学校給食における 衛生管理 平成21年1月25日   .

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Presentation transcript:

学校給食における 衛生管理 平成21年1月25日   

学校給食における食中毒 H20年 ヒスタミン 2件 カンピロバクター 1件 H19年 ノロウイルス 4件 病原性大腸菌O44 1件       カンピロバクター 1件 H19年 ノロウイルス 4件       病原性大腸菌O44 1件 H18年 ノロウイルス 5件       ヒスタミン 1件

学校給食の特徴 大量に調理 喫食までの時間が長い ハイリスク  大量調理施設衛生管理マニュアル  を元に徹底した衛生管理を!

食中毒発生時に見られた問題点 二次汚染 ウェットシステム 不適切な温度管理 不適切な洗浄消毒 二次汚染防止の意識不足

二次汚染とは?   環境(器具・機械含む)や人の手指       食品を汚染 食中毒

人からの二次汚染 ● 手指 ● 汚染作業の後 ● 手袋の取扱い ● 手袋を過信 ● 前掛けの取扱い 肉・魚・卵・下処理野菜を取扱った後 ゴミを取扱った後 手袋の箱を汚い手で触る

何が問題でしょうか?

何が問題でしょうか?

和え物作製時は要注意

器具・容器を介しての二次汚染 ● 下処理・上処理の使い分け ● 洗浄・消毒が不十分 ● 乾燥不十分 ● 保管時 ● 木製器具 ● 下処理・上処理の使い分け ● 洗浄・消毒が不十分 ● 乾燥不十分 ● 保管時 ● 木製器具 洗浄・消毒が不十分(形の複雑なものや表面が平滑でないもの) 保管時(跳ね水、原材料、廃棄物等)

下処理に使用する包丁・ピーラー

何が問題でしょうか?

何が問題でしょうか?

豚 クレセントコンベアー 濡れてる部分と乾いた部分の違い 乾いている部分 ぬれている部分

牛 きれいな方がスチールコンベアー   汚れている方がストラパックコンベアー(白) 白コンベア ステンレス

ホースの保管は大丈夫?

ホース自体の点検も!

ホースの衛生的な管理を!

ザルを使用した作業ですが・・ 60cm以上 60cm未満&ザル

何が問題でしょうか?

スポンジ置き場これでいい?

何が問題でしょうか?

スポットクーラーからの結露

何が問題でしょうか?

何が問題でしょうか?

ガムテープでの補修は一時的 期限を設定して、本補修や交換をしましょう

何が問題でしょうか?

食中毒発生時に見られた問題点 二次汚染 ウェットシステム 不適切な温度管理 不適切な洗浄消毒 二次汚染防止の意識不足

ウェットシステムの問題点 床からの跳ね水 高温多湿 熱湯消毒など危険な作業 ビニールエプロンと長靴

ドライシステムのメリット 湿度低下と細菌・カビ 布エプロンとコックシューズ 滑らない 跳ね水

ドライシステムとは? 水は全くだめ? とにかくキープドライ 清掃はどのように? 換気と空調

ドライシステム  調理機器からの排水は排水管により床下に

ドライシステム  食品の運搬の際は台車を使用

ドライシステム運用のために 蛇口の流量 床に食材が落ちたら? 床が濡れたら? 調理作業が終わるまでは我慢 乾燥

ドライ運用を試みてはいますが・・・

加熱後の水冷作業の工夫

食中毒発生時に見られた問題点 二次汚染 ウェットシステム 不適切な温度管理 不適切な洗浄消毒 二次汚染防止の意識不足

細菌と温度 100 水の沸騰温度 75 1分以上で細菌死滅 68 O157が8秒で死滅 60 O157が8分20秒で死滅 100    水の沸騰温度 75     1分以上で細菌死滅 68     O157が8秒で死滅 60     O157が8分20秒で死滅 30~42  大腸菌の増殖非常に早い 8      大腸菌が増殖し始める ー10  細菌が活動停止 ー20     冷凍食品保管温度 ー60     マグロ保管温度

食中毒発生時に見られた問題点 二次汚染 ウェットシステム 不適切な温度管理 不適切な洗浄消毒 二次汚染防止の意識不足

洗浄と消毒の違い 清掃 洗浄 消毒

消毒の際気をつけること UV アルコール 次亜

何が起こるかわからない! 化学物質の混入  メタミドホス  メラミン  ジクロルボス           など

化学的危害を防ぐ 洗剤 機械油、グリス ペンキ、ワックス 防虫・防鼠薬剤

化学的危害を防ぐ 洗剤  ①容器を間違える  →詰め替えにペットボトル  →ラベルなし  ②保管場所  ③集中管理

化学的危害を防ぐ 機械油、グリス  食品用、人体に影響のないもの

化学的危害を防ぐ 防虫・防鼠薬剤  ①ゴキブリ・ネズミが発生が問題  ②使用薬剤と日時、使用量を記録  ③MSDS  ④保管場所

食品の食中毒菌汚染実態調査 牛肉(ミンチ) 大腸菌 : 58% サルモネラ属菌 : 2% O157 : 陰性

食品の食中毒菌汚染実態調査 豚肉(ミンチ) 大腸菌 : 75% サルモネラ属菌 : 3.5% O157 : 陰性

食品の食中毒菌汚染実態調査 鶏肉(ミンチ) 大腸菌 : 83% サルモネラ属菌 : 30% カンピロバクター : 40~90%

食品の食中毒菌汚染実態調査 牛レバー(生食用) 大腸菌 : 72.3% サルモネラ属菌 : 陰性 O157 : 7.1%

食品の食中毒菌汚染実態調査 鶏タタキ 大腸菌 : 87.5% サルモネラ属菌 : 25% O157 : 陰性

食品の食中毒菌汚染実態調査 もやし 大腸菌:30% サルモネラ属菌、O157:陰性

食品の食中毒菌汚染実態調査 みつば 大腸菌: 29% サルモネラ属菌: 陰性 O157: 陰性

ノロウイルスについて

ノロウイルス ノロウイルスに汚染された食品を介して人へ →食中毒が発生する 感染した人を介して人へ →感染症が発生する 感染菌量が少ない ノロウイルスに汚染された食品を介して人へ     →食中毒が発生する 感染した人を介して人へ         →感染症が発生する 感染菌量が少ない 握手しただけでも感染する

ノロウイルスと牡蠣の関係 一日に数百リットルの海水 中腸線でトラップ 「生食用」なら安心? 新鮮なら安心? 細菌が基準、ノロウイルスゼロではない

ノロウイルス 人の小腸上皮細胞 遺伝子型多い ワクチンが困難 pH:酸 消毒:アルコール 熱:60℃30分加熱 塩素イオン:水道水、プール 遺伝子型多い   ワクチンが困難 pH:酸 消毒:アルコール 熱:60℃30分加熱 塩素イオン:水道水、プール 感染菌量が少ない 握手しただけでも感染する 胃を通過する 水道水(0.1ppm) プール(0.4ppm)

ノロウイルスの集団発生要因 感染力が強い 症状が消えたけど・・・ 不顕性感染 ふん便・嘔吐物 乳幼児の下痢 10個程度で感染・発病 感染力が強い   症状が消えたけど・・・ 不顕性感染   ふん便・嘔吐物   乳幼児の下痢   10個程度で感染・発病  (細菌は1万~100万個で感染・発病) 感染菌量が少ない 握手しただけでも感染する

ノロウイルス付き易く除去が困難 下痢便、嘔吐物共に液状である 手に付き易い 大量のウイルスが付着する ノロウイルスは細菌に比べて1/100  下痢便、嘔吐物共に液状である         手に付き易い  大量のウイルスが付着する  ノロウイルスは細菌に比べて1/100         手の皺の奥に入り込む  容易に除去できない 感染菌量が少ない 握手しただけでも感染する

予防はやはり・・・ 手洗いに始まり手洗いに終わる 体調管理

ご静聴ありがとうございました お疲れさまでした            おわり