血液製剤の種類・特徴 琉球大学輸血部 佐久川 廣.

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血液製剤の種類・特徴 琉球大学輸血部 佐久川 廣

血液製剤の種類と採血法 全血献血 成分献血 血漿製剤 血小板製剤 血漿製剤 赤血球製剤 全血製剤 血漿分画製剤 血小板製剤 免疫グロブリン製剤 アルブミン製剤 血液凝固第Ⅷ因子製剤

血液製剤の保存温度 赤血球製剤 赤血球製剤 新鮮凍結血漿 新鮮凍結血漿 血小板製剤 血小板製剤 2~6℃ ─20℃以下 20~24℃ (要振とう)

赤血球製剤の種類と特徴 赤血球製剤 有効期間 特徴をその適応 赤血球M・A・P 採血後21日間 一般に用いられている赤血球製剤 MAP液を捨て、生食水で1回洗浄、血漿量<1。MAPが適していない腎不全患者や血漿成分に抗体のある患者に用いる 洗浄赤血球 製造後24時間 赤血球MAPを白血球除去フィルタ-で処理し、大部分(99.99%)の白血球を除去したもの、抗白血球抗体で発熱を生じた者や骨髄移植前で白血球抗体を予防したいときに用いる 白血球除去赤血球 製造後24時間 稀な血液型の赤血球を凍結保存し、必要時に解凍して使用 解凍赤血球 製造後12時間 O型の赤血球MAPとAB型の新鮮凍結血漿を溶解して加え、ABO血液型に関係なく使用できる製剤。 新生児の全血交換に用いられる 合成血 製造後24時間

血 小 板 製 剤 保存温度 有効期間 採血後72時間 20~24℃ 規格・単位 含有血小板数 1単位(約20ml) 0.2×10 個以上 血 小 板 製 剤 20~24℃ 保存温度 (要振とう) 有効期間 採血後72時間 規格・単位 含有血小板数 1単位(約20ml) 0.2×10 11 個以上 2単位(約40ml) 0.4×10 11 個以上 5単位(約100ml) 1.0×10 11 個以上 濃厚血小板 10単位(約200ml) 2.0×10 11 個以上 15単位(約250ml) 3.0×10 11 個以上 20単位(約250ml) 4.0×10 11 個以上 10単位(約200ml) 2.0×10 11 個以上 濃厚血小板HLA 15単位(約250ml) 3.0×10 11 個以上 20単位(約250ml) 4.0×10 11 個以上

新鮮血の効果 製剤 当日新鮮血 新鮮血 保存血 濃厚赤血球 採血後の 期間 24時間以内 72時間以内 3~21日 21日以下 赤血球 の補充 ○ 循環血漿量 の増量 ○ × 凝固因子 の補充 ○ × 血小板 の補充 ○ × ※輸血は不足している成分を補うのが基本であり、全血製剤(新鮮血、保存血)   は特殊な場合を除いて使用することはない