福岡県教育センター ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ・本スライドの研修内容は,研究紀要p.8~p.9と対応しています。研究紀要を印刷される場合は,福岡県教育センターのホームページからダウンロードして使用してください。 ・時間に余裕があれば,簡単な演習を行うことができます。 演習を行う場合は,スライド8がワークシートになっておりますので,人数分を印刷してください。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 今から,学級の支持的風土を醸成するためのポイントについて学びましょう★ 福岡県教育センター
一人一人が自己存在感を感じ,学び合いを通して, 互いのよさを尊重し,認め合える,全ての児童生徒にとって居心地のよい環境 「学級の支持的風土」とは? 一人一人が自己存在感を感じ,学び合いを通して, 互いのよさを尊重し,認め合える,全ての児童生徒にとって居心地のよい環境 ◎自己存在感をもたせる ◎共感的人間関係を育成する ◎自己決定の場を設定する 授業者の働き掛け 「学級の支持的風土」とは,どのようなことなのでしょう。お隣の方と自分の考えを交流してみましょう。 (※1~2分時間をとる) 「学級の支持的風土」とは,一人一人が自己存在感を感じ,学び合いを通して,互いのよさを尊重し,認め合える環境のことです。 私たち教職員が,特に授業者が,★児童生徒たちに働き掛けることで,★「この学級は,楽しい!」「私は役に立っているな」という自己存在感と,学び合いを通して得た級友と認め合える喜びを実感します。その働き掛けとは,★「自己存在感をもたせること」「共感的人間関係を育成すること」「自己決定の場を設定すること」です。 では,一つ一つの働き掛けとその効果を詳しく見ていきましょう★ この学級,楽しい!勉強もよく分かるよ
◎自己存在感をもたせましょう! ・実態やニーズの把握し,活動の場づくりをする。 ・自由な発想や方法,思考の過程等を認める。 ・一人一人を大切にする姿勢を見せる。 授業者の働き掛け 有用感 参 加 「名前で呼ぶ」 「目を見て話す」 「話をよく聞く」 「承認・称賛・励ましの 言葉を掛ける」 まず,自己存在感をもたせることについてです。具体的には, 一人一人の学びの過程や学習への興味・関心など児童生徒の実態やニーズを把握し,一人一人が力を存分に発揮できる活動の場をつくることです。 また,授業の中で,「その考え,おもしろいね」「なるほどね。その方法もあるよね」など自由な発想や解決方法などを認めることです。 そして,授業者が一人一人を大切にする姿勢を見せ,モデルを示すことです。 例えば,★「〇〇さん」と児童生徒を尊重した呼び方をしたり,「目を見て話す」「話をよく聞く」「承認・称賛・励ましの言葉掛け」などをしたりします。 授業者が意図する,意図しないに関わらず,このような授業者の姿を児童生徒は常に見て,たくさんのことを学んでいます。 このような授業者の働き掛けを積み重ねることで,★授業の中で「Aさんがいてよかった」という相手を認める発言が生まれ,その言葉を受けた児童生徒は他者からの評価により「私は役に立っているな」という有用感を実感します。★
◎共感的人間関係を育成しましょう! ・一人一人を受け入れて褒める。 ・異なる意見や感情を受け入れる姿勢を示す。 ・児童生徒の発言は,言い終わるまで待つ。 授業者の働き掛け 「なるほどね」「素敵な考えだね」 「相づちを打ちながら聞く」 「きっと〇〇と考えたのかな」 いいね,分かるよ ありのままの 自分でよいのだな 受 容 表 現 次に,共感的人間関係を育成することについてです。具体的には, 1つは,一人一人の発言や考えを受け入れて褒めることです。 2つは,自分とは異なる意見や感情を受け入れる,つまり,友達の気持ちや思いを大事にするという姿勢を育てることです。 3つは,児童生徒の意見や感情を大切にするという姿勢を表すために,児童生徒の発言は,言い終わるまで待つことです。 例えば,★「なるほどね」や「素敵な考えだね」など受け入れて褒めたり,相づちを打ちながら聞いたり,「きっと〇〇って考えたんでしょ」と相手の考えを推し量ったり,授業者自らモデルを示すことです。 同時に,児童生徒同士で共感的人間関係を築くことができるように,友達の発言の聞き方や,共感していることを示す表現方法などを指導します。 このような授業者の働き掛けが,★「ありのままの自分でよいのだな」と自分が受け入れられたことを実感し,自分の思いを表現できる安心できる相互の関係が生まれるのです。★
◎自己決定の場を設定しましょう! ・学習課題や解決方法などを決定する機会を提供する。 学習形態や学習場所,振り返りの方法など 【例えば】学習課題や計画,教材,学習方法,表現方法, 学習形態や学習場所,振り返りの方法など 授業者の働き掛け 「複数の学習課題の提示」 「様々な情報収集手段の例示」 「絵,図,グラフ,文章」など 目的に合った表現方法の選択 役割と責任 最後に,自己決定の場の設定についてです。具体的には,学習課題や解決方法などを決定する機会を提供することです。 例えば,★児童生徒の興味・関心,実態に応じた「複数の学習課題の提示」や「様々な情報収集手段の例示」,「絵,図,グラフ,文章など目的に合った表現方法の選択」といった自己決定を促す選択の機会を準備することです。 ★「私はインターネットを使って調べるね」「僕は,図書室の本で調べようかな」など,目的とその効果を考え,試行錯誤しながら決定することで,自分の役割が自覚できたり,責任の伴う言動が促されたりして,有用感が生まれます。 このような有用感の積み重ねが自己存在感を与えることにつながり,自分の役割の自覚や責任を伴う言動が児童生徒同士の信頼感につながります。また,選択場面があることは,自分が選んだ方法等以外を他者が選ぶことがあること,つまり,学び方には多様性があることを知るきっかけとなります。 ★
安心して学ぶことのできる居場所 学級の支持的風土が醸成されると 合理的配慮の 意思表明 以上のような働き掛けを毎時間の授業で行い,積み重ねていくと,★学級の支持的風土の醸成,つまり,★安心して学ぶことのできる居場所づくりへとつながります。 このような学級においては,★支援を要する児童生徒は,合理的配慮の意思表明をしやすくなります。また,合理的配慮の下で,安心して学ぶことができます。 今回の研修で学級の支持的風土を醸成するための,教職員,特に授業者の働き掛けはイメージできましたか。明日からの児童生徒との関わりに生かしていきましょう。★
福岡県教育センター これで研修を終わります。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 研修担当の先生へ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 理論研修はこれで終わりです。時間があれば,次のスライドを使って演習を行ってください。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 福岡県教育センター
心掛けたい「働き掛け」 学級の支持的風土を醸成するためには, 授業者の児童生徒への関わり方がモデルとなります。 演習 学級の支持的風土を醸成するためには, 授業者の児童生徒への関わり方がモデルとなります。 授業場面で目指す関わり方を考えてみましょう。 やってみよう! 心掛けたい「働き掛け」 働き掛け(3つ程度) 思い付くだけ書いてみましょう 演習の目的は,授業場面で目指す関わり方を考えることです。 まずは,個人で,やってみようと思う「働き掛け」を思い付くだけ,ワークシートに書いてみましょう。 次に,それぞれが書いたことをグループまたはペアで交流しましょう。その時,相手の働き掛けで,よいと思うものは,自分のワークシートにメモをしましょう。 最後に,明日から,やってみようと思うことを決めましょう。多くてもそれぞれ3つ程度にしましょう。 考えたことを,グループまたはペアの方に宣言しましょう。 みんなで学級の支持的風土を醸成するために頑張りましょう。これで研修を終わります。 ※このスライドは,プリントアウトすると,ワークシートになります。