メディア社会学6回? 2018年5月22日(火).

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メディア社会学6回? 2018年5月22日(火)

1.4 社会(あるいは全体社会)相互の比較 1.3までの比較 1.4での比較 集団ごと(属性ごとにグルーピングしたグループごと)の比較 1.4 社会(あるいは全体社会)相互の比較 1.3までの比較 集団ごと(属性ごとにグルーピングしたグループごと)の比較 1.4での比較 地域ごとの比較、時代ごとの比較等々

全体社会の相対化 「全体社会」 1.3までの方法 分節化 : 社会学の基本 ただし1.4は、「全体社会」を場合によって一枚岩に 「国民国家の全成員のなす社会」「国民社会」「国」 1.3までの方法 全体社会を部分社会に分節化 分節化 : 社会学の基本 ただし1.4は、「全体社会」を場合によって一枚岩に 現在の「全体社会」の相対化を目的とする

デュルケム(Emile Durkeim 1858-1917) マックス・ウェーバーの同時代人。 ウェーバーと共に、社会学の史上2大巨頭(3大巨頭という場合、ジンメルが加わる) 著作 『自殺論』 『社会学的方法の規準 』 ウィキペディアからの画像

デュルケム vs ウェーバー① ウェーバーと対比される ウェーバー ・・・ ドイツ人 デュルケム ・・・ フランス人 ウェーバー デュルケム 方法論的個人主義 デュルケム 方法論的集団(集合)主義の代表

デュルケム vs ウェーバー② ウェーバー デュルケム プロテスタントの熱心な母の下で育つ プの信仰 → 一人で神に近づく 父親はユダヤ教のラビ( 8代続いたラビの家系)ただしフランスというカトリック文化圏の中で育つ)。 カトリックの信仰 → 集団的に神に近づく ユダヤ教 → カトリック → プロテスタントの順で、 集団の規範が緩くなる(とデュルケムは想定)

補足 ラビ=キリスト時代のパリサイ人(ファリサイ人、律法主義者)政教分離前は法律家=宗教家 キリスト(自身、ユダヤ人だしユダヤ教徒の自己意識をもつ)はパリサイ人の形式主義を嫌い、内面の信仰を重んじ、パリサイ人らを批判し、処刑された。→ユダヤ人差別の一因、キリスト教が世界宗教になるきっかけ デュルケムもウェーバーも自身の親の信仰心が研究の背景に。当人たちのそれは不詳(というか信仰心弱いという説が一般的)。

方法論的集団(集合)主義 社会を個人の意識(ウェーバー)や創意(タルド)に還元する見方を批判 社会を堅固なモノのように捉えることを提唱 社会学の分析対象は「社会的事実」(モノのように個人に先立つ存在・例えば「制度」のように)

ガブリエル・タルド(1843-1904) http://www. cairn ガブリエル・タルド(1843-1904) http://www.cairn.info/revue-histoire-politique-2010-2-page-11.htm デュルケムの同時代のフランスの著名な社会学者。デュルケムから手痛い攻撃を受けるが、『世論と公衆』『模倣の社会学』などの重要な著作を残す。

(補足)制度と個人の行動規範 制度、法と、倫理、道徳、個人の行動規範は地続きの概念でありつつ(辞書的には重なっていく)、(現世的な)強制力があるなしで、大いに違う。 ごく大ざっぱにいって、上の文章の左側にデュルケムの社会的事実、右側にウェーバーのエートスがあるイメージ。そして右側ほどプロテスタント的

『社会学的方法の規準』(邦訳1978) (宮島喬訳・岩波文庫) p.54より 「それら(社会的事実)は、行動、思考および感覚の諸形式から成っていて、個人にたいしては外在し、かつ個人のうえにいやおうなく影響を課することのできる一種の強制力をもっている」

→言語の運用、宗教儀礼を含め広い意味での「制度」(社会の中でルールで営まれるものごと)は、われわれが生まれる前からあるし(「外在し」)、われわれはそれに強く影響され、(部分的追加や削除や修正はあるにせよ)、われわれには動かしがたい「モノのような存在」としてわれわれにたちはだかる。 宗教上の規範は冒しがたい聖性を帯びるが、それがここでいう「制度」の典型であろう。

(デュルケムにおいて)「神は社会の象徴なのである」(ランドル・コリンズ『脱常識の社会学 第二版』岩波現代文庫、井上俊ほか訳、邦訳2013年、p.52) ポイント 神=社会 (律法主義者ラビの息子ゆえ)

先の引用部分に続けて個人主義的な方法を批判(『社会学的方法の規準』p.55) 「たしかに、これらの現象を規定するのにもってした拘束という言葉は、絶対的個人主義の熱烈な信奉者たちをたじろがせるおそれなしとしない。・・・しかし、われわれの観念や傾向の大部分はわれわれ自身によってつくりあげられたのではなく、外部からやってくるものであることが今日ではすでに明らかである以上、それらは外から課せられるというかたちでしかわれわれの内に入り込めないはずである」。

改めて「社会的事実」とは 「社会的事実」 個人の外にあって個人の行動や考え方を拘束する、集団あるいは全体社会に共有された行動・思考の様式 人間の行動や思考は、個人を超越した集団や社会のしきたり、慣習などによって支配される(以上2つ、ウィキペディア「デュルケム」より引用) しきたり、慣習、規範、制度などが「社会的事実」

二つ(二大巨頭)の方法論の比較① 方法論的個人主義(ウェーバー由来) 方法論的集団(集合)主義(デュルケム学派) 現在の社会を分節化 → アンケート調査など通常の調査方法に適合 方法論的集団(集合)主義(デュルケム学派) 主に社会相互の比較 違う国や違う地域(あるいは違う集団)の比較、同じ地域の違う時代を比較 → 既存の統計資料をつき合わせる。あるいは文化人類学に(弟子で甥のマルセル・モースのように)。

二つの方法の比較② 社会が先か、個人が先か 実際は、DとWいずれかの流れを汲む人々が、共に個人の意識も制度や規範も考慮する 結局は鶏と卵の関係 実際は、DとWいずれかの流れを汲む人々が、共に個人の意識も制度や規範も考慮する ただし、方法論的個人主義の方がアンケート調査等、現代の社会学の主流に近い(親和的) ウェーバーの方が社会学の事実上の祖のような扱いされる理由か

全体社会の捉え方の一つの例 デュルケム 全体社会を「統合-分裂」の軸で比較 統合 分裂(Dを少し離れて一般に)   葛藤 ・・・ 社会変動の要因、階級闘争、 資本家対労働者    自由 ・・・ さらに分裂を深めかねない 安定 不安定性

統合の欠如と自殺 倉沢進・川本勝編著『社会学への招待』ミネルヴァ書房p.205.1992年等による 「統合」 ・・・ 社会の連帯、まとまりのようなもの 『自殺論』(1897)デュルケムの代表作。 自殺率 ・・・ 社会解体、社会の紐帯Important connection, tieが弱体化した(統合が失われた)とき増大 自殺率を社会統合の有無の指標に アノミー 規範が弱体化 → 個人はアスピレーション(向上心)や道徳的行動に規制を感じることが少なくなる → 集団の統制や規制による安心感、安定感を失う → 自殺(要は、規範やルールが生きていることの意味に通じるという考え)

アノミー 宮島喬・杉山光信・梶田孝道・富永茂樹訳『ラルース社会学事典』弘文堂、1997,pp.4-5より 語源的には、規範、規則・法律の欠如。ギリシア語のanomosに由来。アナーキーな個人主義 『自殺論』でのアノミー 人間の欲求の無制限性と達成すべき目的の不確定性から生じる無限の病

デュルケムの規範の考え方の面白さ 通常の規範の捉え方 デュルケムの規範の考え方 自由に反するもの。人々を押さえ込むもの デュルケムの規範の考え方 人々に目標を与えるもの。生きている意味に関わるもの。(規範の典型=法とすると、ラビの息子の面目躍如) 自由な時代、あるいは自由なはずの人々こそ、自殺が多くなる点に、彼は着目。

同じことを少し表現を換えていうと 「自由・・・善」という通常のわれわれの考え方に異を唱える。規則のメリットもあるはず。 自由に対立する拘束に、社会(のルール)や、社会のシンボルとしての宗教や神があると考え、それら(デュルケム自身はラビの息子ながらおそらく無神論者)がわれわれの生きている意味を与えていた、と。 拘束、規則の少ない社会(=自由な社会)・・・意味喪失の社会

卑近な例 制服のない高校の女子高生が、あえてイーストボーイ等のなんちゃって制服で登校する 女子大生やОLが制服でTDL,TDSにいく 無調音楽のあとの12音技法(アーノルド・シェーンベルクが創始)は厳密なセリー(音列)を守らせる

『自殺論』(1897)あれこれ 自殺が多いのは、以下の4カテゴリーのうち、どれ? 「独身・男性」「独身・女性」「既婚・男性」「既婚・女性」(マトリックス的思考) では次の時期の比較では? 「戦争の時期」「平和で豊かな時期」 独身・男性 独身・女性 既婚・男性 既婚・女性