ビジネスマナー 電話応対のマナー
電話応対のマナー
電話応対 ビジ ネス電話に要求されるのは、好感度と正確さ、簡潔さです。 今回は電話応対の基本的な流れ、伝言メモの書き方、携帯電話のマナーを確認していきましょう。
電話の受け方の基本 電話の第一声は重要です。 電話での応対は、「明るく」「親切」「丁寧」が基本です。電話に出る時は、通常のトーンよりも少し高めの声が相手に聞きやすく届きます。また、話し中にメモを取れるように、電話の右横にはいつもペンとメモを用意しておいてください。 3回以内に出る 電話が鳴ったら、3回以内に出ます。3回以上鳴ってから出る時は、「大変お待たせしました。○○(社名)でございます」と受けましょう。
電話の受け方の基本 ■相手が社名・氏名を名乗ったら 「いつもお世話になっております」と、たとえ初めての電話でも会社を代表して挨拶するのがマナーです。 ■相手が名乗らない場合 「失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」または、「失礼でございますが、どちら様でいらっしゃいますか」と、相手の名前を確認しましょう。 ■聞き取れない場合 「申し訳ございません。お電話が少々遠いようでございます」または「申し訳ございません。お電話が少々遠いようですが……」 と、聞き取れないことを遠まわしに伝えます。 ■社名のみで名前を名乗らない場合 「株式会社○○のどちら様でいらっしゃいますか」 ■名前しか名乗らない場合 「恐れ入りますが、どちらの△△(名前)様でいらっしゃいますか」
電話の受け方の基本 ■取り次ぎは取り次ぐ相手の名前を確認 相手が「こちらこそお世話になっています。山田課長をお願いします」と名指ししたら、「山田でございますね。かしこまりました」と、こちらの取り次ぐ相手の名前を確認し、「少々お待ちくださいませ」と断ってから、電話機を「保留」状態にします。 社外の相手に対しては、上司でも役職や敬称は省いて「山田」と謙譲表現を使います。役職名をつける場合には「課長の田中でございますね」と言います ■取り次ぐ相手にきちんと伝える 「山田課長、株式会社○○の△△様から×番にお電話が入っております」と、会社名と名前を正確に伝えます。この時、山田課長が取り次いでも大丈夫かどうかを確認し、確実に取り次ぎます。 ■取り次ぐ相手が電話中の場合 「ただいま、山田は他の電話に出ております。終わり次第こちらからお電話いたしますので、お電話番号をお聞かせいただけますでしょうか」 と、相手の電話番号を尋ねてください。
名指し人が不在の時の応対 不在の伝え方は、状況(社内にいるけど席にいない、外出、社内会議中、欠勤、昼食に出かけているなど)によって多少異なります。 ■外出している場合 「申し訳ございません。あいにく山田は外出しております。午後5時30分頃、帰社予定でございます。戻りましたら、ご連絡いたしましょうか」 と、名指し人が電話に出られないことを、会社を代表して謝り、現在の状況を伝えます。そのうえで、相手の意向(折り返し電話が必要か否か)を確認します。「昼食に出かけている」という状況は外出のバリエーションなので、そのまま応用できます。 「申し訳ございません。あいにく山田はお昼に出ております。午後1時半には戻ると思います。戻りましたら、ご連絡いたしましょうか(こちらからお電話を差し上げましょうか)」 遅刻している場合は、相手に山田課長が遅刻していることを知らせる必要はありません。前述した外出中と同じ対応で、「午前11時頃、帰社予定でございます……」と伝えましょう。
不在の時の応対 ■社内会議・接客中の場合 「申し訳ございません。あいにくただいま、会議中でございます。午後5時30分に終わる予定です。会議が終わりましたら、ご連絡いたしましょうか」 と、会議中なので出られないことを伝えます。これが基本の応対です。 ■トイレに行っているなど席を外している場合 「ただ今、席を外しております」と告げ、「いかがいたしましょうか」「戻りましたら、ご連絡差し上げましょうか」「のちほどこちらからおかけしましょうか」など、相手の様子に応じて応対します。ここでは、トイレに行っているとか、給湯室に行っているといった詳細な情報は相手に伝える必要はありません。 ■欠勤の場合 「あいにく、本日、山田は休んでおります。明日、出社しましたら、ご連絡いたしましょうか」 これが応対の基本の1つ。原則として、欠勤の理由を相手に伝える必要はありません。もう1つの基本は伝言です。 「あいにく、本日、山田は休んでおります。よろしければ、ご用件を承りますが……」と切り出す場合は、次の伝言メモを書きます。これは「出張中の場合」も同じ。
電話の基本的な受け答え 電話が鳴る(3コール以内に取る)「 相手が名乗らない 相手が名乗る相手を待たせる 電話を再開する 相手に対するあいづち クレームや、相手の要望に答えられなかったとき 相手の話を理解し返事をするとき、注文を受けるときなど 電話を切る (電話を受けた場合は、相手が切るのを待つ。先に切ることは失礼にあたるので注意) 「はい、○○会社でございます。」 「恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますでしょうか?」 「いつもお世話になっております。」 「少々お待ちください(保留にする)。」 「お待たせいたしました。」 「さようでございますか。」 「申し訳ございません。」 「かしこまりました。」 「失礼いたします。」
指名された人が電話に出られない場合 まずは謝罪、そして取り次げない理由を述べる(ほかに外出中、会議中、電話中など) 指名された人間が何時なら電話できるのか、わかる場合は伝える 指名された人間にこちらから電話をさせる場合 相手の連絡先を聞く場合 伝言を頼まれたら 「申し訳ございません、あいにく○○は席を外しております。 「3時には戻る予定です。」 「まもなく戻ります。」 「戻りましたら、こちらから連絡差し上げるようにいたしましょうか。」 「念のため、(もう一度)お名前とご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか。」 「かしこまりました。」 「はい、承ります。」 (用件をメモし、必ず相手に内容の確認を取ること)最後に「わたくし、△△が承りました。」 (自分の名前を名乗り、あとは挨拶をする)
用件の聞き方・伝言メモの書き方 電話の横にはメモとペンはスタンバイOKですか 名指し人が外出している場合、あるいは欠勤や出張中の場合、こちらが「ご用件を承ります」と申し出、相手が「それでは、お戻り後(出社後)、お電話くださるようお伝えください」「それでは、伝言を残してください」と言ったら、伝言メモが必要。電話をかけてきた相手の社名、氏名、伝言の内容をメモし、連絡先を尋ねます。 「かしこまりました。恐れ入りますが、念のためお電話番号をお願いします」と尋ね、メモ用紙に書き込みます。 「03-XXXX-XXXXです」と相手が告げれば、 「ありがとうございます。それでは復唱します。03-XXXX-XXXX株式会社○○の△△様でいらっしゃいますね。山田が戻りましたら(出社しましたら)確かに申し伝えます。わたくし、○○が承りました。お電話ありがとうございました」 と、伝言内容は必ず復唱しましょう。また、電話を受けた自分の名前を名乗ることで責任の所在を明らかにしましょう。そうすることで信頼が得られ、相手は安心します。
伝言メモのポイント 1.5W3Hでメモする When、Who、Where、What、Whyの5Wに、How、いくら(How much)、どのくらい(How many)の3H加えた5W3Hでメモしましょう。 2.内容は必ず復唱する 3.文章ではなく、箇条書きで要点がわかるようにする 4.メモがあることを口頭でも伝えることで確実性が増す 5.メモの張り方は、会社のルールで スケジュールボードの名前の横に磁石で留める、机の上にセロテープでとめておくなど会社のルールに従って行ってください。
ロールプレイ
仕事で携帯電話を使う際のマナー 最近は、携帯電話をビジネスツールとして駆使するビジネスパーソンが増えています。仕事の用件も携帯電話でやりとりすることが多いですね。その際に気をつけなくてはいけないのがやはりマナーです。 ■大声でのビジネス電話は慎む 歩きながら携帯電話を耳に当て、大声でビジネスのやり取りをしている人をよく見かけます。また、飲食店の中で周囲の人に聞こえるような大きな声で、携帯電話を使って仕事の話をしている人にも遭遇します。どちらも2つの点でマナー違反です。1つは周りの人の迷惑を顧みていないこと、もう1つは会社や仕事上の機密がもれる可能性があることです。前者は社会人としてのマナーですが、後者はビジネスパーソンとしてぜひ気をつけたいマナーです。 ■会議中や商談中はマナーモードに 会議中や商談中の携帯電話の取り扱いも注意。会議中や商談中は、マナーモードやサイレントモードにしておくことがマナーです。また、相手が「電話に出てもかまいませんよ」と言わない限りは、電話に出ないのがマナーです。話している最中に電話に出ると、相手との話を中断させてしまうだけでなく、「礼儀に欠ける人」と低い評価をされてしまいかねません。
仕事で携帯電話を使う際のマナー ■時間帯を選ぶ いくら仕事の電話だといっても、午後11時以降には携帯電話に電話をかけるのは控えましょう。遠距離通勤の人なら、すでに就寝する時間帯。緊急事態が発生してすぐに連絡を取らなければいけない場合以外は、メールで連絡をするか、翌日早朝に連絡しましょう。 ■仕事中の私用電話は厳禁 もちろん、電車の中、映画館や美術館、講演などでは電源をOFFにするか、マナーモードやサイレントモードにしておくのがマナー。かかってきた電話は留守番電話サービスを使って、のちほど用件を聞いて対応してください。 会社にかかってきた電話を受けたら、その人が会社を代表して話すことになります。電話は声を通じた会社の窓口です。顔は見えないため、意識が耳に集中するからでしょうか、話している相手の心理状態がストレートに伝わってきます。「誠実で丁寧」「親しみやすい」「やる気がなさそう」「どこか攻撃的」など、たった1本の電話がその会社の印象を決めてしまうこともあります。顔が見えないコミュニケーションだからこそ、マナーには細心の注意が必要です。