学習目標 【1.ショック】 1.ショックとは何かを説明できる. 2.ショックの原因を分類できる. 3.ショックの段階を説明できる. 4.ショック時の観察ポイントを説明できる. 5.ショックへの対応の流れと治療の原則が説明できる. 【2.意識障害】 1.意識障害とは何かを説明できる. 2.意識障害の原因を分類できる.
研究内容紹介 1. 海洋産物由来の漢方薬の糖尿病への応用
生命科学特論B 第4回 神経伝達方式の違いと行動の変容 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
循環器系.
1月19日 シグナル分子による情報伝達 シグナル伝達の種類 ホルモンの種類 ホルモン受容体 内分泌腺 ホルモンの働き.
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カルビンーベンソン回路 CO23分子が回路を一回りすると 1分子のC3ができ、9分子のATPと 6分子の(NADH+H+)消費される.
生命科学基礎C 第6回 シナプス伝達の修飾 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
化学1 第12回講義        玉置信之 反応速度、酸・塩基、酸化還元.
●食物の消化と吸収 デンプン ブドウ糖 (だ液中の消化酵素…アミラーゼ) (すい液中の消化酵素) (小腸の壁の消化酵素)
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消化器の解剖 消化器系とは、食物を摂取し、分解し、腸管で吸収した後、食物残渣を排泄する器官である。
個体と多様性の 生物学 第11回 外界の刺激の受容 和田 勝 東京医科歯科大学教養部.
・神経とは ・神経細胞の発生 ・神経細胞の構造 ・膜電位生成 ・伝導のしくみ
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諏訪邦夫 (当時東京大学医学部麻酔学教室所属)
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循環器系

4.心臓血管系 機能形態学

1) 心臓 Heart

心臓の拍動と弁のはたらき

心臓弁の開閉

刺激伝導系 excitation-conduction system (AV node) (SA node)

房室結節(田原の結節) Atrio-Ventriclar node 田原 淳 Sunao Tawara (Tahara) (1873-1927) 1903年 東京大学を卒業後に私費でドイツへ留学。 マールブルグ大学病理学教室で Ludwig Aschoff に師事。 1906年 田原の結節を発見し、”Das Reitzleitungssystem des Saugetierherzens”という論文を発表。 神経原説 (”神経が毎回命令を出して心臓を動かしている”という説)と筋原説 (”神経とは関係なく筋肉が心臓を動かしている”という説) の論争に終止符 Sunao Tawara studied at the Imperial University in Tokyo, graduating there in 1901, Igaku Hakushi 1908. The years 1903 to 1906 he spent in Marburg studying pathology and pathological anatomy with Karl Albert Ludwig Aschoff (1866-1942). It was here he undertook his important works on the anatomy and pathology of the heart. When returning to Japan he was appointed extraordinary professor of pathology in Fukuoka, becoming ordinarius of this specialty in 1908.

心電図 Electrocardiogram (ECG) P波:心房の脱分極を意味し、これによって心房が収縮する。 QRS波:心室筋の脱分極を表し、心室筋が収縮する。 T波:心室の再分極を表す。

スターリングの法則 「心筋は弛緩期に伸展していればいるほど強い収縮力を発生する」 Starling Ernest Henry Starling(1866-1927)イギリスの生理学者 スターリングの法則をスターリング本人は 「心筋の収縮エネルギー(仕事)は心筋線維の初期長に比例する」と表現した。 この法則は共同研究者のO.Frankと共に、1900年-1914年にかけて発見したので本来は”フランク-スターリングの法則”と呼ばれるが、どういうわけかフランクの名前は省略されることが多く見受けられる。

心臓の機能 血圧 脈

脳による心臓の統御 圧受容器・化学受容器を介する動脈血圧の調節 動脈血圧 圧受容器 中枢 化学受容器 交感神経 効果器 迷走神経

自律神経系よる心拍数の調節

神経を刺激すると伝達物質が放出される

自律神経の作用

動脈

静脈

毛細血管

血管内皮細胞による血管平滑筋の調節 血管内皮細胞による血小板凝集・血液凝固反応の抑制(血栓形成の防御) NO, PGI2 血管内皮細胞(endothelial cells: EC)による血管平滑筋の収縮・弛緩の制御   NO, エンドセリンendothelin L-アルギニン 血管内皮細胞由来弛緩因子 (EDRF) Ca2+ NO 合成酵素 内皮細胞 endothelium derived relaxing factor NO 一酸化窒素NO  血管内皮細胞(endothrial cells:EC) 血管平滑筋 GC 血管内皮細胞由来収縮因子 エンドセリン 生理効果 cGMP GTP タンパク質りん酸化 Gキナーゼ

特殊循環(1) ウィリスの動脈輪 (Circle of Willis) 脳循環調節 全酸素消費量の20%を占める。   酸素貯蓄はなく嫌気的代謝では正常機能を維持できないので,持続的な血流(心拍出量の15%)を必要とする。   【脳血流調節物質】 ★一酸化窒素NO ★水素イオンH+  代謝によりH+が産生され,細胞外濃度が上がると,血管抵抗が下がり血流が増加する。このpHの影響は脳血流量のCO2に対する反応において重要である。CO2はBBBを通過して拡散し、脳細胞周囲の間質液のpHを下げる。これに対して、代謝性アシドーシスではH+や不揮発性の酸はBBBを通過できないので脳血管抵抗に影響しない。 ★ K+  細胞周囲のKが増えると動脈は拡張する。

特殊循環(2) 門脈循環(portal circulation) 胎児循環(fetal circulation)   卵円孔 (foramen ovale)   臍動脈・臍静脈 (umbilical artery/vein)

循環調節 レニン・アンジオテンシン系 (Renin-Angiotensin System: RA 系)

高血圧 高血圧の定義 高血圧の種類

メタボリックシンドローム (代謝異常症候群、内臓脂肪症候群 ) (代謝異常症候群、内臓脂肪症候群 ) インスリン抵抗性、内臓肥満、高中性脂肪血症、高血圧などの危険要因が重複すると、危険度がさらに高くなることからこう名付けられた。