滝脇知也(東大理)、固武慶(国立天文台)、佐藤勝彦(東大理、RESCEU) 研究会:宇宙初期における時空と物質の進化 (5/28)@東大旧1号館150 背景重力波で探る 第一世代星 東京大学 宇宙理論研究室 諏訪 雄大 共同研究者: 滝脇知也(東大理)、固武慶(国立天文台)、佐藤勝彦(東大理、RESCEU)
第一世代星形成 第一世代星 宇宙で最初にできた天体 (第一世代星) 宇宙の重元素の根源 宇宙の再電離の要因 赤外背景放射の起源? 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 第一世代星 宇宙で最初にできた天体 (第一世代星) From Prof. Umemura’s web page 宇宙の重元素の根源 宇宙の再電離の要因 赤外背景放射の起源? 高赤方偏移GRB? 非常に重かった? Big Bang CMB 宇宙暗黒時代 (杉山さん’s talk) 再イオン化 (戸谷さん’s talk) 銀河形成 第一世代星形成 太陽系・惑星形成
250M¯と300M¯の進化を球対称で計算。 250M¯はPISN 300M¯はBH さらに、300M¯については2次元SPH計算。 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 第一世代星の重力崩壊のシミュレーション Fryer et al.(2001) rotational axis 250M¯と300M¯の進化を球対称で計算。 Radial Velocity 250M¯はPISN 300M¯はBH さらに、300M¯については2次元SPH計算。 ブラックホール形成
第一世代星 巨大な質量 ブラックホール形成 莫大な重力エネルギーを解放 大量の重力波、ニュートリノ 放出 第一世代星 ref)超新星 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 第一世代星とニュートリノ・重力波 第一世代星 巨大な質量 ブラックホール形成 莫大な重力エネルギーを解放 大量の重力波、ニュートリノ 放出 第一世代星 ref)超新星 重力波 EGW» 10-3M¯ c2 EGW» 10-7M¯ c2 ニュートリノ L » 1056 erg/sec L » 1053 erg/sec
他の天体からのもので隠されてしまう(かも) 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 第一世代星の重力崩壊の観測 大量のニュートリノ、重力波を出すなら単発の第一世代星の観測は可能? 無理!! 第一世代星はかなり遠方(z~10-20、距離にするとGpcのオーダー)にあるので、観測は非常に厳しい。 単発で見えないなら、足し合わせならどうなる? 他の天体からのもので隠されてしまう(かも) ニュートリノ背景放射 重力波背景放射
観測する上で邪魔になりそうな重力波源は見つかっていない。 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 重力波背景放射 Sandick et al.(2006) 第一世代星起源重力波背景放射 モデルによるが、観測可能性は高い。 観測する上で邪魔になりそうな重力波源は見つかっていない。
質量が全く違うのに、同じような放射をする 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 本研究のモチベーション 先行研究の問題点 第一世代星の重力崩壊の計算例がない 通常の超新星爆発の計算結果を用いて 第一世代星からの背景放射を計算 質量が全く違うのに、同じような放射をする という仮定は大丈夫? 本研究の目標 第一世代星の重力崩壊の数値シミュレーション 巨大質量を持つ星の重力波放射 より現実的な背景重力波のスペクトル
流体計算ZEUS-2D code (Stone & Norman 1992) 現実的状態方程式(Shen et al. 1998) 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ シミュレーション方法 計算方法 2次元軸対称を仮定 流体計算ZEUS-2D code (Stone & Norman 1992) 現実的状態方程式(Shen et al. 1998) ニュートリノ冷却については、3種類のニュートリノを考慮 自己重力もちゃんと計算 初期モデル 300~1000M¯ の星の平衡状態 コアは初期には等エントロピーであるとする。(Fryer et al. 2001) 回転は微分回転(星の内側がよく回っている)を仮定し、回転エネルギー/重力エネルギー=0.005とする。
重力波計算 物質の動き に着目。 非球対称な ニュートリノ放射 物質 ニュートリノ 最近注目されている重力波源 四重極公式 ニュートリノ光度 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 重力波計算 物質の動き ニュートリノ放射 非球対称な に着目。 最近注目されている重力波源 物質 ニュートリノ ソースまでの距離 四重極公式 Epstein(1978), Mueller & Janka(1997) ニュートリノ光度 非対称度 球対称では0になる
重力波波形 300M¯の場合 FT 100 103 先行研究で仮定されたスペクトル 物質 合計 ニュートリノ 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 重力波波形 300M¯の場合 先行研究で仮定されたスペクトル 物質 FT ニュートリノ 合計 100 103 バウンスからの時間 [秒] 周波数 [Hz] 最初は物質起源の重力波が支配的。 最後はニュートリノ起源が支配的。 低周波数モードではニュートリノ起源。 高周波数モードでは物質起源。
質量関数はSalpeter型 : (m) / m-2.35 (300M¯~1000M¯) 宇宙論パラメータは、WMAPの結果 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 背景重力波計算 密度パラメータ 星形成率 質量関数 臨界密度: 単発の第一世代星からの重力波 計算に用いる仮定 星形成率は、Sandick et al.(2006) 質量関数はSalpeter型 : (m) / m-2.35 (300M¯~1000M¯) 宇宙論パラメータは、WMAPの結果
DECIGOやBBOといった重力波干渉計で(相関を取らずに)十分見える強度 観測にかかり得るのはニュートリノ起源による低周波数側の重力波 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ 背景重力波のスペクトル DECIGO ピークを拾えれば、第一世代星がどのくらいのzで最も形成されたのかが分かる DECIGOやBBOといった重力波干渉計で(相関を取らずに)十分見える強度 観測にかかり得るのはニュートリノ起源による低周波数側の重力波
第一世代星からの重力波を定量的に評価 背景重力波を計算 物質起源 ニュートリノ起源 検出可能性 ニュートリノ起源 まとめ 1. 第一世代星の重力崩壊 2. 重力波計算 3. まとめ まとめ 第一世代星からの重力波を定量的に評価 物質起源 ニュートリノ起源 背景重力波を計算 検出可能性 ニュートリノ起源 ※まだまだ不定性の大きい議論 特に星生成率は全く分かっていない