医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○斉藤 智 堀内 純 沼本 美由紀 大前 利道 大前 由美

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特定保健指導初回面接の 効果的な話法 医療法人社団 新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○ 滑田 梨沙 村山 利恵子 佐藤 由紀子 川本 麻里 田村 美香子 堀内 純 大前 利道 大前 由美 沼本 美由紀.
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島根大学医学部附属病院 呼吸器内科 濱口俊一
「職場のメンタルヘルス」 ~当院における離職について~
当院健診施設における脂肪肝と糖尿病リスクの統計学的な検討
今回の調査からわかった主なことがら ○糖尿病で治療中の人の43.2%は健診で見つかっている ○健診で見つかった人は、合併症の発症率が低い
体重増加 短期間で 急に太った いつもと同じ食生活をしているのに… 定期的に運動をしているのに…
全身倦怠感 全身倦怠感はさまざまな病気にみられます 疲れやすい… だるい…
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磁気治療機器が、線維筋痛症患者の痛みを抑制 できるかどうかを検討する。 同時に機器の安全性を検討する。
高感度CRPの新たな有用性 ~H.pyloriにおける検討~
ホスピス外来における STAS-Jを活用した看護の実際
より多くの人に糖尿病予防の生活指導ができるように
第3回はままつCDE研究会 アンケート集計結果
午後に特定健康診査を行う ことによる収益性の検討
集中治療室入室経験者の その後の生活・人生について
本邦における「障害」の射程と 身体障害者手帳をめぐる問題
不眠の症状は4タイプあります 入眠障害 寝つきが悪い ぐっすり眠れない 中途覚醒 夜中に目が覚めてしまい その後なかなか眠れない 早朝覚醒
睡眠時無呼吸症候群 “昼間の眠気といびきのある方要注意!”
高LDLコレステロール血症患者の栄養指導上の問題点について
1.職場における産業保健活動 (1) 産業保健は予防医学
特定保健指導対象外である 受診勧奨者への 外来栄養指導の効果
脳血管障害 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 緊急処置 一般検査 画像検査 治療 診断
特定保健指導値の血糖100mg/dl、HbA1c5.2以上適用後のインスリン測定の意義
沼本 美由紀、 大前 利道、 大前 由美、 斎藤 智、 布施 智子、 滑田 梨沙、 田村 美香子、 永山 健二、 堀内 純
糖尿病 診断・治療の流れ 診断と治療の流れ 問診・身体診察 検査 診断 治療
健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン(概要)
改装によるサービス 向上への取り組み ~質の高い快適な空間作り~ 医療法人社団 新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 健診部
医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○田村 美香子 大前 利道 堀内 純 大前 由美 沼本 美由紀
独立行政法人国立病院機構 舞鶴医療センター認知症疾患医療センター 川島 佳苗
当院マンモグラフィー健診の推移 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○堀内 純 大前 利道 大前 由美
健診の腹部エコー検査で発見された 副腎腫瘤2症例の考察
すずかけの木通信 12月号 睡眠時無呼吸症候群 について
成功率90%の禁煙指導 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○田村 美香子 大前 利道 吉野 貴美子 大前 由美 宮本 由希
医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 発表演者 藤城真央
医療法人社団 新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 大前由美 大前利道 沼本美由紀 堀内純 金子仁美 株式会社メディカルネット 永山健二
CKD患者に対する食事記録が 食事療法に及ぼす効果の検討
医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○畠澤 千里、大前 利道 関根 未穂、長谷 佳織、 髙野 真衣、轉石 里美
スパイロメータを用いた COPDスクリーニング
特定保健指導に先駆けた 受診勧奨者への外来栄養指導
某健保契約の胸部CT検診報告 医療法人新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 南 香織 永山 健二 角谷 美佳 大前 利道 斉藤 智 大前 由美
健診におけるLDLコレステロールと HDLコレステロールの測定意義について~高感度CRP値との関係からの再考察~
血液透析患者の足病変がQOLに与える影響の調査 ~SF-36v2を使用して~
健診における携帯心電計使用 の有効性の検討
『前立腺がん検診』診療計画表(患者用) 精密検査医療機関 かかりつけ医 かかりつけ医 千葉県共用がん地域医療連携パス〈前立腺がん〉
医療法人社団 新虎の門会 新浦安虎の門クリニック 高山 弘美 大前 利道 大前 由美 沼本 美由紀  堀内 純  斉藤 智  滑田 梨沙 
特定保健指導のe-mailの 活用法について
受検者自身のデーターを使って 医療法人新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○大前利道 田村美香子 大前由美 沼本美由紀 堀内純
健診施設における デジタル心電計の有用性 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○布施 智子 大前 利道 大前 由美
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医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○長谷 佳織 大前 利道
医療法人社団 新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○斉藤智 大前利道 大前由美 沼本美由紀 田村美香子
40歳未満にも メタボリックシンドローム基準の適用を
医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○高須 妙子 大前 利道
2.介護に必要な「時間」に置き換えて「要介護度」を判定します。 聞き取った「心身の状況(5項目の得点)」から直接、「要介護度」を求めることはできません。病気の重さと必要な介護量は必ずしも一致しないからです。 そこで、調査結果をコンピュータに入力し、その人の介助にどのくらいの「時間」が必要なのかを推計することで、介護の必要量の目安としています。この「要介護認定基準時間」を用いて要介護度を判定します。
医療法人社団虎の門会 新浦安虎の門クリニック 堀内 純 永山 健二 大前 利通 沼本 美由紀 大前 由美
受診者のメンタルヘルスケア ~メンタルヘルス不全傾向の抽出~通常問診票から
あいち健康プラザ 健康度評価システムのコンセプト
事前指示書作成における当院血液透析患者の現状意思調査
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派遣先企業の皆様へ ご協力のお願い 聴くチカラ 伝えるチカラ 遂げるチカラ 律するチカラ
健診採血後の止血バンド 使用の有効性について
疫学概論 §C. スクリーニングのバイアスと 要件
人事労務 NEWS 令和元年 7月発行 休職の取扱いについて
救急車利用について.
映像を用いた 「からだ気づき」実習教材の開発
私のカルテ 発熱性好中球減少に対する予防的G-CSF製剤使用のための地域連携パス(通称:G連携)
Presentation transcript:

医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○斉藤 智 堀内 純 沼本 美由紀 大前 利道 大前 由美 ドック受検を契機に行う 睡眠時無呼吸検査 医療法人社団新虎の門会 新浦安虎の門クリニック ○斉藤 智 堀内 純 沼本 美由紀 大前 利道 大前 由美 まずはじめに、抄録の内容と本発表にその後の検討により若干の訂正が生じております。 あらかじめご了承ください。それではよろしくお願いいたします。

目的   いびき・無呼吸を訴えるドック受検者を対象に睡眠時無呼吸症候群(以下、SASとする)の発見・治療を目的とした簡易検査法の有用性についてスクリーニングを行ったので報告する 目的 現在睡眠時無呼吸症候群(以下、SASと略します)これは、日中の眠気・仕事の能率低下・産業事故・居眠り運転・などの社会的問題をもたらすことがわかっています。 しかし現状では自らの症状を病気として認識せず、検査を受け治療までにいたっていないケースが多いようです。  睡眠時無呼吸検査を受けるとするならば、最初は睡眠専門外来のある医療機関を訪れる人が多いようですが、そこで実施している検査は入院を必要とする終夜睡眠時ポリグラフィー(PSG)がほとんどです。 自分の病気に対して向き合おうとするものの、その検査は入院を必要とするので手間・時間を考えると、断念しているケースが見られるようです。 よって、健診施設としてドック受検者を対象に睡眠時無呼吸検査簡易法を実施することがどの程度有用性があるか検討したので報告します。

対象者 ・2006年7月~2007年6月 ・ドック受検者10099名 ・睡眠時無呼吸検査パルスリープを希望した 39名  ・2006年7月~2007年6月  ・ドック受検者10099名  ・睡眠時無呼吸検査パルスリープを希望した   39名 2006年7月から2007年6月までのドック受検者数は何人?→10099名 男5469名 女4630名 対象 対象者は2006年7月~2007年6月までのドック受検者 10099名で、その中で睡眠時無呼吸検査パルスリープを希望した39名について検討してみました。

使用機器 ・パルスリープS-100(フクダライフテック社) 鼻呼吸 SpO2 使用機器 今回睡眠時無呼吸検査の簡易法として使用した機器は、フクダライフテック社のパルスリープS100を使用しました。 この機器は、SpO2に加えて無呼吸の有無をみる鼻呼吸を測定することができる簡易測定器です。

方法 ・パルスリープS-100を用い無呼吸低呼吸指数(AHI)を指標 AASM学会基準 便宜上の分類 40以上 重傷度異常域 30以上 D群 20~40 中等度異常域 15~30 C群 5~20 軽度異常域 5~15 B群 0~5 正常域 A群 方法 方法はパルスリープS-100を用い無呼吸低呼吸 指数(以下、AHIと略します)これを指標とし、AからD群の4分類で検討しました。 右側に載せている便宜上の分類とは、簡易検査法のみでCPAP導入可能かどうかを判断するためのものです。 AHI5から20までの人だと、食事指導などを行ったり、経過観察を行う軽症の人です。20以上ですと要精密検査となる領域ですので、終夜睡眠検査を行っている医療機関を紹介します。しかし、そのほとんどの人たちはその施設への紹介を希望しませんでした。40以上ですと、CPAP保険適用になる領域です。 このようなことから、この分類を外来検査などで使用しています。 今回はAASM学会提唱の基準をもとに、 AHI0から5、5から15、15から30、30以上 でそれぞれ正常・軽度異常・中等度異常・重傷度異常に分けた分類を参考にしています。

結果 AASM学会 例数 割合 A群 正常 6例 16% B群 軽度 10例 26% C群 中等度 12例 32% D群 重症度 84% 成績 この結果より、いびき・無呼吸症状を訴えた38名中、B~D群の84%・・・約8割強のひとが睡眠時無呼吸症候群と診断されます。 そしてD群の割合が26%なので4人に1人は睡眠時無呼吸症候群の重症度域であることがわりました。 重症度域にあるひと9人中6人はCPAPを導入することができましたが、そのうち1名は診察するのに自宅から当クリニックが遠いと言う理由で、CPAP導入後1ヶ月ほどで辞退されました。 そのほかCPAPを導入しなかった3名について報告します。 1名はご本人様が希望しなかった為、導入断念。 次の1名は減量中とのことで、栄養指導による減量後、再検査を希望。 最後の1名は家族と相談してから決めるとのことで、そのご連絡なし。 でした。 9例中6例がCPAP導入 16% n=38

結語 ・健診施設で簡易スクリーニング →SASの発見・治療のきっかけ ・簡易検査法 →ドック受検者に有益 ・受検者の為の健診施設として  ・健診施設で簡易スクリーニング   →SASの発見・治療のきっかけ  ・簡易検査法   →ドック受検者に有益  ・受検者の為の健診施設として   →今後も受検者のメリットとなる事を提案 結語 簡易検査が睡眠時無呼吸症候群治療のきっかけとなるのは・・・B群からC群です 簡易法からCPAP導入をすることができたのは・・・D群です この結果により注目すべき点は、39人中32人 84%も睡眠時無呼吸症候群である人が存在したということです。 これは普段、症状が気になっていても精密検査を受けようと思う人があまり多くないことを示す結果ではないかと考えます。 ドック受検者が「検査を受けよう」と思うきっかけは、やはりできるだけ時間をかけずに、且つ簡単な方法であるこの簡易法が一般的には好まれると思います。 この検査を行う事で、自分の症状が病気であるかどうかを認識でき、その症状を改善できれば普段の生活がよりよいものになりえるだろうと考えられます。 よって、健診施設でこの検査を実施する事は、充分有用性があるものではないかと考えられます。 そして今後も受検者のメリットを最大限考え・実施する健診施設として、活動を行っていきたいと思います。

ご清聴ありがとうございます・・・