「確かな学力」を身につけた西っ子の育成 ~「わかる授業」から学びの楽しさを求めて~

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「確かな学力」を身につけた西っ子の育成 ~「わかる授業」から学びの楽しさを求めて~ 教育研究集会 第4分科会 算数・数学教育部会 「確かな学力」を身につけた西っ子の育成  ~「わかる授業」から学びの楽しさを求めて~ わかった! 楽しい! 丹波市立 西小学校 徳田 俊広  11月1日から丹波市になりました丹波市西小学校の徳田と申します。  本日は、子どもたちに「確かな学力」を身につけさせるためのとりくみや、子どもたちが「わかった!」「楽しい」と感じる授業作りについて発表したいと思います。

本日の発表内容 1 算数科における 「確かな学力」とは? 2 子どもに力をつけさせる 3つの授業実践 3 確かな学力をつけさせるために 1 算数科における  「確かな学力」とは? 2 子どもに力をつけさせる   3つの授業実践 3 確かな学力をつけさせるために   西小からの提案 わ か っ た ?  本日は、まず、自主教研算数部会のとりくみを紹介します。  そして、算数科における「確かな学力」を考え、子どもたちに力をつけさせるための3つの実践を紹介します。  最後に、確かな学力を身につけさせるためにどうすればいいのか、西小から提案したいと思います。

西小が考える 算数科における「確かな学力」  ここからは西小分会が考える「確かな学力」についてお話します。  「確かな学力」とは、知識や技能はもちろんのこと、学ぶ意欲や自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力までを含めたものと考えています。  そこで、知識・技能を「学んだ力」、関心・意欲を「学ぼうとする力」、考える力、判断する力、表現する力を「問題解決する力」と捉え、ごらんの図のように整理しました。これらの3つの力をバランスよく身につけさせることが、確かな学力向上につながると考えています。  特に「問題解決する力」は「情報活用能力」と似かよっており、算数科の学習を通して高めていくことが可能です。

チェックリストによる個に応じた指導と評価 確かな学力を身につけさせるために 新学習システム教員と複数指導による チェックリストによる個に応じた指導と評価 -6年生「平均とその利用」- 興味が持てる 課題づくり ヒントカード T2教員の支援  ここから、確かな学力を身につけさせるための3つの実践をお話します。  はじめは、6年生「平均とその利用」についてです。まず授業前に子どもたちが平均についてどのような知識や経験を持っているのか調査します。それをごらんのチェックリストにまとめます。たとえば、★FやNの子はよく理解しており、★AGIJの子どもは支援が必要なことがわかります。また、子どもがつまずきそうなところもわかります。そこで、子どもが興味を持ちそうな課題を投げかけたり、ヒントカードを用意したりして個に応じた支援を行うことにしました。  このように、チェックリストをもとに、新学習システム教員をはじめとする複数の教師で打ち合わせを行い、子どもたちに力をつけようとしました。

ヒントカードの活用 平均の求め方について、多様な考え方ができるよう支援 (ヒント2、3) 支援が必要な児童は最低限の問題演習として活用  (ヒント2、3) 支援が必要な児童は最低限の問題演習として活用  (ヒント4)  実際の授業では、基準線が違う2と3のカードを与え、平均の求め方について多様な考え方をださせることができました。また、支援が必要な子どもには4のカードを与え、ゆっくり指導することで、平均の求め方を理解させました。  ヒントカードを通して、学力差を克服し、どの児童にも確かな学力を身につけさせようとしました。

楽しい算数的活動を通して 思考力を育成する -2年生「長さ調べ」-  これは2年生の「長さ調べ」のようすです。  ここでは、放送番組の楽しい算数的活動を通して、長さを比べる方法を考えさせる、いわゆる思考力を育成する授業です。  赤、青、黄の3種類のテープを組み合わせ、実物の操作を通して長さの比べ方を考えました。 NHK「かんじる算数1,2,3!」

理解しにくい子どもに支援 番組によって子どもの興味が持続 関心・意欲を高める工夫 長さの置き換えをアニメーションでイメージする。 楽しい! わかった!  活動の中で長さの置き換えが理解しにくい子どもがいました。  そこで、番組のアニメーションを見せることで、長さの置き換えを視覚的に理解させました。黒板とチョークだけの授業では低学力の児童の興味は持続しませんが、このような番組を見せることで子どもの興味が持続しました。  関心・意欲を高めることで、子どもたちの学ぶ意欲が向上します。  そして、しっかりと授業が「わかる」ことで、学びの「楽しさ」を感じさせることができました。 番組によって子どもの興味が持続 関心・意欲を高める工夫

個別の学力に対応し、すべての子どもに 時計の読み方を理解させるとりくみ 2年生 時計のよみかた 正しく読めた子 →新たな演習問題 つまずきがある子 →治療問題を出題  2年生に進級したときに、時計の読み方の単元があります。子どもたちは長い針や短い針の読み方に混乱し、つまずきが多い単元です。  そこで、インターネットに公開されている「時計の読み方」の教材を活用し、すべての子どもに時計の読み方をマスターさせようとしました。  この教材では、正しく読めた子には新たな演習問題が、つまずきのある子にはそれに応じた治療問題が出題されます。

保護者や子どもから わかる楽しさを感じた手紙の紹介 今まで時計を教えたこともなく「6のとこまで。3になったら」 という言い方をしていましたのに、今や「☆完璧☆」です。 どんな教え方をしてくださったんでしょうか?(A母) 保護者 きょう、とけいの見かたをべんきょうしました。じぶんのとけいを みて、ほんもののとけいをみて、いろんなかんがえをしました。 コンピュータでは、とけいのみかたをなんかいもくわしく、おしえ てもらって、やっとかんぺきになりました。コンピュータが先生の ようにかんじました。いえにかえって「とけいのみかたがわかっ たよ。」とおかさんにうれしいこえでいいました。とけいのみかた がわかってうれしいし、すこし、レベルがあがったようなきがしま した。(F子)  この学習のあと、急に時計が読めることになった驚きを伝えてくれた保護者がいました。また、「時計のみかたがわかってうれしいし、少しレベルが上がったような気がした」という児童の感想も聞くことができました。  児童や保護者にわかる楽しさを感じさせることができた実践でした。 子どもの感想

確かな学力をつけさせるために 西小の提案 事前にチェックリストなどを用い学力を知る 新学習システム教員等の複数指導で関わる 「わかった」「楽しい」と感じる授業作りのための指導方法の工夫改善 ヒントカードやデジタルコンテンツを利用して個に応じた支援をする。 ITを活用した算数カリキュラム表  最後に、まとめとして、確かな学力をつけさせるためにどのようにとりくめばいいのか、西小の提案をしたいと思います。  まず、事前にチェックリストなどを用い、子どもの学力を把握します。そして、新学習システム教員などと協力し、複数指導で関わるようにします。子どもたちが「わかった」「楽しい」と感じる授業づくりのために、指導法の工夫改善を行います。今回の実践ではヒントカードやデジタルコンテンツも個に応じた支援に効果的であることがわかってきました。  しかし、コンテンツがどこにあるのか、まだよく知らない教員もいます。そこで、学校で協力し、レポート最後のページのような「ITを活用した算数カリキュラム表」を作成しています。このようなとりくみを進め、今後さらに「わかる」「楽しい」授業づくりの実現を目指していきたいと考えています。  ご静聴ありがとうございました。