労働運動への発信 ryo-sato@hyper.ocn.ne.jp Common Sense         11月23日、「提言型政策仕分け」において国会議員、民間有識者のワーキンググループによる「雇用政策の効果の検証、雇用保険の運営等」が行われた。 論点は、 ①雇用政策の効果の検証はどうすべきか。

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少子高齢化社会と年金 澤崎 下村 戸田 山川 中京大学総合政策学部 大森ゼミⅱ. 労働力の枯渇 生産年齢人口の減少 参照 平成 25 年度総務省「人口統計」 現状 高齢者を労働力として活躍させよう.
佐賀市中期財政計画 総務部財政課 平成26年12 月 平成27年度 ~ 平成33年度 1. 佐賀市を取り巻く状況 ○ 生産年齢人口(15~64歳)の減少 ⇒ 税収等の減少 ○ 高齢者人口(65歳以上)の増加 ⇒ 扶助費や医療費等の増加 ○ 合併特例措置 ⇒ 普通交付税の段階的縮減 (27年度から32年度まで)
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「働き方」に関する詳細・お悩みは【相談窓口】へ 改正法の詳細は厚生労働省HP『「働き方改革」の実現に向けて』をご覧ください。
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実践型地域雇用創造事業 ≪概要≫ 実施スキーム 事業内容 厚生労働省 地域雇用創造協議会 外部有識者等 都道府県 地域の経済団体 市町村
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2017年度版  フード連合 産業政策.
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「大阪の成長戦略」の実現による大阪経済の活性化
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地 域 人 づ く り 事 業 の 概 要 趣 旨 事業内容 地域の多様な「人づくり」を通じた 雇用拡大・賃上げ促進
「雇用と社会保障の密接な連携」を通じた介護分野の成長戦略
経済連携協定による 外国人介護福祉士候補者 に対する 支援について (緊急雇用創出事業(基金)の活用)
5本柱 運動推進の 時代の変化に即応した、金属運動のさらなる強化と発展の追求 勤労者に安心・安定をもたらす雇用をはじめとする生活基盤の確立
地域創生人材育成事業 公的職業訓練の標準モデルとして活用
資料2 立地推進体制について(案) 平成23年7月26日.
21年度から実施する施策~雇用保険のセーフティネット機能を強化します。
全国介護保険担当部(局)長会議資料 ~介護保険制度改正の検討状況等について~
高度人材・中小企業活用推進事業 【大阪府商工労働部雇用推進室人材育成課】
+ うつのみや産業振興ビジョン【概要版】 7章 施策の展開と支援体制の形成 1章 産業振興ビジョンの基本的な考え方について
認定支援機関による経営改善計画策定支援 国 基金管理団体 (別紙2) 事業の内容 事業イメージ
厚生労働省・茨城労働局・ハローワーク常陸鹿嶋
中山間地域等直接支払交付金(拡充) 地域の活性化及び生活の安全・安心の確保のための対策強化 中山間地域等における多面的機能の維持・増進
令和元年度 商工労働施策について 施 策 目 標 主 要 施 策 基 本 姿 勢 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 海外ビジネス 創業・ベンチャー 事業承継
産 業 振 興 計 画( 成 長 戦 略 ・ 221の地域アクションプラン )の 推 進
平成29年 「中小企業者・小規模事業者の 人材確保と育成に関するアンケート」
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労働運動への発信 ryo-sato@hyper.ocn.ne.jp Common Sense         11月23日、「提言型政策仕分け」において国会議員、民間有識者のワーキンググループによる「雇用政策の効果の検証、雇用保険の運営等」が行われた。 論点は、 ①雇用政策の効果の検証はどうすべきか。 ②日本の雇用の課題・問題の要因とその解決策をどう考えるか。③雇用保険の現状と今後のあり方をどう考えるか、である。 「課題・問題の要因は何か」「解決策は方向つけられたのか」-骨太い議論はなし。厚労省と財務省のペーパ-に基づく「方向ずけ」をまとめた、わずか1時間半の議論であった。「冗談でない」というのが実感である。 行政刷新会議の「HPを参照」だが、私にとって助かるのは、日頃入手できない資料が示され、「行間」が読み取れることである。少しづつ紹介していきたい。 No.28  2011.11.25 労働運動への発信 ryo-sato@hyper.ocn.ne.jp

現状認識 一部に持ち直し、依然として厳しい状況 (厚労省提出シート) 現状認識   一部に持ち直し、依然として厳しい状況                                      (厚労省提出シート)   ○完全失業率は9月、4.1%。 ○有効求人倍率は9月は0.67倍。前月より0.01ポイント改善。 ○職安への新規求職者は、前年同月比28.3%の減少。 ○日銀短観の雇用人員判断(「過剰」-「不足」)は、9月の雇用過剰感は弱まっている。 (6月→9月 全産業:+8→+3 ※直近のピークは2009年3月の+23) ○9月の雇用保険受給者は前年同月比4.0%の66.6万人。 野田内閣の雇用政策-2011年度予算 [政策提言型仕分け]- 施策・事業シート(施策等の全体像) 厳しい経済環境下における雇用政策の推進(平成23年度予算) 「雇用戦略・基本方針2011」を踏まえ、新成長戦略の「ステップ2」を着実に実施し、加えて「ステップ3」として、本格的な「雇用・人材戦略」の推進をはかる。具体的には、2011年度予算において求職者支援制度の創設、新卒者等への就職支援、雇用保険の機能強化など総合的な雇用政策を推進する。 雇用を「つなぐ」 ●求職者支援制度の創設 628億円(10月から新制度、旧緊急人材育成支援事業が補正1000億円で延長   されている) ●新卒者、既卒者の就職支援 110億円(これまで新卒者就職実現プロジェクトで予備費120億円、補正495 億円が措置されている) ●パーソナル・サポート・モデルプロジェクトの実施 3.9億円(予備費では29億円) ●成長分野の人材育成職業訓練 317億円 ●ジョブカード制度の推進 107億円 ●女性の就業希望等の実現 125億円 ●高年齢者雇用対策 303億円 ●障害者に対する就労支援 233億円 雇用を「創る」 ●重点分野雇用創造事業の拡充(これまで予備費、補正で各1000億円、2011年度までの対策) ●成長分野等人材育成支援事業の創設(補正500億円,事業主助成上限20万円) 雇用を「守る」 ●雇用調整助成金 3927億円 (円高対策で要件緩和) ●雇用保険の機能強化 2147億円(拡充効果383億円) ・基本手当の引き上げ下限1600円→1856円 ・再就職手当の給付率の引き上げ 残2/3 60%に引き上げ恒久化

以上の現状のもとでの「仕分け」による「提言」である 総額4兆2866億円 雇用創出効果 20万人程度 雇用の下支え効果 150万人強 震災後の補正予算・法改正 4月27日 〔ステップ2〕-被災者等就労支援・雇用創出推進会議第2段階のまとめ 復旧事業等による確実な雇用創出→2兆544億円、雇用創出効果20万人 ・雇用創出基金事業の拡充 被災した方々の新たな就職にむけた支援→158億円、雇用下支え効果6万人 ・被災者雇用開発助成金の創設 ・職業訓練の拡充 ・復旧工事災害防止対策の徹底 ・避難所への出張相談と被災者ニーズに対応した求人開拓 ・広域に就職活動を行う方への応援 ・被災地における新規学卒者等への就職支援 被災者の雇用の維持・生活の安定→1兆7369億円、雇用の下支え効果146万人、生活の安定効果43万人 ・雇用調整助成金の拡充(最大300日) ・各種保険料の減免(医療、介護、労働、厚生年金) ・中小企業者、農林漁業者、生活衛生関係営業者等の経営再建支援 ・雇用保険の延長給付の拡充(60日+さらに延長) ・未払い賃金立替払の請求促進・迅速な支払 総額6.1兆円 雇用創出効果50何人、雇用下さえ7万人程度 雇用復興を支える予算措置 10月25日 〔ステップ3〕-被災者等就労支援・雇用創出推進会議第3段階(2011.10.25) 地域経済・産業の再生・復興による雇用創出→5.7兆円、雇用創出効果35万人 ・企業支援-部品、素材分野と成長分野の生産拠点への国内立地補助金 ・革新的医療機器創出の復興特区 ・農林水産業の支援 農林漁業の第6次産業化の推進 ・観光業支援 風評被害防止の情報発信。三陸復興国立公園(仮称)のとりくみ 産業振興と雇用対策の一体的支援→被災地雇用復興総合プログラム 0.4兆円 雇用創出効果15万人 ・事業復興型雇用創出事業を創設 ・生涯現役・全員参加・世代継承型雇用創出事業の創設(自治体→民間委託) ・雇用創出基金の積み増し ・復興特別区域制度(仮称)の創設に伴う法人税に係る措置(新規立地企業を5年間無税。給与総額の一定割合を法人税額から控除) ・農業経営の多角化による雇用創出・就業支援。 復興を支える人材育成・安定した就職に向けた支援等→0.1兆円、雇用下支え効果7万人 ・人材育成の推進等(公的職業訓練、中小企業の人材育成、通期産業界の連携による専門的人材育成) ・ハローワーク等の支援の充実強化(新卒者、障害者、被災者雇用開発助成金の拡充) ・復興事業における適正な労働条件の確保・労働災害の防止 ・雇用保険の給付の延長(被災3県の沿岸地域で90日分) 注目! 以上の現状のもとでの「仕分け」による「提言」である 〔出された方向性〕  (全文) ・これまでの雇用対策については、その効果が十分発揮されておらず、その検証も不十分であった。今後は、経済対策によるものを含め、毎年度全ての施策の効果検証を定量的に実施し、予算に厳格に反映させること。 ・加えて、既存事業の大胆な統廃合や、能力開発事業とハローワークとの一層の連携強化を図るなど、 現に就職につながる改善を行う。 ・非正規労働者の増加や新卒者の就職難などの構造的な課題への対応については、制度的な改革 にも取り組むべき。 ・雇用保険の積立金については、平成23年度末見込みで約4兆円の水準となっており、雇用保険制度の持続可能性に配慮しつつ、受益者負担の軽減の観点から、雇用保険料の一定の引き下げを含む負担と受益(事業)の関係の見直しを検討すること。