0次元計算による定常高イオン温度STの可能性

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0次元計算による定常高イオン温度STの可能性 目的 TST-2のイオン温度がもっともらしいかの評価(何故Tiは10eVや200eVでないのか?) 定常高イオン温度がSTで可能かどうか?

0次元計算によるイオン温度の予想 用いる式 電子とイオンの閉じ込め時間は同じと仮定する。 ITER IPB98(y,2) tE=0.0562 x HHIp0.93 BT0.15ne0.41P-0.69R1.97M0.19k0.78e0.58   HH=1 P=Ip x 2[V] ne, Te, Ti :const. 式  電子とイオンの閉じ込め時間は同じと仮定する。

TST-2のイオン温度の予想 ne=0.2 x1020m-3の時 tE=2.3 ms tei=0.7 ms 密度が低くなっても Ip=75kA, BT=0.16T,R/a=0.35/0.22=1.6, k=1.4,M=1 定常状態で電子温度、イオン温度の密度に対する依存性 ne=0.2 x1020m-3の時 tE=2.3 ms tei=0.7 ms 密度が低くなっても イオン温度はあがらない。 実験では、50-100eV

定常高イオン温度の可能性 CSのTFの冷却がbottle neckとなると考え、CSの半径を0.15m、TFの電流を600kA Turnとする。すなわちR-a=0.15m。またk=1.6に固定。 Ipはqa=3を満たし、Vloopは2Vに固定。 全体の大きさR+aを変化させたときのイオン温度を計算する。密度は、イオン温度が最大となるものを採用。

計算結果 プラズマの大きさととも(あるいはAが小さくなるに従って)にイオン温度は上昇。 TFのAturnを固定しているので、BtはRとともに減少。 電子への追加熱はTiにはほとんど寄与しない。 Ti~400eVを得るためには、 R~0.7m a~0.5m Ip~800kA Bt0~0.18T ne~2.5x1019m-3 が必要。

まとめ ITER閉じ込め則と温度緩和を考慮した0次元計算を行った。 TST-2のイオン温度が50-100eVであることは、OHで加熱された電子がイオンを(古典的に)加熱すると考えて矛盾ない。 イオン温度は電子密度にあまり依存しない。 定常高イオン温度をSTで実現するのは難しい。 イオンを直接加熱する手段、小さなCSで定常高磁場の維持がカギ 分布の影響はあるはず。但し、簡単には計算できない。