新聞(3) 新聞記者の仕事 1.新聞に求められる社会的役割 2.新聞記者の基本的な仕事 3.新聞記者向きの人 4.新聞記者は裁判に協力すべきか 5.新聞社は女性にとって働きやすいか
1.新聞に求められる社会的役割 新聞=第4の権力 社会的役割=報道の使命は、 ・世の中で起きていること ・将来の世の中 について、的確な事実を人々に広く伝えること。 この役割は、災害・戦争などで世の中が混乱してい る時に、特に重要。
2.新聞記者の基本的な仕事 新聞記者の仕事とは、 ・あらゆる分野の事柄を取材をし、 ・その結果を記事にまとめる、こと。 取材の対象は、 ・政治、経済、文化、芸能、スポーツなど、日々 起こっているあらゆる出来事。 ・受け手が関心を持つ事柄。 取材時の姿勢は、 ・受け手に代わって ・良心に従って ・公正な立場から
読者 ↑ 紙面 (ニュース感覚) 編集者・・・・・編集会議 原稿 記者・・・・・支局長・キャップ ↑ 情報源 図1 新聞のニュースが読者に届くまで
報道機関の関心 相克 読者の関心 報道機関の事情 ニュース 図2 ニュースが生まれる過程
3.新聞記者向きの人 Q1:どういう人が新聞記者に向いていると思いますか? ・平凡な生活を犠牲にできる人 ・私利私欲に負けない人(公私の区別) ・規則に従える人(←会社員) ・自分を表現するのが好きな人 ・人に会うのが好きな人 ・人の話を聞くのが好きな人 ・野次馬根性のある人 ・真実を見極められる人 ・人の信頼を裏切らない人(e.g.オフレコの取材)
4.新聞記者は裁判に協力すべきか 裁判は公正・迅速に行われるべき。 →被害者の救出 Q2:ある事件に関する取材によって知りえた情報や 証拠を記者は、検事や裁判所に提出すべきか? ×報道機関は捜査機関の下請けではない。 ×取材源の信頼・国民の信頼を失う。 しかし、現実には 「公正な裁判の実現」>「報道の自由」 という見方がされている。
5.新聞社は女性にとって働きやすいか (1)女性記者の採用比率の推移 男女雇用機会均等法公布以降、各社とも女性記者 を採用するようになった。 80年代末より、採用者に占める女性の割合は飛躍 的に増加。ある新聞社では、男女同数、男性の2倍 という年もあった。 ←試験において女性>男性 しかし、採用担当者の本音は、 “試験結果どおりには女性を採りたくない”
(2)女性を採りたくない理由 男にとっては問題とならない、結婚、出産、育児の負 担が女性にとっては大問題 →退職、産休、育休 →夜勤・宿直もする≠保育所に預けて働く 直線的な記者労働の構造が変わらない限り、女性の ハンディは大きく、男女共同参画社会の実現は絵に 描いた餅のまま。
参考文献 服部孝司 (2009) 増える女性記者にとって新聞社は働き やすい職場か Journalism, 232, 56-57. 猪俣征一 (2006) 実践的新聞ジャーナリズム入門 岩波 書店 村上春樹 (2003) 13歳のハローワーク 幻冬舎 日本民間放送連盟(編) (1997) 放送ハンドブック新版 東 洋経済新報社 山本祐司 (2006) 毎日新聞社会部 河出書房新社