第2回 東京医科歯科大学 歯科器材・薬品開発センターシンポジウム

Slides:



Advertisements
Similar presentations
検索エンジンが 日本にないのはなぜか  なんで検索エンジン? 2006 年 10 月 9 日、「 Google 」が「 YouTube 」を買収した。 16 億 5 千万ドル相当の株式交換で買収、という形になって いる。  そもそもなんでそんな疑問が? 政府の知的財産戦略本部は 2008 年 6.
Advertisements

Q.混合診療とはなんですか? A.日本の健康保険制度では、健康保険でみること が できる診療の範囲を限定しています。混合診療と は、 健康保険の範囲内の分は健康保険で賄い、範囲外 の 分を患者さん自身が費用を払うことで、費用が混 合 することを言うのです。 Q.混合診療が認められれば、保険外の診療を行っ.
【医療機器業界】参入企業の人事戦略ポイン ト 当レジュメは、過去に行われたましたセミナーテキストの抜粋となります。 関係諸法規の変更がある場合も有りますので、ご注意下さい。 参考資料.
(社)日本画像医療システム工業会 会長 桂田 昌生
承認・認証制度への対応の現状 ~歯科材料の分野から~
貴院における後発医薬品の使用割合(平成27年6月診療分):○○%
Ⅱ 委託・受託の関係 法第二条第九項第一号の主務省令で定める委託は、次に掲げるものをいう。 1.
ホームページ活用勉強会+ホームページ作成体験会 スマートフォン時代のホームページ活用術
多々納 裕一 京都大学防災研究所社会システム研究分野
治験業務の実際 府中みくまり病院 胡田  正彦.
日本歯科器械工業協同組合 株式会社 吉田製作所 安全管理部 山口幸宏
(提案者名を記載) ○○○○ 平成22年度「医療情報化促進事業」 提案書 (様式8) 提案書雛型ア、イ及びウ
自動車のリスク 2002.9.15.
H17年度授業評価アンケート報告 教務WG:山澤一誠.
オムニチャネル、グローバルリスク対応 R&Dコンサルティングのご提案 オムニチャネル、グローバルリスク対応
【資料3】 条例検討会議について 平成28年8月30日 福岡市障がい者在宅支援課.
医薬品と健康.
はじめに 糖尿病の患者数も予備軍を含めて1600万人と増加しており、一方糖尿病専門医は3000人あまりとその診療能力には限界があります。糖尿病療養指導士はそのような中で必要不可欠な存在ではありますが、その資格の位置づけなど問題もあります。 現在約1万人の糖尿病療養指導士が活躍しており、第1回資格取得者は4年目を迎え5年の任期を目前とし、資格更新のために努力していると思われます。
医療制度とその活用.
ドイツの医師職業規則 から学ぶもの 東京医科歯科大学 名誉教授  岡嶋道夫.
経済活動と法 ~不法行為~ <製造物責任>.
GMP自主基準 健康補助食品のGMPとは? <錠剤、カプセル状食品の原材料の安全性に関する自主点検フローチャート> ■米国でもGMPを実施へ
4 第3次障害者基本計画の特徴 障害者基本計画 経緯等 概要(特徴) 障害者基本法に基づき政府が策定する障害者施策に関する基本計画
その全容はこちらです。   Special Bonus Plan 1:30日実践後の“無条件”全額返金保証”
~ 回答数  ~ 回答数 206.
国立医薬品食品衛生研究所 岩田直樹 會澤優成 池本慎一郎.
関電美浜 2005/4/5.
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針の概要
課題 1.オープン化に対して、政府が抱きうる懸念を考えて下さい。基本的なリストは次ページ以降に示します。 ほかに主要なものに何があるかを、考えて下さい。 2.データの公開を断念したり、利用条件を厳しく制限せざるを得ない、「本質的な懸念」と、オープン化を制限する理由にならない「本質的でない懸念」と、2種類とに分けてください。(次ページ以降の懸念リストにあるものも含めて)
ユビキタス街角見守りロボット実証実験 「参加者向け」アンケート結果
経済データのダウンロードと グラフの作成 経済データ解析 2011年度.
化血研の全12血漿分画製剤、出荷停止に ヘパリン添加など、承認書と異なる製造で( 2015年6月5日 )
ストレスケア:ストレスを感じてからではなく、予防のためできるだけ早い時期からストレスケアを実施してください。
患者とかかわる際に 行うこと・行わないことの指針
臨床研究への参加のお願い  当院の呼吸器内科・腫瘍内科では、決められた条件を満たし、「薬や医療機器の候補」の効果が期待できる患者さんには治験への参加を、その他、研究計画書で決められた条件を満たした患者さんに臨床研究への参加をお願いすることがあります。その際には、研究について詳しい説明が書かれた「説明文書」をお渡しします。医師およびコーディネーターから十分な説明を受けた上で、誰からも強制されることなく、自分の意思で治験またはその他の臨床研究に参加するかどうかを決めて下さい。患者さんは納得するまで臨床研究に関
介護支援専門員 ケアマネジャー サービス担当者会議.
介護保険制度に ついて!.
経済学とは 経済学は、経済活動を研究対象とする学問。 経済活動とは? 生産・取引・消費 等 なぜ、経済活動を行うのか?
Claim Report 公衆責任保険の事例紹介 重要事項 結果 支払保険金額
総合商社 について 04w193 ハンフンス 04w178 野村朋克 04w122 田中学
リスクマネジメントとは ~たこ焼きを題材にして~
トレーニングの際はスライド, ノートの両方を確認してください
東京医科歯科大学 歯科器材・薬品開発センター シンポジウム
経済データのダウンロードと グラフの作成 経済データ解析 2009年度.
アメリカ国内の障害児センターの活動について
サニー産業(株) 小規模事業者の海外進出のお助け人
次世代医療機器評価指標作成事業 運動機能回復型ロボット審査 WG 第2回会議 向け
堆肥を使用する際にはご留意ください! 〇 耕種農家・育苗業者の皆様へ 〇 輸入飼料を給与した牛に由来する 被害を未然に防止するために
堆肥を使用する際にはご留意ください! 〇 耕種農家・育苗業者の皆様へ 〇 輸入飼料を給与した家畜に由来する 被害を未然に防止するために
資料 このマークが当日メモして追加したもの PHR協会 拡大戦略委員会 :00-17:00.
「内部告発」 という名の ボランティア 金沢大学附属病院 産婦人科講師 打出喜義.
血液事業と血液製剤 血液新法 鹿児島大学輸血部 古川良尚.
配合剤の調剤について 平成24年4月 日本薬剤師会.
疫学概論 ヘルシンキ宣言 Lesson 23. 疫学研究の倫理 §A. ヘルシンキ宣言 S.Harano, MD,PhD,MPH.
シリーズ:著者の回答  質問 (Oh社、第1回受講者)
ジェネリック医薬品について いやくひん ジェネリック医薬品とは? ジェネリック医薬品に ついて わからないことや不 安なことが
(C)2011女性にやさしい職場づくりナビ.
心臓機能障害(ペースメーカ等植え込み者)の 診断書・意見書を作成される医師の皆さまへ
検討事項2 『医薬品製造販売業GQP/GVP手順書<モデル>』の改訂
~求められる新しい経営観~ 経済学部 渡辺史門
トピック6 臨床におけるリスクの理解と マネジメント 1 1.
現状 医療側チーム構成 開発終了後 (のイメージ) 診断が3分で可能に 例:診断に長時間かかる
レセプトに関連する動向1 レセプトにまつわるトピック 労災レセプト 高齢者の一部負担金問題
事前指示書作成における当院血液透析患者の現状意思調査
Pay-easy&ネットバンク決済 審査追加必要資料 「サービス概要資料」
第13回(通算29回) 福祉対象者への相談援助 合意形成
輸出入申告官署の自由化の実施に 伴う実務上の事項について (基本的方向性)
人事労務 NEWS 令和元年 7月発行 休職の取扱いについて
○ 大阪府におけるHACCP普及について S 大阪版 評価制度を設ける 大阪府の現状 大阪府の今後の方向性 《従来型基準》
マーケティング・チャンネル戦略.
Presentation transcript:

第2回 東京医科歯科大学 歯科器材・薬品開発センターシンポジウム 第2回 東京医科歯科大学 歯科器材・薬品開発センターシンポジウム 歯科器材の開発・改良における   諸問題とこれからの対策

第一回シンポ後アンケートより厚労省関連 (無記名) 行政の方に聞いて欲しいし、そして、どうしたらよいかを話し合うことがよい。 行政側の率直な意見をシンポジストとして聞いてみたい。 厚労省の方の意見も聞いてみたい。この現状をどのように考えているのか。 現在の認可の遅れは、国民に対する厚労省の怠慢であり大罪である。今の薬事法は、早急に患者中心に改めるべきである。

通知も出ずに、ビジネスチャンスが減っている。 第一回進歩後アンケートより 通知も出ずに、ビジネスチャンスが減っている。 日本の歯科医療機器は世界の潮流からどんどん離れていっている。諸問題は、常識的な人であれば素人でも解せることであるが、分かっていて無視しているのが厚労省であり、考え方を変える必要がある。欧米のように、製造販売業者に責任を負わせればよい。 世界中で使われている材料が、日本が唯一使用できない商品が多くあることを厚労省の担当官は認識すべきである。 厚労省の担当者の具体的な説明が聞きたい。

改正薬事法に関する多くの問題については、やはり費用に関する問題点が多く、早期に解決する必要があると感じた。 第一回進歩後アンケートより 厚労省関連 (無記名アンケート) 改正薬事法に関する多くの問題については、やはり費用に関する問題点が多く、早期に解決する必要があると感じた。 企業側に納得のいく官からの説明講演を希望する。 現在承認のある既存の製品の、本質の変わらない一変申請で、新医療機器なみの添付資料が求められている(承認が古いのが理由と思われるが)。 企業側の主張と行政側の主張を同時に行うと、興味深い議論になると思う。

海外で発売されてから2年以上経っても日本で 承認されていない。 それは、日本だけ審査が厳しく、非常に長い時間と コストがかかるからであるが、 なぜ必要なのかという納得できる理由がない。

事前アンケートより 厚労省関連 グローバルな薬事相互承認・認証に関する動向と、国内歯科産業の育成に対する行政の考え方をお示しいただきたい。 海外で適応のあるものを早期に日本でも認めて欲しい。 現在の審査は、製品そのものの審査ではなく、過去の前例と比較する方法となっている。米国FDAのような標準的な審査方法になる為には、どう行政が変わろうとしているかを知りたい。

流通産業の未対応の製品の取扱いについて:中古を販売する時、EMC未対応でも販売は可能か?(PSEと同様の状況にならないか) 海外製造所のQMS調査: クラスⅡは認証機関が実施し、クラスⅢ以上については総合機構が実施するため、その分、費用もかさみ、輸入業者を圧迫する。 ISO 13485:2003と日本のQMS省令に差分があるため、その差分を確認するための調査は、必ず書面調査のみで、実地調査は行わないで欲しい。

PMDA関連 後発相当の医療機器(クラスⅡ、承認・認証基準なし)の承認申請を行っているが、審査機構(PMDAのこと?)からの照会事項が多く、講習会等での記載通りに書いても否定されることがある。また、多くの承認前例があり、(業界内では)衆知と思われるような事に関しても、数多く問い合わせがある。これら一つ一つを返答するには、時間と労力を要する。何とかならないか。 審査担当者が変わると、前任者と言っていること(指摘個所)が変わってしまう。照会事項の質問をしても、回答がない。直接、担当者と連絡が付かない。審査機構については、不備だらけである。

PMDA関連 一変も含めて、申請資料・添付資料・添付資料概要がもう少し簡略できないか。 既在製品とほとんど同一でも必要か? 添付資料と概要の、ほとんど同じ内容で重複している部分は、省略できないか? 既承認品で使用されている原材料を、その既承認品よりもクラスが上の開発品に使用する場合、既承認品のクラスでは要求されていない生物学的安全性評価項目が、開発品が該当する上のクラスで要求されている場合、どのように考えればよいか。 (生物学的安全性試験を実施する必要があるか?)

理工学会関連 歯科材料の承認基準・認証基準の制定の今後について。 意見・その他 個人輸入をした機器を医院が使用する時の注意事項などあれば、教えて欲しい。 (例)外国の未承認のレーザーを使っている医師が、国内未認可の為に歯科医師会からプレッシャーをかけられているらしい。

原材料の使用承認前例が、医療機器に存在するにもかかわらず、少しでも違うところをみつけて、使用前例にしないようである。 意見・その他 中国及び韓国での薬事承認に関して、特にISO 10993-1に準拠した生物学的安全性試験については、自国内での大学や機関で実施したものしか受け入れられない状況であり、自社製品の海外展開の際の経済的・時間的な損失が障害になっている。相互承認(国際的ハーモナイゼーション)の今後の見通しは、いかがか。 原材料の使用承認前例が、医療機器に存在するにもかかわらず、少しでも違うところをみつけて、使用前例にしないようである。 薬事とは直接結びつかないが、歯科界あげて、健康寿命を維持する上での歯科の重要性を改めて国民にアピールすべきだが、行政のサポートが不可欠と考える。

虎ノ門病院同意書前文 説明と同意の原則  多くの診療行為は、身体に対する侵襲(ダメージ)を伴います。 通常、診療行為による利益が侵襲の不利益を上回ります。  しかし、医療は本質的に不確実です。過失がなくとも重大な合 併症や事故が起こりえます。診療行為と無関係の病気や加齢に 伴う症状が診療行為の前後に発症することもあります。<略> 予想される重要な合併症については説明します。しかし、極めて 稀なことや予想外のものもあり、全ての可能性を言い尽くすこと はできません。こうした医療の不確実性は、人間の生命の複雑 性と有限性、および、各個人の多様性に由来するものであり、 低減させることはできても、消滅させることはできません。<略>  こうした危険があることを承知した上で同意書に署名してください。 ・・・・・・

安全を得るためには通常莫大な費用がかかる ので、自分で支払う場合にはほどほどのところで 誰もが妥協するが、責任がほかにあるとなれば、 中西準子 『安心・安全』の氾濫が作り出す不安   中央公論 2005年3月号 安全を得るためには通常莫大な費用がかかる ので、自分で支払う場合にはほどほどのところで 誰もが妥協するが、責任がほかにあるとなれば、 その要求も際限なく大きくなってしまう。「安全」は 目指すべき方向性を示す目標のはずだったが、 いつのまにか、際限のない安全を要求する権利 があるという誤解に発展している。そして、それが 満たされないと、不安になるのである。 いや、不安を言い募っていいと思うのである、 それは自分の責任でないから。

・・・テレビのキャスターが、「安全といえるかも しれないが、国民は安心感を持っていない、 そこが問題だ」というような発言をし、「老後は 不安ですか」というアンケートをとって、6割の 人が不安と答えた、国の政策はどうなっている のかと怒るレポーターを見ていると、不安との 闘いという個人の心の課題が、いつの間にか 国や企業の責任に替わりつつあることを実感 するのである。これではかえって不安、不安 という人が増える。

安心・安全願望に支配されている 患者、法律家、ジャーナリスト 医療への攻撃

厚生行政:リスクを理解できても、メディアに 弱いため、安心・安全信仰に引きずられる。 医療従事者からは、安心・安全願望による 医療への攻撃の共犯者にみえる。 小松秀樹「医療崩壊」201ページ

我々の責任 よりよい医療を   より早く提供すること よりよい医療機器を