医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○芝垣 友美 大前 利道 小腸カプセル内視鏡を導入してみて 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○芝垣 友美 大前 利道 よろしくお願いいたします。
目 的 ①上部内視鏡検査および下部内視鏡検査にて 明らかにされない出血原因の究明 ②小腸疾患の有無の検査 目 的 ①上部内視鏡検査および下部内視鏡検査にて 明らかにされない出血原因の究明 ②小腸疾患の有無の検査 患者様に負担の少ないカプセル型の内視鏡で検査することで、迅速な治療につなげる。 目的です。 この度当院では、上部内視鏡検査および下部内視鏡検査にて明らかにされない出血原因の究明や、小腸疾患の有無を患者様に負担の少ないカプセル型の内視鏡で検査し、迅速な治療につなげるため、小腸カプセル内視鏡を導入いたしました。今日までに検査を実施した方の症例報告と便潜血検査の有用性について検討いたしました。 小腸カプセル内視鏡を導入し、今日までに検査を実施した方の症例報告および便潜血検査の有用性について検討。
対 象 【期間】 2014年8月1日のカプセル内視鏡導入日より11月31日までの4ヶ月間 【対象者】 対 象 【期間】 2014年8月1日のカプセル内視鏡導入日より11月31日までの4ヶ月間 【対象者】 当院外来受診者で、小腸カプセル内視鏡検査実施適応となった7名 対象です。期間、対象人数に抄録と相違がございますので、スライドにて訂正させて頂きます。 対象期間は2014年8月1日に検査導入してから11月31日までの4ヶ月間です。対象者は、当院外来受診者で、小腸カプセル内視鏡検査実施適応となった患者様7名です。 3
保険収載・適用基準 2007年10月より保険適用: 2012年7月より適用拡大: 原因不明消化管出血を伴う小腸疾患患者(上部内視鏡検査、下部内視鏡検査にて異常を認めないもの) 2012年7月より適用拡大: クローン病などの小腸疾患既知、または疑い患者、小腸狭窄病変も使用可能 (パテンシーカプセルによる開通性評価も保険適用に) 小腸カプセル内視鏡の保険適用については、2007年10月に原因不明の消化管出血を伴う小腸疾患患者について適用が開始されました。2012年7月には、クローン病などの小腸疾患既知、または疑い、小腸狭窄病変にも適用が拡大されています、同時にパテンシーカプセルによる開通性評価も保険適用になっています。 4
方 法 ① 【使用機器】 ギブン・イメージング株式会社 PillCamSB3カプセル PillCamレコーダDR3 方 法 ① 【使用機器】 ギブン・イメージング株式会社 PillCamSB3カプセル PillCamレコーダDR3 RAPID8for PillCamソフトウエア システムPC画面 方法です。 ギブン・イメージング株式会社 PillCamSB3カプセル PillCamレコーダDR3 RAPID8for PillCamソフトウエア、 を使用しています。 5
方 法 ② 小腸カプセル内視鏡検査実施方法 (飲食・服薬等注意事項) 検査前日:夕食は9時までに済ませる。 方 法 ② 小腸カプセル内視鏡検査実施方法 (飲食・服薬等注意事項) 検査前日:夕食は9時までに済ませる。 それ以降は服薬等に必要な少量の水のみにとどめる。 喫煙は検査24時間前より控える。 鉄剤の服薬は1週間前より中止する。 検査当日:食事は控える。必要な服薬は検査の2時間前までに済ませる。(降血糖薬は服薬禁止) 検査装置装着・カプセル嚥下後: 飲水は2時間後から、食事は4時間後から可能。 当院における小腸カプセル内視鏡検査の事前準備と飲食、服薬等の注意事項です。 検査前日は、夕食は午後9時までに済ませそれ以降は服薬等に必要な少量の水のみにとどめる。喫煙は検査24時間前より控えていただきます。鉄材の内服は色素沈着があるため1週間前より中止していただきます。検査当日は、検査前の食事はできません。必要な服薬がある場合は検査2時間前までに済ませていただきます。降血糖薬の服用は禁止です。検査装置装着、カプセル嚥下後は、2時間後よりお水をお飲みいただけます。食事は4時間後から可能です。 6
方 法 ③ 検査の流れ 画像を記録する 画像を解析する PillcamSB3 カプセルを飲む 検査の簡単な流れです。 方 法 ③ 検査の流れ PillcamSB3 カプセルを飲む 画像を記録する 検査の簡単な流れです。 まず。センサーコードとレコーダーを装着し、PillcamSB3カプセルを飲んでいただきます。画像を記録し、検査終了後画像を記録します。 検査はカプセルが排出されるか、レコーダの充電がなくなる16時間が過ぎた時点で終了です。 画像を解析する 7
結 果 ① 検査件数:7件 実施者症状内訳: ○便潜血検査陽性:2名 ○腹部症状(下痢、腹痛、便秘、嘔吐):4名 ○血便:1名 結 果 ① 検査件数:7件 実施者症状内訳: ○便潜血検査陽性:2名 ○腹部症状(下痢、腹痛、便秘、嘔吐):4名 ○血便:1名 ○特になし:1名 結果です。 対象期間で小腸カプセル内視鏡検査を7件行いました。 実施者の症状内訳は、便潜血検査陽性2名、下痢、腹痛、便秘、嘔吐などの吹く症状がある者4名 血便1名、特になし1名でした。 8
結 果 ② 有所見者:3名 便潜血陽性者 1名 所見内容: リンパ管拡張、発赤、小腸びらん 小腸出血、小腸潰瘍、小腸狭窄 その内 結 果 ② 有所見者:3名 便潜血陽性者 1名 その内 所見内容: 小腸出血、小腸潰瘍、小腸狭窄 リンパ管拡張、発赤、小腸びらん そのうち有所見者は3名で、その内便潜血検査陽性者が1名でした。 所見内容としては小腸出血、小腸潰瘍、小腸狭窄、リンパ管拡張、発赤、小腸びらんでした。 この中で、小腸出血、潰瘍、狭窄があった方の症例をご紹介させていただきたいと思います。 9
症 例 ○69歳 男性 空腸癌 腹腔鏡下にて空腸部分切除術が行われ無事退院 小腸出血、小腸潰瘍、小腸狭窄 小腸カプセル内視鏡検査 までの経緯 症 例 ○69歳 男性 小腸カプセル内視鏡検査 までの経緯 平成25年他院にて健診受診。貧血指摘。上部内視鏡検査および下部内視鏡検査実施。貧血の原因となる所見なく、原因不明。 平成26年当院にて特定健診、がん検診受診。極度の貧血、便潜血陽性。上部下部内視鏡検査で異常なしであったので、小腸カプセル内視鏡検査適応と判断。実施。 結果 小腸出血、小腸潰瘍、小腸狭窄 精密検査結果 (ダブルバルーン内視鏡) 紹介先にて実施 空腸癌 69歳男性です。小腸カプセル内視鏡検査までの経緯は平成25年に他院にて健診を受診され貧血を指摘されました。同施設にて上部内視鏡検査および下部内視鏡検査実施しましたが貧血の原因となる明らかな所見はなく、原因不明ままでした。 平成26年当院にて特定健診、がん検診を受診されました。極度の貧血、便潜血陽性を認めました。同年に上部下部内視鏡検査で異常なしであったので、小腸カプセル内視鏡検査適応と判断し実施しました。 小腸カプセル内視鏡検査の結果は小腸出血、小腸潰瘍、小腸狭窄で、滞留ありでした。直ちに精密検査とカプセル回収のためご紹介し、紹介先病院にてダブルバルーン内視鏡を実施し、空腸癌と診断されています。現在は速やかに腹腔鏡下にて空腸部分切除術が行われ無事退院となっています。 腹腔鏡下にて空腸部分切除術が行われ無事退院 10
結果画像 ダブルバルーン内視鏡画像 こちらが実際の小腸カプセル内視鏡の画像とダブルバルーン内視鏡検査時の写真です。 11
考 察 ◎検査中、特に痛み・違和感なく、カプセル内視鏡の飲み 込みもスムーズ。 ◎8時間以上の絶食のみで下剤服用の必要がなく、患者様 考 察 ◎検査中、特に痛み・違和感なく、カプセル内視鏡の飲み 込みもスムーズ。 ◎8時間以上の絶食のみで下剤服用の必要がなく、患者様 への負担が少なく実施可能。 ◎検査導入から間もなく検査件数は少数だが、有所見者が あることは、小腸カプセル内視鏡検査が不明出血の原因 究明に有用。 ◎便潜血検査は大腸疾患だけでなく、小腸疾患のスクリー ニングとしての有用性がある。 検査中は、特に痛みや違和感はなく、カプセル内視鏡の飲み込みもスムーズであった。検査前も8時間以上の絶食のみで下剤服用の必要がないため、患者様への負担が少なく実施できる検査である。 検査導入から間もないため検査件数は少数だが、少ない件数の中で有所見者があったことは、小腸カプセル内視鏡検査が不明出血の原因究明に有用であると考える。 また、便潜血検査は大腸疾患だけでなく、小腸疾患のスクリーニングとしての有用性があると考える。 今後、小腸の狭窄によるカプセル内視鏡の滞留に配慮し、ご高齢の方や小腸狭窄が強く疑われる方には事前に消化管開通性評価を取り入れていきたいと考える。 今後、小腸の狭窄によるカプセル内視鏡の滞留に配慮し、ご高齢の方や小腸狭窄が強く疑われる方には事前に消化管開通性評価を考慮したい。 12
健康医療のアドバイス 便潜血検査は、大腸疾患だけではなく 小腸疾患の早期発見につながるので、 検査を受けましょう。 便潜血検査は、大腸疾患だけではなく小腸疾患の早期発見にもつながるので、検査実施を勧めていきましょう。 13
Thank you for your attention. ご静聴ありがとうございました。 Thank you for your attention. ごせいちょうありがとうございました。 14