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学年   名列    名前 物理化学  第2章 1 Ver. 2.0 福井工業大学 原 道寛 HARA2005.
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セラミックス 第5回目 5月 14日(水)  担当教員:永山 勝久

(3)共有結合 (最も強固な化学結合) ◎ 共有結合 ・・・ 1つの原子が所有する孤立電子 (不対電子) と,周囲の隣接原子            が有する孤立電子との間で,スピンの向きを逆にして安定な電子            対を形成することによって生じる化学結合形成 [定義] (半導体, 非酸化物系 セラミックスの 結合様式) 隣接原子間で N Si = S スピン 電子 磁気  双極子 S ・窒化物 ・ホウ化物 ・炭化物 = N 安定な電子対(+,-のスピン               の結合) Si4+ : 4価 周囲に4個のSi原子 図4 Si結晶の共有結合 電子を共有する (a) ←電子雲どうしの結合 = 反平行スピン = (安定な電子対) 異極結合  安定 安定結合 = 「共有結合」 (b) 電子雲どうし    の反発 同極結合  不安定(反発) 平行スピン = (不安定電子対) 図5 反平行(a),平行(b)スピン間における2原子間の電子密度分布

共有結合の特徴 : 特定の原子・原子間 での強い結合力であるため、方向によって 結合力は異なる(・・・異方性が大きい結合力)             結合力は異なる(・・・異方性が大きい結合力) 共有結合>イオン結合,金属結合 [共有結合性結晶の特徴] : ①融点が高い                   ②硬度が大きい                   ③高強度                   ④原子間結合に異方性があるため,特定面で割れる                   ⑤拡散係数が小さい (物質中の原子移動が困難) [代表的な共有結合性物質] ・・・ Ⅳ族元素 : C,Si,Ge,Sn 原子配列 : ダイヤモンド構造 [ : 図6 参照 ]           ・・・一つの原子の周囲に4つの原子が存在し,正四面体を形成 中心の原子と四面体頂点の各原子が互いに4個の外核電子を出し合って,かつ スピンが逆向きの電子対を形成 = 『sp3混成軌道』 [ : 図7 参照 ] sp sp2 sp3 sp3d sp3d2 sp3d3 配位数 2 3 5 6 7 4 図7 sp3混成軌道    (配異数と幾何学的な原子結合形状) 図6 ダイヤモンド構造

半導体物質 ← (共有結合性物質の代表) = ◎半導体の推移 ・最初のトランジスタ ; Ge (Ⅳ族元素) : Ge4+ 共有結合性結晶 半導体物質 ← (共有結合性物質の代表) ◎半導体の推移 ・最初のトランジスタ ; Ge (Ⅳ族元素) : Ge4+ 共有結合性結晶 ・現在の半導体 ; Si (Ⅳ族元素) : Si4+ ・今後の半導体 ; GaAs,InP (化合物)             (Ⅲ‐Ⅴ族化合物) Ga,In ・・・ 3族元素 As,P ・・・ 5族元素 平均の原子価 : 4価 ⇒ Ge,Siと同様 GaAs,InP ・・・ 立方硫化亜鉛構造 <4面体構造を4つ有する>            (四面体構造を構成要素にもつ,立方晶型結晶) (InSb) = ダイヤモンド結晶に類似 共有結合性結晶 四面体構造 が構成要素 “4配位構造” ( :Ⅲ族原子位置, :Ⅴ族原子位置) 図6 立方硫化亜鉛構造 (・・・Ga,In) (・・・As,P)

『ニューセラミックスの概要』 ニュ-セラミックス・・・金属,プラスチックスに次ぐ第3の工業素材 歴史的背景:伝統的セラミックスからニュ-セラミックスへの変革[:図1.1参照]  ①伝統的セラミックス・・・『セラミックスの石器時代』  :石器(地球が作った天然のセラミックス)→土器(火の発見(~800万年前)に起因 して人間が人工的に作った最初のセラミックス)                           →陶磁器(窯業製品、珪酸塩工業製品)  ②ニュ-セラミックス(ファインセラミックス)・・・『ニュ-石器時代(現代社会)』 ①と②の決定的相異点[:表1.1参照]  伝統的セラミックス・・・天然原料,ニュ-セラミックス・・・人工原料                  ↓  『ニュ-セラミックスの概念的定義』   :精製,精密に調整された化学組成かつ微細均一粒子からなる人工原料を    使って、高度に制御された成形法及び焼結法による焼成品                  ∥       新しい機能を有する材料(構造的特性,機能的特性)に発展

表1.1 ニュ-セラミックスとオールドセラミックスの比較 図1.1 伝統的セラミックスからニュ-セラミックスへの変革

『セラミックス』の学術的定義・・・『非金属無機固体材料』[:表1.2参照]  元素の分類:(1)金属性元素 (ex.Al,Zr,Ti,Pbなど)           (2)半金属性元素(ex.B,C,Siなど)         (3)非金属性元素(ex.O,N,F,S,Clなど)  非金属無機固体材料の定義(分類)   :①半金属性元素により構成される物質     (ex.ダイヤモンド,カ-ボン繊維,半導体Si,C60,ナノチューブなど)    ②半金属性元素と金属元素及び       半金属元素と非金属性元素間の化合物     (ex.炭化ケイ素SiC,窒化ケイ素Si3N4, 窒化アルミAlN,炭化チタンTiCなど)    ③金属性元素と非金属性元素間の化合物[:表1.3参照]     (ex.アルミナAl2O3,ジルコニアZrO2, シリカSiO2,チタニアTiO2など)

表1.2 金属,プラスチックス,セラミックスの比較 表1.3 金属とセラミックスの物性比較例

ニュ-セラミックス High Technology Ceramics (新しいセラミックス) (高い技術を有するセラミックス)   日本                アメリカ   ニュ-セラミックス    High Technology Ceramics   (新しいセラミックス)  (高い技術を有するセラミックス)   ファインセラミックス   Advanced Ceramics   (微細緻密・精密なセラミックス)  (先端技術のセラミックス)               ↓   高度な技術を取入れた先端素材・応用産業 [:図1.2,表1.4参照]  ∴ニュ-セラミックス製品    ・・・知識集約的製品(高付加価値,省エネルギ-的製品)       [:図1.3参照] 図1.2 我が国のニュ-セラミックス の用途別市場規模

図1.3 ニュ-セラミックスの応用製品例