緊急地震速報の話 C 緊急地震速報が鳴ったら、 物が「落ちてこない、倒れてこない、移動してこない」 ところで身を守りましょう。 イメージ 提供 NHK 緊急地震速報の話 今日はみなさんが、自分で自分の命を守れるようになるための大切な学習をします。 ※このテレビ画面のイメージは、NHKに著作権があり、複製や編集などを禁止します。 また、目的外の使用についても禁止します。厳守をお願いいたします。 <次のスライドへ> 気象庁 東京管区気象台 東京都教育委員会安全教育プログラム準拠教材
世界の地震の分布 日本 これは世界で地震が発生した場所を赤い点で描いた地図です。日本がどこにあるか分かりますか。 <クリック> 日本はとても地震の多い国です。 小さい国なのに、世界で起こった地震のうち、約1割の地震が日本で起きています。 いつどこで地震が起こっても不思議ではありません。 (以下、先生方への参考メモ) 世界中の地震の発生場所を見ると、地震が発生する場所と発生していない場所がはっきりと分かれます。地震が沢山発生している場所はプレートどうしが接しているプレート境界と考えられています。 ハワイや中国内陸部でのようにプレート内部で発生する地震もあります。 日本で1年で発生する地震は、有感地震は1000回以上、無感地震は10万回以上あり、そのすべてを気象庁で監視しています。 有感地震:体に感じる震度1以上の地震、無感地震:体に感じない地震
日本は地震の多いところ 日本付近に地震が多い理由は、地下の構造にあります。 日本付近の地盤は、4枚のプレートでできていて、お互いに押し合いへし合いしています。 例えば東日本付近では、図の矢印のように、常に押される力がかかっています。 このため、地面を構成している岩が割れることで、地震が発生するのです。 <クリック> (以下、先生方への参考メモ) 地球表面は、十数枚に分かれた厚さ数十km~100km程度のプレートという岩板で覆われています。 太平洋のはるか沖合の海底(プレートが湧き出す海嶺という場所)で湧き出した海のプレートは長い年月をかけて移動してくる間に冷えて重く厚くなります。 陸のプレートは冷えて重くなった海のプレートより軽いため、陸のプレートと海のプレートが集まる境界では、より重い海のプレートが陸のプレートの下へ沈みます(深く沈み込んだプレートは地球内部で溶けると考えられています)。 日本付近では、太平洋プレートとフィリピン海プレートが日本列島の地下に潜りこんでいるため、プレート同士の境界や、海のプレートに押される陸側プレートの内部でも地震が発生します。 (図の実線はプレート境界、点線はそこにプレート境界があると考えられている場所)
東京都の地震の分布 こちらはこの20年ほどの東京都近くの地震の発生した場所を描いた地図です。 いたるところで地震が起きていて、どこで地震が起きても不思議ではないことが分かります。 (以下、先生方への参考メモ) 図の赤丸は、1990年~2012年(平成2年~平成24年)に発生したマグニチュード2以上の地震。 東京都内で発生したのは約750回でそのうち東京都内で震度1以上を観測したのは46回
Q1.緊急地震速報は、 どんな時に発表されるか? Q1.緊急地震速報は、 どんな時に発表されるか? このあとすぐに地震の強い揺れが来る! ※この音源は、NHKに著作権があり、複製や編集などを禁止します。 また、目的外の使用についても禁止します。厳守をお願いいたします。 さて、みなさんは「緊急地震速報」という言葉を聞いたことがありますか? <挙手を求める> 緊急地震速報は、こんな音です。 <クリック> 緊急地震速報はこんなチャイム音でテレビ等で放送されますが、 「緊急地震速報」はどんなときに発表されると思いますか? <発言を求める> 「緊急地震速報」は「このあとすぐに地震の強い揺れが来ますよ。」と、気象庁が発表する「警報」です。 「警報」とは大きな災害が起こる恐れがある時に発表される情報です。 気象庁マスコットキャラクター はれるん
地震の被害 震度7 震度6強 震度6弱 震度5強 地震の揺れの強さは、「震度」で表します。 緊急地震速報は、地震の揺れの強さが震度5弱以上の強い揺れになると予想した時、発表されます。 この写真は、震度5強の揺れを観測したところの様子で、ブロック塀が倒れています。 <クリック> この写真は、震度6弱の揺れを観測したところの様子で、建物の壁がはがれて落ちてきています。 この写真は、震度6強の揺れを観測したところの様子で、体育館の天井がはがれて落ちてきています。 この写真は、震度7の揺れを観測したところの様子で、家が崩れて倒れてきています。 (以下、先生方への参考メモ) 緊急地震速報は、地震の揺れが「震度5弱以上」になると予想された場合に、「震度4以上の揺れになると思われる地域」に発表します。 震度5弱以上で発表する理由:震度5弱以上になると顕著な被害が生じ始めます。 震度4以上の揺れになると予想される地域に発表する理由:震度の予想は±1程度の誤差があるため、実際には震度5弱が観測される可能性があります。 その他の震度と揺れの状況(詳細は気象庁ホームページ「震度と揺れ等の状況(概要)」をご覧ください。) 震度5強・・・人はつかまらないと歩くことが難しく、室内では棚などから落ちる物が多くなり、固定していない家具が倒れることがある。 震度6弱・・・人は立っているのが難しく、室内では固定していない家具が移動し、倒れる。 震度6強・・・人は這わないと動けない、飛ばされることもある。室内で固定していない家具はほとんど移動し、倒れる物が多くなる。 震度7・・・耐震性の高い木造家屋でも傾くことがある。
「緊急地震速報のしくみ」 ④強い揺れが来る前に警戒呼びかけ (緊急地震速報) 気象庁 ③気象庁で地震の大きさ等を計算 (緊急地震速報) 気象庁 ③気象庁で地震の大きさ等を計算 地震計 地震計 ②震源近くの地震計に揺れが到達 緊急地震速報の仕組みについて詳しく見てみましょう。 <クリック> 地震が発生すると、揺れを伝える地震波が震源から広がって行きます。 (青い円は最初の弱い揺れ=初期微動でP波、赤い線は後から伝わる被害をもたらす強い揺れ(=主要動)でS波と言います。 震源近くの地震計に地震波(P波)が到達し、揺れのデータを気象庁へ伝えます。 気象庁では、揺れのデータから地震の大きさ等を分析します。 大きい地震と判断した場合は、緊急地震速報を発表し、「このあとすぐに地震の強い揺れが来ますよ」と警戒を呼びかけます。 (以下、先生方への参考メモ) 予想の誤差: 緊急地震速報以外の地震情報では、多くの地震計で捉えたP波とS波のデータを使って、地震の大きさ、発生場所、発生時刻を求めますが、 緊急地震速報では素早く警戒を呼び掛けるために、数か所で観測したP波のデータだけで発生場所と地震の大きさを求め、大きな揺れになる地域を推定します。 少ないデータで推定するため、予想震度は±1程度の誤差があります。 地震発生 ①地震が発生
緊急地震速報(イメージ) 主要動 初期微動 緊急地震速報です。 物が「落ちてこない」 「倒れてこない」 「移動してこない」場所に イメージ 緊急地震速報です。 物が「落ちてこない」 「倒れてこない」 「移動してこない」場所に 身を寄せましょう。 緊急地震速報(気象庁) 静岡県沖で地震 強い揺れに警戒 静岡 神奈川 山梨 東京 伊豆諸島 気象庁 地震計 ※この音源やテレビ画面のイメージは、NHKに著作権があり、複製や編集などを禁止します。 また、目的外の使用についても禁止します。厳守をお願いいたします。 緊急地震速報はどのようにして発表され、私たちのもとに届くのでしょうか。 実際のイメージを動画で見てみましょう。 <クリック> 地震が発生し、震源近くの地震計で揺れをとらえました。 気象庁では直ちに揺れのデータを分析し、緊急地震速報を発表します。 緊急地震速報はテレビ等で伝えられ、強い揺れ(主要動)が来る前に身を守る行動をとることができます。 (以下、先生方への参考メモ) P波(Primary(最初の)のP):秒速約7km(時速25200km、時速300kmの新幹線の約80倍のスピード) S波(Secondary(二番目の)のS):秒速約4km(時速14400km、 〃 〃 約50倍 〃 ) (アニメーションの地震波は、実際より約1.7倍速くしています) 観測からデータの分析・予測および緊急地震速報の発表まで、人手を介さず全て自動で行われます。 揺れが来るまでの時間: 発表から地震の強い揺れが来るまでの時間は数秒から長い場合は数十秒ありますが、震源から非常に近い場所では、 発表前に揺れが来てしまうこともあります(地震波を検知してから発表するまでの時間も早くても数秒かかります) この図の地震のように静岡県の沖合で発生した地震で東京が揺れるまでは数十秒ありますが、 震源に近い伊豆半島や駿河湾沿岸では発表と同時か数秒後に揺れが到着します。 予想の誤差: 緊急地震速報以外の地震情報では、多くの地震計で捉えたP波とS波のデータを使って、地震の大きさ、発生場所、発生時刻を求めますが、 緊急地震速報では素早く警戒を呼び掛けるために、数か所で観測したP波のデータだけで発生場所と地震の大きさを求め、大きな揺れになる地域を推定します。 少ないデータで推定するため、予想震度は±1程度の誤差があります。 地震計 地震発生 S波 P波
緊急地震速報の入手方法 携帯電話 スマートフォン 防災行政 無線 テレビ・ラジオ 緊急地震速報 イメージ 提供 NHK 緊急地震速報 ○○県で地震発生。強い揺れに備えて下さい。(気象庁) 緊急地震速報はどんなものを使って知ることができるでしょうか。 みなさんが良く触れるものでは、 テレビやラジオ、お家の人が持っている携帯電話があります。 そのほかに「防災無線」というものがあり、警報が流れるようになっています。 (以下、先生方への参考メモ) 携帯電話、スマートフォンでの緊急地震速報提供は現在携帯会社全社で無料で行っています。 ただし、機種によっては、購入時には緊急地震速報を受信する設定になっていない場合もありますので、これまで受信していない場合は確認が必要です。 (各社のホームページで設定方法や設定が必要な機種等確認できる。NTTドコモは「エリアメール」、その他は「緊急速報メール」という名称で配信)
Q2.緊急地震速報を見聞きしたら どうすればよいか? Q2.緊急地震速報を見聞きしたら どうすればよいか? 物が「落ちてこない、倒れてこない、 移動してこない」ところで身を守る! さて、緊急地震速報が流れたらどうすればよいでしょうか? <発言を求める> 強い揺れがあると、上からものがおちてきたり、ガラスが割れたり、家具や本棚が倒れてきたりします。 そこで、強い揺れが来る前に、「物が落ちてこない、倒れてこない、移動してこない」場所を素早く見付けて身を守ることが大切です。 緊急地震速報が発表されたら、1分間は身を守って下さい。 (以下、先生方への参考メモ) 震源から遠い場所では、緊急地震速報を見聞きしてから強い揺れが届くまでに時間がかかるため、揺れがこなくても1分程度は、身を守るなど警戒しましょう。 地震による強い揺れは、東北地方太平洋沖地震のように数分続く事例もありますが、 一般的には長くても1分程度ですので、その間は身を守る行動をとり続け、揺れが収まってから落ち着いて行動しましょう。 緊急地震速報の発表がなく地震の強い揺れが来た場合も、身を守る方法は同じです。 気象庁マスコットキャラクター はれるん
学校では 窓から、 机の下で、 身を守りましょう。 離れましょう。 イラスト:東京都教育庁「地震と安全」より それでは、身を守る方法について、場面ごとに考えてみましょう。 例えば学校にいるときだったらどうすればよいでしょうか。 まず、教室では机の下に潜ります。天井や電灯が落ちてくるかもしれません。強い地震では机が動くので、机の脚をしっかり持ちましょう。 さらに、窓のそばには近付かないようにしましょう。ガラスが割れて落ちてくるかもしれません。 体育や休み時間などで校庭にいるときには、校庭の真ん中へ集まるようにしましょう。 学校や周りの建物が崩れてくるかもしれません。 (以下、先生方への参考メモ) 緊急地震速報の発表がなく地震の強い揺れが来た場合も、身を守る方法は同じです。 机の下で、 身を守りましょう。 窓から、 離れましょう。 イラスト:東京都教育庁「地震と安全」より
避難する時は 「おかしも」の約束を守りましょう。 おさない かけない しゃべらない もどらない イラスト:東京都教育庁「地震と安全」より 緊急地震速報を聞いて自分の身を守ったら、次は安全な場所へ避難しましょう。 集団で避難する時は、「おかしも」の約束を守りましょう。 おさない、かけない、しゃべらない、もどらない、です。 (おさない、かけない)友達をおしたり、かけたりすると、転んでけがをして逃げられなくなってしまいます。 (しゃべらない)友達としゃべっていると、大切な放送や先生の注意を聞き逃してしまいます。 (もどらない)忘れ物をしても取りに戻ったりしないようにしましょう。後から来る地震の揺れでけがをするかもしれません。 「おかしも」の約束を守りましょう。 イラスト:東京都教育庁「地震と安全」より
通学路や町では ブロック塀から、離れましょう。 看板や建物から、離れましょう。 地震は学校にいるとき以外でも起こるかもしれません。 例えば登下校中に緊急地震速報を聞いたらどんなことに気を付ければよいでしょうか。 ブロック塀のある所にいたら離れましょう。ブロック塀が崩れてきます。 頭の上から看板やビルの窓ガラスが落ちてくるかもしれないので、看板や建物から離れましょう。 (エレベーターでは、停電になると閉じ込められてしまって危険なので、すぐに近くの階で止めて降りましょう(全部の階のボタンを押すのが有効です)。) (以下、先生方への参考メモ) 緊急地震速報の発表がなく地震の強い揺れが来た場合も、身を守る方法は同じです。 ブロック塀から、離れましょう。 看板や建物から、離れましょう。
家では あわてて外に テーブルの下で 身を守りましょう。 飛び出さないようにしましょう。 イラスト:東京都教育庁「地震と安全」より テーブルの下で 身を守りましょう。 自分や友達の家にいるときはどうすればよいでしょうか。 机の下で身を守りましょう。 地震が起こったからといって、あわてて外に出ないようにしましょう。 屋根やガラスが上から落ちてくるかもしれませんし、道路に飛び出して車にはねられる事故が起こったこともあります。 火を消すのは揺れがおさまってからにしましょう。 (家の人や先生が子供の頃には「先に火を消しましょう」と言われていましたが、 現在は震度5弱以上で揺れるとガスメーターが自動的にガスを止めるようにできています。 お湯を沸かしていたり揚げ物をしていたりしている火を消そうとしてやけどをしてしまうことがあります。) また、普段から家具の固定をしましょう。 (以下、先生方への参考メモ) 日頃から家具の安全な配置や固定を行い、家の中に「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」場所を作ることも大切です。 イラスト:東京都教育庁「地震と安全」より
まとめ 身を守る!! 周りを見て!! 緊急地震速報が発表されたら? 揺れがおさまったら? 揺れがおさまるまで、 物が落ちてこない、倒れてこない、移動してこない ところで身を守りましょう 揺れがおさまったら? 最後におさらいをしてみましょう。 緊急地震速報を聞いたら、まずは自分の身を守りましょう。緊急地震速報が発表されたら、1分間は身を守ってください。 揺れがおさまるまで、「物が落ちてこない、倒れてこない、移動してこない」ところで身を守りましょう。 あわてないことが大切です。 揺れがおさまった後も、繰り返し、揺れが来ることがあります。落ちてきたり、倒れてきたり、移動したりするものに気を付けましょう。 学校や大きな公園など、避難場所や安全なところへ避難しましょう。 震源に近い地域では、緊急地震速報の発表が揺れに間にあわないことがあります。 (以下、先生方への参考メモ) 大きな地震が発生したあとは、強い余震が発生することが多くあります。 最初の揺れで倒れやすくなった建物や家具が余震の揺れで倒れて被害が発生することもあります。 避難の際は、余震による揺れや被害に十分警戒しましょう。 周りを見て!! 学校など、安全なところへ避難 ※震源に近い地域では、緊急地震速報 の発表が強い揺れに間に合わないことがあります。
緊急地震速報 訓練 <緊急地震速報のショート訓練> この場で対応訓練を行うことを目的にこのシートを挿入しました。 訓練 緊急地震速報 <緊急地震速報のショート訓練> この場で対応訓練を行うことを目的にこのシートを挿入しました。 また、このスライドを使って、対応訓練も行えるよう最後に掲載しました。 「緊急地震速報」の文字をクリックし、 緊急地震速報のチャイム音とアナウンサーのコメントを放送し、対応訓練を実施してください。 ※この音源は、NHKに著作権があり、複製や編集などを禁止します。 また、目的外の使用についても禁止します。厳守をお願いいたします。