Unit22 会社法の大スペクタクル ー敵対的企業買収ー
1 近代的株式会社の仕組み 「敵対的」企業買収の意味 1 近代的株式会社の仕組み 「敵対的」企業買収の意味
近代的株式会社の仕組み 産業資本 遊休資本 遊休資本 遊休資本
当然に… 出資者は「素人」! 近代的株式会社の生成の経緯からすると、 出資者は産業資本家ではなく、大衆投資家層。 近代的株式会社の生成の経緯からすると、 出資者は産業資本家ではなく、大衆投資家層。 だからこそ「遊休資本」といわれることに注意。
だったら… プロに預けちゃえ! 資金の信託 株主という 素人集団 産業資本の持ち主 経営のプロ
企業買収の仕組み 一緒にやらない? やだよ! 経営陣 友好的企業結合交渉 BIDDER TARGET 敵対的企業買収 じゃ、いいよ。株主になってお前らクビにしちゃうから。 株式を買い集める
企業買収を巡る攻防戦の核心 ◆ 「敵対」図式は、 BIDDER vs TARGETの経営陣 *TARGETの株主ではないことに注意 ◆ TARGETの株主は、株式を自由に「売る」ことができる *「どーしても欲しい」っていうやつには高値 を吹っ掛けてやろう!
2 敵対的企業買収は 「いいこと」? 「悪いこと」? 2 敵対的企業買収は 「いいこと」? 「悪いこと」?
よーし、こっちは友好的な株主増やしてやる! TARGETの経営陣の抵抗 抵抗する経営陣 よーし、こっちは友好的な株主増やしてやる! 株主総会で激突! 売って、 売って! 高く買うよ! *危機を救うため登場してくれるので、「白馬の騎士(White Knight)」なんていう 新株主 なびく株主達
敵対的企業買収擁護論 だとしたら… 頼れる経営者 報われない株主 リソースを使い切れない「眠れる経営陣」 利益還元! 十分な利益還元がない! 満足する株主 十分な人的 リソース 十分な物的 リソース
敵対的企業買収害悪論 高金利負担 ターゲット 買収成功! ビッダー 投資銀行など 処分… LBOによる 潤沢な資金提供 結局、何だったの?
あるいは… 結局、何だったの? おい、俺様の怖さ、思い知ったろ! 株式、高値で買い戻させてやってもいいぞ… TARGET BIDDER おい、俺様の怖さ、思い知ったろ! 株式、高値で買い戻させてやってもいいぞ… TARGET BIDDER 買い戻しを持ち掛ける ある程度まとまった割合の株式買い集めたら… 結局、何だったの?
3 現経営陣は保護に値するか? たちはだかる「忠実義務」の壁 自己保身の疑い?
みーんな、取締役(会)が勝手にできるんだった!! 防衛策に潜む「自己保身」のリスク! ★ 新株発行のときの「有利な株主割当」(P108) ★ 自己株式取得のときの「株式減らし」 ★ 新株予約権の発行のときの「発行価格」(P142-143) みーんな、取締役(会)が勝手にできるんだった!!
会社の金! 会社(株主)の金を使って、自らの保身に走っているのでは? 経営陣 Omni Present Specter 自社株防戦買 TARGET BIDDER HOSTILE Tender Offer Counter Tender Offer
4 ブルドックソース事件
ブルドック・ソース事件 スティール・パートナーズ ブルドック・ソース 株式市場価格の1.2倍の値で 株式の買い集めを図る 1円で3株を買い増す権利を全ての株式に付与 ただし、スティール・パートナーズはこの権利を行使できない。それどころか、この買い増しの権利を安い値段で「取り上げられる」。 +
スティール・パートナーズ側は、「それは、とてもずるい!」と判断して、このブルドック・ソースの経営陣がやろうとしている防衛策を差し止めようとした。 ところが、東京高等裁判所は、7月9日、過去に手がけた買収事例から、スティール・パートナーズを「濫用的買収者」と認定し、ブルドックソースが導入した買収防衛策を是認した。