小児緩和ケアにおける 子どものホスピスの役割 資料3 小児緩和ケアにおける 子どものホスピスの役割
世界の小児緩和ケア提供体制 LEVEL 2 国際的な小児緩和ケア活動の評価でも,わが国のレベルは緩和ケアの先進国である北米,ヨーロッパ諸国に及ばず,レベル2にとどまっている。 Knapp et al. (2011) Pediatr Blood Cancer. 57:361−8
小児緩和ケアの国際評価 1 取り組みなし 2 初期的取り組み カンファレンスの開催、参加 国外での個人的なトレーニング 初期段階のサービス 3 ローカルに存在 国内数か所での小児緩和ケア活動 組織化,経済基盤の確立 研修機会の提供 4 高度に組織化 複数の大規模なケア提供システム 医療者と地域コミュニティへの認知 政策への影響力 教育機関整備と学際的研究 全国規模の組織 ここでいうレベル2とはいまだ初期的取り組みの段階を指しています。ちなみに成人領域ではレベル4との評価を得ています。今後わが国の小児緩和ケアを段階的に発展させていくためには,小児科医が体系的に緩和ケアを学ぶ研修機会を提供していくことも大切な要素だと考えられます。 Knapp et al. (2011) Pediatr Blood Cancer. 57:361−8
わが国では病院を中心として緩和ケアが発展してきた わが国の小児緩和ケアの広がり 専門的小児緩和ケアサービス開始 (2007) 小児病院に緩和ケアチーム発足(2009) 神奈川県立こども医療センター 小児緩和ケア教育プログラム(CLIC)開始(2010) 小児専用緩和ケア病床の設置 (2012) ユニバーサル・ワンダールーム(大阪市立総合医療センター) 小児専用緩和ケア病棟の設置 (2012) 淀川キリスト教病院ホスピスこどもホスピス病院 第二期がん対策推進基本計画(2012) 小児がん拠点病院での緩和ケアの提供 わが国では病院を中心として緩和ケアが発展してきた
小児緩和ケアの国際評価 1 取り組みなし 2 初期的取り組み カンファレンスの開催、参加 国外での個人的なトレーニング 初期段階のサービス 3 ローカルに存在 国内数か所での小児緩和ケア活動 組織化,経済基盤の確立 研修機会の提供 4 高度に組織化 複数の大規模なケア提供システム 地域コミュニティへの普及 政策への影響力 教育機関整備と学際的研究 全国規模の組織 現在、わが国の評価はレベル3.レベル4になるためには複数のケア提供システム、地域コミュニティへの浸透が大きな課題である。 その一つが子どものホスピス。 Knapp et al. (2011) Pediatr Blood Cancer. 57:361−8
世界の子どものホスピスの特性 地域に根差した自発的な活動 病院ではなく、家である 友として寄り添う 制度に依拠しない独立した施設 <地域主導の理念>”Local initiative” 地域に根差した自発的な活動 <施設の理念>”Home from home” 病院ではなく、家である <サービスの理念>”Friendship” 友として寄り添う <事業の理念>”Free-standing” 制度に依拠しない独立した施設 財源を寄付に頼った慈善事業 公的制度ではカバーし難いニーズを重視
公的制度では解決し難い課題 子どもは病気や障害のために、 親は介護に追われながら、 きょうだいはいつも、 やりたいことができない(成長の機会が奪われる) 仲間と一緒に過ごせない(社会に参加できない) 親から自立できない(自尊心が損なわれる) 親は介護に追われながら、 安心して寛げる時間も場所もない 心の苦しみ、体の負担を背負い込むしかない きょうだいはいつも、 いろんなことを我慢しなければならない
子どものホスピスのサービス・モデル 家庭的環境でケアが提供できるように特別にあつらえられた施設 ターミナル期の子どもと家族へのサポート 残された大切な時間を安心して過ごせる場所 子どもと家族のショート・ブレーク 多職種的なチームアプローチ 遊び、看護、理学療法、音楽療法、作業療法、医師の診療・・・ The Children’s Hospice Service Toolkit
寄付に基づく慈善事業 FREE-STANDING 社会の互助意識や連帯感に依拠して 営利にとらわれることなく 経済的に自由な立場を得ることで 営利にとらわれることなく 経済的に自由な立場を得ることで 営利企業や公的サービスでは 達成困難なミッションに取り組む FREE-STANDING
▶ Free-standing型 子どもホスピス 行政 医療 福祉 民間 教育 - Local initiative - 日本初 行政 医療 福祉 教育 民間 NPO 地域 企業 - Local initiative - 公的な取組からこぼれ落ちる領域を 地域資源と連携しながら行う (優しい地域づくり)
「こどもホスピス」は、もうひとつの家。 こどもたちと家族の 「やりたいこと」を叶えますす。 家庭的な環境で、安心して休める場所です。 「こどもホスピス」は、もうひとつの家。 こどもたちと家族の 「やりたいこと」を叶えますす。 家庭的な環境で、安心して休める場所です。 こどもも、きょうだいも、親も… ご家族みんなにそっと寄り添います。 多様なコミュニティと関わりながら、 新たな緩和ケアを実践します。
▶ ケアプランに基づく2つのアプローチ 個別的な 関わり 集団的な 関わり パーソナル・アプローチ ゾーン・アプローチ - 出来たらいいなぁ - 子どもや家族と一緒に 考えて実現します。 個別的な 関わり 集団的な 関わり パーソナル・アプローチ ゾーン・アプローチ ▶ 子どものお預かりは行いません。(ショートステイ、いわゆる制度上のレスパイト) ▶ 医療機器は家族の責任の範囲で持参、管理していただきます。 ▶ 事前相談の上、緊急時は近隣病院またはフォロー病院に救急搬送します。 ▶ 初年度は宿泊を実施しません。 ▶ 月・木・金・土・日:10時から17時(day care only)
子どもと家族の「ささやかな望み」 ▶ 友人 学校 外出先 休息 家族時間 きょうだいへの配慮 知り合う 機会 ・みんなでバーベキューがしたい ・同じような病気で悩んでいる友だちと出会いたい ・お母さんの誕生日を祝いたい ・家族には言えない悩みを聞いてほしい ・何も聞かないでほしい ・本当は家に帰りたい ・移植に入る前に何か楽しいことがしたい ・誰にも何にも制限されず、思うように過ごしたい ・一人の時間が欲しい ・お洒落して出かけたい ・一日中漫画を読みたい ・たまには「やってあげる」側になりたい ・病気のことを忘れて走り回りたい ・病院の友だちと一緒に泊まりたい ・病院以外の友だちと出会いたい ・水遊びがしたい ・勉強がしたい ・勉強、学校に対する不安を聞いてほしい ・一緒に解決してほしい ・おいしいご飯を作ってみんなで食べたい 友人 学校 外出先 休息 家族時間 きょうだいへの配慮 知り合う 機会
▶ TCHメンバーのこどもたちエントリー内訳 疾患別内訳 年齢別内訳
▶ 働いている・活動している人(CAST) 登録キャストボランティア 約130名 常勤・ 非常勤 スタッフ 協働 教師 会社員 学生 登録キャストボランティア 約130名 教師 会社員 学生 各種療法士 主婦 シニア 看護師 保育士 OT・PT 介護福祉士 協働 看護師3.5名 事務・コーディ ネーター 3名 保育士1.5名 OT・PT1.5名 保健師1名 常勤・ 非常勤 スタッフ