論理回路 第4回 http://www.fit.ac.jp/~matsuki/LCA.html.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
プログラミング演習( 1 組) 第 6 回
Advertisements

プログラミング演習( 2 組) 第 6 回
課題 1 課題提出時にはグラフを添付すること. この反応が1次であることを示すためには、 ln ([N 2 O 5 ] 0 / [N 2 O 5 ]) vs. t のプロットが原点を通る直線となることを示せばよい。 与えられたデータから、 t [s] ln ([N.
1 線形代数学. 2 履修にあたって 電子情報システム学科 必修 2005 年度1セメスタ開講 担当 草苅良至 (電子情報システム学科) 教官室: G I 511 内線: 2095 質問等は上記のいずれかに行なうこと。 注意計算用のノートを準備すること。
論理回路 第3回 今日の内容 前回の課題の解説 論理関数の基礎 – 論理関数とは? – 真理値表と論理式 – 基本的な論理関数.
論理回路 第 11 回
プログラミング演習( 2 組) 第 9 回
0章 数学基礎.
プログラミング入門B(10)クラス 第3回の巻 テキスト補助資料
第3回 論理式と論理代数 本講義のホームページ:
第6回条件による分岐.
プログラミング演習(1組) 第7回
第1章 数と式 第4節 集合と命題  8  集合 (第3回).
計算機リテラシーM 第2回 メール 伊藤 高廣.
電子回路設計 電子制御設計製図Ⅰ  2009年11月17日 Ⅳ限目.
ファジィ論理と ファジィ構造モデリング 北海道工業大学 情報デザイン学科 三田村 保.
Extremal Combinatorics 14.1 ~ 14.2
情報検索演習 第2回 講義資料: 教科書が発行されました
プログラミング演習(2組) 第12回
論理式の表現を数学的に取り扱いやすくするために代数学の助けを借りる.
人工知能特論2011 資料No.6 東京工科大学大学院 担当教員 亀田弘之.
香川大学工学部 富永浩之 情報数学1 第5-2章 命題論理式の 同値変形とカルノー表 香川大学工学部 富永浩之
数理論理学 第1回 茨城大学工学部情報工学科 佐々木 稔.
第4回 カルノー図による組合せ回路の簡単化 瀬戸 目標 ・AND-OR二段回路の実現コスト(面積、遅延)が出せる
補数 n:桁数、b:基数 bの補数 bn-x 253(10進数)の10の補数は、 =747
電気回路学Ⅱ エネルギーインテリジェンスコース 5セメ 山田 博仁.
基本情報技術概論(第3回) 埼玉大学 理工学研究科 堀山 貴史
離散数学I 第6回 茨城大学工学部 佐々木稔.
論理回路 第7回
論理回路 第8回
4. 組み合わせ回路の構成法 五島 正裕.
寄せられた質問: 演習問題について この講義の範囲に含まれる適切な演習問題が載っている参考書がありますか? できれば解答や解説が付いているものがあると良いのですが… 第3回の授業の中で、演習問題に取り組む方法を説明します.
アルゴリズムとチューリングマシン 「もの」(商品)としてのコンピュータ 「こと」(思想)としてのコンピュータ アルゴリズム
電子回路設計 電子制御設計製図Ⅰ  2010年11月30日 Ⅲ限目.
ねらい 方程式の意味や、方程式の解、解くことの意味について理解する。
第4章 組合せ論理回路 (4) Quine McCluskeyの方法.
ディジタル回路 3. 組み合わせ回路 五島 正裕 2018/11/28.
2. 論理ゲート と ブール代数 五島 正裕.
3. 束 五島 正裕.
プログラミング演習(2組) 第8回
ディジタル回路 2. ブール代数 と 論理ゲート 五島 正裕.
第5回 今日の目標 §1.6 論理演算と論理回路 ブール代数の形式が使える 命題と論理関数の関係を示せる
計算の理論 I ー 正則表現(今度こそ) ー 月曜3校時 大月 美佳.
計算の理論 I ー 正則表現 ー 月曜3校時 大月 美佳.
数理論理学 第3回 茨城大学工学部情報工学科 佐々木 稔.
湘南工科大学 2013年10月22日 プログラミング基礎1 湘南工科大学情報工学科 准教授 小林 学.
レポート提出者のリスト 次のURLに掲載 ~goto/infomath.html 学内のIPアドレスからのみ閲覧 ( )
レポート提出者のリスト 次のURLに掲載 ~goto/infomath.html 学内のIPアドレスからのみ閲覧 ( )
3. 論理ゲート の 実現 五島 正裕.
論理と推論 命題論理 推論 命題論理体系の健全性と完全性 構文と意味 → 同値関係と標準形(節形式) 決定問題と意味木 推論規則
多項式の乗法 本時の目標 展開の意味を理解し、分配法則を使って多項式の乗法の計算をすることができる。
上のURLはシラバスに掲載されている (念のために次ページに拡大表示します)
数理論理学 第12回 茨城大学工学部情報工学科 佐々木 稔.
融合原理 (resolution) 人工知能 論理と推論(2) 論理的帰結 節形式 融合原理 知識を組み合わせて知識を生み出す
基本情報技術概論(第2回) 埼玉大学 理工学研究科 堀山 貴史
論理回路 第12回
  第3章 論理回路  コンピュータでは,データを2進数の0と1で表現している.この2つの値,すなわち,2値で扱われるデータを論理データという.論理データの計算・判断・記憶は論理回路により実現される.  コンピュータのハードウェアは,基本的に論理回路で作られている。              論理積回路.
上のURLはシラバスに掲載されている (念のために次ページに拡大表示します)
プログラミング基礎a 第4回 C言語によるプログラミング入門 条件判断と反復
第14回 前半:ラムダ計算(演習付) 後半:小テスト
論理回路 第5回
上のURLはシラバスに掲載されている (念のために次ページに拡大表示します)
情報処理基礎 2006年 6月 29日.
電気回路学Ⅱ 通信工学コース 5セメ 山田 博仁.
香川大学工学部 富永浩之 情報数学1 第5-2章 命題論理式の 同値変形とカルノー表 香川大学工学部 富永浩之
数理論理学 最終回 茨城大学工学部情報工学科 佐々木 稔.
C言語講座 四則演算  if ,  switch 制御文.
立命館大学 情報理工学部 知能情報学科 谷口忠大
練習問題.
練習問題.
Presentation transcript:

論理回路 第4回 http://www.fit.ac.jp/~matsuki/LCA.html

今日の内容 前回の課題の解説 ブール代数 公理(P1 – P5) 定理(T1 – T5) 定理(T6 – T10)

基本論理演算(論理積:AND) A f B f = A・B AかつB(A and B)と読む A B f 1 真理値表 回路図 1 A f B ブール代数(代数式) f = A・B AかつB(A and B)と読む

基本論理演算(論理和:OR) A f B f = A+B AまたはB(A or B)と読む 真理値表 A B f 1 真理値表 回路図 1 A f B ブール代数(代数式) f = A+B AまたはB(A or B)と読む

基本論理演算(否定:NOT) 真理値表 真理値表 回路図 A f 1 A f ブール代数(代数式) f = A Aでない(not A)と読む

ブール代数(Boolean algebra) 論理演算を表す代数式 f = A・B f = A + B f = A

ブール代数 公理: 2つの定数0と1に関する論理積,論理和,否定などの演算の基礎法則 公理:  2つの定数0と1に関する論理積,論理和,否定などの演算の基礎法則 定理:  公理をもとに導かれる法則(公理を使って証明する必要がある)

ブール代数(公理P1~P5) P1 (a): もしA≠0ならば,A=1 (b): もしA≠1ならば,A=0 P2 (a): 0・0=0 (b): 1+1=1 P3 (a): 1・1=1 (b): 0+0=0 P4 (a): 0・1=0・1=0 (b): 1+0=0+1=1 P5 (a): 1=0 (b): 0=1 (a)と(b)は双対の 関係にある

ブール代数(公理P2) P2の場合 (a) 0・0 = 0 (b) 1+1 = 1 1 1 1 AND OR

ブール代数(公理P3) P3の場合 (a) 1・1 = 1 (b) 0+0 = 0 1 1 1 AND OR

ブール代数(公理P4) P4の場合 (a) 0・1 = 0 (b) 1+0 = 1 1 1 1 AND OR

ブール代数(公理P5) P2の場合 (a) 1 = 0 (b) 0 = 1 1 1 NOT

ブール代数(定理T1~T5) T1 (a): A・B = B・A (b): A + B = B + A 交換律 T2 (a): (AB)C = A(BC) (b): (A + B) + C = A + (B + C) T3 (a): (A + B)(A + C) = A + BC (b): AB + AC = A(B + C) T4 (a): A・0 = 0 (b): A + 1 = 1 T5 (a): A・1 = A (b): A + 0 = A 交換律 結合律 分配律 (a)と(b)は双対の 関係にある

ブール代数(定理T6~T10) T6 (a): A・A = 0 (b): A + A = 1 補元律 T7 (a): A・A = A (b): A + A = A T8 (a): A(A + B) = A (b): A + AB = A T9 : (A) = A T10 (a): (A・B) = A + B (b): (A + B) = A・B 補元律 べき等律 吸収律 二重否定 ド・モルガンの定理

ブール代数(定理T10’) T10’ (a): (A・B・C・…) = A + B + C + … (b): (A + B + C + …) = A・B・C・… 多変数のド・モルガンの定理

ブール代数(定理T1) T1 (a): A・B = B・A (b): A + B = B + A 交換律 A A A・B A + B B B

ブール代数(定理T2) T2 (a): (AB)C = A(BC) (b): (A + B) + C = A + (B + C) 結合律

ブール代数(定理T3) T3 (a): (A + B)(A + C) = A + BC (b): AB + AC = A(B + C) 分配律 B A (A + B)(A + C) C A + BC C A B

ブール代数(定理T4) T4 (a): A・0 = 0 (b): A + 1 = 1 A A 1 1

ブール代数(定理T5) T5 (a): A・1 = A (b): A + 0 = A A A A A 1

練習問題【定理T4 (a)の証明】 問) A・0 = 0が成り立つことを証明しなさい。 解) 公理P1により、Aが0のときと1のとき、T4(a)が成立することを証明すれば良い。 A = 0のとき A・0 = 0・0 = 0 [公理P2(a)] (2) A = 1のとき A・0 = 1・0 = 0 [公理P4(a)] よって、T4(a)は成立する。

問題【定理T5 (a)の証明】 問) A・1 = Aが成り立つことを証明しなさい。 解) 公理P1により、Aが0のときと1のとき、T4(a)が成立することを証明すれば良い。 A = 0のとき A・1 = 0・1 = 0 = A [公理P4(a)] (2) A = 1のとき A・1 = 1・1 = 1 = A [公理P3(a)] よって、T5(a)は成立する。

練習問題【定理T3 (a)の証明】 問) 定理T3(a)が成り立つことを真理値表を用いて証明しなさい。 解) 変数A,B,Cによる真理値すべての組み合わせで、T3(a)の左辺と右辺が同じであることを示せば良い。 A B C T3(a)の左辺 T3(a)の右辺 A + B A + C (A+B)(A+C) B・C A + BC 0 0 0 0 0 1 1 … 1 1 1 上記表より、すべてのA,B,Cの組み合わせにおいて、(A+B)(A+C)とA+BCが等しいことを確認した。よって、定理T3(a)は成り立つ。

注意事項 講義に関する質問・課題提出など: メールについて 2009lcx@gmail.com 本文にも短いカバーレター(説明)をつける 件名は,学籍番号+半角スペース+氏名 (例)S09F2099  松木裕二 本文にも短いカバーレター(説明)をつける 課題はWordなどで作り,添付ファイルとして送る